自己肯定感が低いと感じる方へ|自分を否定してしまう原因と向き合い方

「失敗すると、すぐに自分を責めてしまう」
「周りと比べると、自分だけできていないように感じる」
「褒められても、素直に受け取れない」
そんな感覚が続いていると、「自分は自己肯定感が低いのかもしれない」と感じることがあります。
自己肯定感というと、「自分を好きになること」「自信を持つこと」というイメージを持つ方も多いかもしれません。けれど実際には、無理に自分を好きになろうとするだけでは、気持ちが楽にならないこともあります。
大切なのは、「なぜ自分はこんなに自分に厳しいのだろう」「なぜ失敗すると、自分そのものを否定したくなるのだろう」と、その背景を少しずつ整理していくことです。
親や周囲からの期待、過去に否定された経験、人と比べる習慣、「もっと頑張らなければ」という考え方など、自己評価が下がりやすくなる背景は人によって違います。
また、「仕事でミスをした」という事実と、「だから自分はダメな人間だ」という自己評価は、本来は別のものです。けれど気持ちが落ち込んでいると、その二つが結びつきやすくなります。
この記事では、自己肯定感が低いと感じるときに起こりやすいこと、その背景にある考え方や経験、そして自分を必要以上に責めないための向き合い方を、具体的な例を交えながら整理していきます。

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投稿者プロフィール

- 心理カウンセラー
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ストレス・不安・人間関係・自己否定などの悩みを、安心して話せる対話から整理し、考え方のクセや気持ちのパターンを一緒に見つけていく心理カウンセラーです。
■経歴・資格
産業カウンセラー。
人材紹介会社でキャリアアドバイザーとして転職相談に携わり、仕事やキャリア、職場の人間関係など、さまざまな相談に対応してきました。
現在はオンラインを中心に、ストレス、不安、人間関係、自己肯定感、自己否定、HSP、仕事やキャリア、本音を言えない悩みなどの相談を受けています。
■得意な相談
・ストレス・不安・気分の落ち込み
・職場・家族・恋愛などの人間関係
・自己肯定感の低さ・自己否定
・HSP・繊細さによる生きづらさ
・仕事・キャリアの悩み
・本音が言えない、自分の気持ちが分からない悩み
■大切にしていること
まずは、否定されず安心して本音を話せることを大切にしています。
話を聴くだけで終わるのではなく、対話を通して気持ちを整理し、自分では気づきにくい「考え方のクセ」や、ストレス・不安が強くなるパターンを一緒に見つけていきます。
来談者中心療法の考え方を大切にしながら、必要に応じて認知行動療法(CBT)の考え方も取り入れています。
「こんなことで相談していいのかな」「うまく話せるか分からない」という段階でも大丈夫です。話がまとまっていなくても、安心してお話しください。
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目次
- ○ 自己肯定感が低いと感じるのはどんなとき?
- ・失敗すると「自分はダメ」と考えてしまう
- ・周りと比べるほど自信がなくなっていく
- ・褒められても「大したことではない」と思ってしまう
- ○ なぜ自分を否定するようになるのか
- ・親や周囲からの評価を気にしてきた
- ・過去の失敗や傷ついた経験が残っている
- ・「こうあるべき」という基準が厳しくなっている
- ○ 自己肯定感は「無理に自分を好きになること」ではない
- ・自分に向けている厳しい言葉に気づく
- ・「起きたこと」と「自分への評価」を分けてみる
- ・できなかったことと同じように、できたことにも目を向ける
- ○ 自分を責めるパターンを一人で変えにくいとき
- ・自己否定が出やすい場面を整理してみる
- ・「なぜそう感じたのか」を言葉にしてみる
- ・自分に合った考え方を少しずつ見つけていく
- ○ 自分の「考え方のクセ」をもう少し整理してみたい方へ
- ・自分に出やすい考え方を知る「認知パターン診断」
- ・自分を責めてしまう背景を一緒に整理する
自己肯定感が低いと感じるのはどんなとき?

