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職場の先輩が怖い…機嫌に振り回されて疲れた30代女性の相談事例

職場の先輩が怖い…機嫌に振り回されて疲れた30代女性の相談事例

30代女性のBさんは、関東にお住まいで、対面でご相談に来られました。
ご相談のテーマは、会社の人間関係についてでした。

入社してすぐの頃から、同じ会社の女性の先輩との関わりに悩んでいたそうです。
その先輩は、パーテーション越しにBさんの前の席に座っていて、機嫌が悪いと書類を机にバンバンと叩きつけ、大きな音を出すことがありました。

Bさんは、毎日その音や態度にビクビクしながら仕事をしていました。
一度、あまりにも怖くなり「私なにか悪いことしましたか?」と訊いたそうですが、返ってきた言葉は「別に」だけ。

はっきり責められたわけではないけれど、空気が重くて、心が休まらない。
「また今日も先輩の機嫌に振り回されるのかな」と思うと、出勤前から憂鬱になっていたそうです。

Bさんは正社員として働いており、すぐに会社を辞めることは難しい状況でした。
同じチーム内で仕事をしているため、先輩と関わらないわけにもいきません。

お話を聴いていると、Bさんの中には「自分が我慢するしかない」という思いが強くありました。
けれど本当は、先輩の態度にビクビクせず、穏やかな環境で仕事をしたい。
その気持ちを、少しずつ言葉にしていかれました。

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投稿者プロフィール

田中はる
田中はるよりびと
■ 待機時間:月・火・水・木・金 11時~15時/19時~21時(月曜は隔週)
※土日祝対応(枠が埋まりやすいため、事前予約をお勧めします)
※待機日時が変更されるケースがありますので、詳しくは待機カレンダーを確認ください。

■ 年齢:40代

■ キャッチコピー:安心できる雰囲気でゆっくり丁寧にお聴きします。

■ 得意なテーマ

- ペットロス・グリーフケア(死別や離別による悲嘆反応)
- 身近な人間関係の悩み(親子・配偶者やパートナー・女性同士など)
- とにかく話を聴いてほしいとき

■ 聴き方・スタイル

- お相手のペースに合わせてゆっくり聴きます
- 話がまとまっていなくても大丈夫
- 否定せず、穏やかに受け止めます
- 沈黙も気まずくしないスタイルです

■ 経験

- 自分自身のペットロスとグリーフの経験によりグリーフケアを学び、対象別自助グループ傾聴ボランティアに参加(ペット・配偶者やパートナー・子ども・親・きょうだいを亡くされた方々が参加する会)
- 死別経験(妊娠後期流産・義父・義母・父・愛犬)
- 病気で介護状態になった父の身元引受人の経験
- 結婚生活20年以上
- 犬の飼育経験
- 子育て経験
- 両親の離婚や母の再婚により複雑な家庭環境で過ごした経験
- 資格・認定:認定傾聴カウンセラー/グリーフケア心理カウンセラー/ペットロス専門士/グリーフ専門士/グリーフケア・アドバイザー/心のサポーター/かかわり愛サポーター

■ 大切にしていること

- どんなお話も否定しません
- 話したくないことは無理に聞きません
- 気持ちが整理されていなくてもそのままで大丈夫
- 泣いても沈黙してもOK

■ 人柄・ユニークポイント
- 好きなもの:犬/お花/映画やドラマ鑑賞
- よく言われる性格:「やさしい」「落ち着いている」「話しやすい」「頼もしい」
- ちょっとしたこだわり:自分時間を大切にしてコーピングを増やすこと
- 聴き手としての密かな強み:「お相手の気持ちを受け止め共感すること」

■ メッセージ

今おひとりで抱えているつらいお気持ちや社会では理解されにくいことなど、どのようなお話でも大丈夫です。うまく言葉にならなくても泣いてしまっても問題ありません。あなたのペースで、安心してお話しくださいね。

