「新年度が怖い…」クラス替えに不安を感じるママへ|先回りの不安との向き合い方

春が近づくと、少しずつ気持ちが落ち着かなくなることはありませんか。
「やっと今の環境に慣れてきたのに、また振り出しに戻るかもしれない」
そんなふうに、まだ起きていない未来を何度も考えてしまうことがあります。
今回お話を伺ったのは、関東にお住まいの30代女性・Tさん。
小学生の息子さんを育てていて、いわゆる発達グレーゾーンの特性を感じながら日々向き合っておられます。
これまでの一年で、少しずつ学校生活が落ち着き、
トラブルも減り、安心できる時間が増えてきました。
それでも、新年度やクラス替えが近づくにつれて、
「また最初からやり直しになるかもしれない」
そんな不安が強くなっていったといいます。
今はうまくいっているのに、その安心を十分に感じきれない。
その感覚が、いちばんしんどかったと話してくださいました。


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イライラ、疲れ、悲しさ、逃げたい気持ちも、無理に隠さなくて大丈夫です。元教員としての経験と、発達特性のある子どもを育てる親としての経験を活かしながら、正解を押しつけるのではなく、あなたの今の気持ちを丁寧にお聴きします。
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相談事例に登場する人物や背景、具体的な状況はすべて架空のものです。特定のご相談者様のお話を記事にしたものではありません。
それぞれの事例は、よりびとが日頃よくお受けするご相談のテーマや、お悩みの傾向をもとに作成しています。ご自身と重なる部分を見つけたり、「こんなことを話してもいいんだ」と感じていただくための参考としてお読みください。
ご相談いただいた内容が、そのまま記事として掲載されることはありませんので、どうぞ安心してお話しください。
目次
- ○ 新年度が近づくと、不安が大きくなる理由
- ・「今は大丈夫」なのに安心できない理由
- ・頭の中で繰り返される「まだ起きていない不安」
- ・不安の奥にある「守りたい気持ち」
- ○ 不安の正体に気づいたとき、見え方が変わり始める
- ・「やっと落ち着いたのに」という気持ちの重み
- ・不安は「未来」ではなく「過去」から来ている
- ・気持ちを整理することで「今」に戻れる
- ○ 不安に飲み込まれないための「視点の切り替え方」
- ・「まだ起きていないこと」と「今起きていること」を分ける
- ・「うまくいっていること」に意識を向けてみる
- ・「またゼロから」ではなく「積み重ねがある」という見方
- ○ 不安があっても、そのまま新しい一歩を踏み出していい
- ・不安を「なくすもの」から「一緒にあるもの」へ
- ・「今できていること」を積み重ねていく
- ・新しい環境でも「これまでの自分たち」が支えてくれる
- ○ 読者へのメッセージ
新年度が近づくと、不安が大きくなる理由
春が近づき、クラス替えや新しい環境を意識し始めたとき、心がざわざわすることはありませんか。
とくに、これまで時間をかけて少しずつ落ち着いてきた状況があると、「また最初からやり直しになるかもしれない」という思いが強くなりやすいものです。
今回お話を伺ったTさんも、まさにその状態でした。
息子さんは発達グレーゾーンの特性があり、これまでの学校生活の中で、少しずつ環境に慣れ、友達関係も安定してきていました。
だからこそ、「やっとここまで来たのに」という気持ちと同時に、「もしまたうまくいかなかったらどうしよう」という不安が大きくなっていきます。
実際には何も起きていないのに、頭の中ではいくつもの不安な未来が繰り返されてしまう。
その結果、今うまくいっている現実よりも、まだ起きていない“もしも”の方に意識が引っ張られてしまうのです。
このような状態は決して特別なものではなく、大切に思っているからこそ起こる自然な反応でもあります。
では、なぜここまで不安が膨らんでしまうのでしょうか。
「今は大丈夫」なのに安心できない理由
Tさんは、現在のクラスでは落ち着いて過ごせる日が増え、仲の良い友達もできていました。
周囲から見れば「順調」と感じられる状況です。
それでも心の中では、「この状態が続く保証はない」と感じてしまいます。
人は、一度苦労して乗り越えた経験があるほど、「また同じことが起きるかもしれない」という予測を強く持つようになります。
これは自分や大切な人を守ろうとする自然な働きでもあります。
ただ、その予測が強くなりすぎると、「今うまくいっている」という事実よりも、「崩れるかもしれない未来」の方がリアルに感じられてしまうのです。
Tさんも、「安心したいのに安心できない」という状態にしんどさを感じていました。
