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リセット癖とは?何度も最初からやり直したくなる心理と完璧主義の関係

リセット癖とは?何度も最初からやり直したくなる心理と完璧主義の関係

「少しうまくいかなくなると、全部最初からやり直したくなる」「途中まで続けていたのに、一度失敗すると急にやる気がなくなる」。そんな経験はありませんか。

仕事や勉強、ダイエット、人間関係、SNSなどで、積み重ねてきたものを一度リセットして、ゼロからやり直したくなることがあります。こうした行動は、一般に「リセット癖」と呼ばれることがあります。

リセットすること自体が悪いわけではありません。環境を変えたり、新しく始め直したりすることが必要な場面もあります。ただ、「思い通りにできなかったから全部やり直す」「少し失敗しただけで、それまでの努力まで意味がないように感じる」ということを繰り返している場合、その背景には完璧主義や「0か100か」で考えてしまうクセが隠れていることがあります。

なぜ、途中から立て直すのではなく、全部なかったことにしたくなるのでしょうか。この記事では、リセット癖と完璧主義の関係をひも解きながら、自分を追い込んでしまう考え方について一緒に整理していきます。

もう一度、自分の心とつながり直す場所。リハートカウンセリング

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投稿者プロフィール

佐藤 公俊
佐藤 公俊心理カウンセラー
■ 一言キャッチコピー

ストレス・人間関係・自己肯定感の悩みに寄り添い、“話を聴いてもらえる安心”から考え方のクセを整える心理カウンセラー

■ 経歴・実績

心理カウンセラーとして、ストレス、不安、うつ傾向、人間関係、自己肯定感の低さ、仕事やキャリアの悩みなど、幅広いご相談に対応しています。

オンラインを中心にカウンセリングを提供し、安心して本音を話せる時間を大切にしています。

また、人材紹介会社にてキャリアコンサルタントとして転職相談に従事してきた経験もあり、仕事の悩みやキャリアの迷い、職場での人間関係についても、現実的な視点を持ちながらサポートしています。

■ 保有資格

産業カウンセラー

■ 主な相談内容

ストレス・メンタル不調
不安・うつ・気分の落ち込み
職場・家族・恋愛などの人間関係の悩み
自己肯定感の低さ・自己否定
HSP気質・繊細さによる生きづらさ
仕事の悩み・キャリアの迷い
本音が言えない・自分の気持ちが分からない悩み
誰かに話を聴いてほしい時の気持ちの整理

■ カウンセリングの特徴・強み

私が大切にしているのは、まず安心して話せることです。

悩みを抱えている時、人はすぐに答えがほしいとは限りません。アドバイスよりも先に、「まずは話を聴いてほしい」「分かってほしい」と感じていることがあります。

そのため、否定せず、急かさず、話がまとまっていなくても受け止めることを大切にしています。

そのうえで、ストレスや不安の背景にある気持ちを一緒に整理し、自分でも気づきにくい“考え方のクセ”や“認知の歪み”に気づけるようサポートします。

ただ聴くだけで終わるのではなく、話すことで心を整え、必要に応じて日常で実践できる具体的な対処法も一緒に考えていきます。

■ アプローチ方法

クライアント中心療法、来談者中心療法を大切にしながら、認知行動療法、CBTの考え方も取り入れています。

特に、感情・思考・行動のつながりを一緒に見える化し、ストレスや不安が強くなるパターンを整理していきます。

「なぜ同じことで悩みやすいのか」
「どうして自分を責めてしまうのか」
「人間関係で疲れやすい理由は何か」

そういった部分を、無理に決めつけるのではなく、対話を通して一緒に見つけていきます。

■ カウンセラーになったきっかけ

子どもの頃から、自分の気持ちや「嫌だ」という思いをうまく言えない環境で育ちました。

本当はつらいと感じていても、それを言葉にすることが難しく、気持ちを飲み込んでしまうことが多くありました。

その経験から、「自分の気持ちを安心して話せる場所があること」「否定されずに話を聴いてもらえること」が、人にとってどれほど大切なのかを、身をもって感じるようになりました。

