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30代女性のSNS疲れ|結婚・出産と比べてしまい「自分には価値がない」と感じた夜の話

30代女性のSNS疲れ|結婚・出産と比べてしまい「自分には価値がない」と感じた夜の話

30代になって、SNSを眺める時間がいつの間にか増えていませんか?
「またあの子は結婚したみたい」「出産のお祝いが続いてる…」そんな投稿を見るたびに、胸の奥がチクッと痛む。
周りの人たちの“キラキラした瞬間”と、自分の毎日を比べてしまう夜が、気づけば日常になっていた――そんな声を最近よく耳にします。

この記事を読んでくれているあなたも、もしかしたら同じような思いを抱えていませんか?
「幸せってなんだろう」「自分はどこへ向かっているの?」
そんな問いが、頭の中をぐるぐると巡ってしまう時って、本当にしんどいですよね。

ここでは、そんな“重たい気持ち”を抱えたある女性の体験を通して、
・なぜSNSが余計につらく感じられるのか
・その背景にはどんな思い込みが隠れているのか
・そして、その感覚が少しずつ軽くなるきっかけはどこにあるのか

を、一緒に見ていきたいと思います。
正解を押しつけるのではなく、あなたの感じてきたことをそのまま受け止めながらつづる物語です。

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投稿者プロフィール

渡辺桜
渡辺桜よりびと
■待機時間:10時~19時(土日祝を含む週5日程度のシフト制)
※シフトは2週間単位で掲載します

■年齢:20代後半

■ キャッチコピー:あなたの心の声をそのまま受け止める、安心の止まり木です。


■ 得意なテーマ

– もやもやしている気持ちの整理
– 誰にも言えない話の受け止め
– 人間関係の悩み・恋愛相談
– とにかく話を聴いてほしいとき
– 感情の吐き出し

■ 聴き方・スタイル

– 話す準備ができるまでじっくりと待ちます。
– 言葉の裏にある感情を丁寧に拾い上げます。
– 否定的な判断を挟まず、お話を丸ごと受け入れます。
– 解決策は求められるまで出しません。聴くことに徹します。

■ 経験

– 臨床心理学を学び、人格特性やストレスの対処法について研究していました。
– 認定心理士、証券外務員1種、FP等の資格を持ち、専門的な知識でサポートします。
– オンライン上の相談サービスで年齢や性別、国籍を問わず様々な相談を受けました。
– 守秘義務を徹底し、年間40件以上の相談を継続的に担当していました。

■ 大切にしていること

– 否定ゼロ。あなたの全てを受け入れます。
– 話したくないことは無理に聞きません。
– 対等な立場で傾聴します。
– 泣いても沈黙してもOK。決して急かしません。

■ 人柄・ユニークポイント

– 好きなもの:音楽 / ゲーム / ラーメン / 犬・猫
– よく言われる性格:温かみがある / 話しやすい / 誠実
– ちょっとしたこだわり:旅行先の地域で一番おいしいラーメンを探しています。
– 聴き手としての密かな強み:言葉の温度から、微細な感情の変化を読み取ります。


■ メッセージ

感情が溢れたり、話が前後しても気にしないでください。あなたの伝えたい気持ちを丁寧に見つけ出します。まずは気持ちの全てを預けて、心をそっと休ませてあげましょう。

目次

30代のSNS疲れ。「おめでとう」が言えない自分を責めてしまう夜

スマホを開けば、結婚報告、妊娠報告、マイホーム、家族旅行。
本当は「おめでとう」って思ってるし、ちゃんと言葉にもしたい。なのに、画面を見ているうちに胸の奥がぎゅっと苦しくなって、気づけばため息が出てしまう。
「私は何してるんだろう」って、答えの出ない問いが頭の中をぐるぐる回って、夜の静けさだけがやけに大きく感じる——そんな瞬間、ありませんか。

