ブログ(こころの不思議)

Blog

拡大解釈・過小評価とは?失敗を大きく感じ、良い面を小さく見てしまう考え方のクセ

拡大解釈・過小評価とは?失敗を大きく感じ、良い面を小さく見てしまう考え方のクセ

ちょっとしたミスをしただけなのに、「大変なことをしてしまった」「もう取り返しがつかない」と必要以上に大きく感じてしまうことはありませんか。

反対に、仕事がうまくいったときや誰かから褒められたときには、「これくらい普通」「たまたまうまくいっただけ」と、自分の努力や成果を小さく扱ってしまうこともあります。

悪かったことは強く心に残るのに、できたことや良かったことはなかなか自分の中に残らない。そんな状態が続くと、実際には十分頑張れているのに、「自分は何をやってもダメ」「周りよりできていない」と感じやすくなります。

こうした考え方には、「拡大解釈・過小評価」と呼ばれる認知の歪み(考え方のクセ)が関係していることがあります。

拡大解釈とは、自分の失敗や問題、相手のちょっとした反応などを、実際以上に大きなものとして受け止めてしまうことです。一方、過小評価は、自分の良いところや努力、成功したことなどを実際より小さく評価してしまうことを指します。

たとえば、仕事でひとつミスをすると「自分は仕事ができない」と感じるのに、褒められたときには「誰でもできることだから」と受け流してしまう。このように、悪いことには大きな意味を持たせ、良いことには十分な意味を持たせない状態が続くと、自分に対する評価も少しずつ厳しくなっていきます。

この記事では、拡大解釈・過小評価とはどのような考え方なのか、日常生活ではどんな形で現れるのか、そして気づいたときにどのように見直していけばよいのかを、具体例を交えながら紹介します。

ほかの「考え方のクセ」も知ってみる

拡大解釈・過小評価は、失敗や問題を実際以上に大きく受け止める一方で、自分の努力や良いところ、できたことなどを必要以上に小さく評価してしまう「認知の歪み(考え方のクセ)」のひとつです。

ほかにも、白黒だけで判断する、ひとつの失敗から「いつもこうだ」と考える、悪い部分ばかりに目が向く、感情をそのまま事実だと受け取る、相手の気持ちを想像だけで決めつける、まだ起きていない未来を悪い方向へ予測するといった、さまざまな認知パターンがあります。

「自分は拡大解釈・過小評価以外にも、どんな考え方のクセを持っているんだろう?」と気になった方は、代表的な12の認知パターンをまとめた記事もあわせてご覧ください。

認知の歪みとは?考え方のクセに気づく12の認知パターン

投稿者プロフィール

佐藤 公俊
佐藤 公俊心理カウンセラー
ストレス・不安・人間関係・自己否定などの悩みを、安心して話せる対話から整理し、考え方のクセや気持ちのパターンを一緒に見つけていく心理カウンセラーです。

■経歴・資格

産業カウンセラー。
人材紹介会社でキャリアアドバイザーとして転職相談に携わり、仕事やキャリア、職場の人間関係など、さまざまな相談に対応してきました。

現在はオンラインを中心に、ストレス、不安、人間関係、自己肯定感、自己否定、HSP、仕事やキャリア、本音を言えない悩みなどの相談を受けています。

■得意な相談

・ストレス・不安・気分の落ち込み
・職場・家族・恋愛などの人間関係
・自己肯定感の低さ・自己否定
・HSP・繊細さによる生きづらさ
・仕事・キャリアの悩み
・本音が言えない、自分の気持ちが分からない悩み

■大切にしていること

まずは、否定されず安心して本音を話せることを大切にしています。

話を聴くだけで終わるのではなく、対話を通して気持ちを整理し、自分では気づきにくい「考え方のクセ」や、ストレス・不安が強くなるパターンを一緒に見つけていきます。

来談者中心療法の考え方を大切にしながら、必要に応じて認知行動療法(CBT)の考え方も取り入れています。

「こんなことで相談していいのかな」「うまく話せるか分からない」という段階でも大丈夫です。話がまとまっていなくても、安心してお話しください。

目次

拡大解釈・過小評価とは?悪いことを大きく、自分の良さを小さく見てしまう考え方

拡大解釈・過小評価とは?悪いことを大きく、自分の良さを小さく見てしまう考え方

拡大解釈・過小評価は、同じ出来事を見ていても「悪いことは実際以上に大きく」「良いことは実際より小さく」受け取ってしまう考え方のクセです。

たとえば、仕事で10個のことをうまくできていても、ひとつミスをすると「今日の仕事は全部ダメだった」と感じる。一方で、上司や同僚から褒められても「これくらい誰でもできる」「たまたまうまくいっただけ」と受け流してしまうことがあります。