大人になってからは、人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして転職相談に携わりました。

そこでは、仕事の悩みやキャリアの迷いだけでなく、職場の人間関係、将来への不安、自信のなさなど、さまざまな思いを抱えた方のお話を聴く機会が多くありました。

相談を受ける中で感じたのは、多くの方が「答え」だけを求めているわけではないということです。

まずは自分の気持ちを整理したい。誰にも言えなかった不安を聴いてほしい。否定されずに、今の思いを受け止めてほしい。

そういった気持ちを抱えながら、一人で頑張っている方がたくさんいることを実感しました。

話を聴いてもらうことで、表情が少し和らいだり、自分の本音に気づいたり、次の一歩を考えられるようになったりする姿を見て、傾聴には人の心を支える力があると感じました。

子どもの頃に感じていた「うまく言えない苦しさ」と、キャリア相談の現場で出会った「誰かに聴いてほしい思い」。

その両方の経験が重なり、安心して本音を話せる場所をつくりたい、一人で抱え込んでいる方の力になりたいと思うようになったことが、心理カウンセラーを目指したきっかけです。

■ 大切にしていること

安心して本音を話せる場づくり
否定せず、そのままを受け止めること
一人ひとりの価値観やペースを尊重すること
話すことで心を整える時間を大切にすること
「話してもいいんだ」と感じられる経験を積み重ねること

■ メッセージ

ストレスや不安、人間関係の悩みの多くは、自分でも気づかない“考え方のクセ”が影響していることがあります。

ただ、そのクセに気づくためには、まず安心して話せることが大切です。

整体で身体を整えるように、心もまた、話すことで少しずつ整っていくことがあります。

「こんなことで相談していいのかな」
「うまく話せるか分からない」
「誰かに聴いてほしいけれど、身近な人には話しにくい」

そんな段階でも大丈夫です。

話がまとまっていなくても、同じ話を繰り返しても、途中で言葉に詰まってもかまいません。

安心して話せる場所として、そして自分の本音に気づき、少しずつ自分らしく生きるための時間としてご利用ください。

目次

「また最初からやり直したい」と思ってしまうリセット癖とは

「また最初からやり直したい」と思ってしまうリセット癖とは

何かを続けている途中で少し失敗したり、思い描いていた形から外れたりすると、「もう最初からやり直したい」と感じることがあります。

たとえば、毎日続けようと決めていた勉強を一日休んでしまっただけなのに、それまで積み重ねてきた記録まで消したくなる。ダイエット中に食べすぎたことで、「もう全部台無しだ」と感じてしまう。SNSの投稿が気に入らなくなり、アカウントそのものを作り直したくなる。人間関係でも、少し気まずいことが起きただけで、関係そのものを終わらせたくなることがあります。

こうした「途中から修正するより、一度すべてをゼロに戻したい」という感覚が繰り返される状態を、一般的に「リセット癖」と表現することがあります。

もちろん、新しくやり直すことが必要な場面もあります。ただ、毎回のようにゼロに戻してしまうことで、積み重ねてきたものまで自分で否定してしまうようになると、少しずつ苦しさが大きくなっていきます。

一度の失敗で「全部ダメだった」と感じてしまう

ある人が、「今度こそ毎日運動しよう」と決めたとします。最初の一週間は順調に続きました。朝少し早く起きて、短い時間でも体を動かし、「今回は続けられそう」と感じていました。

ところが、仕事が忙しかったある日、どうしても運動する時間が取れませんでした。

本来であれば、「今日はできなかったけれど、明日またやればいい」と考えてもよさそうです。しかし、その人の中では「毎日続けると決めたのに守れなかった」ということが強く残ります。そして、「一日抜けたなら、もう記録としてきれいではない」「せっかく続けていたのに失敗した」と感じ、翌日から運動そのものをやめてしまいます。

