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好きなことが分からない大人へ|興味や楽しみを見つけ直す方法

好きなことが分からない大人へ|興味や楽しみを見つけ直す方法

「好きなことは何ですか?」と聞かれたとき、すぐに答えが浮かばなくて困ったことはありませんか。

昔は好きだったことがあった気がするのに、今は何をしてもそれほど楽しいと思えない。休日になっても特にやりたいことがなく、気づけばスマホを見ながら一日が終わっている。周りの人が趣味や好きなことを楽しそうに話していると、「私には何もないのかもしれない」と、少し寂しく感じることもあるでしょう。

けれど、好きなことが分からないからといって、興味や楽しみを感じる力がなくなったわけではありません。

仕事や家事、子育て、人間関係など、毎日の中で「やらなければならないこと」を優先していると、私たちは自分の気持ちを後回しにしやすくなります。「自分は何をしたい?」よりも、「周りはどう思う?」「役に立つ?」「時間を無駄にしない?」と考えることが増えると、自分の小さな興味に気づきにくくなることもあります。

また、「夢中になれる趣味を見つけなければ」「人に話せるような好きなことが必要」と考えるほど、かえって何を選んでもしっくりこなくなることがあります。

好きなことは、最初から「これが大好き」とはっきり分かるものばかりではありません。

「なんとなく気になる」
「これは嫌じゃない」
「もう一度やってみてもいいかも」
「少し落ち着く」

そんな小さな感覚から始まることもあります。

この記事では、なぜ大人になると好きなことが分からなくなるのか、その背景を整理しながら、興味や楽しみを少しずつ見つけ直していく方法を一緒に考えていきます。

「好きなことを見つけなければ」と焦るのではなく、まずは日常の中で自分の心がほんの少し動く瞬間を拾ってみる。そこから、自分らしい楽しみを取り戻していきましょう。

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投稿者プロフィール

佐藤 公俊
佐藤 公俊心理カウンセラー
■ 一言キャッチコピー

ストレス・人間関係・自己肯定感の悩みに寄り添い、“話を聴いてもらえる安心”から考え方のクセを整える心理カウンセラー

■ 経歴・実績

心理カウンセラーとして、ストレス、不安、うつ傾向、人間関係、自己肯定感の低さ、仕事やキャリアの悩みなど、幅広いご相談に対応しています。

オンラインを中心にカウンセリングを提供し、安心して本音を話せる時間を大切にしています。

また、人材紹介会社にてキャリアコンサルタントとして転職相談に従事してきた経験もあり、仕事の悩みやキャリアの迷い、職場での人間関係についても、現実的な視点を持ちながらサポートしています。

■ 保有資格

産業カウンセラー

■ 主な相談内容

ストレス・メンタル不調
不安・うつ・気分の落ち込み
職場・家族・恋愛などの人間関係の悩み
自己肯定感の低さ・自己否定
HSP気質・繊細さによる生きづらさ
仕事の悩み・キャリアの迷い
本音が言えない・自分の気持ちが分からない悩み
誰かに話を聴いてほしい時の気持ちの整理