目次

職場の先輩が怖い…毎日ビクビクしてしまう悩み

今回は、30代女性Bさんの相談事例です。

Bさんは関東にお住まいで、対面でお話を聴かせていただきました。ご相談のテーマは、会社の人間関係についてです。同じ会社の女性の先輩との関わりに、入社してすぐの頃から悩んでおられました。先輩はパーテーション越しにBさんの前の席に座っていて、機嫌が悪いと書類を机にバンバンと叩きつけ、大きな音を出すことがあったそうです。

毎日その音を聞くたびに、Bさんは体がこわばり、「また今日も先輩の機嫌に振り回されるのかな」と憂うつな気持ちになっていました。
一度、勇気を出して「私なにか悪いことしましたか?」と訊いたこともあったそうです。けれど返ってきた言葉は「別に」だけでした。

はっきり責められたわけではない。
でも、安心して仕事ができる空気ではない。

そんな毎日が続くと、心も体も少しずつ疲れていきます。Bさんは正社員として働いていて、すぐに会社を辞めることは難しく、同じチーム内で仕事をしているため、先輩と関わらないわけにもいきませんでした。

私は、まずBさんが今まで我慢してきた気持ちを、そのまま言葉にできるように、ゆっくりお話を聴かせていただきました。話がまとまっていなくても大丈夫です。つらかったこと、不安だったこと、言い返せなかった悔しさ。そうした気持ちを否定せず、Bさんのペースで一つずつ受け止めていきました。

先輩の機嫌に振り回されて、仕事に集中できなくなっていた

Bさんが一番つらいと感じていたのは、先輩の機嫌がいつ悪くなるのかわからないことでした。

仕事そのものが嫌いというよりも、先輩の態度や物音に神経を使い続けることが、とても大きな負担になっていました。パーテーション越しとはいえ、前の席にいるため気配が伝わりやすく、書類を叩きつける音がすると、そのたびにビクッとしてしまう。そんな状態では、目の前の仕事に集中するのも難しくなってしまいます。

人間関係の悩みは、相手から直接きつい言葉を言われたときだけに起こるものではありません。大きな音、冷たい返事、不機嫌そうな雰囲気、ため息。そうした小さなことが積み重なることで、心はじわじわと疲れていきます。

Bさんも、「毎日先輩のことが頭から離れなくて本当につらいんです」と話してくださいました。

この言葉の中には、仕事中だけでなく、出勤前や帰宅後まで先輩のことを考えてしまう苦しさがあったように感じました。職場にいる時間だけ我慢すればいい、という話ではなく、心の中にまでその人の存在が入り込んでしまっていたのです。

私は、まず「怖いと感じるのは自然なこと」だと受け止めながら、Bさんが安心して気持ちを出せるように関わりました。

「私が我慢すればいい」と思ってしまう苦しさ

Bさんは、先輩に対して怖さや不安を感じながらも、「でも先輩怖いし、自分が我慢するしかないか・・・」と思っていたそうです。

この「自分が我慢するしかない」という気持ちは、職場の人間関係で悩む方からよく出てくる言葉です。相手を変えることは難しい。波風を立てたくない。相談して大ごとになったら困る。そう考えているうちに、自分の気持ちを後回しにしてしまうことがあります。

Bさんも、すぐに会社を辞められる状況ではありませんでした。同じチームで仕事をしているため、先輩との関わりを完全になくすこともできません。だからこそ、「自分さえ我慢すれば何とかなる」と思うしかなかったのかもしれません。

でも、我慢を続けることは、心にとってかなり大きな負担です。
最初は「今日だけ」と思っていても、それが毎日続くと、憂うつさやイライラ、疲労感につながっていきます。Bさんにも、そうした心身の反応が出ていました。

私は、Bさんの話を急いでまとめたり、「こうした方がいいですよ」とすぐに答えを出したりはしませんでした。まずは、我慢してきた時間がどれほど長かったのか、どんな場面で一番しんどかったのかを、ゆっくり一緒にたどっていきました。