数日後には、「来月からもう一度ちゃんと始めよう」と新しいルールを作ります。

このような流れでは、実際には一週間続けられていたという事実よりも、「一日できなかった」という部分のほうが大きく見えてしまいます。

リセット癖があると、できたことを積み重ねとして受け取るよりも、途中にできた小さなズレが気になりやすくなります。そのため、本当は前に進んでいるのに、自分では「また失敗した」と感じてしまうことがあるのです。

「きれいな状態」に戻ると少し安心できる

リセットした直後には、不思議と少し気持ちが軽くなることがあります。

散らかった部屋を一度全部片づけたときのように、「ここからもう一度始めればいい」と思えるからです。

たとえば、勉強の計画が予定通り進まなくなったとします。予定表にはできなかった項目が増え、見るたびに「またできていない」と感じます。すると、その予定表を見ること自体が嫌になり、新しいノートを買って、一ページ目から新しい計画を書き始めます。

新しいノートはきれいです。まだ失敗した記録もありません。「今度こそできそう」という気持ちも湧いてきます。

その瞬間だけを見ると、リセットすることで前向きになれているようにも感じます。

けれど、しばらくすると予定通りにいかない日がまた出てきます。そして、同じように新しい計画を作り直したくなる。この繰り返しになると、「始めること」は得意でも、「うまくいかない状態のまま続けること」がだんだん難しくなっていきます。

リセットには、不快な気持ちを一時的に軽くしてくれる面があります。だからこそ、「またやり直せばいい」という方法を何度も選びたくなるのかもしれません。

本当に苦しいのは「やり直すこと」ではなく積み重ならないこと

最初のうちは、「また始めればいい」と思えていた人でも、何度も同じことを繰り返していると、少しずつ自分への見方が変わってくることがあります。

「私は何をやっても続かない」

「また途中で投げ出してしまった」

「どうせ今回も同じことになる」

そう感じる回数が増えると、新しく何かを始めること自体が怖くなってしまうこともあります。

けれど、よく振り返ってみると、本当に何も続いていなかったわけではありません。途中まではできていたこともあれば、一度止まっても再開できたこともあるはずです。それでも、「完璧に続けられなかった」という理由で、それまでの積み重ねを自分の中でゼロとして扱ってしまうのです。

私は、リセット癖で苦しくなる大きな理由のひとつは、やり直す行動そのものよりも、「途中までできていた自分」を認められなくなってしまうことにあると思います。

人生の多くのことは、予定通りには進みません。止まったり、戻ったり、やり方を変えたりしながら続いていきます。

それなのに、「最初に決めた通りにできなければ失敗」と考えてしまうと、少しのズレでもすべてをなかったことにしたくなります。

では、なぜそこまで「きちんと続けること」や「失敗しないこと」にこだわってしまうのでしょうか。その背景を考えていくと、リセット癖と完璧主義のつながりが少しずつ見えてきます。

リセット癖と完璧主義|「完璧でなければ意味がない」心理

リセット癖と完璧主義|「完璧でなければ意味がない」心理

リセット癖の背景には、「どうせやるならきちんとやりたい」「中途半端な状態では続けたくない」という気持ちが隠れていることがあります。

一見すると、これは真面目さや向上心のようにも見えます。実際、目標を持って取り組むことや、自分なりの基準を大切にすること自体は悪いことではありません。

ただ、その基準が少しずつ高くなり、「できたか、できなかったか」「成功か、失敗か」のように判断するようになると、少しのミスや予定変更まで受け入れにくくなっていきます。

たとえば、「毎日30分勉強する」と決めたとき、20分しかできなかった日を「20分もできた」と受け取る人もいれば、「30分できなかったから失敗」と感じる人もいます。

同じ出来事でも、どこに目を向けるかによって、その後の行動は大きく変わります。

完璧主義が強くなると、「途中までできた」という事実よりも、「理想通りではなかった」という部分が気になりやすくなります。そして、理想から外れた状態を残しておくことが苦しくなり、「だったら一度ゼロにして、完璧な状態から始め直したい」と感じるようになるのです。

