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「わかるよ」が逆効果になることも。職場の悩み相談で学んだ“傾聴のタイミング”

「わかるよ」が逆効果になることも。職場の悩み相談で学んだ“傾聴のタイミング”

良かれと思ってかけた言葉が、相手の心に届かないことがあります。

「わかるよ」と伝えたつもりなのに、かえって相手を傷つけてしまったり、「あなたにはわからない」と返されて、こちらまで言葉を失ってしまったり。

今回ご紹介するのは、北海道に住む40代女性の相談事例です。相談者は、コールセンターで一緒に働いていた同僚でした。

数年前、業務が忙しい時期にミスをしたことをきっかけに、その方は仕事への自信を失い、退職を考えるほど追い詰められていました。

ただ、話を聴いていくと、「辞めたい」とはっきり決めているわけでもなく、「辞めたくない」と言い切れるわけでもない。怒り、不安、みじめさ、迷いが重なり、自分でもどうしたいのかわからなくなっている様子でした。

その時、私が大切にしたのは、すぐに正しい答えを渡そうとしないことでした。

感情が高ぶっている時、人はアドバイスよりも先に、ただ気持ちを受け止めてほしいことがあります。言葉を急がず、沈黙も含めてそばにいること。

この相談事例は、「何を言うか」だけでなく、「いつ言うか」がどれほど大切なのかを、私自身が深く学んだ時間でもありました。

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投稿者プロフィール

森みな
森みなよりびと
■ 対応しやすい時間帯:③ 18:00〜24:00|夜タイム
※待機日時が変更されるケースがありますので、詳しくは待機カレンダーを確認ください。

■ 年齢:50代

■ キャッチコピー:「あなたのペースで大丈夫。安心できる沈黙も大切にします」

■ 得意なテーマ

- もやもやしている気持ちの整理
- 誰にも言えない話の受け止め
- 人間関係の悩み
- とにかく話を聴いてほしいとき
- 感情の吐き出し
- 転職・仕事の悩み、大人の学び直し

■ 聴き方・スタイル

- あなたのペースに合わせて、ゆっくり丁寧にお聴きします
- 話がまとまっていない状態でも、そのままお話しいただいて大丈夫です
- 決して否定せず、ありのままの感情を穏やかに受け止めます
- 沈黙も、あなたの心が動いている大切な時間として尊重するスタイルです

■ 経験

- 日々公的機関でのキャリア相談を通し多くの方の人生の節目に寄り添っています
- コールセンターでの勤務経験から、声を通じた対話で安心感をお届け
- 長時間の電話でも落ち着いて聴くのが得意です
- シングル子育て・家族の介護経験で、両立支援を実体験
- 資格:キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー/ホームヘルパー2級

■ 大切にしていること

- どんな話でも否定しません
- 話したくないことは無理に聞きません
- 気持ちが整理されていなくてもそのままで大丈夫
- 泣いても沈黙してもOK

■ 人柄・ユニークポイント

- 好きなもの:サウナでの静かな時間(心身の調律)
- よく言われる性格:「和やかで落ち着いている」「安心感がある」
- ちょっとしたこだわり:対話前に挽きたてのコーヒーを淹れる
- 聴き手としての密かな強み:長時間の対話でも深く集中し、あなたの言葉の裏にある「本当の願い」を優しく感じ取るのが得意です

■ メッセージ

ここでは、どんな話をしても大丈夫です。うまく話せなくても、言葉が詰まってしまっても、泣いてしまっても全く問題ありません。社会の中での役割を一度脱ぎ捨てて、あなたのペースで、安心してお話しくださいね。あなたが少しでも軽やかな気持ちになれるよう、心を込めてお聴きします。

