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転職したけれど合わない|入社後の違和感と転職を後悔するときの気持ちの整理方法

転職したけれど合わない|入社後の違和感と転職を後悔するときの気持ちの整理方法

「転職すれば、今よりきっと働きやすくなる」。そう思って新しい会社に入ったのに、働き始めてみると「何か違う」「前の職場のほうがよかったかもしれない」と感じることはありませんか。

求人情報や面接では魅力的に感じていた仕事内容も、実際に働いてみると想像していたものとは違う。職場の雰囲気になじめない。上司や同僚との距離感が思っていた以上に難しい。会社の考え方や仕事の進め方に、少しずつ違和感が積み重なっていくこともあります。

そんな状態になると、「転職しなければよかった」「自分の会社選びが間違っていたのかな」「また転職したら、今度こそ失敗したと思われるかもしれない」と、今の職場への違和感だけではなく、過去の自分の選択まで責めてしまうことがあります。

特に、転職してまだそれほど時間が経っていないと、「もう少し頑張れば慣れるのでは」「こんなに早く合わないと感じるのは自分に問題があるのでは」と考え、つらさを我慢してしまうこともあるでしょう。

でも、転職後に違和感を覚えたからといって、その転職すべてが失敗だったとすぐに決める必要はありません。

新しい環境だから感じる戸惑いもあれば、実際に働いてみなければ分からなかったミスマッチもあります。また、「合わない」という感覚の中にも、仕事内容、人間関係、働き方、会社の価値観など、いくつもの理由が隠れていることがあります。

この記事では、転職したけれど合わないと感じているときに、入社後の違和感や転職への後悔をどのように整理していけばよいのかを一緒に考えていきます。

「今すぐ辞めるべきか」「もう少し続けるべきか」という答えを急ぐ前に、まずは私たちが感じている違和感がどこから来ているのかを、一つずつ見つけていきましょう。

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投稿者プロフィール

佐藤 公俊
佐藤 公俊心理カウンセラー
■ 一言キャッチコピー

ストレス・人間関係・自己肯定感の悩みに寄り添い、“話を聴いてもらえる安心”から考え方のクセを整える心理カウンセラー

■ 経歴・実績

心理カウンセラーとして、ストレス、不安、うつ傾向、人間関係、自己肯定感の低さ、仕事やキャリアの悩みなど、幅広いご相談に対応しています。

オンラインを中心にカウンセリングを提供し、安心して本音を話せる時間を大切にしています。

また、人材紹介会社にてキャリアコンサルタントとして転職相談に従事してきた経験もあり、仕事の悩みやキャリアの迷い、職場での人間関係についても、現実的な視点を持ちながらサポートしています。

■ 保有資格

産業カウンセラー

■ 主な相談内容

ストレス・メンタル不調
不安・うつ・気分の落ち込み
職場・家族・恋愛などの人間関係の悩み
自己肯定感の低さ・自己否定
HSP気質・繊細さによる生きづらさ
仕事の悩み・キャリアの迷い
本音が言えない・自分の気持ちが分からない悩み
誰かに話を聴いてほしい時の気持ちの整理