「ちゃんとやる」がいつの間にか自分を苦しめる

ある人が、新しい手帳を買ったとします。

最初の数日は、予定や目標をきれいに書き込み、毎日の記録も丁寧につけていました。文字の大きさやペンの色までそろっていて、ページを開くたびに少し嬉しくなります。

ところが、忙しい日が続き、あるページだけ記録を忘れてしまいました。さらに、その次の日は急いで書いたため、文字も少し乱れてしまいます。

すると、それまでお気に入りだった手帳を見るたびに、「ここだけ空いている」「このページだけ汚い」という部分が気になるようになります。

本来の目的は予定を管理したり、自分の生活を振り返ったりすることだったはずです。ところが、いつの間にか「きれいに続けること」が目的になってしまいます。

そして、「もうこの手帳は失敗した」と感じ、新しい手帳に買い替えたくなります。

「ちゃんとやりたい」という気持ちは、自分を前に進ませる力にもなります。けれど、「ちゃんとできないならやる意味がない」となった瞬間、その真面目さが自分を責める材料に変わってしまうことがあります。

大切なのは、きれいに続けることではなく、本来何のために始めたのかを見失わないことなのかもしれません。

100点を目指すほど60点の自分を認めにくくなる

完璧主義というと、「何でも完璧にできる人」を想像するかもしれません。

けれど実際には、「完璧にできない自分を許せない」という形で表れることもあります。

たとえば、仕事で資料を作っている人がいるとします。

上司から求められている水準は十分満たしていて、周囲から見れば「もう提出して大丈夫」という状態です。それでも本人は、言葉の表現やレイアウトの細かな違いが気になり、なかなか完成にできません。

ようやく提出しても、「もっとできたはず」「あそこを直せばよかった」と考え続けます。

次第に、何かを仕上げることよりも、「不完全なものを出してしまう怖さ」のほうが大きくなっていきます。

こうした状態では、100点以外がすべて失敗のように感じられることがあります。

けれど、現実の生活では毎回100点を取ることはできません。体調が悪い日もあれば、予想外の予定が入る日もあります。50点の日も、70点の日もあります。

それでも続けるためには、「今日は60点だったけれど、それでもここまではできた」と受け止める感覚が必要になります。

リセットを繰り返してしまう人の中には、できない人なのではなく、むしろ自分に求める基準が高すぎることで、できている部分が見えにくくなっている人も少なくありません。

理想の自分と現実の自分の差が苦しくなる

「今度こそ変わりたい」と思って何かを始めるとき、頭の中には理想の自分が浮かぶことがあります。

朝早く起きて、運動をして、仕事も効率よくこなし、帰宅後には勉強もする。休日には部屋を片づけて、友人との時間も大切にする。

そんな生活を想像すると、「これからならできるかもしれない」と気持ちが高まります。

けれど、実際に生活を始めてみると、予定通りにはいかない日が出てきます。

寝坊することもあれば、仕事で疲れて何もしたくない日もあります。楽しみにしていた予定を断ることもあるでしょう。

そこで、「現実はこんなものだ」と柔軟に調整できれば、生活はそのまま続いていきます。

しかし、理想と現実の差を「自分の失敗」と受け取ってしまうと、その差を見ること自体がつらくなります。

そして、「こんなはずじゃなかった」「もっとちゃんとできるはずだった」という気持ちが強くなるほど、今の自分を残したまま続けるより、一度全部リセットして「理想の自分」から始め直したくなります。

ただ、新しく始めても現実にはまた予想外のことが起こります。

すると、「理想を立てる→思い通りにいかない→自分を責める→リセットする」という流れが繰り返されていきます。

ここで少し気にしておきたいのは、目標が高いことそのものではありません。「理想と違う自分をどのくらい受け入れられるか」という部分です。

リセット癖を考えるときには、「もっと頑張る方法」を探すだけではなく、自分がどんな基準で成功や失敗を決めているのかを見ていくことも大切です。

そして、この「完璧か失敗か」という判断が強くなっていくと、今度は物事を「0か100か」で考えるクセや、失敗した自分を責める気持ちにもつながっていきます。

白黒思考・自己批判がリセットを繰り返させる

白黒思考・自己批判がリセットを繰り返させる

完璧主義が強くなると、物事を「できた・できなかった」「成功・失敗」「続いた・続かなかった」と、はっきり二つに分けて考えやすくなることがあります。こうした考え方は「白黒思考」「0か100か思考」などと呼ばれることがあります。