目次

「あなたにはわからない」と言われたあの日

その方と向き合った時、最初に強く感じたのは、怒りや不安の奥にある「どうしていいかわからない」という苦しさでした。

仕事でミスをしてしまったこと。

忙しい時期で、落ち着いて考える余裕がなかったこと。

自分だけがうまくできていないように感じて、みじめな気持ちになっていたこと。

表に出ていたのは強い言葉でしたが、その奥には「本当は誰かにわかってほしい」「でも簡単にわかったように言われたくない」という、揺れる気持ちがあったように思います。

私も当時、チームのリーダーとして、何とか力になりたいと思っていました。

得意なことも不得意なことも人それぞれだから、できないことがあるからといって、その人の価値が下がるわけではない。そう伝えたかったのです。

けれど、相手の感情が高ぶっている時に、その言葉は届きませんでした。

「あなたにはわからない」

そう言われた時、私はすぐに言い返すことも、説明を続けることもできませんでした。

今振り返ると、その沈黙こそが、相手の気持ちを受け止めるために必要な時間だったのかもしれません。

忙しさの中で、心が置き去りになっていた

コールセンターの仕事は、電話の向こうにいる相手の言葉を受け止めながら、同時に正確な対応も求められる仕事です。

一つひとつのやり取りに気を配りながら、件数もこなしていく必要があります。慣れている人でも、忙しい時期には気持ちが張りつめやすくなります。

その方も、普段から真面目に仕事に向き合っていました。

だからこそ、業務が忙しい時期にミスをしてしまったことが、とても大きく心に刺さっていたのだと思います。

「また間違えたらどうしよう」

「周りに迷惑をかけているかもしれない」

「自分はこの仕事に向いていないのかもしれない」

そうした思いが重なっていくと、目の前の仕事だけでなく、自分自身まで否定されたように感じてしまうことがあります。

本当は少し立ち止まって、何が苦手なのか、どこでつまずいているのかを整理できればよかったのかもしれません。

でも、現実には業務が多忙で、ゆっくり考える余裕がありませんでした。

忙しい毎日の中では、心の疲れに気づく前に、次の電話、次の業務、次の確認がやってきます。

そうしているうちに、気持ちだけが置き去りになっていくことがあります。

この時の相談も、単に「仕事を辞めるかどうか」という話ではありませんでした。

忙しさの中で見えなくなっていた本音を、少しずつ一緒に見つけていく時間だったのだと思います。

「辞めたい」の中に、いくつもの気持ちが隠れていた

その方は、退職を考えていました。

けれど、話を聴いていると、「もう絶対に辞めたい」と決めきっているようには見えませんでした。

かといって、「続けたい」と前向きに言える状態でもありません。

辞めたいのか、辞めたくないのか。

頑張りたいのか、もう頑張れないのか。

自分でも気持ちが整理できず、言葉にするたびに迷いが深くなっているようでした。

こういう時の「辞めたい」という言葉には、いろいろな気持ちが混ざっていることがあります。

仕事が嫌だという気持ち。

自信をなくしたつらさ。

誰かに助けてほしい気持ち。

今のままでは苦しいというサイン。

そして、「本当はまだ続けたいけれど、このままでは無理かもしれない」という不安。

だから、すぐに「辞めない方がいいよ」と言うことも、「辞めた方が楽になるよ」と言うことも、どちらも少し違うように感じました。

その方が求めていたのは、結論を出してもらうことではなかったのだと思います。

まずは、頭の中でぐるぐるしている気持ちを外に出すこと。

怒りも、不安も、みじめさも、迷いも、そのまま言葉にしてみること。

その時間があって初めて、自分が本当は何に傷ついていて、何を望んでいるのかが見えてくることがあります。

「辞めたい」という言葉だけを見てしまうと、答えを急ぎたくなります。