今回の話は、30代のSさん(仮名)が抱えていた“比べてしまう苦しさ”がテーマです。
友だちの幸せを喜びたいのに、なぜか心が追いつかない。既読をつけたまま返信ができない。会いたい気持ちと、会ったら余計につらくなりそうな気持ちがぶつかって、どんどんひとりになっていく。
そして一番しんどいのは、「比べるのをやめればいいのに、やめられない自分」を責め続けてしまうことでした。

ここでは、“前向きになろう”とか“気にしないようにしよう”みたいな正論ではなく、
「どうしてそんなに苦しくなるのか」
「どんな気持ちが隠れていたのか」
を、やさしくほどいていきます。焦って答えを出さなくても大丈夫。まずは、Sさんの「夜のベッドの中で起きていたこと」から、一緒にたどってみます。

スクロールする手が止まらない。「見たくないのに見てしまう」には理由がある

Sさんは、夜になるとInstagramを開くのが習慣になっていました。
寝る前に少しだけ…のつもりが、気づけば30分、1時間。キラキラした投稿を見ては「いいね」を押して、コメントもして、ちゃんと祝福している。けれど、スマホを置いた瞬間に涙が出てくる。胸が苦しくて、胃が重たくて、眠ろうとしても目が覚めてしまう。
それでも翌日も、また見てしまう。Sさん自身も「こんな気持ちになるなら見なきゃいいのに」って分かっているのに、やめられないことがさらに自分を苦しめていました。

でもね、ここで大事なのは「意志が弱いから」って片付けないことなんです。
人って、しんどいときほど“答え”を探そうとしたり、“安心できる材料”を集めようとしたりします。SNSを見る行動も、Sさんにとっては「取り残されていないか確認したい」「何かヒントが欲しい」「自分も頑張らなきゃと思いたい」みたいな、必死な心の動きとつながっていました。
つまり、見てしまうのは、冷たいからでも、意地悪だからでもなくて、心が一生懸命に自分を保とうとしているサインだったんです。

だから最初にやることは、無理に行動を変えることじゃなくて、
「見てしまう私、終わってる」みたいな自己攻撃をいったん止めて、
「そりゃ苦しくなるよね」って、自分の味方を増やすこと。
ここができると、心の緊張が少し緩みます。緩むと、やっと“本当のつらさ”が見えてくる。Sさんも、そこから少しずつ、自分の気持ちを言葉にできるようになっていきました。

「みじめ」「焦る」「孤独」…いちばん刺さっていたのは“何者にもなれていない自分”への怒り

Sさんの中で一番強かったのは、悲しさだけじゃありませんでした。
みじめさ、焦り、そして深い孤独感。
「私の人生、どこで間違えたんだろう」
「何もない自分には価値がない」
「私だけが取り残されている」
そんな言葉が頭の中で繰り返されて、静かな夜ほど音量が上がる。友だちの幸せが悪いわけじゃないのに、見れば見るほど苦しい。会えば笑顔で話せるのに、家に帰ると落ち込む。
この“二重のしんどさ”って、かなり消耗します。

さらにSさんを追い込んでいたのが、身近なところからの比較でした。
お母さんの「〇〇ちゃんは家を建てたらしいよ」という一言。
責められているわけじゃないと分かっていても、心は勝手に反応してしまうんですよね。
「私は何もできてない」
「期待に応えられてない」
そんな気持ちが膨らんで、電話を切ったあとにどっと疲れる。
Sさんは“周りの言葉”に傷ついているようで、実は一番きつかったのは“自分が自分を許せないこと”でした。

ここでポイントになるのが、「何者かにならないと価値がない」という思い込みです。
結婚しているか、正社員か、持ち家か。
そういう分かりやすい“肩書き”がないと、今の自分を認められない。
でも、それって本当にSさんの望みだったのか? それとも、周りの空気や世間のテンプレが、いつの間にか自分のルールになっていただけなのか?
Sさんは少しずつ、そこに気づいていきます。気づけた瞬間、ちょっとだけ肩の力が抜ける。
「私が苦しいのは、私がダメだからじゃなくて、ずっと自分を厳しく裁き続けていたからなんだ」って。