■ カウンセリングの特徴・強み

私が大切にしているのは、まず安心して話せることです。

悩みを抱えている時、人はすぐに答えがほしいとは限りません。アドバイスよりも先に、「まずは話を聴いてほしい」「分かってほしい」と感じていることがあります。

そのため、否定せず、急かさず、話がまとまっていなくても受け止めることを大切にしています。

そのうえで、ストレスや不安の背景にある気持ちを一緒に整理し、自分でも気づきにくい“考え方のクセ”や“認知の歪み”に気づけるようサポートします。

ただ聴くだけで終わるのではなく、話すことで心を整え、必要に応じて日常で実践できる具体的な対処法も一緒に考えていきます。

■ アプローチ方法

クライアント中心療法、来談者中心療法を大切にしながら、認知行動療法、CBTの考え方も取り入れています。

特に、感情・思考・行動のつながりを一緒に見える化し、ストレスや不安が強くなるパターンを整理していきます。

「なぜ同じことで悩みやすいのか」
「どうして自分を責めてしまうのか」
「人間関係で疲れやすい理由は何か」

そういった部分を、無理に決めつけるのではなく、対話を通して一緒に見つけていきます。

■ カウンセラーになったきっかけ

子どもの頃から、自分の気持ちや「嫌だ」という思いをうまく言えない環境で育ちました。

本当はつらいと感じていても、それを言葉にすることが難しく、気持ちを飲み込んでしまうことが多くありました。

その経験から、「自分の気持ちを安心して話せる場所があること」「否定されずに話を聴いてもらえること」が、人にとってどれほど大切なのかを、身をもって感じるようになりました。

大人になってからは、人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして転職相談に携わりました。

そこでは、仕事の悩みやキャリアの迷いだけでなく、職場の人間関係、将来への不安、自信のなさなど、さまざまな思いを抱えた方のお話を聴く機会が多くありました。

相談を受ける中で感じたのは、多くの方が「答え」だけを求めているわけではないということです。

まずは自分の気持ちを整理したい。誰にも言えなかった不安を聴いてほしい。否定されずに、今の思いを受け止めてほしい。

そういった気持ちを抱えながら、一人で頑張っている方がたくさんいることを実感しました。

話を聴いてもらうことで、表情が少し和らいだり、自分の本音に気づいたり、次の一歩を考えられるようになったりする姿を見て、傾聴には人の心を支える力があると感じました。

子どもの頃に感じていた「うまく言えない苦しさ」と、キャリア相談の現場で出会った「誰かに聴いてほしい思い」。

その両方の経験が重なり、安心して本音を話せる場所をつくりたい、一人で抱え込んでいる方の力になりたいと思うようになったことが、心理カウンセラーを目指したきっかけです。

■ 大切にしていること

安心して本音を話せる場づくり
否定せず、そのままを受け止めること
一人ひとりの価値観やペースを尊重すること
話すことで心を整える時間を大切にすること
「話してもいいんだ」と感じられる経験を積み重ねること

■ メッセージ

ストレスや不安、人間関係の悩みの多くは、自分でも気づかない“考え方のクセ”が影響していることがあります。

ただ、そのクセに気づくためには、まず安心して話せることが大切です。

整体で身体を整えるように、心もまた、話すことで少しずつ整っていくことがあります。

「こんなことで相談していいのかな」
「うまく話せるか分からない」
「誰かに聴いてほしいけれど、身近な人には話しにくい」

そんな段階でも大丈夫です。

話がまとまっていなくても、同じ話を繰り返しても、途中で言葉に詰まってもかまいません。

安心して話せる場所として、そして自分の本音に気づき、少しずつ自分らしく生きるための時間としてご利用ください。

目次

転職後に違和感を覚えると、自分の選択まで責めたくなることがあります

転職後に違和感を覚えると、自分の選択まで責めたくなることがあります

転職する前は、「今度こそ自分に合う職場で働きたい」「環境が変われば、もう少し気持ちに余裕を持って働けるかもしれない」と期待していた人も多いと思います。時間をかけて求人を探し、面接を受け、ときには前の職場を辞める勇気も必要だったでしょう。それだけに、新しい会社で働き始めてから違和感を覚えると、そのショックは思っている以上に大きくなりやすいものです。

「仕事内容が聞いていたものと違う気がする」「職場の雰囲気になじめない」「毎朝、会社へ向かうことを考えるだけで気持ちが重い」。そんな感覚が続くと、私たちは今の環境について考えるだけではなく、「そもそも転職したこと自体が間違いだったのでは」と過去の決断まで振り返り始めることがあります。

さらに、「自分で選んだ会社なのだから我慢しなければ」「また辞めたら逃げたと思われるかもしれない」と考え、誰にも相談できなくなることもあります。

ただ、転職後に違和感を覚えることと、転職そのものが失敗だったことは同じではありません。新しい環境だからこその戸惑いもあれば、働いてみて初めて分かるミスマッチもあります。まずは自分の選択を責める前に、今どんなことに引っかかっているのかを丁寧に見ていくことが、これからを考えるための入り口になります。