でも、その言葉の奥にある気持ちを聴いていくことが、この時は何より大切でした。

良かれと思った言葉が、届かない瞬間がある

私はその時、相手を励ましたい気持ちがありました。

得意なことも不得意なことも、人にはそれぞれある。

できないことがあるからといって、その人が仕事に向いていないと決まるわけではない。

そう伝えることで、少しでも気持ちが軽くなればと思っていました。

けれど、その言葉を伝えようとした時、相手から返ってきたのが「あなたにはわからない」という言葉でした。

その一言は、強く刺さりました。

でも同時に、相手の中にある苦しさの大きさも感じました。

こちらがどれだけ寄り添うつもりで言った言葉でも、相手がまだ受け取れる状態でなければ、届かないことがあります。

むしろ、「簡単にわかったように言わないで」と感じさせてしまうこともあります。

感情が高ぶっている時、人は正しい説明よりも先に、自分の痛みをそのまま見てほしいのかもしれません。

この時の私は、何かを言い続けるよりも、いったん言葉を止めることを選びました。

否定しない。

説得しない。

無理に前向きな言葉へ持っていかない。

ただ、その場にいて、相手の言葉を受け止める。

今思えば、それが私にできる一番大切な関わり方だったのだと思います。

話を聴くというのは、いつも上手な言葉を返すことではありません。

時には、言葉を飲み込むこと。

相手の気持ちが落ち着くまで待つこと。

その人のペースを信じること。

この出来事は、私にとって「何を言うか」だけでなく、「いつ言うか」が大切なのだと学ぶ大きなきっかけになりました。

感情が高ぶっている時、言葉はまっすぐ届かない

「あなたにはわからない」

そう言われたあと、私はすぐに何かを言い返すことができませんでした。

こちらとしては、相手を責めるつもりも、軽く扱うつもりもありませんでした。むしろ、少しでも気持ちが楽になればと思っていました。

でも、その時の相手にとっては、私の言葉は助けになるものではなく、「わかったように言われた」と感じさせてしまうものだったのだと思います。

仕事でミスをして、自信をなくして、忙しさの中で立ち止まる余裕もない。そんな状態の時に、人はとても敏感になります。

普段なら受け取れる言葉でも、心がいっぱいいっぱいの時には、違う意味で届いてしまうことがあります。

「得意不得意は誰にでもあるよ」

「そんなに自分を責めなくていいよ」

「辞めるかどうか、少し考えてみよう」

どれも、言葉だけ見れば悪いものではありません。

けれど、相手の気持ちがまだ大きく揺れている時には、その言葉が「そんなに悩むことじゃない」と聞こえてしまうこともあります。

だから私は、その場で伝えようとしていた言葉をいったん止めました。

何かを説明するよりも、まずは相手の中にある怒りや不安、みじめさをそのまま出してもらう時間が必要だと感じたからです。

話を聴く時に大切なのは、いつも正しい返事をすることではありません。

相手がまだ言葉を受け取れる状態ではない時に、無理に届けようとしないこと。

その人の気持ちが少し落ち着くまで、急がずに待つこと。

この出来事を通して、私は「言葉の内容」だけではなく、「言葉を届けるタイミング」の大切さを強く感じました。

「わかるよ」が安心にならないこともある

誰かがつらそうにしている時、私たちはつい「わかるよ」と言いたくなります。

相手をひとりにしたくない。

気持ちに寄り添いたい。

あなたの苦しさを否定していないよ、と伝えたい。

そういう優しさから出てくる言葉だと思います。

でも、今回の相談事例では、その「わかるよ」に近い言葉が、相手には届きませんでした。

相手は、自分の中で怒りや不安を抱えていました。ミスをしたことで自信を失い、仕事を続けることにも迷い、周りに迷惑をかけているのではないかという焦りもあったのだと思います。