こうした見方が続くと、実際の自分よりも「できていない自分」が大きく見えるようになり、自信を持ちにくくなることがあります。まずは、自分が出来事をどのくらいの大きさで受け取っているのかに気づくことが大切です。

小さな失敗が「大きな問題」に見えてしまう拡大解釈

拡大解釈では、ひとつのミスや相手のちょっとした反応などに、本来よりも大きな意味を持たせてしまいます。

たとえば、上司から少し注意されただけなのに「信用を失ったかもしれない」、LINEの返信が少し遅いだけなのに「嫌われたのではないか」と感じることがあります。

実際には「注意された」「まだ返信がない」という出来事しか起きていなくても、頭の中ではそこからさまざまな意味が加わり、問題そのものがどんどん大きく感じられるのです。

このとき大切なのは、「気にしすぎ」と自分を責めることではありません。「今、自分はこの出来事をどのくらい大きく受け取っているだろう?」と気づくだけでも、出来事と自分の解釈を少し分けて考えやすくなります。

できたことを「たいしたことではない」と小さくする過小評価

過小評価は、失敗を大きく見るのとは反対に、自分の努力や成果、長所などを必要以上に小さく扱ってしまう考え方です。

「頑張ったから結果が出た」のではなく「運が良かっただけ」、「自分だから任された」のではなく「ほかに人がいなかっただけ」と考えてしまうことがあります。

本人にとっては謙虚に考えているだけのつもりでも、いつも自分の良い部分を割り引いていると、「自分にはたいした力がない」という自己評価につながりやすくなります。

できなかったことだけではなく、「できたこと」「工夫したこと」「続けられたこと」も同じ一つの事実として扱ってみることが、偏りに気づくきっかけになります。

「悪いことばかり目につく」ときは別の考え方のクセが重なることも

拡大解釈・過小評価は、ひとつだけで起こるとは限りません。

たとえば、仕事でいくつも良い評価を受けているのに、一度注意されたことだけが頭から離れない場合には、「心のフィルター」という別の考え方のクセが一緒に働いている可能性があります。

心のフィルターでは、いくつもの出来事の中からネガティブな情報だけを拾いやすくなります。そこに拡大解釈が加わると、悪い出来事を選び取ったうえで、その意味まで大きくしてしまうことがあります。

自分の考え方を整理するときは、「どれかひとつのパターンに当てはめなければ」と考える必要はありません。複数のクセが重なっていることに気づくことで、「どうしてこんなに悪い方向へ考えてしまうのだろう」という疑問が整理しやすくなります。

【あわせて読みたい】
悪い出来事ばかりが頭に残り、良かったことを見落としやすい場合は、「心のフィルター」という考え方のクセも関係しているかもしれません。拡大解釈・過小評価との違いを知ることで、自分の思考の傾向をより整理しやすくなります。

なぜ拡大解釈・過小評価が起こるのか?

なぜ拡大解釈・過小評価が起こるのか?

拡大解釈・過小評価は、単に「ネガティブに考えやすい性格だから」起こるわけではありません。これまでの経験や周囲との関わり、自分に求めてきた基準などが重なることで、失敗を大きく受け止め、できたことを小さく評価する考え方が身についていることがあります。