婚活アプリで「盛る自分」に疲れた…“うまく見せなきゃ”が心を削っていた

Sさんは「このままじゃいけない」と思って、婚活アプリも始めてみました。
でも、プロフィールを書き始めた途端に手が止まる。
写真はどれがいい? 趣味はどう見える? 仕事はどう書けば印象がいい?
気づけば“自分を盛る作業”になっていて、どっと疲れてしまったそうです。
そして、誰とも会う前に退会。
行動できなかった自分をまた責める。
この流れ、めちゃくちゃあるあるなんですよね。やる気がないわけじゃない。むしろ頑張ろうとしてる。でも、頑張り方が「自分を削る方向」になってしまうと、続かないんです。

ここで見えてくるのは、Sさんの中にある「完璧じゃないと人に会えない」という感覚。
友だちに会うのも、恋愛を始めるのも、「ちゃんとした自分」でいなきゃいけない気がする。
だから、準備が整わないと動けないし、整えようとして疲れる。
そして疲れた自分を「弱い」と決めつけてしまう。
でも本当は、弱いんじゃなくて、ずっと一人で踏ん張り続けてきただけかもしれません。

Sさんがぽつりと言った言葉があります。
「キラキラした投稿は、その人の特別で最高の一瞬でしかないのに、私は自分の日常と比べて苦しんでいました」
これって、気づいたから言える言葉なんです。苦しい真っただ中にいるときは、“比べてる”自覚すら持てないことも多い。
でも、ここまで言葉にできたのは、Sさんが自分のつらさをちゃんと見つめ始めた証拠。
そして、ここから少しずつ、「うまく見せる」から「自分のままでいる」へ、方向が変わっていきます。次では、その転換点をもう少し具体的に追いかけていきます。

「やめたいのにやめられない」SNS比較がしんどいのは、あなたが弱いからじゃない

Sさんは何度も言っていました。
「もう見たくないんです。見たら落ち込むって分かってるのに、気づいたら開いてて…」って。

こういうとき、つい“意志の問題”にしてしまいがちです。
「自分がダメだから」「心が弱いから」って。
でも実際はその逆で、心が弱いどころか、心が必死に踏ん張っているサインだったりします。

比べて苦しくなるのは、あなたが意地悪だからでも、友だちを妬んでいるからでもありません。
むしろ、人を大事にしたいからこそ、「ちゃんと祝いたい」「嫌な人になりたくない」って思って、余計に疲れてしまうこともあるんです。

ここでは、無理に“前向き”を作るのではなく、
「どうしてそんなに苦しくなるのか」
「何が心を削っているのか」
を、いったん落ち着いて整理していきます。
まずは、Sさんが少しずつラクになっていく過程で大事にした3つのポイントをお話しします。

SNSは「情報」なのに、いつの間にか「自分の成績表」になっていた

SさんはSNSを開くたびに、頭の中で勝手に“採点”が始まっていました。
結婚した友人の投稿を見たら、「私はまだ」。
出産報告を見たら、「私は何もない」。
仕事の報告を見たら、「私は派遣だし」。
投稿そのものはただの近況報告なのに、Sさんの心の中では「自分は足りてる?」「遅れてない?」というテストになっていたんです。

これ、すごく自然な反応です。
SNSって、見せたい部分が集まる場所だから。
疲れているときほど、キラキラが眩しく見えるし、眩しいほど自分の影が濃くなる。
しかも、流れてくるのは“その人の最高の一瞬”。それを、自分の“日常の全部”と比べてしまう。
そりゃ苦しくなります。

ここで大事なのは、「比べちゃダメ」と自分を叱ることじゃありません。
叱るほど、心はますます固くなります。
代わりにやるのは、SNSを“情報”として切り分けること。
「これは相手のハイライト」
「私は私の生活を生きてる」
って、線を引いてあげるイメージです。