そんな時に「わかるよ」と言われると、人によっては「本当にわかるの?」と感じることがあります。

同じ職場にいても、同じ仕事をしていても、その人がその時に感じている重さまでは、完全にはわかりきれません。

「わかるよ」という言葉は、相手との距離を縮めることもあります。

でも、相手の気持ちが深く傷ついている時には、逆に距離を感じさせてしまうこともあります。

その時の相手に必要だったのは、私の理解を伝えることではなかったのかもしれません。

「あなたの話を聴いているよ」

「今は無理にまとめなくていいよ」

「怒っていても、不安でも、そのまま話して大丈夫だよ」

そうした空気をつくることの方が、ずっと大切だったのだと思います。

私自身、この出来事から「わかるよ」と言う前に、まず相手の言葉を待つことを意識するようになりました。

わかったつもりにならない。

相手の気持ちを先回りして決めつけない。

その人が自分の言葉で話し始めるまで、そばにいる。

それも、話を聴くうえで大切な姿勢なのだと感じています。

アドバイスより先に必要だったもの

その方は、最初からはっきりと答えを求めていたわけではありませんでした。

「辞めた方がいいですか」

「続けた方がいいですか」

そう聞かれているようでいて、実際にはその前に、たくさんの気持ちがあふれていました。

仕事がうまくいかない悔しさ。

ミスをした自分への怒り。

周りにどう見られているのかという不安。

忙しい中で余裕がなくなっていく焦り。

そして、「この先どうしたらいいのかわからない」という迷い。

こういう時、こちら側はつい解決策を探したくなります。

不得意な業務を整理してみよう。

誰かに相談できる環境をつくろう。

いきなり退職を決めずに、少し時間を置いて考えよう。

実際に、後から振り返ると、そうした工夫は必要でした。

けれど、その時点ではまだ早かったのだと思います。

心が大きく揺れている時にアドバイスを受けると、「そんなことはわかっている」「でもできないから困っている」と感じることがあります。

正しい提案であっても、受け取る準備ができていなければ、かえって苦しくなることがあります。

だから私は、その場で答えを出すことを急がないようにしました。

まずは、相手の言葉を遮らずに聴く。

感情が強く出てきても、否定せずに受け止める。

すぐに前向きな方向へ持っていこうとしない。

その時間があったからこそ、相手は少しずつ落ち着きを取り戻していきました。

アドバイスは、必要ないわけではありません。

ただ、順番があるのだと思います。

気持ちを出す時間があって、安心して話せる空気があって、その後にようやく、次にどうするかを一緒に考えられるようになる。

今回の相談事例では、その順番を間違えないことが、とても大切でした。

沈黙の時間が、気持ちを整える余白になった

「あなたにはわからない」と言われた時、場の空気は一瞬止まったように感じました。

私も戸惑いましたし、相手も感情が強く出たことで、さらに苦しくなっていたかもしれません。

以前の私なら、そこで何とか言葉を重ねようとしていたかもしれません。

「そんなつもりじゃないよ」

「誤解させたならごめんね」

「でも、あなたを責めているわけじゃないよ」

そう説明したくなる気持ちはありました。

けれど、その時は説明を急がない方がいいと感じました。

相手は、私の言葉の意味を確認したかったのではなく、自分の中にある苦しさを外に出していたのだと思います。

だから私は、無理に会話を進めず、少し待つことを選びました。

沈黙は、気まずいものに感じることがあります。

何か言わなければ。

場をつなげなければ。

早く安心させなければ。

そう思うと、つい言葉で埋めたくなります。

でも、話を聴く場面では、沈黙がその人にとって必要な余白になることがあります。

自分が何に怒っているのか。

本当は何が悲しかったのか。

辞めたいと言いながら、何を失うのが怖いのか。

そうした気持ちは、すぐに言葉になるとは限りません。

少し黙る時間があって、感情の波が落ち着いてきて、ようやく見えてくる本音もあります。

その方も、しばらくしてから少しずつ話を続けてくれました。