本当は70点くらいできていても、「100点ではないから失敗」と感じてしまう。10日間続けたことより、11日目にできなかったことのほうが強く印象に残る。すると、「ここまで頑張った」という感覚よりも、「またできなかった」という気持ちが大きくなっていきます。

さらに厄介なのは、その失敗を行動だけの問題として終わらせず、「だから私はダメなんだ」「やっぱり続けられない人間なんだ」と、自分自身の評価にまで広げてしまうことです。

そうなると、途中から修正することは、失敗した自分を見続けることのように感じられます。だからこそ、一度全部消して新しく始めることで、苦しい気持ちから離れたくなるのです。

リセットを繰り返す背景には、意志の弱さではなく、失敗した状態の自分をそのまま受け止めることの難しさが隠れている場合があります。

「一回できなかった」が「全部できなかった」に変わっていく

たとえば、資格試験のために勉強を始めた人がいたとします。

最初の2週間は順調でした。仕事から帰ったあとに30分だけでも机に向かい、休日には少し長めに勉強する。「前よりちゃんと頑張れている」と、自分でも手応えを感じていました。

ところが、仕事が忙しくなり、3日ほど勉強できない日が続きます。

ここで「忙しかったから仕方がない。明日からまた少しやろう」と考えられれば、そのまま続けられます。

けれど、「3日も空いてしまった」「計画通りじゃなくなった」と思うと、急にそれまでの2週間まで価値がなくなったように感じることがあります。

「せっかく続いていたのに、結局またダメだった」

そう思った瞬間、それまで積み重ねてきた時間が見えなくなります。

本当は14日間勉強したという事実があります。それでも頭の中では、「3日できなかった=続かなかった」という結論になってしまうのです。

すると、「この計画は失敗したから、来週から新しくやろう」と考えます。新しいノートを用意し、勉強時間も決め直し、再スタートします。

けれど、本当に必要だったのは新しい計画ではなく、「3日空いても4日目から戻っていい」と考えることだったのかもしれません。

白黒思考が強くなると、途中のグレーな状態を残すことが難しくなります。しかし実際の継続は、完璧な直線ではなく、止まったり戻ったりしながら続いていくものです。

失敗した行動から「自分はダメな人」になってしまう

もう一つ気をつけたいのが、できなかったことと、自分自身の価値を結びつけてしまうことです。

たとえば、片づけが苦手で、「今度こそ部屋をきれいに保とう」と決めた人がいたとします。

最初は毎日少しずつ片づけていましたが、忙しい日が続くと、テーブルの上に書類や買い物袋が増えてきます。

その光景を見て、「最近ちょっと散らかってきたな」と考えるだけなら、それほど大きな問題にはなりません。

ところが、「またできなかった」「私は本当にだらしない」「何をやっても続かない」と考え始めると、片づけの問題が、自分自身を責める材料に変わっていきます。

そうなると、散らかった部屋を見るたびに嫌な気持ちになります。

そしてある日、全部を一気に片づけ、「明日からは絶対に散らかさない」と新しいルールを作ります。

きれいになった瞬間は、とてもすっきりします。過去の失敗まで消えたような感覚になることもあるでしょう。

でも、人が生活していれば、部屋はまた散らかります。

そのたびに「やっぱり私はダメだ」と感じていては、片づけよりも、自分を責めることに疲れてしまいます。

「部屋が散らかった」と「私はだらしない人間だ」は、本来まったく別の話です。できなかった行動を修正することと、自分そのものを否定することを分けられるようになると、リセットしなくても立て直しやすくなっていきます。