話していく中で、Bさんの中にあった「自分だけが我慢すればいい」という思い込みにも、少しずつ光が当たっていきました。

本当は、穏やかな環境で仕事がしたかった

Bさんが本当に望んでいたことは、とてもシンプルでした。

先輩の態度にビクビクせず、穏やかな環境で仕事をしたい。

これは、決してわがままな願いではありません。仕事をするうえで、安心して席に座れること、必要以上に人の機嫌に振り回されないことは、とても大切なことです。

けれど、毎日つらい状況の中にいると、自分の本当の気持ちが見えにくくなることがあります。「辞められないから仕方ない」「先輩は変わらないから無理」「私が気にしすぎなのかも」と考えているうちに、自分がどうしたいのかを感じる余裕がなくなってしまうのです。

Bさんも最初は、解決策が思いつかず、一人で抱え込んでいる状態でした。

私は、Bさんが話したいことを無理に急がせず、沈黙もそのまま大切にしながら聴いていきました。うまく言葉にならないときも、その奥にある「怖かった」「つらかった」「もう少し安心して働きたい」という気持ちを一緒に見つめていく時間になりました。

すると少しずつ、Bさんの表情にも変化が見られました。
「自分が我慢するしかない」と思っていたところから、「誰かに相談してもいいのかもしれない」という気持ちが出てきたのです。

ここから、Bさんにとってできることを一緒に整理していく流れになりました。

「自分が我慢するしかない」と思い込んでいた毎日

Bさんは、先輩の機嫌に振り回される日々の中で、少しずつ「自分が我慢するしかない」と思うようになっていました。

先輩の機嫌が悪いと、書類を机にバンバンと叩きつける音が聞こえる。
そのたびに、Bさんの心はぎゅっと縮こまっていたそうです。

一度は勇気を出して、「私なにか悪いことしましたか?」と訊いたこともありました。けれど、返ってきた言葉は「別に」だけ。はっきり理由を言われるわけでもなく、だからといって空気がやわらぐわけでもない。その中途半端な状態が、Bさんをさらに苦しめていました。

正社員として働いているため、すぐに会社を辞めることは難しい。
同じチーム内で仕事をしているため、先輩と関わらないようにすることも難しい。

そうなると、Bさんの中には「私が耐えるしかないのかな」という気持ちが大きくなっていきました。毎朝、「また今日も先輩の機嫌に振り回されるのかな」と思うと憂うつになり、仕事中も先輩の様子が気になってしまう。家に帰っても、心が休まりきらない。そんな状態が続いていたのです。

私は、Bさんの話を聴きながら、まず「よくここまで一人で抱えてこられましたね」という気持ちで向き合いました。
解決策を急ぐ前に、どれだけ我慢してきたのか、どんな場面で一番つらかったのかを、Bさんのペースで言葉にしてもらうことを大切にしました。

先輩の態度に理由が見えず、自分を責めてしまっていた

Bさんがつらかったことの一つは、先輩の不機嫌の理由がよくわからなかったことでした。

何かミスをしたから怒られているのか。
自分の態度が悪かったのか。
それとも、ただ先輩の機嫌が悪いだけなのか。

理由がわからないまま大きな音を立てられたり、冷たい態度を取られたりすると、人はどうしても「私が悪いのかな」と考えてしまいやすくなります。Bさんも、先輩の様子を見るたびに、自分の言動を頭の中で何度も振り返っていたそうです。

一度、「私なにか悪いことしましたか?」と訊いたのも、Bさんなりに状況をはっきりさせたかったからだと思います。けれど返事は「別に」だけでした。

この「別に」という言葉は、受け取る側にとってはとても苦しいものです。
怒っているのか、怒っていないのか。
自分に向けられているのか、そうではないのか。

はっきりしないからこそ、心の中でずっと考え続けてしまいます。

私はBさんに、先輩の態度のすべてをBさんが背負う必要はないということを、押しつけにならないようにお伝えしました。もちろん、職場では相手への気遣いも大切です。けれど、相手の機嫌まで全部自分の責任にしてしまうと、心がどんどん疲れてしまいます。