最初の強い言葉の奥に、「本当は辞めたいわけではなく、ただ聴いてほしかった」という気持ちが見えてきました。

沈黙を怖がらずに待つこと。

それは何もしないことではなく、相手の心が整う時間を大切にすることなのだと、この時あらためて感じました。

言葉を急がず、相手のペースを待つことにした

強い言葉が出たあと、私はすぐに何かを伝えようとするのをやめました。

相手を安心させたい気持ちはありました。

「そんな意味で言ったわけではないよ」と説明したい気持ちもありました。

でも、その時の相手に必要なのは、私の説明ではなかったように感じます。

仕事でミスをして、自信をなくして、退職まで考えるほど気持ちが追い込まれている時。

その場でどれだけ丁寧な言葉を選んでも、相手の心が受け取れる状態でなければ、言葉はすれ違ってしまいます。

だから私は、言葉を重ねるよりも、いったん止まることを選びました。

「今は、答えを出さなくてもいい」

「怒っていても、不安でも、そのまま話していい」

そう感じてもらえるように、否定せず、急かさず、ただそばにいることを大切にしました。

すると、少しずつ相手の声の強さがやわらいでいきました。

最初は怒りのように見えていた感情の奥から、「本当はどうしたらいいかわからない」「誰かに話を聴いてほしかった」という気持ちが見えてきました。

人は、感情が高ぶっている時ほど、すぐに整理された言葉では話せないことがあります。

言っていることが変わったり、強い表現になったり、相手をはね返すような言い方になったりすることもあります。

でも、その言葉だけを見てしまうと、本当に聴くべき気持ちを見失ってしまうことがあります。

この相談事例で私が学んだのは、相手を変えようとする前に、まず自分が待てるかどうかでした。

言葉を届けることよりも、言葉が届く状態になるまで一緒にいること。

それが、その時の私にできる一番大切な関わり方だったのだと思います。

反論せずに受け止めることで、安心が生まれていった

「あなたにはわからない」と言われた時、正直に言えば、私の中にも少し揺れる気持ちがありました。

一生懸命考えて言葉を選んだつもりだったからこそ、受け取ってもらえなかったことへの戸惑いもありました。

でも、その場で反論してしまえば、相手はさらに心を閉ざしてしまったかもしれません。

「そんな言い方をしなくてもいいのに」

「私はあなたのことを思って言っているのに」

そう返してしまうと、話の中心が相手の苦しさではなく、私の気持ちになってしまいます。

だから私は、自分の言い分を伝えることよりも、相手が今どんな気持ちでその言葉を出したのかに意識を向けました。

仕事でミスをしたことが恥ずかしかったのかもしれない。

周りからできない人だと思われるのが怖かったのかもしれない。

本当は助けてほしいのに、素直に頼れなかったのかもしれない。

そう考えると、強い言葉の奥にある不安やみじめさが、少しずつ見えてきました。

人は、自分の気持ちを否定されないと感じた時に、ようやく少しずつ落ち着いて話せるようになることがあります。

「それは違うよ」と返されるよりも、「そう感じていたんだね」と受け止めてもらう方が、心の力が抜けることがあります。

この時も、私はすぐに正そうとはしませんでした。

相手の言葉が強くても、その奥にある気持ちを大切に聴くようにしました。

すると、相手の話し方は少しずつ変わっていきました。

最初は怒りをぶつけるような言葉が多かったのですが、時間が経つにつれて、「どうしたらいいかわからない」「自信がない」という本音が出てくるようになりました。

反論しないことは、相手の言葉をすべてそのまま肯定することではありません。

今この瞬間の気持ちを、まずは置いてもらえる場所をつくること。

その安心があって初めて、相手は自分の本音に近づいていけるのだと思います。

「辞めたい」の答えを急がず、気持ちをほどいていった

退職を考えていると聞くと、周りはどうしても答えを急ぎたくなります。

辞めるのか。

続けるのか。

休むのか。

誰かに相談するのか。

現実的なことを考えれば、早めに方向性を決めた方がいい場面もあります。

けれど、この時の相手は、すぐに決断できる状態ではありませんでした。

「辞めたい」という言葉の中には、仕事そのものを手放したい気持ちだけではなく、今の苦しさから抜け出したい気持ちも混ざっていました。

