ブログ(こころの不思議)

Blog

介護から逃げたいと思うのは冷たい?限界のサインを見逃さないために

介護から逃げたいと思うのは冷たい?限界のサインを見逃さないために

「もう介護から逃げたい」「今日は親の顔を見るのもしんどい」。そんな気持ちが浮かんだあとで、「家族なのにこんなことを思うなんて」「私がもっと頑張らなければ」と、自分を責めてしまうことはありませんか。

親の食事や着替え、通院、服薬、見守り。仕事や家事をしながら介護を続けていると、自分の予定を後回しにすることが増え、気づかないうちに心も体も疲れていきます。いつ終わるのか分からない状況の中で毎日対応していれば、「少し離れたい」「もう何もしたくない」と感じる日があっても不思議ではありません。

「介護から逃げたい」という気持ちは、親を大切に思っていないから生まれるとは限りません。むしろ、私たちが長い間無理を重ね、休む余裕がなくなっていることを知らせるサインとして現れる場合があります。

それでも、「家族だから」「私しかいないから」と疲れを見ないふりをしていると、些細なことでイライラしたり、眠れなくなったり、介護のことを考えるだけで気持ちが重くなったりすることがあります。

この記事では、介護から逃げたいと感じる自分を責めるのではなく、その気持ちの奥にどのような負担が積み重なっているのかを整理しながら、「もう限界かもしれない」というサインを見逃さず、私たち自身を守るためにできることを考えていきます。

傾聴ラウンジ「ここより」はこちら

この記事、1分でわかります。

「全部読む時間はないけど、内容は知りたい」
そんな方のために、この記事のポイントを約1分のショート動画にまとめました。

音声なしでも内容がわかる動画なので、電車の中や職場、外出先でも安心。
イヤホンを使わず、気になったときにサッと確認できます。

まずは動画で要点をチェック。
もっと詳しく知りたいところがあれば、本文でゆっくり読んでみてください。

投稿者プロフィール

佐藤 公俊
佐藤 公俊心理カウンセラー
■ 一言キャッチコピー

ストレス・人間関係・自己肯定感の悩みに寄り添い、“話を聴いてもらえる安心”から考え方のクセを整える心理カウンセラー

■ 経歴・実績

心理カウンセラーとして、ストレス、不安、うつ傾向、人間関係、自己肯定感の低さ、仕事やキャリアの悩みなど、幅広いご相談に対応しています。

オンラインを中心にカウンセリングを提供し、安心して本音を話せる時間を大切にしています。

また、人材紹介会社にてキャリアコンサルタントとして転職相談に従事してきた経験もあり、仕事の悩みやキャリアの迷い、職場での人間関係についても、現実的な視点を持ちながらサポートしています。

■ 保有資格

産業カウンセラー

■ 主な相談内容

ストレス・メンタル不調
不安・うつ・気分の落ち込み
職場・家族・恋愛などの人間関係の悩み
自己肯定感の低さ・自己否定
HSP気質・繊細さによる生きづらさ
仕事の悩み・キャリアの迷い
本音が言えない・自分の気持ちが分からない悩み
誰かに話を聴いてほしい時の気持ちの整理

■ カウンセリングの特徴・強み

私が大切にしているのは、まず安心して話せることです。

悩みを抱えている時、人はすぐに答えがほしいとは限りません。アドバイスよりも先に、「まずは話を聴いてほしい」「分かってほしい」と感じていることがあります。

そのため、否定せず、急かさず、話がまとまっていなくても受け止めることを大切にしています。

そのうえで、ストレスや不安の背景にある気持ちを一緒に整理し、自分でも気づきにくい“考え方のクセ”や“認知の歪み”に気づけるようサポートします。

ただ聴くだけで終わるのではなく、話すことで心を整え、必要に応じて日常で実践できる具体的な対処法も一緒に考えていきます。

■ アプローチ方法

クライアント中心療法、来談者中心療法を大切にしながら、認知行動療法、CBTの考え方も取り入れています。

特に、感情・思考・行動のつながりを一緒に見える化し、ストレスや不安が強くなるパターンを整理していきます。

「なぜ同じことで悩みやすいのか」
「どうして自分を責めてしまうのか」
「人間関係で疲れやすい理由は何か」

そういった部分を、無理に決めつけるのではなく、対話を通して一緒に見つけていきます。

■ カウンセラーになったきっかけ

子どもの頃から、自分の気持ちや「嫌だ」という思いをうまく言えない環境で育ちました。

本当はつらいと感じていても、それを言葉にすることが難しく、気持ちを飲み込んでしまうことが多くありました。

その経験から、「自分の気持ちを安心して話せる場所があること」「否定されずに話を聴いてもらえること」が、人にとってどれほど大切なのかを、身をもって感じるようになりました。