リセットすると「失敗した自分」を一時的に見なくて済む

なぜ、全部やり直すと少し安心するのでしょうか。

その理由の一つは、リセットによって「失敗した記録」をいったん見なくて済むからです。

たとえば、家計簿をつけ始めたものの、途中で何日か記録を忘れてしまったとします。空白のページを見るたびに、「ちゃんと続けられなかった」という気持ちが出てきます。

そこで新しい月から別の家計簿を使い始めると、まだ空白もミスもありません。

「今度こそきれいに続けられるかもしれない」

そんな希望が生まれます。

リセット直後の気持ちよさは、本物です。だからこそ、その方法を繰り返したくなるのも不思議ではありません。

ただ、その安心感が「失敗した状態から離れること」によって生まれていると、少しのズレが起きるたびに、また最初からやり直したくなります。

私は、ここで大切なのは「リセットしないように我慢すること」ではないと思っています。

むしろ、「失敗したままでも続けられる」「途中がきれいでなくても、そこから修正できる」という経験を少しずつ増やしていくことです。

昨日できなかったなら、今日から戻る。予定が崩れたなら、今の生活に合わせて予定を変える。10個のうち6個できたなら、その6個をなかったことにしない。

そんな小さな捉え直しができるようになると、「全部消してやり直す」以外の選択肢が見えてきます。

では、実際にリセットしたくなったとき、どのように考えれば「ゼロからやり直す」のではなく、「今いる場所から立て直す」ことができるのでしょうか。次は、完璧に戻すことではなく、途中から修正していく考え方について見ていきます。

全部やり直すより「途中から修正する」という考え方

全部やり直すより「途中から修正する」という考え方

リセット癖から少しずつ離れていくために必要なのは、「もう絶対にリセットしない」と強く決意することではありません。むしろ、予定が崩れたり、途中でできない日があったりしたときに、「ここからどう続けようか」と考えられるようになることです。

私たちは何かを始めるとき、どうしてもきれいな計画を立てたくなります。毎日続ける、今月中に終わらせる、もう同じ失敗はしない。けれど、現実の生活には仕事や体調、家族の予定、気分の変化など、自分ではコントロールできないことがたくさんあります。

計画通りに進まないことは、必ずしも失敗ではありません。最初に立てた計画が、今の自分に合わなくなっただけかもしれません。

これまで「うまくいかなくなったらゼロに戻す」という方法を選んできた人にとって、「途中の状態を残したまま続ける」ことには少し違和感があるでしょう。それでも、60点の日の次に70点の日をつなげていけば、それも立派な積み重ねになります。

大切なのは、完璧な記録を作ることではなく、自分の生活に合わせながら続けられる形を見つけていくことです。

「明日から」ではなく「今日できるところから」に変えてみる

たとえば、毎日30分のウォーキングを続けようと決めていた人がいるとします。

最初は順調だったものの、雨の日が続き、仕事も忙しくなって、一週間ほど歩けなくなりました。

以前なら、「もう続いていないから、来月1日からまた始めよう」と考えていたかもしれません。新しい月、新しい週、新しい手帳。きれいなスタート地点を待つことで、「今度こそ」という気持ちを作っていたのです。

けれど、その日はまだ月の途中です。

そこで、「今日は30分無理だから、駅から家まで10分だけ歩いてみよう」と考えてみます。

予定していた30分ではありません。毎日という目標も途切れています。それでも、その10分はゼロではありません。

こうした小さな再開を経験すると、「一度止まったら最初から」という考え方が少しずつ変わっていきます。

何かを続ける力というと、毎日欠かさず頑張れる力をイメージしがちです。しかし実際には、「止まったあとに戻ってこられる力」も、同じくらい大切です。

明日から完璧に始め直すより、今日できる5分を選ぶ。全部片づけられなくても、机の上だけ片づける。勉強できなかった一週間を責めるより、今日はテキストを1ページだけ開く。