■ カウンセリングの特徴・強み

私が大切にしているのは、まず安心して話せることです。

悩みを抱えている時、人はすぐに答えがほしいとは限りません。アドバイスよりも先に、「まずは話を聴いてほしい」「分かってほしい」と感じていることがあります。

そのため、否定せず、急かさず、話がまとまっていなくても受け止めることを大切にしています。

そのうえで、ストレスや不安の背景にある気持ちを一緒に整理し、自分でも気づきにくい“考え方のクセ”や“認知の歪み”に気づけるようサポートします。

ただ聴くだけで終わるのではなく、話すことで心を整え、必要に応じて日常で実践できる具体的な対処法も一緒に考えていきます。

■ アプローチ方法

クライアント中心療法、来談者中心療法を大切にしながら、認知行動療法、CBTの考え方も取り入れています。

特に、感情・思考・行動のつながりを一緒に見える化し、ストレスや不安が強くなるパターンを整理していきます。

「なぜ同じことで悩みやすいのか」
「どうして自分を責めてしまうのか」
「人間関係で疲れやすい理由は何か」

そういった部分を、無理に決めつけるのではなく、対話を通して一緒に見つけていきます。

■ カウンセラーになったきっかけ

子どもの頃から、自分の気持ちや「嫌だ」という思いをうまく言えない環境で育ちました。

本当はつらいと感じていても、それを言葉にすることが難しく、気持ちを飲み込んでしまうことが多くありました。

その経験から、「自分の気持ちを安心して話せる場所があること」「否定されずに話を聴いてもらえること」が、人にとってどれほど大切なのかを、身をもって感じるようになりました。

大人になってからは、人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして転職相談に携わりました。

そこでは、仕事の悩みやキャリアの迷いだけでなく、職場の人間関係、将来への不安、自信のなさなど、さまざまな思いを抱えた方のお話を聴く機会が多くありました。

相談を受ける中で感じたのは、多くの方が「答え」だけを求めているわけではないということです。

まずは自分の気持ちを整理したい。誰にも言えなかった不安を聴いてほしい。否定されずに、今の思いを受け止めてほしい。

そういった気持ちを抱えながら、一人で頑張っている方がたくさんいることを実感しました。

話を聴いてもらうことで、表情が少し和らいだり、自分の本音に気づいたり、次の一歩を考えられるようになったりする姿を見て、傾聴には人の心を支える力があると感じました。

子どもの頃に感じていた「うまく言えない苦しさ」と、キャリア相談の現場で出会った「誰かに聴いてほしい思い」。

その両方の経験が重なり、安心して本音を話せる場所をつくりたい、一人で抱え込んでいる方の力になりたいと思うようになったことが、心理カウンセラーを目指すきっかけです。

■ 大切にしていること

安心して本音を話せる場づくり
否定せず、そのままを受け止めること
一人ひとりの価値観やペースを尊重すること
話すことで心を整える時間を大切にすること
「話してもいいんだ」と感じられる経験を積み重ねること

■ メッセージ

ストレスや不安、人間関係の悩みの多くは、自分でも気づかない“考え方のクセ”が影響していることがあります。

ただ、そのクセに気づくためには、まず安心して話せることが大切です。

整体で身体を整えるように、心もまた、話すことで少しずつ整っていくことがあります。

「こんなことで相談していいのかな」
「うまく話せるか分からない」
「誰かに聴いてほしいけれど、身近な人には話しにくい」

そんな段階でも大丈夫です。

話がまとまっていなくても、同じ話を繰り返しても、途中で言葉に詰まってもかまいません。

安心して話せる場所として、そして自分の本音に気づき、少しずつ自分らしく生きるための時間としてご利用ください。

目次

「好きなことが分からない」と感じる大人は少なくありません

「好きなことが分からない」と感じる大人は少なくありません

「好きなことは何ですか?」と聞かれたとき、すぐに答えられないと、「自分には何もないのかな」と不安になることがあります。趣味を楽しんでいる人や、休日にやりたいことがたくさんある人を見ると、「私も何か見つけなければ」と焦ってしまうこともあるでしょう。

けれど、好きなことが分からない状態は、決して珍しいことではありません。大人になると、仕事や家事、家族との予定など、「やりたいこと」よりも「やらなければならないこと」を優先する時間が増えていきます。その状態が長く続けば、自分の興味に目を向ける機会そのものが少なくなっていきます。

私たちは、「好きなこと」と聞くと、夢中になれる趣味や、人に自信を持って話せる特技のようなものを想像しがちです。でも実際には、「この音楽を聴くと落ち着く」「このお店に行くと少し気分が上がる」「この動画はつい見てしまう」といった、小さな気持ちも十分に興味の入口になります。