大人になってからは、人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして転職相談に携わりました。

そこでは、仕事の悩みやキャリアの迷いだけでなく、職場の人間関係、将来への不安、自信のなさなど、さまざまな思いを抱えた方のお話を聴く機会が多くありました。

相談を受ける中で感じたのは、多くの方が「答え」だけを求めているわけではないということです。

まずは自分の気持ちを整理したい。誰にも言えなかった不安を聴いてほしい。否定されずに、今の思いを受け止めてほしい。

そういった気持ちを抱えながら、一人で頑張っている方がたくさんいることを実感しました。

話を聴いてもらうことで、表情が少し和らいだり、自分の本音に気づいたり、次の一歩を考えられるようになったりする姿を見て、傾聴には人の心を支える力があると感じました。

子どもの頃に感じていた「うまく言えない苦しさ」と、キャリア相談の現場で出会った「誰かに聴いてほしい思い」。

その両方の経験が重なり、安心して本音を話せる場所をつくりたい、一人で抱え込んでいる方の力になりたいと思うようになったことが、心理カウンセラーを目指したきっかけです。

■ 大切にしていること

安心して本音を話せる場づくり
否定せず、そのままを受け止めること
一人ひとりの価値観やペースを尊重すること
話すことで心を整える時間を大切にすること
「話してもいいんだ」と感じられる経験を積み重ねること

■ メッセージ

ストレスや不安、人間関係の悩みの多くは、自分でも気づかない“考え方のクセ”が影響していることがあります。

ただ、そのクセに気づくためには、まず安心して話せることが大切です。

整体で身体を整えるように、心もまた、話すことで少しずつ整っていくことがあります。

「こんなことで相談していいのかな」
「うまく話せるか分からない」
「誰かに聴いてほしいけれど、身近な人には話しにくい」

そんな段階でも大丈夫です。

話がまとまっていなくても、同じ話を繰り返しても、途中で言葉に詰まってもかまいません。

安心して話せる場所として、そして自分の本音に気づき、少しずつ自分らしく生きるための時間としてご利用ください。

目次

「介護から逃げたい」と思うほど、頑張り続けていることがあります

「介護から逃げたい」と思うほど、頑張り続けていることがあります

親の介護をしていると、「家族なのだから支えたい」「できるだけ自宅で過ごさせてあげたい」という気持ちがある一方で、「もう介護から逃げたい」「今日は何もしたくない」と感じることがあります。

そんな気持ちが浮かぶと、私たちはすぐに「親を見捨てようとしているのでは」「こんなことを思う私は冷たい」と、自分を責めてしまいがちです。

けれど、介護は一日だけ頑張れば終わるものではありません。食事、服薬、通院、見守り、家事の手伝いなど、小さな対応が毎日のように続きます。仕事や自分の家庭を抱えながら介護している場合は、休んでいるつもりでも頭のどこかで親のことを気にしていることもあるでしょう。

「逃げたい」という言葉だけを見ると、とても強く感じます。しかし、その奥には「少し休ませてほしい」「誰かに代わってほしい」「自分の時間もほしい」という切実な気持ちが隠れていることがあります。

まずは逃げたいと思った自分を責めるより、「それほど今の私は疲れているのかもしれない」と、自分の状態に目を向けることから始めてみましょう。

親を大切に思っていても、介護から離れたくなることはあります

親を大切に思う気持ちと、介護から離れたい気持ちは、どちらか一方しか持てないものではありません。

「できることはしてあげたい」と思いながら、「今日は誰にも話しかけられずに一人で過ごしたい」と感じることもあります。「親が心配」という気持ちがありながら、「電話が鳴るだけで身構えてしまう」ということもあるでしょう。