安心は状況だけでなく、「心の受け取り方」によっても変わります。
そのため、状況が整っていても、不安が消えないことは十分に起こりうるのです。
頭の中で繰り返される「まだ起きていない不安」
不安が強くなっているとき、頭の中では同じような考えが何度も繰り返されています。
「またうまくいかなくなるかもしれない」
「トラブルが増えたらどうしよう」
「最初からやり直しになったら…」
こうした思考は、気づかないうちに“最悪のシナリオ”を前提に進んでいきます。
Tさんも、まだ何も起きていない段階で、これから先の困難を何度も想像してしまい、気持ちが落ち着かない状態が続いていました。
ここで大切なのは、「考えている内容」よりも「その状態に気づけるかどうか」です。
人は不安が強くなると、未来の想像と現実の区別が曖昧になりやすくなります。
その結果、「起きていないこと」に心と体が強く反応してしまうのです。
まずは「今、頭の中で未来の心配をしているな」と気づくだけでも、少し距離が生まれます。
それが、不安に飲み込まれすぎないための第一歩になります。
不安の奥にある「守りたい気持ち」
Tさんの話を丁寧にたどっていくと、不安の奥にははっきりとした想いがありました。
それは、「これ以上つらい思いをさせたくない」という気持ちです。
これまでの一年間、息子さんと一緒に積み重ねてきた経験があるからこそ、同じような苦労をもう一度繰り返すことへの怖さが強くなっていました。
つまり、不安は単なるネガティブな感情ではなく、「大切に思っている証拠」でもあるのです。
この視点を持てると、不安を無理に消そうとするのではなく、「そう感じるのも自然だよね」と少し受け止めやすくなります。
不安を敵のように扱うのではなく、その背景にある気持ちに目を向けること。
それだけでも、心の緊張は少しずつやわらいでいきます。
そしてその余白が、「今うまくいっていること」に目を向けるきっかけにもつながっていくのです。
不安の正体に気づいたとき、見え方が変わり始める
不安が強くなると、「どうすれば消せるか」「どうすれば考えないで済むか」と対処しようとすることが増えます。
でも実際には、不安は無理に消そうとするほど、かえって強く意識されてしまうことも少なくありません。
Tさんも最初は、「この不安をなんとかしなきゃ」と思っていました。
けれど、お話を重ねていく中で少しずつ気づいていきます。
「これは未来の問題というより、これまでの経験から来ているのかもしれない」と。
これまでの大変だった時期、うまくいかなかった記憶、何度もやり直してきた積み重ね。
その一つひとつが、「また同じことが起きたらどうしよう」という思いにつながっていました。
つまり、不安の正体は“これから起きること”ではなく、“これまでの経験”だったのです。
この視点を持てたことで、Tさんの中で少しずつ変化が生まれていきました。
不安そのものをなくすのではなく、「どうしてそう感じているのか」に目を向けることが、心を整えるきっかけになっていきます。
「やっと落ち着いたのに」という気持ちの重み
Tさんが何度も口にしていた言葉があります。
「やっと落ち着いてきたのに、また崩れるのが怖いんです」
この言葉には、これまでの時間と努力がぎゅっと詰まっていました。
一見すると「不安が強い状態」に見えますが、その背景には「ここまで頑張ってきた」という事実があります。
人は、苦労して手に入れたものほど、「失いたくない」という気持ちが強くなります。
それはとても自然なことです。
だからこそ、不安を単なるマイナスなものとして扱うのではなく、「それだけ大切に思っているんだな」と受け取ることも大切です。
Tさんも、この言葉をあらためて自分の中で感じ直したとき、
「怖いと思うのも無理ないですよね」と少し自分にやさしくなれた様子がありました。
気持ちを否定しないことは、それだけで心の力を抜くきっかけになります。
不安は「未来」ではなく「過去」から来ている
不安というと、つい「これから起きることへの心配」と捉えがちです。
でも実際には、その多くが「過去の経験」をもとに作られています。
Tさんの場合も、「クラス替え=また大変になるかもしれない」というイメージは、これまでの経験から自然に生まれていました。
つまり、未来を予測しているようでいて、実は過去をなぞっている状態です。
このことに気づくと、「まだ起きていない未来」に対する見え方が少し変わってきます。
未来はまだ決まっていないもの。
一方で、過去はすでに乗り越えてきたものです。
Tさんも、「あのときも大変だったけど、なんとかやってこれた」と振り返ることができたことで、
不安だけでなく、自分たちの力にも目を向けられるようになっていきました。
不安に気づくことは、同時にこれまでの積み重ねに気づくことでもあります。