まずは、「好きなことがない」と決めつけるのではなく、「最近、自分は何に少し反応しているだろう」と見てみることが大切です。ここでは、好きなことが分からなくなったときに感じやすい三つの場面から、自分の今の状態を整理していきます。

「趣味は?」と聞かれると、何を答えたらいいのか困ってしまう

初対面の人との会話や自己紹介で、「趣味は何ですか?」と聞かれることがあります。そんなとき、「映画を見ることかな」「たまにカフェに行くくらい」と答えながらも、「これって趣味と言えるのかな」と迷ってしまうことがあります。

私たちは、趣味という言葉を聞くと、「毎週続けているもの」「詳しく語れるもの」「上達しているもの」でなければいけないように感じることがあります。すると、たまに楽しんでいる程度のことは、自分の好きなこととして数えなくなってしまいます。

たとえば、休日にパン屋さんを見つけると入りたくなる。知らない街を歩くのが少し楽しい。YouTubeで料理動画を見ていると落ち着く。本屋に行くと、買わなくても棚を眺めてしまう。こうした行動も、私たちの興味が向いている方向を教えてくれています。

「趣味」と呼べるかどうかは、それほど重要ではありません。

むしろ、「なぜか気になる」「つい見てしまう」「やった後に少し気分がいい」と感じることに注目してみるほうが、自分の好きなものを見つけやすくなります。

人に説明できる立派な趣味を探すよりも、「私はこういう時間が意外と嫌いじゃないんだな」と気づいていく。その小さな発見が、好きなことを見つけ直す最初の手がかりになります。

休日になっても、何をしたいのか分からないことがある

仕事の日には「休みになったらゆっくりしたい」と思っていたのに、いざ休日になると何をしたらいいのか分からない。気づけばスマホを眺め、動画を見たりSNSを見たりしているうちに夕方になっていた。そんな日が続くと、「せっかくの休みを無駄にしてしまった」と落ち込むことがあります。

でも、何もしたいことが思い浮かばない背景には、単純に興味がないのではなく、疲れが残っていることもあります。

私たちは心や体に余裕が少ないと、新しいことを始めたり、「今日は何をしよう」と考えたりすることさえ負担に感じることがあります。そんな状態で「休日を充実させなきゃ」「新しい趣味を始めなきゃ」と頑張るほど、楽しみを見つけること自体が宿題のようになってしまいます。

もし休日に何もしたくないのであれば、まずは「今は休みたいのかもしれない」と考えてみることも大切です。

そして少し余裕が出てきたときに、「外へ出るならどこなら負担が少ない?」「家にいるなら何をしていると落ち着く?」と、小さく考えてみます。

近所を10分歩くだけでもいいですし、気になっていたお菓子を買うだけでも構いません。

「休日を楽しく過ごさなければ」ではなく、「今日、少しだけ気分がよくなることは何だろう」と考える。そうすると、楽しみを大きなイベントとして探すのではなく、日常の中から見つけやすくなっていきます。

周りの人が楽しそうに見えるほど、「自分には何もない」と焦ってしまう

SNSを見ると、旅行を楽しんでいる人、スポーツをしている人、推し活をしている人、料理やハンドメイドに夢中になっている人など、好きなことを楽しんでいる人がたくさん目に入ります。

そんな姿を見ていると、「みんなには夢中になれるものがあるのに、私は何もない」と感じることがあります。そして、「私も何か趣味を見つけなければ」と焦り、人気の習い事を調べたり、いろいろなことを試したりすることもあるでしょう。

けれど、周りの人が楽しんでいるものと、自分の心が動くものは同じとは限りません。

私たちは他人の楽しそうな姿を見ると、「あれを楽しめる自分になったほうがいいのでは」と考えてしまうことがあります。でも、好きなことは誰かの正解をコピーして見つかるものではありません。