私たちは、自分の中に相反する気持ちがあると、「本当はどちらなのだろう」と悩んでしまいます。しかし、人の気持ちはもっと複雑です。

介護を続けているからこそ疲れることがあります。大切な存在だからこそ、期待に応えられない自分を責めてしまうこともあります。

特に、これまで親との関係を大切にしてきた方ほど、「最後まで自分が支えなければ」という思いが強くなりやすいかもしれません。

けれど、愛情があることと、無限に頑張れることは別です。

「離れたい」と感じたときは、親への気持ちを疑うのではなく、「今の生活の中で、私たちが抱えられる量を超えていないだろうか」と考えてみることが大切です。

少し距離を取ることや、誰かに任せることも、親を大切にする方法の一つです。私たち自身が倒れてしまわない形で関わり続けることも、介護には必要です。

「家族だからやるべき」が、知らないうちに負担を大きくすることがあります

介護では、「家族なのだから当然」「親には育ててもらったのだから、今度は私が支える番」と考えることがあります。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。親への感謝や責任感が、介護を続ける力になることもあります。

ただ、「家族だからやらなければならない」という思いが強くなりすぎると、自分の疲れを認めにくくなります。

本当は休みたいのに、「今日は行けない」と言えない。兄弟姉妹に手伝ってほしいのに、「自分がやったほうが早い」と抱え込む。介護サービスを利用できる状況でも、「他人に任せるのは申し訳ない」とためらう。

こうした小さな我慢が積み重なっていくと、いつの間にか私たちの生活から自由な時間が減っていきます。

介護が生活の一部ではなく、生活のほとんどを占めるようになると、「自分の人生はどこへ行ったのだろう」と感じることもあります。

そんなときは、「家族だから何でもしなければ」ではなく、「家族だからこそ、無理のない形で関わるにはどうしたらいいだろう」と考え直してみてもよいのです。

できることと、できないことがあって当然です。家族であっても、私たちには仕事や生活、自分の時間があります。

すべてを引き受けることだけが愛情ではありません。続けられる形を探すことも、家族としてできる大切な選択です。

罪悪感で「疲れている」というサインを見えなくしないこと

介護から逃げたいと思ったとき、多くの方が次に感じるのが罪悪感です。

「もっと大変な人もいる」
「親本人のほうがつらいはず」
「私はまだ恵まれている」

そんなふうに自分へ言い聞かせて、疲れている気持ちを小さくしてしまうことがあります。

けれど、誰かと比べて自分の疲れがなくなるわけではありません。

睡眠時間が少なくなっている、自分の予定を何度も変更している、仕事中も親からの連絡が気になっている。こうした状態が続けば、心や体に負担がかかるのは自然なことです。

それでも「疲れたと言ってはいけない」と我慢していると、私たちは自分の変化に気づきにくくなります。

以前なら気にならなかった一言に強くイライラする。介護の予定が近づくだけで気分が重くなる。一人になった瞬間、何もする気が起きない。

こうした変化があるなら、「もっと頑張らなければ」と自分を追い込む前に、少し立ち止まってみることが大切です。

「今日は疲れている」
「本当は休みたい」
「誰かに代わってほしい」

そう思っている自分を否定しないこと。それは介護を投げ出すことではなく、私たち自身の状態を知るための大切な確認です。

逃げたいという気持ちの奥にある疲れを認められるようになると、次は「今の私たちに、どんな限界のサインが出ているのか」を具体的に見ていくことができます。

心と体に出ている「もう余裕が少ない」のサインを見逃さないこと

心と体に出ている「もう余裕が少ない」のサインを見逃さないこと

介護を続けていると、ある日突然限界になるというよりも、その前から小さな変化が少しずつ現れていることがあります。

以前なら受け流せた親の言葉に強くイライラするようになったり、夜になっても介護のことが頭から離れず眠れなくなったり、休みの日なのに何もする気が起きなかったり。私たちは「疲れているだけ」「まだ大丈夫」と思いながら、その変化を見過ごしてしまうことがあります。