「思っていた仕事と違う」と感じると、一気に不安が大きくなることがあります

求人票や面接で説明を受けていても、実際の仕事を完全に想像することは難しいものです。「自分の経験を活かせそう」「こういう仕事なら続けられそう」と思って入社したのに、実際には事務作業ばかりだったり、逆に想像以上の責任を求められたり、聞いていた働き方とは違っていたりすることがあります。

最初は「まだ慣れていないだけかな」と考えていても、その違和感が毎日のように積み重なると、「このままここで働き続けて大丈夫なのだろうか」と不安になってきます。特に、転職前に今の会社へ大きな期待を持っていたほど、現実との差を強く感じやすくなります。

ここで気をつけたいのは、「想像と違った」という気持ちをすぐに「自分の会社選びが間違っていた」に結びつけないことです。入社前に知ることができる情報には限界があります。職場の空気感、上司との関わり方、仕事の細かな進め方などは、実際に中へ入ってみなければ分からないことも少なくありません。

「違うと感じた自分がおかしい」のではなく、「何が想像と違っていたのだろう」と考えてみるだけでも、気持ちの見え方は変わります。仕事内容なのか、仕事量なのか、求められる役割なのか。違和感を少し具体的な言葉にしていくことが、次の判断を焦らず考える助けになります。

前の職場と比べてしまうのは、それだけ今の環境に戸惑っているからかもしれません

転職後にしんどさを感じると、「前の会社のほうがよかったかもしれない」と思うことがあります。前の職場では不満があったはずなのに、新しい会社でうまくいかないことが続くと、以前の環境の良かったところばかりが思い浮かんでしまうこともあります。

「前の会社なら仕事の流れが分かっていた」「話しやすい同僚がいた」「給料は今より低かったけれど、こんなに緊張しなかった」。こうして比べ始めると、「どうして辞めてしまったんだろう」と後悔が強くなることがあります。

でも、私たちの記憶は、今の状況によって見え方が変わることがあります。今の職場で強いストレスを感じていると、過去の環境が実際以上に良く感じられることもあります。だからといって、前職を思い出すことが悪いわけではありません。むしろ、比較することで「自分が働くうえで大切にしていたもの」が見えてくる場合があります。

たとえば、「前の職場では人間関係が楽だった」「仕事の進め方に裁量があった」「休みを取りやすかった」と気づいたなら、それは次の働き方を考えるための大切なヒントです。

「戻るべきかどうか」だけを考えるのではなく、「前の職場の何が自分には合っていたのだろう」と見てみる。そうすると、単なる後悔だった気持ちが、自分に合う働き方を知る材料へ少しずつ変わっていきます。

「転職しなければよかった」と思っても、過去の自分まで否定しなくて大丈夫です

転職後に違和感が続くと、「あのとき辞めなければよかった」「もっと慎重に会社を選べばよかった」と、自分の決断を何度も振り返ってしまうことがあります。ときには、「私はいつも選択を間違える」「見る目がなかった」と、自分自身を責めるところまで気持ちが広がってしまうこともあります。

ただ、転職を決めた当時の私たちには、そのときなりの理由があったはずです。前の職場で人間関係に疲れていたのかもしれません。働き方を変えたかったのかもしれません。新しい仕事へ挑戦したかった人もいるでしょう。その時点で知ることができた情報をもとに、「こちらのほうが自分に合っているかもしれない」と考えて選んだのではないでしょうか。

今になって見えていることを使って、過去の自分を厳しく採点してしまうと、どうしても「間違えた」と感じやすくなります。しかし、実際には転職したからこそ分かったこともあります。「自分はこういう職場が苦手なんだ」「思っていた以上に人間関係を重視しているんだ」「給与だけでは働き続けられないんだ」といった気づきも、その経験がなければ分からなかったかもしれません。

転職後悔は、過去の選択を責めるためだけのものではありません。これから自分に合う環境を考えるための材料にもできます。

「転職しなければよかった」と思ったときこそ、「では、私は今回の経験から何に気づいたのだろう」と少しだけ視点を変えてみる。その問いが、今の違和感を整理していく次のステップにつながっていきます。

「合わない」と感じたときは、違和感の中身を少しずつ分けてみましょう

Woman sitting at a desk with a notebook and mug, looking thoughtful; four thought bubbles above and large Japanese text about rethinking career and finding your own work style.