ヨガが楽しい人もいれば、家で漫画を読む時間が一番落ち着く人もいます。旅行に行くと元気になる人もいれば、予定のない休日に幸せを感じる人もいます。

どちらが正しいということではありません。

大切なのは、「みんなが楽しんでいるか」ではなく、自分の気持ちがほんの少し動いたかどうかです。

「これはあまり好きじゃない」「これは意外と楽しかった」「もう一度ならやってもいいかも」。そんな感覚を一つずつ拾っていくことで、自分の興味は少しずつ見えてきます。

「好きなことが分からない」という状態は、自分に何もないということではありません。もしかするとこれまで、自分の気持ちよりも周りや日々の役割を優先してきたために、心の小さな反応に気づく時間が少なかっただけなのかもしれません。

では、なぜ私たちは大人になるにつれて、自分の「好き」が分かりにくくなっていくのでしょうか。次は、その背景にある考え方や生活の積み重ねを、もう少し丁寧に見ていきます。

好きなことが分からなくなる背景には、これまでの過ごし方が関係していることがあります

A woman sits at a table with a notebook and coffee, surrounded by pastel Japanese motivational text about noticing small feelings and staying calm.

「好きなことが分からない」と感じると、私たちはつい「自分には興味がない」「感性が乏しい」「何をしても楽しめない人なのかもしれない」と考えてしまうことがあります。けれど、本当にそうなのでしょうか。

大人になるまでの過程では、学校、仕事、家族、人間関係など、さまざまな場面で「自分がどうしたいか」よりも、「周りに迷惑をかけないこと」「きちんと役割を果たすこと」「評価されること」を優先しなければならない時期があります。そうした生活が長く続けば、自分の気持ちを確認する時間が少なくなっていくのは自然なことです。

また、興味が浮かんだとしても、「それをやって何になるの?」「時間やお金の無駄では?」とすぐに判断してしまうと、まだ小さな段階の好奇心が消えてしまうこともあります。

私たちは、「好きなこと」は突然見つかるものだと思いがちですが、その前には「ちょっと気になる」「もう少し知りたい」「なんとなく落ち着く」といった小さな感覚があります。そうした感覚が見えにくくなった背景を知ることで、「私には好きなことがない」という見方も少しずつ変わっていきます。

周りに合わせることを優先しているうちに、自分の気持ちが分かりにくくなる

これまで人間関係を大切にしてきた人ほど、相手に合わせることが自然になっている場合があります。

「何を食べたい?」と聞かれたら、「みんなが行きたいところでいいよ」と答える。「休日どこに行きたい?」と聞かれても、「そっちが決めていいよ」と任せる。職場でも、自分の希望より周囲が困らないことを優先する。こうした選択を長く続けていると、「私は本当はどちらがいいんだろう」と考える機会そのものが少なくなります。

もちろん、人に合わせられることは大切な力です。相手を思いやり、状況に合わせて動けることは、人間関係の中で役立つこともたくさんあります。

ただ、それがいつも自分の気持ちより先になっていると、自分の「好き」「嫌い」「やってみたい」という感覚が小さくなっていくことがあります。

私たちは、強い好みだけを「自分の気持ち」だと思いがちです。でも、「今日は和食のほうがいい」「静かな場所のほうが落ち着く」「この色はなんとなく好き」といった小さな選択も、自分を知るための大切な材料です。

好きなことを探す前に、日常の中で「私はどちらを選びたい?」と自分に聞いてみる。小さな選択で自分の気持ちを確認していくことで、少しずつ「私はこういうものが心地いいんだ」という感覚が戻ってくることがあります。

「役に立つか」「得になるか」で考えると、興味の芽を見逃しやすくなる

大人になると、何かを始めるときに「それをやって意味があるのか」と考えることが増えます。

英語なら仕事に役立つ。資格なら転職につながる。運動なら健康にいい。このように目的が分かりやすいものは始めやすい一方で、「ただ面白そうだから」「なんとなく気になるから」という理由だけでは、時間を使うことに抵抗を感じる人もいます。