Sさんも最初は「頭では分かるけど、心がついてこない」と言っていました。
だからこそ、まずは“心が苦しくなる仕組み”を知ることから始めました。
仕組みが分かると、「私がおかしいわけじゃないんだ」と思える。
この「自分を責める回数が減る」だけでも、しんどさは少し軽くなっていきます。

「幸せ=結婚・正社員・持ち家」というテンプレが、自分を追い込んでいた

Sさんの中には、強い“成功のテンプレ”がありました。
結婚して、正社員で、家を持って、子どもがいて…みたいな、よくある人生の見本。
もちろん、それ自体が悪いわけじゃありません。
ただ、そのテンプレが「できていない私は価値がない」というルールに変わってしまうと、話は別です。

Sさんは、自分の頑張りをびっくりするくらい認めていませんでした。
毎日仕事に行って、生活を回して、将来のことを考えて、悩みながらも生きている。
それって十分“頑張ってる”のに、Sさんの中ではゼロ点。
テンプレ通りじゃないから、全部が無価値みたいに感じてしまっていたんです。

さらに苦しかったのが、身近な人からの比較。
お母さんが何気なく言う「〇〇ちゃんは家を建てたらしいよ」。
その一言が、Sさんの中のテンプレを強く刺激してしまう。
「私も早く何か形にしなきゃ」
「何者かにならなきゃ」
焦りが強くなるほど、動けなくなるのに、動けない自分を責めてしまう。
まさに悪循環です。

ここでやったのは、テンプレを否定することではなく、“自分にとっての幸せ”を再確認することでした。
「本当はどうなりたい?」
「誰の基準で焦ってる?」
「今の生活の中で、すでに守れていることって何?」
この問いを丁寧に重ねると、Sさんの言葉が少しずつ変わっていきます。
“正解に近づくための人生”から、“自分の納得を増やす人生”へ。
この切り替えが、心をかなりラクにしてくれます。

「そのままで大丈夫」って言われて初めて、安心して本音が出てきた

Sさんが一番ホッとした瞬間は、「どうすれば変われますか?」の答えをもらったときではありませんでした。
「そんなふうに苦しくなるの、当然だよ」
「見たくないのに見てしまうのは、心が自分を守ろうとしてる証拠だよ」
そう受け止められたとき、Sさんの表情がふっと緩んだんです。

人って、安心できないと本音が出ません。
逆に、安心できると、初めて「実はね…」が言える。
Sさんも最初は「自分が情けない」「恥ずかしい」と下を向いていました。
でも、否定されない雰囲気の中で少しずつ、言葉が出てくる。
「友だちを嫌いになりたいわけじゃない」
「ただ、私も幸せになりたい」
「置いていかれるのが怖い」
こういう本音が出てきたとき、やっと“対処の方向”が見えてきます。

ここで大事なのは、焦って解決しようとしないこと。
“今すぐ元気になろう”って急ぐと、また「できない自分」を責める材料が増えてしまいます。
だから、まずは「そのままの自分」を安全に出せる場所を作る。
そして、言葉にできた気持ちを一緒に整理していく。
Sさんが最後に「少しスマホを置く勇気が出ました」と言えたのは、根性で我慢したからじゃなくて、心が落ち着いて“選べる状態”に近づいたからでした。

この「安心→本音→整理→小さな行動」って流れは、SNS疲れにもすごく相性がいいです。
次では、Sさんが「比べる癖」から少し距離を取れるようになった転換点を、もう少し具体的に見ていきます。

「私だけ置いていかれる」がほどけた瞬間。比べる相手を変えるより、比べ方を変えてみた

Sさんが少しラクになっていったきっかけは、「SNSを見るのをやめた」みたいな劇的な変化ではありませんでした。
むしろ逆で、見る日もあるし、焦る日もある。落ち込む日も、正直まだある。
でも、決定的に違ったのは、落ち込んだときに“自分を責める方向”へ一気に転がらなくなったことです。

前は、キラキラした投稿を見た瞬間に、頭の中で裁判が始まっていました。
「だから私はダメ」
「何もない私には価値がない」
「みんなは進んでるのに、私は止まってる」
そんな判決を自分に出して、心がボロボロになっていく感じ。