まずは「自分が悪いのかも」と決めつける前に、起きていることと、自分の気持ちを分けて見ていく。
そこから、Bさんの心の整理が少しずつ始まっていきました。

座席を自由に変えられないことが、逃げ場のなさにつながっていた

Bさんにとって大きな負担だったのは、先輩がすぐ近くにいる環境から離れにくかったことでした。

先輩は、パーテーション越しにBさんの前の席に座っていました。
完全に向かい合っているわけではなくても、音や気配はどうしても伝わってきます。書類を叩きつける音が聞こえるたびに、Bさんは緊張してしまっていたそうです。

職場の人間関係のつらさは、相手との距離が近いほど強くなりやすいものです。少し離れた席なら気にならないことでも、毎日すぐ近くで起きると、心が休まる時間が少なくなってしまいます。Bさんも「自由に座席の移動ができないから、毎日我慢してやり過ごすしかない」と感じていました。

逃げ場がないと感じると、人はどんどん追い詰められていきます。
「今日は大丈夫かな」
「また音を立てられたらどうしよう」
「私が何かしたのかな」

そんなふうに、仕事以外のことに神経を使い続ける状態になります。

私はBさんのお話を聴きながら、まず「席が近いからこそ、つらさが強くなっている」という点を一緒に確認しました。Bさんの感じ方が弱いからではなく、環境そのものが心に負担をかけている可能性がある。そう整理することで、Bさんは少しだけ自分を責める気持ちをゆるめられたようでした。

そして、すぐに先輩を変えることは難しくても、座席や業務の関わり方を見直す余地はあるかもしれない。
そう考えることで、「何もできない」から「できることを探してみる」方向へ、少しずつ気持ちが動いていきました。

誰にも話せず抱え込むほど、心の疲れは大きくなっていた

Bさんは、つらさを感じながらも、一人で抱え込んでいました。

「こんなことで相談していいのかな」
「私が気にしすぎなのかもしれない」
「大ごとになったら困る」

職場の人間関係で悩んでいる方ほど、こうした気持ちを持ちやすいように思います。特に相手が同じチームの先輩だと、誰かに話すことで関係が悪くなるのではないかと不安になることもあります。

Bさんも、我慢する、抱え込む、解決策が思いつかないという状態が続いていました。
その結果、憂うつさやイライラ、疲労感も出てきていたそうです。

人は、心の中だけで悩みを抱えていると、同じ考えをぐるぐる繰り返しやすくなります。
「明日も同じだったらどうしよう」
「もう少し我慢すればいいのかな」
「でも、いつまで続くんだろう」

考えれば考えるほど苦しくなるのに、答えは見つからない。
Bさんも、まさにそのような状態に近かったのだと思います。

私は、Bさんの言葉を途中で遮らず、まずはたまっていた気持ちを外に出してもらうことを大切にしました。まとまった話でなくても大丈夫です。怖かったこと、腹が立ったこと、悲しかったこと、どうしたらいいかわからなかったこと。その一つひとつを、Bさんが安心して言葉にできるように聴いていきました。

話していくうちに、Bさんは「自分だけが我慢すればいい」と思い込んでいたことに少しずつ気づいていきました。
そこから、誰かに相談することは悪いことではない、という新しい見方が生まれていきました。

「私が我慢するしかない」から少しずつ見えてきた別の選択肢

Bさんのお話を聴いていく中で、まず大切にしたのは「今まで我慢してきた気持ちを、安心して出してもらうこと」でした。

職場の人間関係で悩んでいるとき、すぐに「こうすればいい」と答えを出したくなることがあります。もちろん、具体的な対策も大切です。けれど、心が疲れているときに急いで解決策だけを考えようとすると、自分の本当の気持ちが置き去りになってしまうこともあります。

Bさんも最初は、「自分が我慢するしかない」という思いが強くありました。先輩を変えるのは難しい。席もすぐには変えられない。正社員だから簡単に辞められない。そう考えるほど、身動きが取れないように感じていたのだと思います。