たとえば、絵を描いてみたいと思ったときに、「上手くなれるわけでもないし」とやめてしまう。昔好きだったゲームをやりたいと思っても、「時間の無駄だから」と我慢する。気になるカフェを見つけても、「わざわざ行くほどではない」と通り過ぎる。

こうした判断を繰り返していると、自分の興味が育つ前に、自分自身で消してしまうことがあります。

私たちは、仕事や生活の中では効率や意味を考える必要があります。でも、楽しみにまで成果を求める必要はありません。

「役に立たなくてもいい」「上達しなくてもいい」「人に話せる趣味にならなくてもいい」と考えてみると、興味を持てる範囲はぐっと広がります。

好きなことの入り口は、とても曖昧です。「なんとなく見ていたい」「ちょっと触ってみたい」「一回やってみようかな」。その程度で十分です。

意味を探す前に、「私はこれに少し惹かれているんだな」と気づいてあげる。その小さな好奇心をすぐに評価せずに残しておくことが、楽しみを見つけ直すことにつながっていきます。

疲れているときは、「好き」と感じる余裕そのものが少なくなる

何を見ても興味が湧かない。休日になっても外へ出たいと思えない。昔好きだったことをやってみても、以前ほど楽しくない。

そんな状態になると、「もう自分には好きなものがない」と感じることがあります。でも、その原因が興味のなさではなく、単純に心や体が疲れていることもあります。

仕事で気を張り続けていたり、家族のことを優先する日が続いていたり、人間関係で悩みを抱えていたりすると、自由な時間ができても、何かを楽しむための余力が残っていない場合があります。

私たちは疲れているときでも、「せっかくの休日だから楽しもう」「趣味を見つけよう」と自分に求めてしまうことがあります。けれど、楽しむことにもある程度のエネルギーが必要です。

新しい場所へ行くことも、新しい人に会うことも、初めてのことを試すことも、心に余裕がないと負担になります。

そんなときは、無理に「楽しいこと」を探さなくても構いません。「今日は静かに過ごしたい」「何も予定を入れたくない」「温かい飲み物を飲んでぼんやりしたい」という気持ちも、自分にとって心地よいものを知る大切な手がかりです。

私たちは「好き」を、わくわくするものだけだと思いがちです。でも、「安心する」「ほっとする」「疲れない」「少し落ち着く」という感覚も、自分らしい楽しみにつながっていきます。

まず十分に休み、そのうえで「少しだけやってみたいことはあるかな」と考えてみる。そうすると、今まで見えなかった小さな興味が戻ってくることがあります。

好きなことが分からないときに必要なのは、無理に大きな趣味を見つけることではないのかもしれません。次は、「好きなものを見つけなければ」という考えから少し離れ、もっと小さな心の動きから興味を探していく方法を考えていきましょう。

「好き」を探すより、小さな心の動きを拾ってみる

「好き」を探すより、小さな心の動きを拾ってみる

好きなことが分からないとき、私たちは「何か夢中になれるものを見つけなければ」と考えがちです。けれど、その気持ちが強くなるほど、興味を探すこと自体がプレッシャーになることがあります。せっかく何かを試しても、「そこまで楽しくない」「続けられそうにない」と感じると、「やっぱり私には好きなことがない」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。

でも、好きなことは最初からはっきり分かるとは限りません。強いワクワクよりも、「ちょっと気になる」「これは嫌じゃない」「またやってもいいかも」という、ごく小さな反応から始まることもあります。

私たちは、自分の興味を見つけようとするとき、「好きか嫌いか」の二択で判断してしまうことがあります。でも、その間にはたくさんの感覚があります。「落ち着く」「なんとなく見ていたい」「少し面白かった」「疲れにくい」などです。

大切なのは、すぐに趣味や生きがいとして完成させることではありません。まずは、自分の心がほんの少し動いた瞬間に気づいていくことです。そこから、自分に合う楽しみの方向が少しずつ見えてくることがあります。