転職後に「なんとなく合わない」と感じているとき、私たちの中ではいくつもの不満や不安が重なっていることがあります。仕事内容が想像と違う、人間関係に気を使う、職場の雰囲気になじめない、会社の考え方に違和感がある、勤務時間や働き方が思っていたより負担になっている。こうしたものが混ざり合うと、「もう全部しんどい」「この会社そのものが合わない」と感じやすくなります。

ただ、「合わない」という言葉だけでは、これからどうしたいのかを考えるのが難しくなります。今すぐ辞めたいほどつらいのか、それとも一部の環境が変われば続けられそうなのか。まだ慣れていないことへの不安なのか、それとも時間が経っても変わりにくいミスマッチなのか。それぞれによって、考えられる選択肢も変わってきます。

そこで大切なのは、「合わない」と感じる自分を否定することではなく、その感覚をもう少し具体的に見ていくことです。「何が一番しんどい?」「いつ違和感を感じる?」「逆に、そこまで嫌ではないことは何だろう?」と問いかけてみると、ぼんやりしていた気持ちが少しずつ整理されていきます。

違和感を細かく分けることは、無理に今の会社へ適応するためではありません。私たちがこれから安心して働ける環境を考えるために、自分の気持ちを理解していく作業です。

仕事内容そのものが合わないのか、慣れていないだけなのかを見てみる

転職した直後は、どんな仕事でも少なからず戸惑いがあります。新しいシステムを覚えたり、社内独自のルールに慣れたり、これまでとは違う進め方を求められたりするからです。そのため、「仕事についていけない」「自分には向いていないかもしれない」と感じても、少し時間が経つことで負担が軽くなることもあります。

一方で、時間が経っても「この仕事自体を続けたいと思えない」という感覚が残ることもあります。たとえば、人と関わる仕事をしたくて転職したのに、実際にはほとんど一人で数字を扱う仕事だった。専門性を高めたいと思っていたのに、単調な作業ばかりを任される。こうした場合は、単なる慣れの問題ではなく、仕事内容と自分が望んでいた働き方との間にズレがあるのかもしれません。

私たちは、「仕事ができない」と感じると、自分の能力ばかりを疑ってしまうことがあります。しかし、「できない」と「やりたいと思えない」は別のことです。また、「今はまだできない」と「この仕事を長く続けたいと思えない」も同じではありません。

「どの作業がしんどいのか」「どんな仕事なら少し気持ちが楽なのか」「慣れれば変わりそうな部分はあるのか」と分けてみると、仕事内容への違和感がもう少し具体的になります。その整理ができると、今の職場で経験を積むのか、担当業務について相談するのか、別の仕事を考えるのかも判断しやすくなります。

人間関係や職場の雰囲気が、自分にとって大きな負担になっていないか考える

仕事内容にはそこまで不満がないのに、「会社にいるだけで疲れる」と感じることもあります。そういうときは、職場の人間関係や雰囲気が負担になっている可能性があります。

たとえば、常に周囲の顔色をうかがわなければならない、上司に質問しづらい、社員同士の距離が近すぎる、反対に誰にも相談できないほど関係が希薄、ミスを強く責められる雰囲気があるなど、職場には求人票だけでは分からない空気があります。

転職したばかりだと、「自分がまだなじめていないだけ」と考えてしまいがちです。もちろん、時間とともに話せる人が増え、居心地が変わるケースもあります。ただ、毎日のように強い緊張を感じたり、自分らしく振る舞えない状態が続いたりするなら、その感覚を軽く扱わなくてもいいと思います。

