【相談事例】海外生活で自己肯定感が下がったAさん|不安と自己否定が強くなったとき

海外生活を始めてしばらく経った頃、Aさんは「なんかずっと落ち着かない」「ちゃんとやれてる気がしない」と感じる日が増えていきました。仕事や生活は一応まわっているし、周りから見れば問題なさそう。でも心の中では、他人と比べては焦ったり、些細なミスをきっかけに「やっぱり自分はダメだ」と落ち込んだり…。夜になると不安が強くなって、頭の中で反省会が止まらない。そんな状態が続くうちに、自己肯定感がじわじわ削られていったそうです。
話を聞いていくと、Aさんは「弱音を吐いたら迷惑をかける」「ちゃんとしていなきゃ」と自分にかなり厳しく、気持ちを外に出すことをずっと我慢していました。海外という環境の変化や、言葉・文化の違いのストレスが積み重なっても、誰かに素直に頼ることができない。だからこそ、心の中の不安や自己否定が膨らみやすくなっていたんですね。
まず大切にしたのは、答えを急いで出すことよりも、Aさんが抱えてきた気持ちを丁寧に言葉にしていくことでした。「不安になるのは甘えじゃない」「怖いのは当然だよね」と、感情をそのまま受け止めてもらえる体験が増えると、少しずつ表情がやわらいでいきます。自分を否定するクセは、いきなり消えるものではありません。でも、誰かがきちんと聴いてくれる場があるだけで、「このままでも大丈夫かも」と感じられる瞬間が増えていく。Aさんのケースも、そこが回復の第一歩になっていきました。


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■ こんな方におすすめ
・頭の中のモヤモヤを整理したい
・誰にも言えない気持ちを話したい
・安心して話せる場所がほしい
・海外生活や環境の変化に疲れている
・自分のことをもう少し理解したい
■ メッセージ
ここは、批判や評価をされることなく、安心して話せる場所です。
話すことで少し気持ちが軽くなったり、
言葉にすることで自分の本音に気づけることもあります。
うまく話そうとしなくても大丈夫です。
そのままの気持ちで、安心して話しにきてください。
目次
- ○ 海外生活で自己肯定感が下がる原因|不安・孤独・比較が止まらない状態
- ○ 不安と自己否定を整理する第一歩|まずは気持ちを言葉にして聴いてもらう
- ○ 自己肯定感はこう戻っていく|落ち込み方が変わり、不安に飲まれにくくなる
- ○ 海外生活で自己肯定感が下がったときに大切なこと|ひとりで抱え込まない
海外生活で自己肯定感が下がる原因|不安・孤独・比較が止まらない状態
Aさんの話をもう少し丁寧にたどっていくと、自己肯定感が下がったのは「海外だから大変だった」という一言では片付けられない、いくつもの要因が重なっていました。現地での生活は刺激も多く、最初は新鮮さや高揚感もあったそうです。でも、慣れない言語や文化の中で毎日気を張る状態が続くと、体力より先に心がすり減っていきます。買い物ひとつ、役所の手続きひとつでも「間違えないように」と緊張する。人と話すたびに「変に思われてないかな」と気にする。そういう小さなストレスが積み重なっていったのです。
さらにAさんは、もともと「ちゃんとしていたい」「期待に応えたい」という気持ちが強いタイプでした。日本にいた頃は、その真面目さが評価されていたし、周りの空気も読める。だからこそ大きな問題は起きにくかった。でも海外では、同じやり方が通用しない場面が増えます。言葉がうまく出ない、相手の意図が読めない、反応が予想と違う。そういう状況が続くと、「今までできていたはずのことができない」と感じて、自分の価値まで揺らいでしまいやすいんですね。
Aさんの中で特に苦しかったのは、“比較”が止まらなくなったことでした。現地でうまく馴染んでいる人、英語が流暢な人、仕事で結果を出している人を見るたびに、「自分は劣っている」「自分は遅れている」と感じてしまう。頭では「比べても仕方ない」と分かっていても、心が追いつかない。SNSを見れば楽しそうな投稿が流れてきて、「自分だけがしんどいみたい」と孤独感が強くなる。そんなふうに、無意識のうちに自己否定が深くなっていきました。