「好き」ではなく「嫌じゃない」から探してみる

「好きなことを探そう」と言われると、私たちはつい「時間を忘れるくらい夢中になれるもの」を探してしまいます。でも、今まで自分の気持ちを後回しにしてきた人にとって、いきなり「大好き」を見つけるのは難しいこともあります。

そんなときは、「好き?」と聞く代わりに、「これは嫌じゃない?」と考えてみる方法があります。

たとえば、散歩は特別楽しいわけではないけれど嫌ではない。本屋へ行くと少し落ち着く。料理をするのは面倒な日もあるけれど、新しいレシピを見るのは嫌いではない。植物を見るとなんとなく気持ちがゆるむ。

そのくらいの感覚で十分です。

私たちは、「これは趣味になるかな」「長く続けられるかな」と先のことまで考えると、小さな興味を見逃してしまいます。今の段階では、続ける必要もありません。

「今日はこれならやってみてもいいかな」と感じるものを選んでみる。そして終わった後に、「疲れた」「意外と落ち着いた」「もう一度ならやってもいい」と、自分の反応を確認してみます。

「大好き」を探すよりも、「それほど嫌じゃない」をいくつか集めていく。その中から少しずつ、「これは他のものより心地いいかも」という違いが見えてくることがあります。

好きなことは、見つけるというより、こうした小さな選択の積み重ねから輪郭ができていくものなのかもしれません。

昔「ちょっと楽しかったこと」を思い出してみる

今の自分に好きなことが思い浮かばないときは、昔の自分を振り返ってみるのも一つの方法です。

子どもの頃、何をしている時間が好きだったでしょうか。絵を描いていた。本を読んでいた。虫や植物を眺めていた。音楽を聴きながらぼんやりしていた。友達と話すことが楽しかった。お菓子を作るのが好きだった。

ここでも、「得意だったこと」を探す必要はありません。

途中でやめたものでも構いませんし、人から褒められなかったことでも大丈夫です。「そういえば、あの時間は嫌いじゃなかったな」という程度で十分です。

私たちは大人になるにつれて、「上手かどうか」「役に立つかどうか」で物事を見ることが増えていきます。でも、子どもの頃は、それほど目的を考えずに好きなことをしていたことがあります。

昔好きだったからといって、今も同じように楽しめるとは限りません。それでも、「なぜあれが楽しかったのだろう」と考えると、自分の興味の方向が見えることがあります。

絵が好きだった人は、絵そのものより「色を選ぶこと」が好きだったのかもしれません。本が好きだった人は、「一人で静かな世界に入る時間」が心地よかったのかもしれません。

私たちが探したいのは、昔と同じ趣味ではなく、自分がどんな時間に心地よさを感じていたのかです。

そこに気づくと、今の生活の中でも似た感覚を得られるものを探しやすくなっていきます。

「またやってもいいかも」と思えたものを残してみる

新しいことを試したあと、「すごく楽しかった!」と思えなかったからといって、すぐに候補から外す必要はありません。

興味というものは、最初から強く感じる場合もあれば、何度か触れるうちに少しずつ育っていく場合もあります。

たとえば、初めて行ったカフェで「思ったより落ち着いた」。散歩をしたら「意外と気分転換になった」。料理を作ってみたら「また別のものなら作ってもいいかな」と感じた。

そんなときは、「好き」と決めなくてもいいので、「またやってもいいもの」として残しておきます。

私たちは、「これは趣味になる」「これはならない」と早く結論を出したくなることがあります。でも、好きなことを見つける途中では、判断を保留にすることも大切です。

スマホのメモなどに、

「また行ってもいい店」
「もう一度見たい映画」
「少し気になったもの」
「やってみたら思ったより嫌じゃなかったこと」

を書いておくのもおすすめです。

後から見返してみると、自分では気づかなかった共通点が見えてくることがあります。「静かな場所が多い」「一人でできることが多い」「ものを作ることに惹かれている」など、自分らしい興味の傾向が分かってくるかもしれません。