ここで考えてみたいのは、「誰といると特につらいのか」「どんな場面で緊張するのか」「一人でも話しやすい人はいるか」といった具体的な部分です。職場全体が苦手なのか、特定の人との関係に負担が集中しているのかによっても、状況は違います。

私たちは人間関係の悩みがあると、「コミュニケーションが苦手な自分が悪い」と考えてしまうことがあります。でも、人にはそれぞれ合う距離感や職場文化があります。人間関係への違和感も、自分に合う働き方を知るための大切な手がかりとして見てみてもいいのです。

働き方や会社の価値観に違和感がある場合は、長く続けられるかを考えてみる

転職後の「合わない」は、仕事内容や人間関係だけとは限りません。働く時間、休み方、評価のされ方、仕事への考え方など、会社全体の価値観に違和感を覚えることもあります。

たとえば、「残業はして当然」という空気がある、休暇を取りづらい、仕事が終わっていても上司より先に帰りにくい、成果よりも長時間働くことが評価される。反対に、自分はチームで相談しながら働きたいのに、何でも個人の責任として任される。こうした会社の文化は、仕事内容以上に毎日のストレスへ影響することがあります。

最初は「新しい会社だから仕方ない」と合わせようとするかもしれません。しかし、自分が大切にしたい働き方と会社の価値観が大きく違っていると、合わせ続けるほど疲れてしまうこともあります。

そんなときは、「この働き方を半年、1年続けても大丈夫そうか」と考えてみるのも一つです。今は忙しい時期だから大変なのか、それとも会社では普段からこの働き方が当たり前なのか。上司や部署が変われば改善する可能性があるのか、それとも会社全体の文化として根付いているのか。少し距離を置いて見てみると、自分が感じている違和感の性質が見えてきます。

私たちは転職すると、「せっかく入ったのだから合わせなければ」と考えがちです。でも、仕事は会社に自分を合わせ続けることだけではありません。自分が大切にしたい生活や価値観と無理なく共存できるかどうかも、働き続けるうえでは重要です。違和感を持ったときは、「自分が甘いのでは」と責めるよりも、「私はどんな働き方なら無理なく続けられるのだろう」と考える材料にしてみてください。

今すぐ辞めるか決める前に、違和感の正体をもう少し整理してみましょう

今すぐ辞めるか決める前に、違和感の正体をもう少し整理してみましょう

転職した会社が合わないと感じる日が続くと、「もう辞めたほうがいいのかな」「でも、またすぐ転職するのも不安」と、頭の中が次の選択でいっぱいになってしまうことがあります。特に、毎朝会社へ向かうことがつらかったり、仕事中も緊張が続いていたりすると、できるだけ早くこの状況から離れたいと思うのも自然なことです。

ただ、気持ちが疲れているときほど、「辞める」「我慢して続ける」という二つの選択肢しか見えなくなることがあります。本当は、もう少し様子を見る、上司に相談する、担当業務を調整できないか確認する、転職活動だけ始めてみるなど、その間にもいくつかの選択肢があります。

ここまで見てきたように、「合わない」という感覚の中には、仕事内容、人間関係、職場の雰囲気、働き方、会社の価値観など、さまざまな理由が隠れています。だからこそ、次の会社を探す前に、今感じている違和感についてもう一段階整理してみることが大切です。

「これは時間が経てば変わりそうなことなのか」「自分から働きかけることで変えられそうなのか」「何度考えても受け入れにくい部分なのか」。こうした視点を持つことで、ただ苦しさから離れるためだけではなく、これから私たちがどんな環境なら安心して働けるのかも見えやすくなります。

「まだ慣れていない不安」と「本当に合わない部分」を分けて考えてみる

転職直後は、これまで普通にできていたことができなくなったように感じる場面が増えます。前の会社では当たり前に分かっていた社内ルールも、新しい職場では一から覚えなければなりません。誰に質問すればいいのか分からない、会議の進め方に慣れない、周囲が使っている言葉についていけない。そんな小さな戸惑いが続くだけでも、「自分にはこの会社が合っていないのでは」と感じることがあります。