それでもAさんは、周りに弱音を見せることができませんでした。むしろ「これくらいでしんどいなんて情けない」「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込む方向にいってしまう。しんどさを口にする前に、まず自分で打ち消してしまうんです。誰かに相談しようとしても、「うまく説明できない」「結局甘えてるだけと思われそう」と考えてしまい、言葉を飲み込むことが増えていきました。
そして夜になると、気持ちの逃げ場がなくなりやすい。ふとした出来事を思い出しては「なんであんな言い方をしてしまったんだろう」「もっとちゃんとできたはずなのに」と反省会が始まる。眠ろうとしても頭が動き続けて、朝起きても疲れが取れない。次の日もまた“ちゃんとしなきゃ”と気を張り、また自分を責める。こうしたループが続くうちに、Aさんの中で「私はここにいていいのかな」「私は役に立ててないんじゃないか」という感覚が強くなっていきました。
Aさんが話してくれたのは、「大きな悩みがあるというより、ずっと小さく苦しい感じが続いている」という感覚です。日常は回っている。仕事も行けている。でも“心が安心できる場所がない”。そんな状態が、自己肯定感をじわじわ削っていったんですね。だからこそ、まずはその“じわじわ”の正体を、否定せずに言葉にしていくことが大事になっていきました。
不安と自己否定を整理する第一歩|まずは気持ちを言葉にして聴いてもらう
Aさんの場合、最初に必要だったのは「どうすれば前向きになれるか」を考えることよりも、まず“しんどさが続いている状態”をちゃんと整理できるようになることでした。というのも、Aさんは自分の不安や落ち込みを言葉にしようとすると、すぐに「でも、私が弱いだけかも」「もっと頑張らなきゃ」と自分で打ち消してしまう癖があったからです。つらさを話す前に、自分で否定して終わらせてしまう。これだと、気持ちが外に出ていかず、ずっと心の中に溜まり続けます。
そこでまず大切にしたのは、Aさんが感じていることを“正しい/間違い”でジャッジせずに、そのまま受け止めながら聴いていくことでした。たとえば「不安が強くなる」と言ったときに、「じゃあ気にしないようにしよう」ではなく、「不安が強いときって、どんな場面が多い?」「体の感じはどう?」と、今起きていることを丁寧に言語化していく。するとAさんは少しずつ、「不安って急に来るわけじゃなくて、疲れてるときに出やすい」「人と比べたあとの夜が特にきつい」みたいに、自分の中のパターンに気づけるようになっていきました。
またAさんは「比較が止まらない」「自分だけ遅れている」と感じるたびに、自己否定に落ちていく流れが強かったので、その思考が出てくる瞬間を一緒に見つめ直していきました。ここでもポイントは、いきなり“ポジティブ変換”をしないことです。自己否定が出てくるとき、Aさんの心の奥には「失敗したくない」「認められたい」「ちゃんとしていたい」という切実な願いがありました。だから「自分を責めるクセをやめよう」と急ぐより、「そう思うのって、それだけ頑張ってきた証拠でもあるよね」と、背景にある気持ちを丁寧にすくい上げていくことが、安心につながっていったんです。
さらにAさんは、弱音を吐くことに強い罪悪感がありました。「頼ったら迷惑をかける」「弱いと思われる」と思ってしまう。だからこそ、“安心して話せる場”そのものが、Aさんにとっては大きな意味を持ちました。話している途中で言葉が詰まってもいいし、まとまってなくてもいい。むしろ「まとまってないままでも受け止めてもらえる」体験が積み重なるほど、Aさんの中で緊張がほどけていきました。
この時期に意識したのは、Aさんの中の「自分を追い詰める声」と「本当は助けてほしい声」を分けて聴いていくことです。表面では「もっと頑張らなきゃ」と言いながら、深いところでは「本当はもう疲れている」「ずっと安心したい」と訴えている。その“本当は”の部分に、丁寧に耳を向けてもらえることで、Aさんは少しずつ自分の気持ちを敵として扱わなくなっていきました。
そして小さな変化として出てきたのが、「不安になってもいい」と思える瞬間が増えたことです。不安をなくすのではなく、「不安がある自分」を責める時間が減っていく。これって地味に見えるけど、海外生活のように緊張が多い環境ではものすごく大きい変化です。自己肯定感は、無理やり上げようとすると逆に苦しくなることがあります。でも、気持ちをちゃんと聴いてもらい、理解される体験が増えると、自然と心が立て直されていく。Aさんはまさにそのプロセスを辿っていきました。