特に責任感が強い方ほど、「親のほうが大変なのだから」「これくらいで弱音を吐けない」と、自分の状態を後回しにしやすいものです。

けれど、心や体に現れる変化は、私たちが無理を重ねていることを知らせる手がかりになります。

大切なのは、「この症状があれば限界」と決めつけることではありません。いつもの自分と比べて、疲れ方や気持ちに変化が続いていないかを確認することです。

「最近ちょっと違うな」と感じたときこそ、さらに頑張るのではなく、休む時間を増やしたり、誰かに負担を分けたりするタイミングかもしれません。

些細なことで強くイライラするようになったら、疲れの積み重なりを振り返る

介護をしていると、親の何気ない一言や行動に、思っていた以上に腹が立つことがあります。

「また同じことを言っている」
「どうして今それをするの?」
「もう少しこちらのことも考えてほしい」

以前なら穏やかに対応できたことなのに、最近は声を聞いただけでイライラする。そんな自分に気づくと、「私の性格が悪くなったのかな」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。

けれど、その怒りだけを見て自分を責める必要はありません。

介護以外にも、仕事、家事、子育て、通院の付き添い、家族との調整など、いくつもの負担が重なっていることがあります。ひとつひとつは小さく見えても、それが毎日続けば心の余裕は少しずつ減っていきます。

私たちの中に余裕があるときは流せることでも、疲れがたまっていると強く反応してしまうことがあります。

そんなときは、「親に腹が立つ自分」を責めるより、「最近ちゃんと休めているかな」「自分の時間は取れているかな」と振り返ってみることが大切です。

イライラは、親への気持ちがなくなった証拠ではなく、「これ以上は抱えにくい」という自分からのサインになっていることがあります。

眠れない、休んでも疲れが抜けない状態が続くときは立ち止まる

介護では、実際に親のそばにいる時間だけが負担になるわけではありません。

家に帰ってからも、「明日の通院は大丈夫かな」「薬を飲んだだろうか」「また電話が来るかもしれない」と考え続けてしまうことがあります。

布団に入っても頭の中が休まらず、なかなか眠れない。夜中に目が覚めたあと、親のことを考えて再び眠れなくなる。朝になっても疲れが残っていて、「また今日も始まるのか」と気持ちが重くなることもあります。

休みの日に横になっていても、心が緊張したままだと、十分に休んだ感じがしないことがあります。

こうした状態が続いているときに、「もっと効率よく動かなければ」「自分がしっかりしなければ」とさらに頑張ると、ますます余裕が少なくなることがあります。

まずは、睡眠や食事、休息の時間が確保できているかを確認してみましょう。

家族に一部を代わってもらう、介護サービスについて相談する、自分だけで対応しない時間をつくるなど、休める仕組みを考えることも大切です。

また、眠れない状態や強い疲れが長く続く場合は、我慢だけで乗り切ろうとせず、医療機関などに相談する選択肢もあります。

介護を続けるためにも、私たち自身の体調を守ることを後回しにしないようにしたいものです。

何もしたくない、介護のことを考えるだけでつらいときは負担を小さく扱わない

「今日は親のところへ行きたくない」
「電話に出たくない」
「もう何も考えたくない」

そんな気持ちが強くなると、「逃げているだけではないか」と自分を責めてしまうかもしれません。

けれど、これまで普通にしていたことが急に重く感じられるようになったときは、私たちの中に疲れがかなりたまっている可能性があります。

予定表に「親の通院」と書いてあるだけで気分が沈む。着信画面に親の名前が出ると胸がざわつく。介護が終わったあとも、好きだったことをする気になれない。

こうした変化を「甘えているだけ」と片づけてしまうと、必要な休息を取るタイミングを逃してしまいます。

大切なのは、「介護をやめるか続けるか」という大きな結論をすぐに出すことではありません。

「今週だけ誰かに代わってもらえないか」
「一日だけ介護のことを考えない時間をつくれないか」
「困っていることを誰かに話せないか」

というように、今の負担を少し小さくする方法を考えてみます。

そして、何もしたくない状態や強いつらさが長く続き、日常生活にも影響が出ている場合は、一人で抱えず専門機関へ相談することも大切です。

「逃げたい」と感じるほどの苦しさを、私たちは無理に小さく扱う必要はありません。その気持ちには、「今のままではしんどい」という大切な情報が含まれています。

次は、その「逃げたい」の奥に、具体的にどのような負担が隠れているのかを整理していきます。

「逃げたい」の奥にある本当の負担を整理してみましょう

「逃げたい」の奥にある本当の負担を整理してみましょう

「介護から逃げたい」と感じたとき、私たちはつい、その言葉の強さだけに驚いてしまいます。「親から逃げたいなんて思ってはいけない」「もっと我慢しなければ」と、自分の気持ちを押し込めてしまうこともあるでしょう。