でもあるとき、Sさんはふっと言いました。
「キラキラした投稿って、その人の“最高の一瞬”なんですよね。私はそこに、自分の“日常全部”をぶつけて苦しんでたんだと思います」って。
この気づきは、ただの言い換えじゃなくて、“比べ方のルール”を変える力があります。

ここからSさんは、「比べないように頑張る」ではなく、
「比べたくなる自分を否定せずに、比べ方を整える」
という方向に進んでいきました。転職や結婚みたいな大きなテーマにも、少しずつ現実的な目線が戻ってきた。
ここでは、その転換点になった3つの視点を紹介します。

「人のハイライト」vs「自分のノーカット」を比べていたと気づいたら、急に冷静になれた

SNSって、基本的に“いい場面”が集まりやすい場所です。
結婚式の写真、旅行、記念日、赤ちゃんの笑顔、新居の内覧。
それはその人にとっての大切な思い出で、見せたくなるのも自然なこと。
ただ、疲れているときの心は、それを“相手の人生の全て”みたいに受け取ってしまうことがあります。

Sさんもまさにそれでした。
友だちの投稿=その人の毎日が全部うまくいっている証拠、みたいに感じてしまう。
そして自分は、自分のダメなところや不安なところまで含めた“ノーカットの毎日”で勝負してしまう。
そりゃ勝てないし、勝てない勝負をしている限り、苦しさは増える一方です。

ここでSさんがやったのは、無理にSNSを断つことではなく、まず“見方の設定”を変えることでした。
投稿を見たときに、心の中でこう言ってあげる。
「これはハイライト」
「私の人生の全部と比べない」
たったこれだけ?と思うかもしれませんが、これが意外と効きます。

人は、比べ方が変わると、感情の強さも変わります。
Sさんは「同じ投稿を見ても、前ほど胸が締め付けられなくなった」と言っていました。
“見てもいいけど、飲み込まれない”状態。
この距離感ができると、生活の中に少し余白が戻ってきます。

「理想の人生」を追うより、「今の私が守りたいもの」を言葉にしたら焦りが落ち着いた

Sさんの焦りは、ある意味とてもまじめな焦りでした。
「このままじゃダメ」
「何か形にしなきゃ」
「ちゃんとした大人にならなきゃ」
そう思うのって、サボっているからじゃなくて、未来を大事にしたいからなんですよね。

ただ、その焦りがどこから来ているかを見ていくと、Sさんの中には“世間のテンプレ”が強くありました。
結婚・正社員・持ち家。
それが揃っていないと、幸せじゃないように感じてしまう。
でも、テンプレを追いかけるほど、「今の自分」がどんどん置いていかれる感覚になるんです。
だって、テンプレって常に“まだ先”にあるから。

そこでSさんがやったのは、テンプレを捨てることではなく、焦りの方向を変えること。
「理想の人生はこれ」ではなく、
「今の私が守りたいものは何?」
に焦点を当てていきました。

たとえば、
・一人暮らしで生活を回していること
・仕事を続けていること
・しんどい中でも人を大事にしたいと思っていること
こういう“地味だけど確かなこと”って、焦りの中だと見えなくなりがちです。
でも言葉にしていくと、「私、何もないわけじゃない」と感覚が変わってくる。

焦りがゼロになるわけじゃない。
でも、焦りに飲まれない。
「焦ってる私=ダメ」ではなく、「焦ってるな、今不安なんだな」と眺められる。
この違いが、Sさんにとっては大きな転換でした。

母のひと言に振り回されなくなったのは、「境界線」を覚えたから

Sさんを地味に削っていたのが、お母さんの何気ない比較でした。
「〇〇ちゃんは家を建てたらしいよ」
「同級生はもう子どもがいるんだって」
悪気があるかどうかは分からない。
でも、Sさんの心には刺さってしまう。刺さるたびに、「私は遅れてる」と焦りが増える。