私はBさんの言葉を急がせず、怖かったこと、つらかったこと、イライラしたこと、どうしていいかわからなかったことを、一つずつ聴いていきました。すると少しずつ、「先輩を変えることは難しくても、自分が少し楽になる方法はあるかもしれない」という視点が見えてきました。

その中で、上司に相談してみること、座席の変更や業務の担当の見直し、場合によっては部署の移動など、Bさんが一人で抱え込まなくてもよい可能性を一緒に整理していきました。

まずは気持ちを吐き出すことで、心の中が少し整理されていった

Bさんは、「毎日先輩のことが頭から離れなくて本当につらいんです」と話してくださいました。

この言葉には、職場にいる時間だけでなく、家に帰ってからも気持ちが休まらなかった苦しさがにじんでいたように感じました。仕事中に先輩の機嫌を気にして、帰宅後もその日の出来事を思い返してしまう。次の日のことを考えると、また気持ちが重くなる。そんな毎日が続くと、心はどんどん疲れてしまいます。

私はまず、Bさんが感じていることを「大げさ」や「気にしすぎ」とせず、そのまま受け止めることを大切にしました。

人は、安心して話せる場所があると、心の中で絡まっていたものを少しずつ外に出せるようになります。最初はうまく言葉にならなくても、「怖かった」「腹が立った」「悔しかった」「でも言えなかった」と話していくうちに、自分が何に傷ついていたのかが見えてくることがあります。

Bさんも、先輩の書類を叩きつける音にびくっとしてしまうこと、冷たい返事に傷ついたこと、それでも我慢しようとしていたことを少しずつ話してくださいました。

気持ちを言葉にすることは、弱さではありません。
むしろ、自分を守るための大切な第一歩です。

話していく中で、Bさんは「自分だけが我慢すればいい」と思い込んでいたことに気づき始めました。
そこから、状況を少し離れて見つめる余裕が生まれていきました。

先輩を変えるより、自分を守る方法を考えていった

Bさんのお話を整理していく中で、一つ大切なポイントが見えてきました。

それは、「先輩を変えようとすること」と「自分を守る方法を考えること」は、別のことだという点です。

職場で相手の態度に悩んでいると、「どうしたら先輩は機嫌よくしてくれるのか」「どうしたら音を立てないでくれるのか」と、相手を変える方向に意識が向きやすくなります。けれど、相手の性格や機嫌をこちらの力だけで変えるのは、なかなか難しいことです。

Bさんの場合も、先輩の態度そのものをすぐに変えるのは簡単ではないかもしれません。
でも、Bさんがその影響を受けすぎないようにする工夫は考えられます。

たとえば、上司に状況を伝えて座席を変えてもらえないか相談する。先輩と関わる業務の担当を少し見直してもらえないか相談する。社内で部署移動の可能性があるか確認する。こうした選択肢を一緒に整理していきました。

もちろん、すぐにすべてが解決するとは限りません。
上司に話したからといって、すぐ席が変わるとも限らないでしょう。

それでも、「何もできない」と思い込んでいる状態と、「できることを一つ試してみよう」と思える状態では、心の重さが少し違ってきます。

私は、Bさんが無理に強くならなくてもいいように、まずは現実的にできそうな一歩を一緒に考えました。大きな決断ではなくても、自分の状況を誰かに伝えることは、自分を守るための大切な行動になることがあります。

話すうちに「相談してもいいのかもしれない」と思えるように

Bさんは最初、「自分が我慢するしかない」と考えていました。

けれど、お話を重ねる中で、その気持ちは少しずつ変わっていきました。先輩を変えるのは難しいかもしれない。でも、だからといって自分がすべてを抱え込まなくてもいい。そんな見方が、少しずつBさんの中に生まれていったように感じました。

職場の悩みは、身近な人ほど話しにくいことがあります。
同僚に話すと噂になりそうで怖い。
上司に話すと大ごとになりそうで不安。
家族に話しても「気にしすぎじゃない?」と言われそうで、言葉にできない。