このような不安は、環境に慣れるにつれて少しずつ小さくなる場合があります。たとえば、「業務の流れが分からない」「周囲に話しかけるタイミングが分からない」といったことなら、経験を重ねることで楽になる可能性もあります。

一方で、時間だけでは解決しにくい違和感もあります。「聞いていた仕事内容と大きく違う」「恒常的な長時間労働がある」「仕事に対する会社の考え方が自分とはどうしても合わない」などは、単に慣れていないだけとは言い切れないかもしれません。

そこで、「今つらいこと」を一つずつ書き出し、その横に「慣れれば変わりそう」「しばらく様子を見たい」「時間が経っても変わりにくそう」と簡単に分けてみるのもおすすめです。

全部を正確に判断する必要はありません。「これはまだ分からない」と残しても大丈夫です。大切なのは、すべてをまとめて「この会社は合わない」と判断するのではなく、自分の違和感を少し具体的にしてみることです。それだけでも、今すぐ決断しなければならないという焦りが少し和らぐことがあります。

今の職場で「変えられること」と「自分だけでは変えにくいこと」を分けてみる

違和感の中身が少し見えてきたら、次は「今の環境で変えられる可能性があること」と「自分だけでは変えることが難しいこと」を分けてみると、これからの行動を考えやすくなります。

たとえば、仕事の優先順位が分からず毎日残業しているのであれば、上司に業務量について相談することで改善する可能性があります。仕事内容に不安があるなら、研修やフォローを受けられないか確認してみることもできます。特定の同僚との関係がつらい場合には、席や担当業務を調整できるケースもあるでしょう。

一方で、「長時間働く人ほど評価される」「休日でも連絡に対応することが当然になっている」「社員同士が競争する文化が強い」など、会社全体の価値観や仕組みに関わることは、一人の努力だけでは変えにくい場合があります。

私たちはつらい状況にいると、「自分がもっと頑張れば何とかできる」と考えてしまうことがあります。でも、自分の工夫で改善できる問題と、自分だけではどうにもできない問題を同じように抱え込む必要はありません。

「まず相談してみよう」「一度だけやり方を変えてみよう」と試したうえで、それでも状況が変わらないなら、それも大切な情報です。

何かを試すことは、「絶対に今の会社に残らなければならない」という意味ではありません。逆に、「ここまで試しても変わらなかった」と分かることで、次の選択に納得しやすくなることもあります。私たち自身ができる範囲と、会社側の環境として変わりにくい範囲を分けることで、自分を必要以上に責めずに考えられるようになります。

「前の会社に戻りたい」と思ったときは、その奥にある本当の希望を探してみる

転職後に苦しい状態が続くと、「前の会社に戻れたら楽なのに」と考えることがあります。これは珍しい気持ちではありません。今の環境で分からないことばかりだったり、人間関係に気を使っていたりすると、仕事の流れも人間関係も分かっていた以前の職場が安心できる場所のように感じられることがあります。

ただ、「前の会社に戻りたい」という気持ちが出てきたときは、実際に戻るかどうかをすぐ考えるより、「前の会社の何を取り戻したいのだろう」と考えてみると、自分の希望が見えてくることがあります。

たとえば、「前の会社では話しやすい人がいた」というのであれば、私たちが求めているのは安心して相談できる人間関係なのかもしれません。「前の仕事のほうが楽しかった」のであれば、得意なことを活かせる仕事内容を大切にしたいのかもしれません。「前は定時で帰れた」ということなら、仕事そのものより、生活に余裕を持てる働き方を求めている可能性もあります。

もちろん、前職へ戻ることが悪いというわけではありません。状況によっては選択肢になることもあります。ただ、「戻りたい」という気持ちをそのまま答えにするのではなく、その気持ちが教えてくれているものに目を向けることが大切です。