以前のSさんは、その場で言い返せませんでした。
言い返したら嫌われるかも。
空気が悪くなるのが怖い。
だから電話を切ったあとに、一人で落ち込む。
そして“言えなかった自分”まで責める。これもよくある二重苦です。

ここで効いたのが、「境界線」という考え方でした。
相手の価値観と自分の価値観は別。
相手の言葉は相手の世界の話であって、私の成績表じゃない。
この線引きを意識するだけで、同じ言葉でもダメージが変わります。

さらにSさんは、小さく言葉にする練習もしていきました。
責める言い方じゃなくて、気持ちをそのまま伝える。
「今はその話、聞きたくないんだ」
「比べられるとつらくなるんだ」
短くていい。丁寧すぎなくていい。
自分を守る一言を持っておく。

Sさんは実際に、お母さんにそう伝えられたそうです。
その結果、状況が完璧に変わったわけじゃないけど、Sさんの中で「私は私を守っていい」という感覚が育っていった。
これができると、SNSの投稿にも、周りの言葉にも、少しずつ振り回されにくくなります。

次では、Sさんが日常の中で“自分に戻る時間”を増やしていった話と、焦りと上手につき合うコツをまとめていきます。

焦りが消えなくても大丈夫。比べる毎日から「自分の生活」に戻っていく

Sさんは、魔法みたいに悩みがゼロになったわけではありません。
SNSを見て、ふと胸がざわつく日もあるし、友だちの報告に「いいな…」って思う日だってある。
でも、以前と大きく違ったのは、その瞬間に「やっぱり私はダメだ」と自分を追い込まなくなったことでした。

焦りって、悪者にされがちだけど、本当は“何かを大切にしたい”気持ちの裏返しでもあります。
Sさんの焦りも、幸せを諦めたくない気持ちや、ちゃんと生きたい気持ちにつながっていました。
だから大事なのは、焦りを消そうとするより、焦りが出てきたときに“自分を守れる形”に整えていくこと。

Sさんが少しずつ取り戻していったのは、他人の人生を追いかける時間ではなく、自分の生活の手触りでした。
通知を切って、好きなカフェに行って、読書をして、深呼吸できる夜を増やしていく。
その積み重ねで、「私は私でいい」が、頭の理解から、少しずつ心の実感に変わっていきました。
最後に、Sさんが持ち帰った3つの“整え方”をまとめます。

通知をオフにしただけで、心に「考える余白」が戻ってきた

Sさんが最初にやったことは、めちゃくちゃシンプルでした。
SNSの通知をオフにしたんです。
「それだけ?」って思うかもしれないけど、これが意外と大きい。

通知って、鳴った瞬間に注意を奪います。
しかも疲れているときほど、反射で開いてしまう。
開いたら最後、誰かの投稿が流れてきて、比べて、落ち込んで、また自分を責める。
この一連の流れが“自動再生”になっていると、気づかないうちに心がすり減っていきます。

通知を切ると、自分のタイミングで見る・見ないを選べるようになります。
この「選べる」って、地味だけど回復にかなり効きます。
Sさんも「見ないように我慢してる感じじゃなくて、見ない時間が自然に増えた」と話していました。

ここで大切なのは、完璧を目指さないこと。
SNSを一生見ない、とか、絶対比べない、とかにすると、それがまた新しい“縛り”になります。
そうじゃなくて、
「今日は疲れてるから見ない」
「今は自分の時間を優先する」
みたいに、小さく選ぶ。
それだけで、心の中に余白が戻ってきます。

余白ができると、焦りが出ても一呼吸おける。
「また比べちゃった…」で終わらずに、「今、疲れてるんだな」って気づける。
Sさんの変化は、こういう小さな設定変更から始まっていました。

好きなことに戻ると、「私の人生ってこれでいい」が少しずつ育つ

Sさんが次に増やしていったのは、自分の“好き”に触れる時間でした。
カフェ巡りをしたり、読書をしたり。
それって一見、悩みの解決と関係なさそうに見えるけど、実はめちゃくちゃ関係あります。