そうして誰にも話せないまま抱え込むと、悩みは心の中でどんどん大きくなってしまいます。

Bさんの場合も、解決策が思いつかず、一人で抱え込んでいました。
でも、安心して話せる時間の中で、自分の気持ちを出していくうちに、「一度ダメ元で上司に相談してみようと思います」という言葉が出てきました。

私はその言葉を聞いて、Bさんの中に少し希望が見えてきたように感じました。

大きく状況を変えることだけが、前進ではありません。
「誰かに話してみよう」と思えたこと。
「自分だけが我慢しなくてもいいかもしれない」と感じられたこと。

それも、心を守るための大事な一歩です。

Bさんの表情も、最初より少しやわらいで見えました。ここから、Bさんは実際に上司との個人面談で、先輩のことを話してみる流れへと進んでいきました。

一人で抱え込まなくてもいいと思えたことが、次の一歩につながった

Bさんは、お話を重ねる中で「一度ダメ元で上司に相談してみようと思います」と言葉にしてくださいました。
それは、すぐにすべてを解決するための大きな決断というよりも、「自分だけが我慢し続けなくてもいいのかもしれない」と思えた、小さくて大切な一歩だったように感じます。

その後、Bさんは上司との個人面談のときに、先輩との関わりで困っていることを話してみたそうです。上司からは「検討してみる」と言われ、すぐに座席や業務内容が変わったわけではありませんでした。けれど、Bさんにとっては、自分のつらさを一人で抱えたままにしなかったこと自体が、とても大きな変化でした。

職場の人間関係は、こちらが勇気を出して行動しても、すぐに相手が変わるとは限りません。環境がすぐに整うとも限りません。
それでも、自分の気持ちを言葉にして、誰かに伝えることで、心の中に少し空気が通ることがあります。

Bさんも、まだ具体的に改善されたわけではありませんでした。けれど「自分が我慢すればいい」と一人で抱え込んでいた状態から、「相談してもいい」「助けを求めてもいい」と思えるようになっていきました。

私は、こうした変化はとても大切だと思っています。問題がすぐに消えなくても、自分の心を守るための選択肢が見えてくるだけで、明日を迎える気持ちは少し変わっていくからです。

上司に話したことで「自分だけの問題」ではなくなった

Bさんは、上司との個人面談のときに、先輩との関係について話してみました。

それまでは、先輩の機嫌が悪いことも、書類を机に叩きつける音が怖いことも、毎日ビクビクしながら仕事をしていることも、Bさんの中だけにとどまっていました。
誰にも言えないままだと、悩みはどうしても「自分だけの問題」のように感じやすくなります。

「私が気にしすぎなのかな」
「私がもっと我慢すればいいのかな」
「こんなことで相談したら迷惑かな」

そんなふうに考えてしまうと、ますます声を上げにくくなります。

でも、Bさんが上司に話したことで、少なくともその状況はBさん一人の中だけに閉じ込められたものではなくなりました。上司からは「検討してみる」と返事があったそうです。

もちろん、この返事だけで安心できるわけではありません。
すぐに席が変わったわけでも、先輩との関わりがなくなったわけでもありません。

それでも、「話してみた」という行動には大きな意味があります。自分のつらさをなかったことにしなかったからです。

私は、Bさんが上司に話せたことを、とても大切な一歩として受け止めました。
職場の人間関係で悩んでいるとき、いきなり環境を大きく変えるのは難しいものです。けれど、まずは状況を知ってもらうことから始まる変化もあります。

一人で抱え続けていた悩みを、信頼できる相手に少し渡してみる。
それだけでも、心の重さは少し変わってくることがあります。

すぐに解決しなくても、気持ちを話せたことで少し楽になった

Bさんの状況は、相談したあとすぐにすべてが改善されたわけではありませんでした。

具体的には、まだ座席の変更や業務の見直しなどは実現していませんでした。先輩との関わりも、すぐになくなったわけではありません。

けれど、Bさんの中には少し変化がありました。
それは、「気持ちを吐き出せたことで少し楽になってきた」という感覚です。

悩みを話したからといって、現実が魔法のように変わるわけではありません。
でも、心の中にずっと押し込めていた気持ちを言葉にすると、それだけで少し呼吸がしやすくなることがあります。