自己肯定感の低さは、「自分が嫌い」という分かりやすい形だけで表れるとは限りません。普段はそれほど意識していなくても、失敗したとき、人と比べたとき、誰かから評価されたときなどに、自分への厳しい見方が出てくることがあります。
大切なのは、「自己肯定感が低いからダメ」と考えることではありません。どんな場面で自分を否定しやすいのかに気づくことで、自分の評価の仕方や考え方のパターンが見えやすくなります。
失敗すると「自分はダメ」と考えてしまう
仕事でミスをした、予定どおりにできなかった、誰かとの会話でうまく話せなかった。そんな出来事があったとき、「今回はうまくいかなかった」と考えるのではなく、「やっぱり自分はダメだ」「何をやってもうまくいかない」と、自分自身の評価まで下げてしまうことがあります。
ひとつの失敗と、その人自身の価値は本来別のものです。しかし、自分に厳しい見方が習慣になっていると、出来事への評価がそのまま自己評価につながりやすくなります。
周りと比べるほど自信がなくなっていく
職場で活躍している人、楽しそうに過ごしている友人、SNSで充実した生活を発信している人を見ると、「それに比べて自分は……」と感じることがあります。
人と比べること自体は珍しいことではありません。ただ、相手のできている部分と自分のできていない部分ばかりを比較すると、自分の良さやこれまで頑張ってきたことが見えにくくなります。
「自分には何もない」と感じているときほど、本当に何もないのではなく、自分に向ける評価だけが厳しくなっていないかを見ることも大切です。
褒められても「大したことではない」と思ってしまう
「頑張ったね」「助かったよ」「あなたにお願いしてよかった」と言われても、「たまたまうまくいっただけ」「誰でもできることだから」と受け流してしまうことがあります。
自分への評価が厳くなっていると、失敗は強く記憶に残る一方で、できたことや周囲からの良い評価は小さく扱いやすくなります。その結果、「自分にはできることがない」という感覚がさらに強まってしまうこともあります。
まずは無理に自信を持とうとするのではなく、「自分は良いことをどのように受け取っているだろう」と振り返ってみるところからでも十分です。
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褒められたり、物事がうまくいったりしても「たまたま」「大したことではない」と考えてしまう場合は、「ポジティブな面の否定」という考え方のクセが関係していることがあります。自分の良い部分を受け取りにくくなる仕組みを知ることで、自己評価の偏りにも気づきやすくなります。
褒められても素直に喜べない?「ポジティブな面の否定」という考え方のクセ
なぜ自分を否定するようになるのか

自分を否定する考え方は、ある日突然生まれるものとは限りません。これまでの人間関係や経験、自分の中に身についた基準などが重なり、少しずつ「自分には足りないところがある」「もっと頑張らなければ」と考えるようになることがあります。
その背景を知ることは、過去の原因探しをするためではありません。「なぜ自分はこんなに自分に厳しいのだろう」と感じたときに、自分を責める以外の見方を増やしていくためです。
親や周囲からの評価を気にしてきた
子どもの頃から「もっと頑張りなさい」「○○さんはできているのに」と言われることが多かったり、結果を出したときだけ褒められたりすると、「できる自分でなければ認めてもらえない」と感じることがあります。
もちろん、親や周囲の言葉だけで自己肯定感が決まるわけではありません。ただ、周りの期待に応えることを大切にしてきた人ほど、自分がどうしたいかよりも「どうすれば評価されるか」を基準にしやすくなります。
大人になってからも、「迷惑をかけてはいけない」「期待に応えなければ」と考え、自分の気持ちを後回しにしてしまうことがあります。
過去の失敗や傷ついた経験が残っている
失敗を強く責められた経験、人間関係で否定された経験、いじめや仲間外れ、信頼していた人との関係で傷ついた経験などがあると、「また同じことが起きるかもしれない」と慎重になることがあります。
その経験を繰り返さないために、「もっとちゃんとしなければ」「自分が変われば大丈夫」と考えるようになる場合もあります。
過去に傷ついた経験から身についた考え方は、そのときの自分を守るためには必要だったのかもしれません。ただ、今の自分には厳しすぎる基準として残っていることもあります。
「どうしてこんな考え方をするんだろう」と責めるより、「この考え方は、いつ頃から必要になったのだろう」と振り返ることで、自分への見方が少し変わることがあります。
「こうあるべき」という基準が厳しくなっている
「仕事ではミスをしてはいけない」「人に迷惑をかけてはいけない」「弱音を吐いてはいけない」「もっと頑張るべき」といった自分なりのルールを持つことがあります。
責任感や向上心そのものが問題なのではありません。ただ、その基準が厳しくなりすぎると、少しできなかっただけでも「自分はダメだ」と評価しやすくなります。
100点を取れていない部分ばかりを見るのではなく、「本当にそこまでできなければいけないのか」「自分だけに厳しい基準を求めていないか」と考えてみることも、自分を責めるパターンに気づくきっかけになります。
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「もっとちゃんとするべき」「失敗してはいけない」「人に迷惑をかけてはいけない」といった考えが強い方は、「すべき思考」という考え方のクセが関係していることがあります。自分を縛っているルールに気づくことで、自分への厳しさを少しやわらげるヒントになります。
すべき思考とは?「〜すべき」「〜しなければ」に縛られる考え方のクセとやわらげ方
自己肯定感は「無理に自分を好きになること」ではない