私たちは、「好きなこと」を一発で見つける必要はありません。小さな「また」を積み重ねながら、自分の興味をゆっくり育てていくこともできます。

そうして心の動きが少しずつ見えるようになったら、次に大切なのは、見つけた興味を「上手にならなければ」「続けなければ」と縛らず、自分が心地よく楽しめる形で育てていくことです。

楽しみは「見つける」だけでなく、自分に合う形で育てていけばいい

Pastel illustration of a woman at a desk, thinking with a pen, surrounded by plants and a notebook with sticky notes; Japanese message about not rushing and nurturing small joys.

ここまで見てきたように、「好きなことが分からない」ときに、無理に夢中になれる趣味を探す必要はありません。「嫌じゃない」「少し気になる」「またやってもいいかも」といった小さな感覚を拾っていくことで、自分の興味は少しずつ見えやすくなっていきます。

ただ、せっかく気になるものが見つかっても、「続けなければ」「上手にならなければ」「趣味と呼べるくらい頑張らなければ」と考えてしまうと、楽しむはずだったものが新しい負担になってしまうことがあります。

私たちは大人になると、仕事だけでなく趣味に対しても、成果や効率を求めやすくなります。しかし、楽しみには必ずしも目的が必要なわけではありません。誰かに評価されなくても、得意にならなくても、「この時間は少し心地いい」と思えるなら、それだけで十分な意味があります。

大切なのは、自分に合うものを一度で見つけることではなく、試したり、やめたり、また戻ったりしながら、自分が心地よく過ごせる時間を少しずつ増やしていくことです。最後は、好きなことを「正解探し」にしないための三つの考え方を見ていきましょう。

まずは10分だけ、気になることを試してみる

興味があるものを見つけても、「始めるなら道具をそろえなきゃ」「教室に通ったほうがいいかな」「ちゃんと続けられるかな」と考え始めると、急にハードルが高くなってしまいます。

そんなときは、「趣味を始める」のではなく、10分だけ試してみるくらいに考えてみましょう。

絵が少し気になるなら、紙とペンで何か描いてみる。料理が気になるなら、いきなり難しいレシピに挑戦するのではなく、普段とは違う飲み物を作ってみる。本が気になるなら、一冊読み切ることを目標にせず、本屋で表紙を眺めるだけでも構いません。

私たちは、何かを始めると「続けること」までセットで考えてしまいがちです。でも、一度試したからといって、続ける義務はありません。

10分やってみて、「思ったより楽しかった」なら、またやればいい。「少し疲れた」なら、しばらく離れても大丈夫です。「想像していたのとは違った」と分かることも、自分を知るための大切な発見です。

好きなものを探すときは、成功と失敗で考える必要はありません。

「やってみたら、自分はどう感じたか」を確認することが目的です。小さく試せるようになると、興味を持つことへの怖さが減り、自分の世界を少しずつ広げやすくなっていきます。

上手い・下手ではなく、「その時間をどう感じたか」を大切にする

何かを始めたとき、「自分は下手だから向いていない」と感じて、すぐにやめたくなることがあります。

絵を描けば、上手な人と比べる。スポーツを始めれば、できる人と比べる。料理をすれば、SNSに載っているきれいな料理と比べる。その結果、「こんな程度ならやっても意味がない」と思ってしまうこともあるでしょう。

でも、好きなことと得意なことは、必ずしも同じではありません。

私たちは、下手でも好きなことがあります。反対に、得意だけれど、それほど楽しいとは感じないこともあります。

だから何かを試したときは、「上手にできた?」よりも、「やっている間はどんな感じだった?」と自分に聞いてみてください。

時間が少し早く感じた。集中している間は仕事のことを忘れられた。終わったあと、なんとなく気分がすっきりした。静かな気持ちになれた。

そんな感覚があれば、それは自分にとって大切な楽しみになる可能性があります。

誰かに見せる必要もありませんし、成果を残す必要もありません。「今日も少し楽しかった」という時間が増えること自体に意味があります。

私たちは、楽しみまで評価の対象にしなくていいのです。上手さではなく、自分の心がどう動いたかを見るようになると、「好きなこと」の範囲はもっと自由に広がっていきます。