SNSで比べてしまうときって、心が“外”に向きすぎている状態なんです。
誰が結婚した、誰が出産した、誰が家を買った。
外の情報が多すぎて、自分の感覚が置き去りになる。
だからこそ、意識的に“自分の内側”に戻ってくる時間が必要になります。

カフェで飲むコーヒーの匂いとか、本のページをめくる音とか。
そういう小さな体験は、「今ここ」に戻してくれます。
Sさんも、そういう時間が増えるほど、「私は何もない」って感覚が薄れていきました。

ポイントは、キラキラした趣味じゃなくていいってこと。
誰かに見せるための楽しみじゃなくて、自分が落ち着くもの。
散歩でも、音楽でも、コンビニスイーツでもいい。
“他人の評価が入らない時間”を増やすと、自己肯定感ってじわじわ戻ってきます。

Sさんが目指していたのは、周りを素直に祝える余裕でした。
その余裕って、気合いで作るものじゃなくて、日々の回復の積み重ねで育つんですよね。
「私の生活にも、ちゃんと良さがある」
そう思える瞬間が増えるほど、比べる痛みは小さくなっていきます。

焦りが出てもOK。「あ、今また焦ってるな」と気づけたら、それだけで前進

Sさんが最後に手に入れた感覚は、「焦りをなくす」ではなく「焦りと距離を取る」でした。
焦りって、出ないようにしようとすると逆に強くなることがあります。
「焦るな」って言われるほど、焦りって暴れます。

でも、焦りに名前をつけられるようになると、状況が変わります。
「あ、今また焦ってるな」
「これは不安が強い日だな」
こうやって一段引いて見られるだけで、焦りの支配力が落ちるんです。

Sさんも、「焦りが出たら深呼吸して、“私は今、比べモードに入ってる”って気づくようにした」と言っていました。
この“気づき”は、行動の選択肢を増やしてくれます。
焦りのままSNSを開くのか。
一回スマホを置くのか。
温かい飲み物を作るのか。
友だちに連絡するのか。
「選べる」って、やっぱり強い。

それから、Sさんはお母さんへの一言も持てるようになりました。
「今はその話、聞きたくないんだ」
自分を守る言葉を持つと、外からの刺激に振り回されにくくなります。
そして何より、「私の気持ちを大事にしていい」という土台が育ちます。

もし今、あなたが同じように苦しいなら、まずは一つだけでもいい。
通知を切る。
寝る前の5分だけスマホを置く。
“好き”に触れる時間を作る。
焦りを感じたら「焦ってるな」と言ってみる。
小さな一歩が積み重なると、ちゃんと心は回復していきます。
あなたはあなたのままで、すでに十分頑張っています。

読者へのメッセージ

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

SNSを見て苦しくなるのって、あなたが弱いからでも、性格が悪いからでもありません。
本当は人を大切にしたいし、ちゃんと祝いたい。なのに心が追いつかなくて、自分を責めてしまう。
そのくらい、今まで一人で踏ん張ってきたんだと思います。

焦りやみじめさが出てくる日があっても大丈夫。
それは「もっと幸せになりたい」「ちゃんと生きたい」という気持ちが、まだあなたの中にある証拠です。
無理に前向きにならなくていいし、答えを急がなくてもいい。
まずは、今の気持ちをそのまま言葉にしてみるところからで十分です。

もし、「友だちには言いにくい」「頭の中がぐるぐるして整理できない」「ひとりで抱えるのが限界かも」と感じているなら、傾聴ラウンジ 「ここより」 を頼ってみてください。

ここよりは、正論で背中を押す場所というより、
“今のあなたの気持ち”をいったん落ち着いて置ける場所です。
うまく話せなくても大丈夫。泣いてしまっても、言葉が途切れても大丈夫。
あなたのペースで、あなたのままの声を聴かせてもらえたらと思っています。

「少しだけ、呼吸を整えたい」
そのくらいの気持ちで、いつでも来てくださいね。

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