気持ちを整理することで「今」に戻れる
お話をしていく中で、Tさんはこんな言葉を口にされました。
「まだ何も起きていないんですよね」
とてもシンプルな一言ですが、ここには大きな変化があります。
それまでは、「起きるかもしれない未来」に気持ちが引っ張られていました。
でもこの言葉が出たとき、意識が「今」に戻ってきていたのです。
気持ちが不安でいっぱいのときは、どうしても未来に意識が偏りやすくなります。
だからこそ、「今、何が起きているか」を言葉にしてみることが大切です。
・今は落ち着いて過ごせている
・友達との関係も安定している
・トラブルも減っている
こうした事実に目を向けることで、現実と想像のバランスが少しずつ整っていきます。
Tさんも、この整理を通して、「今うまくいっていること」に気づき直すことができました。
不安をなくすのではなく、今の現実に戻る。
その積み重ねが、心を少しずつ楽にしていくのです。
不安に飲み込まれないための「視点の切り替え方」
不安の正体に気づいても、すぐに気持ちが楽になるわけではありません。
「頭ではわかっているけど、やっぱり不安になる」
そんな感覚が残ることも多いものです。
Tさんも同じでした。
これまでの経験から来ている不安だと理解できても、ふとした瞬間にまた心配が浮かんできます。
ここで大切になってくるのは、「不安をなくすこと」ではなく、「不安との付き合い方を変えること」です。
不安があること自体は問題ではなく、その不安にどう向き合うかによって、心の負担は大きく変わります。
Tさんは、お話を重ねる中で、「未来の想像」と「今の現実」を分けて考えることを少しずつ意識するようになりました。
その結果、不安に引っ張られすぎず、「今できること」に目を向けられる時間が増えていきます。
完璧に気持ちをコントロールするのではなく、少しだけ距離を取る。
その小さな変化が、心の余裕につながっていきました。
「まだ起きていないこと」と「今起きていること」を分ける
不安が強いとき、頭の中では未来の出来事がまるで現実のように感じられます。
「きっとまた大変になる」
「うまくいかないかもしれない」
こうした思考が続くと、まだ起きていないことに対して、すでに疲れてしまうこともあります。
Tさんも、未来の不安を何度も思い浮かべることで、気持ちが落ち着かない状態が続いていました。
そこで意識したのが、「これは今起きていることか、それともまだ起きていないことか」と分けて考えることです。
たとえば、
・クラス替えはこれから起きること
・今は落ち着いて過ごせている
このように整理するだけでも、頭の中の混乱が少しずつ整っていきます。
すぐに不安がなくなるわけではありませんが、「今」に戻るきっかけをつくることができます。
このシンプルな切り分けが、気持ちを落ち着かせる大きなポイントになっていきました。
「うまくいっていること」に意識を向けてみる
不安が強いとき、人はどうしても「うまくいっていないこと」や「問題が起きる可能性」に目が向きやすくなります。
その結果、実際には順調な部分があっても、それが見えにくくなってしまいます。
Tさんの場合も、これまでの一年で確実に変化がありました。
息子さんは環境に慣れ、トラブルも減り、安心できる時間が増えていました。
それでも、不安が大きいときは、その事実よりも「また崩れるかもしれない」という思いが強くなってしまいます。
そこで意識したのが、「今うまくいっていること」をあえて言葉にしてみることでした。
・今日は落ち着いて過ごせていた
・友達と楽しそうに話していた
・トラブルなく一日を終えられた
こうした小さな事実を拾っていくことで、「今の現実」に少しずつ重心が戻ってきます。
不安を消すのではなく、安心できる材料にも目を向ける。
そのバランスが、心を安定させていきます。
「またゼロから」ではなく「積み重ねがある」という見方
Tさんの中で大きな変化があったのは、この視点でした。
「またゼロからやり直しになるかもしれない」
という考えから、
「これまで積み上げてきたものがある」
という見方へと少しずつ変わっていったのです。
たしかに、クラス替えによって環境は変わります。
でも、これまでの経験や積み重ねがすべて消えるわけではありません。
むしろ、これまで乗り越えてきたことは、そのまま力として残っています。
Tさんも、「あのときも大変だったけど、ちゃんとやってこれた」と振り返る中で、
不安だけでなく、自分たちの歩んできた道にも目を向けられるようになりました。
この視点を持てると、「また最初から」ではなく、「ここから続いていく」という感覚に変わっていきます。
未来に対する見え方が少し変わるだけで、気持ちの負担は大きく軽くなります。