けれど、少し丁寧に見ていくと、私たちが本当に離れたいのは、親そのものではない場合があります。毎日予定を合わせ続けること、いつ呼ばれるか分からない緊張、家族の中で自分だけが責任を背負っている感覚、自分の時間を持てない生活。そうしたいくつもの負担が重なって、「もうここから離れたい」という気持ちになっていることがあります。

だからこそ、「逃げたいと思っている自分」を責める前に、「私は何から一番離れたいのだろう」と考えてみることが大切です。

負担の中身が少し見えると、「介護そのものを全部やめるしかない」という考えから、「ここだけ誰かに頼れないかな」「この時間だけ休めないかな」という別の選択肢が見えやすくなります。

ここでは、「逃げたい」という気持ちの奥にある負担を、私たち自身の生活に引き寄せながら整理してみましょう。

介護そのものより、「ずっと休めないこと」に疲れている場合があります

介護でつらいことを聞かれると、「食事の世話」「通院の付き添い」「認知症への対応」など、具体的な作業を思い浮かべるかもしれません。

もちろん、それぞれの介助には負担があります。ただ、それ以上に私たちを疲れさせるのが、「いつ休めるのか分からない」という状態であることもあります。

家にいても電話が鳴るかもしれない。出かけていても親のことが気になる。仕事中にも、「何か起きていないかな」とスマートフォンを確認する。夜になってようやく一人の時間ができても、翌日の介護の予定を考えてしまう。

こうなると、実際に介護をしていない時間まで、心は介護から離れにくくなります。

「旅行に行きたい」といった大きなことではなくても、「今日は何時に起きるか自分で決めたい」「一日だけ電話を気にせず眠りたい」「何も予定を考えずに過ごしたい」。そんなささやかな自由を求めることがあります。

それは、親を嫌いになったからではありません。

私たちの心と体が、「そろそろ休ませてほしい」と伝えているのかもしれません。

もし「逃げたい」と感じたら、「介護の何が嫌なのだろう」だけでなく、「最近、本当に気を抜けた時間はあったかな」と振り返ってみてください。

介護を続けるかやめるかという大きな判断をする前に、まずは休める時間を増やすこと。それだけでも、見える景色が変わる場合があります。

兄弟姉妹や家族への不満が、「介護から逃げたい」という気持ちを強くすることがあります

介護の負担は、親との関わりだけから生まれるとは限りません。

「兄はほとんど何もしない」
「姉は口では心配すると言うのに、実際のことは全部こちら任せ」
「家族に相談しても、『あなたが一番近いんだから』と言われて終わる」

そんな状況が続けば、親の介護そのものよりも、「どうして私だけなの?」という気持ちが大きくなることがあります。

けれど、家族への怒りは言いにくいものです。「兄弟で揉めたくない」「介護をしていない人には分かってもらえない」と思い、自分の中に飲み込んでしまうこともあるでしょう。

すると、その行き場のない気持ちが、親へのイライラとして現れる場合があります。

親に強く言ってしまったあとで、「本当に腹が立っていたのは親ではなく、何もしない家族のほうだった」と気づくこともあります。

そんなときは、「誰に何をしてほしいのか」をできるだけ具体的にしてみることが役立ちます。

「通院だけ月に一度代わってほしい」
「週末の買い物をお願いしたい」
「今後の介護について、一緒に話し合ってほしい」

「もっと協力して」だけでは伝わりにくかったことも、具体的にすると話し合いやすくなる場合があります。

もちろん、家族に頼めば必ず協力してもらえるとは限りません。そのときは、家族だけに頼るのではなく、介護サービスや地域の相談先など、外の力も含めて考えていくことが必要になります。

「家族なのだから家族だけで何とかする」から離れることも、私たちの負担を減らす大切な考え方です。

「自分の人生がなくなった」と感じるほど、介護が生活の中心になっていないか振り返る

介護が長く続いていると、いつの間にか私たち自身の予定がすべて後回しになっていることがあります。

友人から誘われても、「親のことがあるから」と断る。行きたい場所があっても、「何か起きたら困るから」と諦める。仕事の予定、休日の過ごし方、食事の時間まで、親を中心に決めるようになる。