自己肯定感が低いと感じると、「もっと自信を持たなければ」「自分を好きにならなければ」と考えることがあります。しかし、自分を否定する気持ちが強いときに、急に前向きな考え方へ変えようとしても、「そんなふうには思えない」と苦しくなってしまうことがあります。
大切なのは、無理に自分を好きになることではありません。まずは、自分に対してどのような評価をしているのかに気づき、その評価が本当に事実に合っているのかを少しずつ見直していくことです。
自分に向けている厳しい言葉に気づく
失敗したときに「なんでこんなこともできないんだろう」、人とうまく話せなかったときに「自分はコミュニケーションが苦手だ」と、無意識のうちに自分へ厳しい言葉を向けていることがあります。
こうした言葉は、長い間繰り返していると当たり前になり、自分を責めていること自体に気づきにくくなります。
まずは考え方を変えようとする前に、「今、自分にどんな言葉をかけているだろう」と気づいてみることが大切です。友人が同じ失敗をしたときには言わないような厳しい言葉を、自分にだけ向けていないかを振り返ってみてもよいでしょう。
「起きたこと」と「自分への評価」を分けてみる
たとえば仕事でミスをしたとき、「確認を一つ忘れた」というのは起きた出来事です。一方で、「自分は仕事ができない」「自分には価値がない」というのは、その出来事に対して自分がつけた評価です。
気持ちが落ち込んでいると、この二つが一つになりやすくなります。その結果、一度の失敗が自分全体の評価へと広がってしまいます。
そんなときは、「実際に起きたことは何だったのか」「そこから自分はどんな意味をつけたのか」を分けて考えてみます。失敗をなかったことにする必要はありません。改善する部分は認めながらも、それを自分自身の価値まで広げないことがポイントです。
できなかったことと同じように、できたことにも目を向ける
自分に厳しい人ほど、できなかったことにはすぐ気づく一方で、できたことは「普通」「これくらい当然」と小さく扱ってしまうことがあります。
たとえば、仕事で10個の作業をして9個は問題なく終わったのに、1個のミスだけが強く残り、「今日は全然ダメだった」と感じることがあります。しかし、実際にはできていたことも同時に存在しています。
「自分はすごい」と無理に思い込む必要はありません。「今日はここまではできた」「この部分は頑張った」と、事実として認めるだけでも十分です。
自己肯定感を整えていくときに大切なのは、自分を高く評価することではなく、悪い部分だけを大きく見たり、良い部分を必要以上に小さく見たりしないことです。良い面と改善したい面の両方を見ることで、自分を少しずつ現実に近い形で捉えられるようになります。
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失敗したことはいつまでも気になるのに、うまくできたことは「大したことではない」と感じてしまう場合は、「拡大解釈・過小評価」という考え方のクセが関係していることがあります。自分の失敗を必要以上に大きく、自分の良さや努力を小さく評価していないかを振り返ることで、自己評価の偏りに気づきやすくなります。
拡大解釈・過小評価とは?失敗を大きく感じ、良い面を小さく見てしまう考え方のクセ
自分を責めるパターンを一人で変えにくいとき