失敗しないことを強く求めてきた

「間違えてはいけない」「ちゃんとできなければ意味がない」と考える場面が多いと、小さな失敗にも強く反応しやすくなります。

たとえば、ほとんどの仕事を予定どおり進められていても、ひとつ確認漏れがあっただけで「自分は仕事ができない」と感じることがあります。

できた部分よりも失敗した部分を重要視することが習慣になると、実際の成果とは関係なく、自分への評価だけが厳しくなってしまうことがあります。

褒められたり認められたりしても受け取りにくい

周囲から評価されても、「たまたま」「誰でもできる」と考えてしまう人もいます。

これは謙虚さとは少し違います。自分の努力や成果を何度も小さく扱っていると、成功した経験が自信として積み重なりにくくなるからです。

失敗は「自分の実力」と受け止めるのに、成功だけは「偶然」と考えているなら、評価の基準が自分に対して厳しくなりすぎていないか振り返ってみてもよいでしょう。

過去の失敗から「また同じことになる」と考えてしまう

以前の失敗や嫌な経験が強く残っていると、新しい出来事に対しても「きっとまた失敗する」「今回もうまくいかない」と考えやすくなることがあります。

すると、現在起きている小さな問題にも過去の経験が重なり、実際以上に重大なことのように感じられることがあります。

ひとつの経験から「いつもこうなる」と考えてしまう場合には、「過度な一般化」という別の考え方のクセが重なっている可能性もあります。

【あわせて読みたい】

一度の失敗や嫌な経験から「また同じことになる」「自分はいつもこうだ」と考えてしまう方は、過度な一般化についても知っておくと、自分の思考の流れを整理しやすくなります。

拡大解釈・過小評価は日常生活でどのように表れる?

Illustration of a woman overwhelmed by study and life pressures, surrounded by thought bubbles about work, relationships, and self-doubt in a pastel collage.

拡大解釈・過小評価は、特別な場面だけに現れるものではありません。仕事、人間関係、自分自身への評価など、普段の生活の中で無意識に繰り返されることがあります。特徴的なのは、同じ出来事でも「悪かったこと」は大きく受け止め、「できたこと」は小さく扱ってしまうことです。

仕事ではひとつのミスがすべての評価のように感じる

一日を通して多くの仕事を問題なく終えていても、最後にひとつミスをすると「今日は何もできなかった」と感じることがあります。

上司から改善点をひとつ指摘されただけで、「自分は評価されていない」「仕事に向いていない」と考える一方、褒められたことについては「これくらい普通」と受け流してしまうこともあります。

実際には、ミスも成果もその日の仕事を構成する一部分です。ひとつの出来事だけを必要以上に大きく扱っていないか振り返ってみると、自分への評価を少し客観的に見やすくなります。

人間関係では相手の小さな反応を大きく受け取ってしまう

友人からの返信が短かった、職場でいつもより会話が少なかった、家族の表情が少し暗かった。こうした小さな変化から、「嫌われたかもしれない」「何か悪いことをしたかもしれない」と不安になることがあります。

その一方で、普段優しくしてもらっていることや、楽しく話せている時間については「それくらい普通」と小さく扱ってしまう場合があります。

不安が強いと、その気持ちそのものを「きっと悪いことが起きている証拠」と感じてしまうこともあります。このような場合には、感情的決めつけという考え方のクセが重なっている可能性があります。

【あわせて読みたい】

「不安だから、きっとうまくいっていない」「怖いから、悪いことが起きるはず」と、感情をそのまま事実のように受け取ってしまう方は、感情的決めつけについても知っておくと、自分の思考の流れを整理しやすくなります。

自分の良いところより「足りないところ」が大きく見える

拡大解釈・過小評価は、自分自身を見るときにも現れます。

できなかったことは何度も思い返すのに、努力したことや以前よりできるようになったことは「まだまだ」と評価してしまう。周囲から認められても、自分ではなかなか納得できないことがあります。

そんなときは、「自分はダメなのか」と結論を出す前に、できなかったことと同じくらい、できたことにも目を向けてみることが大切です。

自分を無理に高く評価する必要はありません。良かったことも悪かったことも、必要以上に大きくしたり小さくしたりせず、ひとつの事実として見ていくことが、考え方のクセを見直すきっかけになります。

拡大解釈・過小評価に気づいたとき、考え方をどう見直せばいい?

拡大解釈・過小評価に気づいたとき、考え方をどう見直せばいい?