最初は「今だけだから」と思っていたのに、その生活が何か月、何年と続くこともあります。

すると、ふとした瞬間に、

「私の人生って何なんだろう」
「このままずっと介護だけで終わってしまうのかな」

という思いが浮かぶことがあります。

こうした気持ちを持つと、「親より自分のことを考えるなんて」と罪悪感を覚えるかもしれません。

けれど、私たちにも自分の人生があります。

介護をしていても、好きなことをする時間や、仕事に集中する時間、友人と話す時間、一人で何もしない時間を持っていいのです。

大切なのは、「介護があるから自分の人生は諦めるしかない」と決めてしまわないことです。

最初から大きな自由を取り戻そうとしなくてもかまいません。

「週に一度は好きなものを食べる」
「月に一度は家を離れて過ごす」
「一時間だけでも自分のために使う」

そんな小さな時間からでも、自分の生活を取り戻していくことはできます。

「逃げたい」と感じているとき、その奥には「自分の人生も大切にしたい」という気持ちが隠れていることがあります。

その思いをわがままと決めつけず、「私たちは、どんな暮らしなら介護と自分の生活を両立できるだろう」と考えてみること。それが、次に「介護から少し離れる方法」を具体的に考えていくための第一歩になります。

介護から少し離れることも、私たち自身を守るための大切な選択です

介護から少し離れることも、私たち自身を守るための大切な選択です

「介護から逃げたい」と感じると、私たちは「続けるか、投げ出すか」の二つしか選択肢がないように思ってしまうことがあります。しかし、本当に必要なのは、すべてをやめることでも、限界まで我慢し続けることでもありません。今抱えている負担の一部を誰かに任せたり、介護から離れる時間を意識してつくったりすることで、続けられる形へ変えていくこともできます。

介護は、頑張れる人が最後まで一人で背負うものではありません。家族、介護サービス、地域の相談先など、使える力を組み合わせながら支えていくものです。そして、介護の方法について相談することとは別に、「もう疲れた」「本当は逃げたい」といった私たち自身の気持ちを話せる場所も必要です。

限界になってから助けを求めるのではなく、「最近少ししんどい」と感じた段階で休むこと。自分の生活や気持ちも大切にすること。それは親を見放すことではなく、私たちが無理を重ねずに関わり続けるための準備でもあります。

「私が全部やらなければ」という考えから少し離れ、自分を守ることも介護の中に含めて考えていきましょう。

一人で全部背負うことを前提にせず、「任せられること」を探してみる

介護を長く続けていると、「これは私がするもの」と決めてしまっていることが意外と多くあります。買い物、通院の付き添い、服薬の確認、食事の準備、電話対応、家族への連絡。いつの間にか、私たち一人の予定表だけが介護で埋まっていることもあるでしょう。

そんなときは、一度「自分がしていること」を書き出してみるのも一つの方法です。そして、それぞれについて「本当に私でなければできないのか」を考えてみます。

たとえば、買い物は家族に頼めるかもしれません。通院は交代できるかもしれません。見守りや生活上の支援について、利用できる介護サービスがあるかもしれません。

最初から大きく手放す必要はありません。

「月に一度だけ代わってもらう」
「この曜日だけはお願いする」
「この作業だけ誰かに任せる」

それだけでも、私たちが介護から離れられる時間は生まれます。

「人に任せたら申し訳ない」と感じることもあるでしょう。しかし、私たちが疲れ切って続けられなくなるより、早い段階から支える人を増やしておくほうが、親にとっても安定した環境につながることがあります。

介護は、一人で抱えた量によって愛情が決まるものではありません。「任せること」も含めて、続けられる仕組みをつくっていくことが大切です。

「休めたら休む」ではなく、自分のための時間を先に確保してみる

介護をしていると、自分の休息はいつも最後になりがちです。

「親のことが終わったら休もう」
「予定が全部片づいたら出かけよう」

そう考えていても、介護では次の予定や対応が次々に出てくるため、結局自分の時間が取れないまま一日が終わることがあります。

だからこそ、「時間が余ったら休む」のではなく、できる範囲で休む時間を予定として確保することも大切です。

一日すべてを空けられなくてもかまいません。

一時間だけ喫茶店で過ごす。
好きな番組を見る。
散歩する。
友人と話す。
何もしないで横になる。

介護とは関係のない時間を持つことで、「介護をしている自分」だけではなく、「私自身」に戻れる瞬間が生まれます。

休んでいる最中に親のことが気になり、「こんなことをしていていいのかな」と落ち着かないこともあるでしょう。それでも、少しずつ「この時間は自分のために使っていい」と考えてみてください。