自己肯定感はこう戻っていく|落ち込み方が変わり、不安に飲まれにくくなる
Aさんの中で一番大きかった変化は、「不安や自己否定が出てきたときに、以前ほど飲み込まれなくなった」ことでした。海外生活が続く限り、緊張する場面や、うまくいかない出来事がゼロになるわけではありません。言葉が通じにくい瞬間もあるし、文化の違いに戸惑う日もある。だからAさんの不安が完全になくなった、というよりは、「不安が出ても、そこから一気に“自分はダメだ”まで落ちていく回数が減った」という変化が起きていきました。
たとえば以前なら、ちょっとした言い間違いや相手の反応ひとつで、「やっぱり自分は向いてない」「自分だけできてない」と頭の中で反省会が止まらなくなっていました。でも少しずつ、「今の私は疲れてるだけかもしれない」「これは慣れない環境なら普通に起きること」と、気持ちを整理する余白が生まれていきました。自己肯定感って、急に上がるというより、こういう“落ち込み方が変わる”ことで戻ってくる面が大きいんですよね。
比較に関しても変化がありました。Aさんは、周りの人を見るとすぐに「自分は劣っている」と感じていたのですが、途中から「比べたくなるのは、それだけ頑張りたい気持ちがあるから」と捉え直せるようになりました。比較を完全にやめるのは難しくても、「比較=自分を責めるスイッチ」にならなくなっていく。それだけで心の消耗はかなり減っていきます。SNSを見る頻度を少し落としたり、夜に考え込みやすい日はスマホを置いて早めに休むなど、Aさん自身が“自分を守る工夫”を選べるようになっていったのも大きかったです。
もうひとつ印象的だったのは、「頼ること」へのハードルが下がったことでした。Aさんは以前、弱音を吐くことに強い抵抗がありましたが、少しずつ「全部一人で抱えなくてもいい」「しんどいと言っても関係が壊れるわけじゃない」と体感できるようになっていきました。現地の友人や身近な人に、ほんの少しだけ気持ちを話せる日が増えたことで、孤独感がやわらぎ、心のバランスが取りやすくなっていったんです。
最終的にAさんは、「自分を好きになれた!」という劇的な変化というよりも、「自分を必要以上に責めなくなった」「しんどいときに立ち止まれるようになった」という、地に足のついた回復に辿り着きました。海外生活は今も続いていますが、Aさんの中には“揺らいでも戻れる感覚”が少しずつ育っていった。自己肯定感は、強くなるというより“折れにくくなる”ものなのかもしれない。Aさんの事例は、そんなことを教えてくれるケースでした。
海外生活で自己肯定感が下がったときに大切なこと|ひとりで抱え込まない
海外生活で自己肯定感が下がってしまうのは、珍しいことではありません。むしろ、環境が大きく変わるときほど、心は“今までのやり方”が通用しなくなって揺れやすくなります。言葉や文化の違い、孤独感、周りとの比較。そうした日々の小さなストレスが積み重なると、「自分が弱いから」と思ってしまいがちですが、Aさんのように“ちゃんと頑張っている人ほど”自己否定に引っ張られやすいことも多いんです。
もし今、「不安が強い」「自分を責めるのが止まらない」と感じているなら、いきなり前向きになろうとしなくて大丈夫です。大事なのは、落ち込む自分を追い払うことではなく、まず“何がつらいのか”を丁寧に言葉にしていくこと。頭の中だけで抱えると、気持ちはどんどん膨らんでいきます。でも、誰かに聴いてもらったり、自分の中で整理できるようになると、「しんどいけど、このままでは終わらないかも」という余白が生まれます。
Aさんも、最初から自信が戻ったわけではありません。ただ、「不安が出ても一気に自分を否定しない」「しんどいときは休む」「比べすぎる前に立ち止まる」など、小さな選択を積み重ねたことで、心の折れ方が変わっていきました。自己肯定感は、頑張って無理に上げるよりも、“揺れたときに戻れる力”が育っていくことで安定していくことがあります。
もしあなたが今、海外生活の中で「自分がちっぽけに見える」「ここにいていいのか分からない」と感じているなら、その感覚はあなたの努力が足りない証拠ではなく、心がちゃんと反応しているサインかもしれません。ひとりで抱え込まず、まずは気持ちをそのまま話せる場所を持ってみてください。気持ちを丁寧に聴いてもらえる体験は、それだけで“自分を責める時間”を少しずつ減らしてくれます。