「私は前の職場の何が好きだった?」「今の職場には何が足りない?」「次に職場を選ぶなら、何だけは大切にしたい?」と考えてみる。

そうすると、転職への後悔が、過去へ戻るためだけの気持ちではなく、これからの働き方を選ぶためのヒントに変わっていきます。次に考えたいのは、そのヒントを使いながら、今すぐ結論を急がずにどんな選択肢を持てるのかということです。

転職を後悔していても、今すぐ次の答えを出さなくて大丈夫です

転職を考える女性が机に座り、思考泡に『今のまま続ける?』『転職活動を始めてみる?』『もう少し様子を見る?』と表示されるイラストです。

転職後に「合わないかもしれない」という違和感が続くと、私たちは早く答えを出したくなります。「このまま続けるべきか」「もう一度転職したほうがいいのか」「せっかく入社したのだから、もう少し頑張るべきなのか」。頭の中で何度も考えているうちに、仕事そのものよりも、決断しなければならないことに疲れてしまうこともあります。

でも、これまで整理してきたように、転職後の違和感にはいくつもの種類があります。慣れていないことで生まれる不安もあれば、仕事内容や人間関係、会社の価値観など、自分にとって大切な部分が合っていない場合もあります。だからこそ、「辞める」「続ける」のどちらかを急いで選ぶより、今の自分が少し安心して考えられる状態をつくることが大切です。

転職活動を始めたからといって、すぐ退職しなければならないわけではありません。今の職場でもう少し様子を見ることもできますし、誰かに相談したり、働き方を調整できないか確認したりすることもできます。

転職を後悔している今だからこそ、「何が失敗だったのか」ではなく、「今回の経験から、自分はどんな働き方を大切にしたいと分かったのか」を見てみましょう。その気づきは、次の選択をより自分に合ったものにしていくための大切な材料になります。

「もう少し様子を見る」という選択も、何もしないことではありません

新しい職場に入ったばかりのころは、毎日が慣れないことの連続です。仕事の進め方、人の名前、社内ルール、周囲との距離感など、以前なら意識しなくてもできていたことまで一つずつ覚えなければならないため、それだけでかなりのエネルギーを使います。

そのため、入社直後の「合わない」という感覚が、時間とともに少し変化することもあります。「最初は話しかけづらかった上司と少し話せるようになった」「仕事の流れが分かってきて、以前ほど緊張しなくなった」といった変化が出てくることもあるでしょう。

もし心身に大きな負担がかかっておらず、「もう少し見てから考えてもいいかもしれない」と感じられるなら、一定の期間を決めて様子を見ることも一つの方法です。たとえば、「あと1か月だけ、どんなときに違和感が強くなるか見てみよう」と期間を決めると、ただ我慢し続ける状態になりにくくなります。

その間に、「今週は少し楽だったこと」「やっぱり苦しかったこと」「思っていたより大丈夫だったこと」を簡単にメモしておくのもおすすめです。

私たちは不安が強いと、つらかった出来事ばかりを思い出しやすくなります。記録しておくことで、状況が改善しているのか、同じつらさが繰り返されているのかを少し客観的に見やすくなります。

様子を見ることは、無理に今の会社へ残ると決めることではありません。「自分が納得して選ぶために、もう少し情報を集める期間」と考えてみると、気持ちの負担も少し変わってくるかもしれません。

今の職場にいながら、次の選択肢を持っておいても大丈夫です

「この会社は合わないかもしれない」と感じても、今すぐ退職することに不安があるなら、働きながら次の選択肢を少しずつ調べてみることもできます。

たとえば、転職サイトを眺めてみる、気になる業界について調べる、以前の仕事で楽しかったことを書き出してみる。求人へ応募するところまで進まなくても、「ほかにはどんな働き方があるのだろう」と知るだけで、今の会社しか選択肢がないという感覚が少し弱くなることがあります。