一人では分からないときは、誰かに話しながら自分の興味を整理してみる

自分のことは自分が一番分かっているように思えますが、実際には、一人で考えているほど分からなくなることもあります。

「何が好きなんだろう」
「何をしてもピンとこない」
「そもそも、自分が何をしたいのか分からない」

そんな考えが頭の中をぐるぐるしていると、好きなことを探すはずが、「何もない自分」を確認する時間のようになってしまうこともあります。

そんなときは、誰かに話してみることも一つの方法です。

「最近、どんなときに少し気分がよかった?」
「子どもの頃は何をしていた?」
「反対に、どんな時間は疲れる?」

こうした話をしているうちに、自分では重要だと思っていなかったことが、興味の手がかりになることがあります。

たとえば、「休日はいつも一人でカフェに行っている」と話して初めて、「私は一人で静かに過ごす時間が好きなのかもしれない」と気づくことがあります。「旅行は疲れるけれど、知らない街の写真を見るのは好き」と分かれば、そこから新しい楽しみが広がることもあります。

私たちは、きれいに答えをまとめてから話す必要はありません。

「好きなことが分からない」という、そのままの状態から話して大丈夫です。言葉にしながら、自分の感覚を一つずつ確かめていくことで、今まで見えていなかった「好き」の種が見つかることがあります。

好きなことが分からないからといって、自分の中に何もないわけではありません。

もしかすると、これまで仕事や人間関係、家族のことを優先する中で、自分の心が動く瞬間に気づく余裕が少なかっただけなのかもしれません。

「これが私の趣味です」と言えるものを急いで見つけなくても大丈夫です。

「今日はこれが少し心地よかった」
「これはもう一度やってみてもいい」
「こういう時間は意外と好きかもしれない」

そんな小さな気づきを重ねていくことが、自分らしい興味や楽しみを見つけ直すことにつながっていきます。

「好きなことが分からない」ときも、そのまま話してみませんか

「好きなことが分からない」ときも、そのまま話してみませんか

「好きなことを見つけたいけれど、何に興味があるのか分からない」
「自分が何をしたいのか、考えるほど分からなくなる」
「人に合わせることが多くて、自分の気持ちが見えにくい」

そんなときは、一人で答えを出そうとしなくても大丈夫です。

好きなことや楽しみは、無理に探そうとするほど見つからなくなることがあります。けれど、自分が最近どんなことに疲れているのか、どんな時間に少しほっとするのか、どんなことを「嫌ではない」と感じるのか。そうしたことを誰かに話していくうちに、自分でも気づいていなかった気持ちが少しずつ見えてくることがあります。

傾聴ラウンジ「ここより」では、「何が好きなのか分からない」「自分らしさが分からない」といった、まだ答えの出ていない気持ちもそのままお話しいただけます。

相談内容を事前にきれいにまとめておく必要はありません。

「最近、なんとなく毎日がつまらない」
「休日になっても何をしたいのか分からない」
「自分のことをもう少し知りたい」

その一言からでも大丈夫です。

誰かに話しながら、自分の気持ちを一つずつ言葉にしていくことで、「私はこういう時間が落ち着くのかもしれない」「本当はこれに少し興味があったのかもしれない」と、自分の中にある小さな感覚に気づけることがあります。

傾聴ラウンジ「ここより」は、答えを決める場所ではなく、自分の気持ちをゆっくり確かめていくための場所です。

ご予約も難しい手続きはありません。

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「こんなことで相談してもいいのかな」と迷っている段階でも構いません。

好きなことが分からない今の自分を責めるのではなく、まずは自分の気持ちを誰かと一緒に見つめるところから始めてみませんか。

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