拡大解釈・過小評価に気づいても、「ネガティブに考えないようにしよう」と無理に考え方を変える必要はありません。大切なのは、頭に浮かんだ考えをすぐに事実だと決めず、「少し大きく見ていないかな」「反対に、小さく扱っていることはないかな」と確認してみることです。

「起きたこと」と「自分の解釈」を分けてみる

たとえば、上司から仕事について一度注意されたとします。

「注意された」というのは実際に起きたことですが、「信用を失った」「もう評価されない」という部分は、自分の中で加わった解釈かもしれません。

紙やスマートフォンのメモに、「実際に起きたこと」と「そこから自分が考えたこと」を分けて書いてみると、どこから拡大解釈が始まったのか分かりやすくなります。

考えを否定するのではなく、「これは事実なのか、それとも自分なりの受け取り方なのか」と確認するだけでも、出来事との距離を取りやすくなります。

できなかったことと同じように「できたこと」も数える

失敗を大きく感じる人ほど、できたことを数える習慣が少ないことがあります。

「今日はひとつミスをした」という事実があるなら、「それ以外の仕事は終えられた」「確認して修正できた」「分からないことを質問できた」といった事実も同じように存在します。

大切なのは、無理に自分を褒めることではありません。悪かったことだけを特別扱いせず、良かったことも同じ大きさの情報として扱ってみることです。

少しずつ両方を見る習慣ができると、「全部ダメだった」という評価から、「うまくいかなかった部分もあったけれど、できたこともあった」という見方に変わりやすくなります。

「自分はダメ」と人物全体の評価に広げない

ひとつの失敗から、「自分はダメな人間だ」「仕事ができない人だ」と、自分自身に大きな評価をつけてしまうことがあります。

しかし、「ミスをしたこと」と「自分という人間の価値」は別のものです。

うまくできなかった出来事があったとしても、それはその場面についての情報であって、自分全体を説明するものではありません。

もし「私は○○な人間だ」と自分自身を決めつける言葉が増えているなら、「レッテル貼り」という別の考え方のクセが重なっている可能性もあります。

【あわせて読みたい】

ひとつの失敗や苦手な部分から「自分はダメな人」「自分には能力がない」と、自分全体を決めつけてしまう方は、「レッテル貼り」という考え方のクセについても知っておくと、自分への見方を整理しやすくなります。

自分の「考え方のクセ」をもう少し整理してみたい方へ

自分の「考え方のクセ」をもう少し整理してみたい方へ

「ひとつの失敗を必要以上に大きく感じてしまう」
「褒められても『たいしたことではない』と思ってしまう」
「できたことより、できなかったことの方が強く心に残る」

こうした考え方が繰り返されていると、自分では気づかないうちに、失敗や問題を大きく、自分の良さや努力を小さく評価する習慣ができていることがあります。

認知パターン診断で自分の「考え方のクセ」を知る

リハートカウンセリングでは、自分では気づきにくい思考の傾向を整理するための「認知パターン診断」をご用意しています。

拡大解釈・過小評価だけでなく、白黒思考、過度な一般化、心のフィルター、感情的決めつけなど、さまざまな考え方のクセを振り返りながら、自分がどのような場面で考え方に偏りが生まれやすいのかを知るきっかけとして活用できます。

診断は「良い・悪い」を決めるものではありません。自分の考え方の傾向を知り、「どうしてこの場面ではこんなに苦しくなるのだろう?」と整理するための材料としてご利用いただけます。

一人では整理しにくい考え方を一緒に見直す

考え方のクセは、気づいたからといってすぐに変えられるとは限りません。

「頭では考えすぎだと分かっているのに、失敗するとやっぱり自分を責めてしまう」「できたことを認めようとしても、どうしても『まだ足りない』と感じる」といったこともあります。

リハートカウンセリングでは、出来事・感情・考え方を一緒に整理しながら、自分に厳しくなりすぎている部分や、別の見方ができそうな部分を探していきます。

無理にポジティブに考えることが目的ではありません。自分に起きていることを少し客観的に見られるようになり、自分に合った受け止め方を見つけていくことを大切にしています。

LINE友だち追加から簡単にご予約いただけます。

友だち追加

自分では気づきにくい「考え方のクセ」を知ってみませんか?

不安になりやすい、悪い方向に考えてしまう、同じことで悩んでしまう。そんなときは、自分の思考の傾向を知ることが整理の第一歩になります。

認知パターン診断の詳しい内容は、下のバナーをクリックしてご覧ください。

認知パターン診断

SHARE
シェアする

ブログ(こころの不思議)一覧

ページの先頭へ