私たち自身に余裕がなければ、親へ向けられる余裕も少なくなります。

休むことは、頑張っていない証拠ではありません。むしろ、介護を長く続けていくために必要な時間です。「限界になったら休む」のではなく、「限界にならないために休む」という考え方を持ってみましょう。

介護の相談とは別に、「本音を話せる場所」を持っておく

介護について相談するときは、どうしても具体的な話が中心になります。

「どのサービスを利用するか」
「これから施設をどうするか」
「通院や生活をどう支えるか」

もちろん、こうした相談はとても大切です。しかし、私たちが抱えている苦しさは、介護の方法だけでは整理できないことがあります。

「親に優しくできない自分が嫌になる」
「兄弟に腹が立っている」
「介護が始まる前の生活に戻りたい」
「本当は全部投げ出して逃げたい」

こうした気持ちは、家族や介護に関わっている人にはかえって話しにくいことがあります。「そんなことを言ったら責められるのでは」「親がかわいそうだと言われるのでは」と思い、飲み込んでしまうこともあるでしょう。

でも、言えない気持ちは、なくなったわけではありません。心の中に残り続け、少しずつ私たちの余裕を奪っていくことがあります。

だからこそ、何かを決めるための相談だけではなく、「今の気持ちをそのまま話す時間」も持っておきたいところです。

話しているうちに、「私は介護をやめたいのではなく、少し休みたかったんだ」「親への怒りより、一人で背負っていることがつらかったんだ」と、自分でも気づいていなかった気持ちが見えてくることがあります。

もし、怒りを抑えられないほど追い詰められたり、親や自分の安全を保つことが難しいと感じたりしたときは、その場を安全に離れ、家族や介護の支援者、地域の相談窓口などにつながることも大切です。

「逃げたい」と思うところまで我慢してから助けを求める必要はありません。

私たちにも、疲れたと言うこと、休むこと、誰かに頼ること、そして本音を話すことが認められています。介護を続けるためにも、まず私たち自身の心と生活を守ることから考えていきましょう。

「介護から逃げたい」と思う気持ちも、そのまま「ここより」でお話しいただけます

「介護から逃げたい」と思う気持ちも、そのまま「ここより」でお話しいただけます

「もう介護から離れたい」
「今日は親のことを考えたくない」
「家族なのに、こんなことを思ってしまう自分が嫌になる」

介護が続く中で、そんな気持ちが浮かぶことがあります。

けれど、家族や身近な人には、

「そんなことを言ったら冷たいと思われそう」
「親を見捨てたいと思っていると誤解されたくない」
「介護していない人には分かってもらえないかもしれない」

と考えて、本当の気持ちを飲み込んでしまうこともあるのではないでしょうか。

傾聴ラウンジ「ここより」は、介護について何かを決めるためだけではなく、私たちが抱えている気持ちをそのまま話せる場所です。

「もう疲れた」
「少し逃げたい」
「兄弟や家族に腹が立っている」
「自分の人生までなくなったように感じる」

そんな、普段は言いにくい気持ちも、きれいにまとめる必要はありません。

何をどう話したらいいのか分からなくても大丈夫です。話している途中で気持ちが変わっても、同じことを繰り返してもかまいません。

誰かに話してみることで、

「介護そのものから逃げたいのではなく、休みたかったのかもしれない」
「本当につらかったのは、一人で背負っていたことだった」

と、自分でも気づいていなかった気持ちが少しずつ見えてくることがあります。

「限界になるまで頑張ってから」ではなく、「最近ちょっとしんどいな」と感じたときに話してみる。

そのくらいのタイミングで利用していただける場所でありたいと、私たちは考えています。

ご予約も難しい手続きはありません。

LINE公式アカウントを友だち追加すると、予約フォームから希望の日時や「よりびと」を選んで、簡単にご予約いただけます。

介護から逃げたいと思っていることも、親に優しくできなかったことも、一人で抱え込まなくて大丈夫です。

まずは今感じていることを、そのまま「ここより」でお話しください。

友だち追加

SHARE
シェアする

ブログ(こころの不思議)一覧

ページの先頭へ