そしてその変化が、「不安があっても進める」という安心感につながっていくのです。
不安があっても、そのまま新しい一歩を踏み出していい
ここまで気持ちを整理してきても、不安が完全になくなるわけではありません。
Tさんも、「もう大丈夫」と言い切れる状態になったわけではありませんでした。
それでも少しずつ変わっていったのは、不安の“扱い方”でした。
以前は、不安が出てくるたびに飲み込まれてしまい、
「どうしよう」「またうまくいかなかったら」と、気持ちが未来に引っ張られていました。
でも、「これは過去の経験から来ているものなんだ」と気づき、
「今はどうか」という視点に戻れるようになったことで、不安と少し距離を取れるようになっていきます。
不安があること自体を問題にしなくなったとき、
「不安があっても大丈夫」と思える余白が生まれていきます。
新年度は、たしかに環境が変わるタイミングです。
けれど、それは“すべてがリセットされる”ということではありません。
これまで積み重ねてきたものを持ったまま、次の一歩に進んでいく。
その感覚を少しずつ持てるようになったことが、Tさんにとって大きな変化でした。
不安を「なくすもの」から「一緒にあるもの」へ
これまでのTさんは、不安が出てくるたびに「消さなきゃ」と感じていました。
でも、不安は無理に消そうとすると、かえって意識が向いてしまうことがあります。
気づけば、ずっとそのことを考えてしまう状態になることも少なくありません。
そこで少し視点を変えて、「不安があってもいい」と捉えてみることが大切になってきます。
たとえば、
「また不安になってるな」
「それだけ大事に思ってるんだな」
そんなふうに、少し距離を取って見てみる。
Tさんも、「不安があるままでもいいんですよね」と言葉にできたとき、
肩の力が少し抜けたような表情をされていました。
不安をゼロにしようとしなくていい。
それだけでも、心の負担はぐっと軽くなります。
「今できていること」を積み重ねていく
不安が強いときほど、「これからどうなるか」に意識が向きがちです。
でも、実際に心を支えてくれるのは、「今できていること」です。
Tさんは、日常の中でこんなことに目を向けるようになりました。
・今日も落ち着いて過ごせた
・安心して学校に行けている
・トラブルなく一日を終えられた
一つひとつは小さなことかもしれません。
でも、その積み重ねが確実に「これまで」を作ってきました。
未来のことはコントロールできなくても、今の積み重ねは確かに存在しています。
「これだけやってこれた」という実感は、不安を完全に消すものではありませんが、
心の支えとしてじわじわ効いてきます。
だからこそ、まずは今の一日を見てあげること。
それが、自然と次の一歩につながっていきます。
新しい環境でも「これまでの自分たち」が支えてくれる
クラス替えや新年度は、どうしても「未知のもの」として感じやすいものです。
だからこそ、「また最初からやり直しになるかもしれない」という不安が出てきます。
でも実際には、これまでの経験がすべてなくなるわけではありません。
環境は変わっても、
・これまでの関わり方
・乗り越えてきた経験
・少しずつ身につけてきた力
こうしたものは、そのまま続いていきます。
Tさんも、「ゼロからじゃないんですよね」と言葉にできたとき、
少し安心した表情を見せていました。
新しい環境はたしかに不安もあります。
でも同時に、「これまでの自分たち」がちゃんとそこにいるということも忘れなくて大丈夫です。
すべてが変わるわけではない。
その感覚を持てるだけで、新しい一歩の重さは少し軽くなります。
そして、不安がありながらでも進んでいけるという実感が、
これからの安心につながっていきます。
読者へのメッセージ
新年度やクラス替えの時期は、どうしても気持ちが揺れやすくなります。
「またうまくいかなかったらどうしよう」
「今の安心がなくなってしまったら…」
そんなふうに感じるのは、それだけ大切に向き合ってきた証拠でもあります。
不安をなくそうとしなくて大丈夫です。
不安があるままでも、一歩ずつ進んでいくことはできます。
そしてもし、ひとりで考えているとぐるぐるしてしまうときは、
誰かに言葉にしてみることで、気持ちが少し整理されることもあります。
傾聴ラウンジ「ここより」では、
あなたのペースで、今感じていることをそのまま話せる時間を大切にしています。
答えを出す場所ではなく、
「どう感じているのか」にゆっくり気づいていく場所です。
まとまっていなくても大丈夫です。
不安な気持ちのままでも、安心して話せる場があります。
ひとりで抱え続けなくていい。
そう思えたとき、少しだけ呼吸が楽になるかもしれません。
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