ミスをした自分を責める気持ち。

忙しさについていけない焦り。

周りと比べて落ち込む気持ち。

このまま続けてもまた失敗するのではないかという不安。

そうした気持ちが重なって、「もう辞めた方がいいのかもしれない」という言葉になっていたのだと思います。

だから私は、「本当に辞めたいの?」とすぐに確認するよりも、その言葉の手前にある気持ちを一つずつ聴いていくことにしました。

どんな時に一番つらくなるのか。

何が自信をなくすきっかけになっているのか。

誰かに助けを求められる場面はあるのか。

できていないことだけでなく、できていることは何か。

そうやって話していくうちに、相手の中でも少しずつ整理が進んでいきました。

「辞めたいのか、辞めたくないのかもわからない」という状態から、「本当は辞めたいわけではなかったのかもしれない」という気づきが出てきました。

これは、誰かが外から説得して出した答えではありません。

相手自身が、自分の言葉で話しながら見つけた気持ちでした。

人の本音は、急かされると隠れてしまうことがあります。

でも、安心して話せる時間があると、少しずつ形になっていきます。

この時も、答えを急がなかったからこそ、本当の気持ちに近づけたのだと思います。

得意不得意を書き出すことで、見える景色が変わった

相手の気持ちが少し落ち着いてきたあと、ようやく具体的な整理に入ることができました。

そこで一緒に考えたのが、仕事の中で得意なことと不得意なことを書き出してみることでした。

ミスをした直後は、どうしても「自分は全部だめだ」と感じやすくなります。

一つの失敗が、仕事全体への自信のなさにつながってしまうことがあります。

でも、実際にはすべてができていないわけではありません。

落ち着いて振り返ってみると、問題なくできている業務もあります。

人より丁寧に対応できていることもあります。

お客様の話を最後まで聴けることや、確認を怠らないことなど、その人ならではの良さもあります。

一方で、苦手な業務や、焦るとミスにつながりやすい場面も見えてきました。

それを書き出していくことで、「私はこの仕事に向いていない」という大きな不安が、少しずつ具体的な課題に変わっていきました。

大きく見えていた悩みも、分けてみると対処できる部分が見つかることがあります。

たとえば、確認のタイミングを増やす。

わからない時に聞ける相手を決めておく。

忙しい時ほど一呼吸置く。

苦手な作業は、最初からひとりで抱え込まない。

そうした工夫が見えてくると、相手の表情にも少し安心が戻ってきました。

得意不得意があることは、恥ずかしいことではありません。

誰にでも、向いている作業と負担が大きくなりやすい作業があります。

大切なのは、苦手を隠してひとりで抱え込むことではなく、どうすれば相談しやすくなるかを考えることです。

この整理を通して、相手は「全部だめだから辞める」ではなく、「苦手なところを助けてもらいながら続ける」という選択肢を持てるようになっていきました。

話を聴いてもらうことで、本当の気持ちに気づいていった

話を重ねていくうちに、その方は少しずつ落ち着きを取り戻していきました。

最初は、怒りや不安、みじめさが前に出ていて、「もう辞めるしかないのかもしれない」という気持ちが強く見えていました。

けれど、時間をかけて話を聴いていくと、その奥にあったのは「辞めたい」という決意だけではありませんでした。

本当は、つらかったことを誰かに聴いてほしかった。

ミスをした自分を責め続けるのではなく、苦手なことを一緒に整理してほしかった。

この先どうしたらいいのか、ひとりで抱え込まずに考えたかった。

そんな気持ちが、少しずつ言葉になっていきました。

相談の時間を通して、その方は仕事を続けることを選びました。

もちろん、すべての不安が一度になくなったわけではありません。

また忙しい時期が来れば、焦ることもあるかもしれません。苦手な業務の前で、自信をなくす日もあるかもしれません。

それでも、「自分は全部だめなんだ」と決めつけるのではなく、「得意不得意がある」「苦手なところは相談していい」と思えるようになったことは、大きな変化だったと思います。