そんな小さな選択を繰り返すことで、「崩れたら終わり」ではなく、「崩れてもまた続けられる」という感覚が育っていきます。

できなかった部分より「残っているもの」を見てみる

リセットしたくなったときには、「何ができなかったか」だけではなく、「それでも何が残っているか」を振り返ってみるのも一つの方法です。

たとえば、3か月間家計簿を続けていた人が、忙しさから2週間記録できなくなったとします。

空白になったページを見ると、「やっぱり私は続かない」と感じるかもしれません。そして、新しい家計簿を買って最初から始めたくなります。

けれど、少し見方を変えてみると、3か月分の記録はそのまま残っています。

どんなことにお金を使っているのか、毎月どのくらい必要なのか、自分なりに気づいたこともあるでしょう。それらは、2週間記録できなかったからといって消えるものではありません。

これは勉強でも、運動でも、人間関係でも同じです。

途中でうまくいかなかったからといって、それまでの経験までなくなるわけではありません。

完璧主義が強くなると、「予定通り続けられたか」という結果だけを見やすくなります。けれど、その途中で身についたことや、以前よりできるようになったことも、自分の中には残っています。

リセットしたくなったときには、「今回できなかったことは何だろう」と考えるだけでなく、「それでも残っているものは何だろう」と問いかけてみる。

そうすると、「全部失敗した」という見え方から、「ここまではできていた。では、この続きからどうしよう」という見え方へ少しずつ変わっていきます。

完璧に続けるより「戻ってこられる自分」を目指してみる

何かを長く続けている人を見ると、「きっと意志が強いんだろう」「毎日きちんとできる人なんだろう」と思うことがあります。

けれど実際には、ずっと順調だったわけではないことも多いものです。

運動を数週間休んだことがあったり、勉強から離れた時期があったり、仕事で思うようにいかなかったり。それでも、どこかのタイミングでまた戻っているから、結果として「続いている」ように見えるのです。

そう考えると、「続けられる人」のイメージも少し変わります。

一度も止まらない人ではなく、止まってもまた戻れる人。

失敗しない人ではなく、失敗したあとにやり方を調整できる人。

完璧にできる人ではなく、完璧ではない自分のまま前に進める人。

私は、リセット癖について考えるとき、「やり直さない人になる」ことを目標にする必要はないと思っています。状況によっては、一度環境を変えたり、新しく始めたりすることが必要なこともあります。

ただ、「少しうまくいかなかったから全部消す」以外にも、「ここだけ直して続ける」「しばらく休んで戻る」「今の自分に合わせて目標を変える」という選択肢があることを知っておくと、気持ちは少し楽になります。

もし何度も同じところでリセットしたくなるのであれば、「自分は意志が弱い」と決めつける前に、どんなときに「全部ダメだ」と感じるのかを振り返ってみてください。

そこには、完璧でありたい気持ちや、失敗した自分を受け入れにくい考え方が隠れているかもしれません。

そのパターンに気づけるようになると、必要なのはゼロから新しい自分を作り直すことではなく、今まで歩いてきたところから、少し方向を調整することなのだと見えてくることがあります。

同じパターンを繰り返してしまうときは、リハートカウンセリングへ

同じパターンを繰り返してしまうときは、リハートカウンセリングへ

「また全部やり直したくなる」「少し失敗すると、それまでの努力まで意味がないように感じる」。

そうした状態が続いているときは、意志の弱さではなく、自分でも気づきにくい考え方のクセが関係していることがあります。

リハートカウンセリングでは、「どんな場面でリセットしたくなるのか」「そのとき何を考え、どんな気持ちになっているのか」を一緒に整理しながら、自分を追い込みやすいパターンを見つけていきます。

無理に考え方を変えたり、前向きになろうとしたりする必要はありません。

まずは、これまで繰り返してきた流れを言葉にしてみることで、「全部やり直す」以外の選択肢が少しずつ見えてくることがあります。

「一人で考えていると、いつも同じところに戻ってしまう」

そんなときは、リハートカウンセリングをご利用ください。

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今の自分をゼロから作り直すのではなく、これまで積み重ねてきたものを大切にしながら、これからの進み方を一緒に整理していきましょう。

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