転職後に後悔していると、「また転職したら同じ失敗をするのでは」と怖くなることもあると思います。でも、今回の転職を経験した私たちは、以前とは少し違います。仕事内容だけでなく、人間関係の雰囲気を確認したい、残業について具体的に聞いておきたい、働く時間を大切にしたいなど、次に確認したいことが見えてきているはずです。

その気づきを使えば、次の職場選びは今回とまったく同じにはなりません。

もちろん、転職活動を始めたからといって必ず転職する必要もありません。ほかの会社を見てみた結果、「今の職場でもう少し続けてみよう」と思うこともあります。

選択肢を増やすことは、今の会社を否定することではありません。むしろ、「ここしかない」と追い込まれずに考えるための準備です。

私たちが落ち着いて判断できるように、「残ることもできるし、変えることもできる」という余白を持っておく。その余白があるだけでも、仕事に対する感じ方が少し変わることがあります。

一人で考えるほど分からなくなったときは、答えが出ていないまま話してみる

転職したことを後悔していると、誰かに相談すること自体が難しくなることがあります。「せっかく転職したのに、もう辞めたいなんて言ったらどう思われるだろう」「家族に応援してもらったのに申し訳ない」「友人から我慢が足りないと思われそう」と考え、気持ちを自分の中だけにしまってしまうこともあります。

でも、一人で考え続けていると、同じことを何度も頭の中で繰り返してしまい、「辞めたいのか、続けたいのか、自分でも分からない」という状態になることがあります。

そんなときは、結論を出すためではなく、今ある気持ちを言葉にするために誰かへ話してみてもいいと思います。

「仕事そのものが嫌なのかもしれない」
「人間関係だけがしんどいのかもしれない」
「前の会社に戻りたいというより、安心して働ける場所がほしいのかもしれない」

話しているうちに、自分でも気づいていなかった気持ちが見えてくることがあります。

私たちは、頭の中だけで考えていると、すべての不安を一つの大きな問題として感じやすくなります。でも、声に出したり言葉にしたりすると、「これは仕事の問題」「これは将来への不安」「これは自分を責めている気持ち」と、少しずつ分けて見られるようになることがあります。

転職が正解だったのか、失敗だったのかを今すぐ決める必要はありません。

大切なのは、今の私たちがどんなことに苦しさを感じ、これからどんな働き方なら少し安心できそうなのかを知っていくことです。答えがまだ出ていない状態でも、その気持ちを整理することから次の選択は始められます。

転職後の違和感を、一人で抱え込まずに話してみませんか

転職後の違和感を、一人で抱え込まずに話してみませんか

「転職したけれど、やっぱり合わない気がする」
「もう一度転職したほうがいいのか、それとも今の職場でもう少し頑張るべきなのか分からない」
「前の会社のほうがよかったのでは、と何度も考えてしまう」

そんな気持ちを抱えていると、頭の中では同じことを何度も考えてしまい、だんだん自分でも何に悩んでいるのか分からなくなることがあります。

特に転職後は、「自分で選んだ会社なのだから頑張らなければ」「また辞めたいと言ったら、周囲からどう思われるだろう」と考え、つらさや違和感を誰にも話せないこともあります。

でも、相談するときに「辞めるか続けるか」という答えを決めておく必要はありません。

傾聴ラウンジ「ここより」では、転職するべきか、今の会社に残るべきかを一方的に決めるのではなく、今感じていることをそのまま話していただく時間を大切にしています。

「仕事内容が思っていたものと違った」
「人間関係になじめない」
「前職と比べてしまう」
「もう一度転職するのが怖い」
「自分の選択が間違っていた気がする」

まとまっていなくても大丈夫です。

話していく中で、

「仕事そのものより、職場の雰囲気がつらかった」
「辞めたいというより、安心して相談できる環境がほしかった」
「転職を後悔しているというより、また失敗することが怖かった」

など、自分でも気づいていなかった気持ちが見えてくることがあります。

転職が成功だったのか失敗だったのかを、今すぐ決める必要はありません。

これからどんな働き方をしたいのかを考えるためにも、まずは今抱えている違和感や不安を、一つずつ言葉にして整理してみませんか。

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