話を聴く時間は、相手の答えをこちらが決める時間ではありません。

その人自身が、自分の中にある気持ちに気づいていく時間です。

今回の相談事例は、私にとっても、言葉を届ける前に待つこと、そして安心して話せる空気をつくることの大切さを、あらためて教えてくれた出来事でした。

「辞めたい」は、心からのSOSかもしれない

仕事でつまずいた時、「辞めたい」と思うことは珍しくありません。

ミスが続いたり、周りについていけないように感じたり、自分だけがうまくできていないように思えたりすると、その場所にいること自体が苦しくなることがあります。

けれど、「辞めたい」という言葉が、必ずしも「本当に今すぐ辞めたい」という意味だけとは限りません。

今回の相談事例でも、その方は退職を考えていました。

でも、話を聴いていくと、本当に求めていたのは、仕事を手放すことだけではなかったように感じます。

つらさをわかってほしい。

失敗した自分を責めすぎないでいたい。

苦手なことを一緒に整理したい。

この先も働ける方法があるなら知りたい。

そうした気持ちが、「辞めたい」という言葉の中に隠れていました。

人は余裕がなくなると、自分の本音を細かく言葉にすることが難しくなります。

「疲れた」「無理」「辞めたい」

そんな短い言葉でしか、苦しさを表せないこともあります。

だからこそ、その言葉をすぐに止めたり、否定したり、反対にそのまま結論として扱ったりしないことが大切だと感じました。

「辞めたいんだね」と受け止めながら、その奥にある気持ちを一緒に見ていく。

何が一番つらいのか。

どんな場面で自信をなくすのか。

本当は何を助けてほしいのか。

そうやって少しずつほどいていくと、自分でも気づいていなかった本音が見えてくることがあります。

「辞めたい」は、終わりの言葉ではなく、心が助けを求めているサインかもしれません。

そのサインを責めずに受け止めることが、次の一歩につながっていくのだと思います。

得意不得意を認めると、働き方を見直しやすくなる

その方が仕事を続けるうえで大切にしたのは、不得意なことをなかったことにしないことでした。

ミスをした時、人はつい「自分は向いていない」「全部できていない」と考えてしまいます。

でも、実際には、すべてが苦手なわけではないことも多いです。

丁寧に対応できていること。

相手の話をよく聴けていること。

確認を大切にできていること。

周りへの気配りができていること。

そうした良さは、落ち込んでいる時ほど自分では見えにくくなります。

一方で、苦手なことも確かにあります。

焦ると確認が抜けやすい。

忙しい時に優先順位がわからなくなる。

わからないことをすぐに聞けず、ひとりで抱えてしまう。

そうした傾向を責めるのではなく、「どうすれば働きやすくなるか」を考える材料にしていくことが大切です。

今回の相談事例では、不得意な分野を書き出して、相談しやすい環境づくりを考えていきました。

苦手を見える形にすると、「自分がだめだから」ではなく、「ここを工夫すればいいのかもしれない」と考えやすくなります。

たとえば、確認する相手を決める。

忙しい時の手順をメモしておく。

ミスが起きやすい場面を先に共有しておく。

わからないまま進めず、早めに声をかける。

小さな工夫でも、安心感は変わっていきます。

得意不得意があるのは、特別なことではありません。

誰にでもあります。

大切なのは、苦手を隠して苦しくなることではなく、自分の特徴を知ったうえで、相談できる形にしていくこと。

その方が「続ける」という選択をできたのは、弱さを消したからではなく、弱さも含めて働き方を見直せたからだと思います。

うまく話せなくても、話し始めることに意味がある

今回の相談事例を振り返ると、私が一番大切だと感じたのは、うまく話すことよりも、まず話せる場所があることでした。

悩んでいる時、自分の気持ちをきれいに整理してから話そうとする人は多いかもしれません。

何に困っているのか。

どうしたいのか。

どんな答えがほしいのか。

それがわからないと、相談してはいけないように感じることもあります。

でも、本当はそうではないと思います。

「辞めたいのか、辞めたくないのかわからない」

「腹が立つけれど、何に怒っているのかもわからない」

「助けてほしいけれど、どう助けてほしいのか言葉にできない」

そんな状態のままでも、話し始めていいのだと思います。

話しているうちに、自分でも気づいていなかった気持ちが出てくることがあります。

最初は怒りの言葉だったものが、少しずつ不安に変わり、その奥にある寂しさや悔しさに気づくこともあります。

今回の相談でも、最初から本音が整理されていたわけではありませんでした。

むしろ、怒りや焦りが先に出ていました。

それでも、言葉を止めずに聴いていくうちに、「本当は辞めたいわけではなく、話を聴いてほしかった」という気持ちが見えてきました。

話すことは、自分の気持ちを相手に伝えるためだけのものではありません。

自分自身が、自分の心に気づくための時間でもあります。

うまく言えなくても大丈夫です。

途中で言葉が詰まっても、同じ話を何度もしても、気持ちがまとまらなくても大丈夫です。

まずは、今ある気持ちをそのまま外に出してみること。

そこから少しずつ、自分にとって必要な一歩が見えてくることがあります。

この経験を通して、私自身も「待つこと」「急がないこと」「相手のペースを信じること」の大切さを学びました。

言葉は、タイミングが合った時に届くものなのだと思います。

ひとりで抱え込まず、話すことで見えてくる気持ちがあります

仕事でミスをした時や、自信をなくしてしまった時。

「もう辞めた方がいいのかな」

「自分には向いていないのかもしれない」

「誰かに相談したいけれど、何を話せばいいのかわからない」

そんなふうに、気持ちがまとまらないまま苦しくなることがあります。

でも、うまく言葉にできなくても大丈夫です。

話しているうちに、「本当は辞めたいわけではなかった」「ただ聴いてほしかった」「苦手なところを一緒に整理したかった」と、自分でも気づいていなかった気持ちが見えてくることがあります。

今回の相談事例でも、最初は怒りや不安、みじめさが強く出ていました。

けれど、急いで答えを出さず、気持ちを一つひとつ言葉にしていく中で、少しずつ本音が見えていきました。

誰にでも得意不得意があります。

苦手なことがあるからといって、その人の価値が下がるわけではありません。

大切なのは、ひとりで抱え込まず、自分の気持ちを安心して話せる時間を持つことです。

「今の気持ちを整理したい」

「仕事の悩みを誰かに聴いてほしい」

「自分がどうしたいのか一緒に考えたい」

そう感じた時は、LINE公式アカウントの友だち追加から、相談予約をご確認いただけます。

まずは、話してみることから始めてみませんか。

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