「自分を責めすぎない方がいい」と分かっていても、実際に失敗したり、人と比べたりすると、いつものように自分を否定してしまうことがあります。
長い間身についた考え方は、頭で理解しただけですぐに変わるとは限りません。むしろ、「分かっているのに変えられない」と、さらに自分を責めてしまうこともあります。
そんなときは、無理に考え方を変えようとするよりも、「どんな場面で自己否定が出やすいのか」「そのとき頭の中で何を考えているのか」を一つずつ整理していくことが大切です。
自己否定が出やすい場面を整理してみる
自分を責める気持ちは、いつでも同じ強さで出てくるわけではありません。
仕事でミスをしたとき、誰かに注意されたとき、友人や同僚と比べたとき、家族から何か言われたときなど、特定の場面で強くなることがあります。
まずは「自分は自己肯定感が低い」と大きくまとめるのではなく、「どんな場面で自分を否定しやすいのか」を具体的にしてみます。
たとえば、「仕事で注意されると、自分は必要とされていない気がする」「SNSを見ると、自分だけ遅れているように感じる」というように整理すると、自己否定が起こるきっかけが見えやすくなります。
自分を責めることをやめようとするよりも、まずはパターンを知ることが、向き合い方を考える第一歩になります。
「なぜそう感じたのか」を言葉にしてみる
自分を否定しているときは、頭の中にさまざまな考えや感情が混ざっています。
「失敗した」「恥ずかしい」「迷惑をかけた」「嫌われたかもしれない」「もっとちゃんとするべきだった」といった思いが重なると、自分でも何に一番傷ついているのか分からなくなることがあります。
そんなときは、頭の中だけで考え続けるよりも、言葉にしてみることで整理しやすくなります。
「ミスをしたことが嫌だったのか」「評価が下がることが怖かったのか」「誰かに失望されるのがつらかったのか」と一つずつ分けていくと、表面的な「自分はダメ」という言葉の奥にある気持ちが見えてくることがあります。
自分が本当に気にしていたことに気づけると、必要以上に自分全体を否定せず、その出来事について考えられるようになります。
自分に合った考え方を少しずつ見つけていく
自己肯定感を整えるために、「もっとポジティブに考えよう」と無理をする必要はありません。
大切なのは、自分にとって現実的で、受け入れやすい考え方を増やしていくことです。
「失敗したけれど、全部がダメだったわけではない」「できなかった部分は次に見直せばいい」「今は自信がなくても、これまでできたこともある」といったように、極端になりすぎない見方を探していきます。
最初から自然にそう思えなくても問題ありません。自分がどんな場面で厳しい評価をしやすいのかを知り、そのたびに少し違う見方を考えてみることで、自己否定のパターンに気づきやすくなります。
「自分を好きにならなければ」と頑張るのではなく、自分を必要以上に悪く評価しないことから始める。それも、自己肯定感と向き合っていく大切な方法の一つです。
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頭の中で同じことを何度も考えてしまったり、「自分が悪かったのでは」と考え続けてしまったりするときは、考えを言葉にして整理することで、自分が本当に気にしていることが見えやすくなることがあります。
考えすぎて疲れたときはどうする?頭の中のモヤモヤを話して整理する方法
自分の「考え方のクセ」をもう少し整理してみたい方へ

「失敗すると、自分まで否定したくなる」
「できたことより、できなかったことばかり気になる」
「周りと比べると、自分だけ足りないように感じる」
こうした考え方が繰り返し出てくる場合、自分でも気づかないうちに、いつも同じ方向へ考えやすくなっていることがあります。
自分に出やすい考え方を知る「認知パターン診断」
リハートカウンセリングでは、自分に出やすい「考え方のクセ」を整理するための認知パターン診断をご用意しています。
「すべき思考」「ポジティブな面の否定」「拡大解釈・過小評価」など、自分がどのような考え方をしやすいのかを知ることで、「なぜ自分にこんなに厳しくなるのだろう」と感じていた理由が見えやすくなることがあります。
診断結果を「良い・悪い」で判断するのではなく、自分の考え方を知るための一つの材料として活用できます。
自分を責めてしまう背景を一緒に整理する
自己肯定感の低さには、考え方のクセだけでなく、これまでの人間関係、親や周囲から受けた影響、仕事での経験、過去に傷ついた出来事など、さまざまな背景が重なっていることがあります。
リハートカウンセリングでは、「自信を持ちましょう」と無理に前向きな考え方へ変えるのではなく、どんなときに自分を責めやすいのか、そのとき何を感じ、どのように受け止めているのかを一緒に整理していきます。
「自分を好きにならなければ」と頑張るのではなく、自分を必要以上に悪く評価してしまうパターンに気づき、自分に合った見方を少しずつ探していくことを大切にしています。
自分だけでは考えがまとまらないときや、同じ自己否定を繰り返してしまうときは、一人で答えを出そうとせず、話しながら整理してみる方法もあります。
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