「怖かった」
「本当はつらかった」
「毎日気を使うのがしんどかった」
「穏やかに仕事がしたかった」

こうした気持ちは、頭の中だけで抱えていると、どんどん重たくなっていきます。
でも、安心して話せる場所で言葉にしてみると、「自分はこんなに我慢していたんだ」と気づけることがあります。

私は、Bさんの話を聴きながら、すぐに答えを出すことよりも、まず心の中にあるものをそのまま出せる時間を大切にしました。話がまとまっていなくても、途中で涙が出ても、同じ話を何度しても大丈夫です。

気持ちは、きれいに整理されてから話すものではなく、話しながら少しずつ整理されていくものだと思っています。

Bさんも、最初は「自分が我慢するしかない」と思っていました。けれど話していくうちに、「誰かに相談してもいい」「自分のつらさを無視しなくていい」と思えるようになっていきました。

「我慢するしかない」から「自分を守っていい」へ

Bさんが持ち帰った大切なメッセージは、「自分が我慢すればいいと一人で抱えない」「誰かに相談してもいい」ということでした。

職場では、つい「迷惑をかけたくない」「波風を立てたくない」「自分さえ我慢すれば丸くおさまる」と考えてしまうことがあります。特に、相手が先輩や上司など、立場が上の人に見える場合は、なおさら言い出しにくいものです。

でも、我慢を続けることが当たり前になってしまうと、自分の心の限界に気づきにくくなります。
憂うつな気持ちが続いたり、イライラしやすくなったり、疲れが取れなくなったりするのは、心が「もう少し大事にしてほしい」と知らせてくれているサインかもしれません。

Bさんも、先輩の態度にビクビクせず、穏やかな環境で仕事をしたいという本音を持っていました。
その気持ちは、決してわがままではありません。

私は、Bさんとお話しする中で、先輩を変えることだけに力を使うのではなく、Bさん自身が少しでも安心して働ける方法を一緒に考えていきました。座席のこと、業務の関わり方、上司への相談。できることを一つずつ見ていくことで、「全部自分で抱えなくていい」という感覚が少しずつ育っていったように思います。

もし今、職場の人間関係で同じように悩んでいる方がいるなら、まずは「つらい」と感じている自分を責めないでほしいです。

相手の機嫌に振り回されて疲れてしまうこともあります。
怖くて言い返せないこともあります。
どうしたらいいかわからず、一人で抱えてしまうこともあります。

そんなときは、いきなり大きな行動をしなくても大丈夫です。
まずは、自分の気持ちを言葉にするところから始めてみてください。

話すことで、すぐに現実が変わらなくても、心の中に少し余白が生まれることがあります。
そしてその余白が、「次にどうしようか」を考える力につながっていくのだと思います。

読者へのメッセージ|職場の人間関係に悩んだときは、一人で抱え込まないで

職場の人間関係は、毎日のことだからこそ、心にじわじわと負担がたまっていきます。

「相手の機嫌が気になって仕事に集中できない」
「自分が我慢すればいいと思ってしまう」
「誰に話せばいいのかわからない」

そんな状態が続くと、出勤前から気持ちが重くなったり、家に帰っても仕事のことが頭から離れなくなったりすることもあります。

でも、つらいと感じている自分を責めなくて大丈夫です。
相手をすぐに変えることは難しくても、自分の気持ちを整理したり、少しでも楽になる方法を一緒に考えたりすることはできます。

Bさんも最初は、「自分が我慢するしかない」と思っていました。
けれど、安心して話せる時間の中で気持ちを言葉にしていくうちに、「上司に相談してみよう」と次の一歩を考えられるようになりました。

一人で抱え込んでいると、悩みはどんどん大きく感じられるものです。
まずは、今の気持ちをそのまま話してみることから始めてみませんか。

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