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空の巣症候群で涙が止まらない|子どもが巣立って寂しいときの気持ちの整え方

空の巣症候群で涙が止まらない|子どもが巣立って寂しいときの気持ちの整え方

子どもが進学や就職、結婚などをきっかけに家を離れたあと、急に寂しさが押し寄せてきたり、理由もなく涙が出たりすることがあります。

「子どもが自立したことはうれしいはずなのに、どうしてこんなに寂しいんだろう」
「家の中が静かになって、何をしていても気持ちが落ち着かない」
「これから自分は何を楽しみに過ごしていけばいいのだろう」

そんな気持ちを抱えている方もいるかもしれません。

子どもが巣立ったあとに感じる強い寂しさや喪失感は、一般に「空の巣症候群」と呼ばれることがあります。長い間、子育てが生活の中心だった方ほど、子どもがいなくなったあとの変化に心が追いつかず、涙や不安となって表れることもあります。

大切なのは、「早く元気にならなければ」と無理に気持ちを切り替えることではありません。

まずは、なぜこんなに寂しいのか、何を失ったように感じているのかを少しずつ見つめていくこと。

この記事では、空の巣症候群で涙が止まらなくなる理由と、その気持ちを無理なく整理していく方法についてお伝えします。

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投稿者プロフィール

佐藤 公俊
佐藤 公俊心理カウンセラー
ストレス・不安・人間関係・自己否定などの悩みを、安心して話せる対話から整理し、考え方のクセや気持ちのパターンを一緒に見つけていく心理カウンセラーです。

■経歴・資格

産業カウンセラー。
人材紹介会社でキャリアアドバイザーとして転職相談に携わり、仕事やキャリア、職場の人間関係など、さまざまな相談に対応してきました。

現在はオンラインを中心に、ストレス、不安、人間関係、自己肯定感、自己否定、HSP、仕事やキャリア、本音を言えない悩みなどの相談を受けています。

■得意な相談

・ストレス・不安・気分の落ち込み
・職場・家族・恋愛などの人間関係
・自己肯定感の低さ・自己否定
・HSP・繊細さによる生きづらさ
・仕事・キャリアの悩み
・本音が言えない、自分の気持ちが分からない悩み

■大切にしていること

まずは、否定されず安心して本音を話せることを大切にしています。

話を聴くだけで終わるのではなく、対話を通して気持ちを整理し、自分では気づきにくい「考え方のクセ」や、ストレス・不安が強くなるパターンを一緒に見つけていきます。

来談者中心療法の考え方を大切にしながら、必要に応じて認知行動療法(CBT)の考え方も取り入れています。

「こんなことで相談していいのかな」「うまく話せるか分からない」という段階でも大丈夫です。話がまとまっていなくても、安心してお話しください。

目次

子どもが巣立ったあと、なぜ涙が止まらなくなるのか

子どもが巣立ったあと、なぜ涙が止まらなくなるのか

子どもが家を離れたあとに涙が止まらなくなるのは、単に「子どもに会えなくて寂しい」という理由だけではないことがあります。

これまで何年、何十年と続いてきた生活そのものが大きく変わり、「親として必要とされる毎日」「子どもの予定を中心に動く生活」「家族みんながそろう時間」など、当たり前だったものが一度に変化します。

頭では「子どもの自立は喜ばしいこと」と分かっていても、心はすぐには新しい生活についていけません。

だからこそ、子どもが巣立ったあとに感じる涙には、寂しさだけではなく、喪失感や戸惑い、これからの生活への不安など、いくつもの気持ちが重なっていることがあります。

当たり前だった毎日が突然なくなる寂しさ

朝起こすこと、食事を用意すること、「今日は何時に帰るの?」と声をかけること。子育てをしている最中には忙しく感じていた日常も、子どもが家を離れると突然なくなります。

家事そのものは減っているのに、なぜか家の中が広く感じる。スーパーへ行っても、つい子どもの好きだった食べ物を手に取ってしまう。夕方になると、以前なら帰宅時間を気にしていたことを思い出す。

こうした小さな出来事の一つひとつから、「もう以前と同じ生活ではないんだ」と実感することがあります。

人は大きな出来事だけでなく、毎日繰り返していた習慣がなくなることでも寂しさを感じます。子どもが巣立ったあとの涙は、それだけ大切な時間を長く積み重ねてきたこととも関係しているのです。

「うれしい」と「寂しい」が同時にあってもいい

子どもが自立することは、本来うれしいことです。

だからこそ、「こんなに寂しがっている私は子離れできていないのでは」「子どもの新しい生活を素直に喜ばないといけない」と、自分の気持ちを責めてしまう方もいます。

けれど、人の気持ちは一つだけではありません。

「無事に自立してくれてうれしい」
「ここまで成長してくれて安心した」

そう思う一方で、

「もう毎日顔を見ることはできないんだ」
「以前の生活に戻れないのが寂しい」

と感じることもあります。

喜びと寂しさは、どちらかを消さなければならないものではありません。両方の気持ちがあることを認めるだけでも、自分を責める気持ちは少し変わっていきます。

涙の奥に「私はこれからどうするの?」という不安が隠れていることも

子どもが巣立ったときに感じる涙をたどっていくと、「子どもがいなくて寂しい」という気持ちだけではなく、「これから私はどう過ごしていけばいいのだろう」という不安に行き着くことがあります。

長い間、母親や父親として家族を優先してきた人ほど、自分自身のことを考える時間は後回しになりがちです。

子どもの学校、食事、習い事、進学、就職。次々にやることがあった頃は、自分の人生について立ち止まって考える必要がなかったかもしれません。

ところが、子どもの生活が自分から離れていくと、急に「自分の時間」が戻ってきます。

自由になったはずなのに、その自由をどう使えばいいのか分からない。その戸惑いが、空の巣症候群の寂しさをより大きくする場合もあります。

子育てが落ち着いたあとに「自分だけ取り残された」「これから自分はどうしたいのか分からない」と感じている方は、よりびと田中はるさんによる「家族のために頑張ってきたのに虚しい」40代主婦が自分の人生を見つめ直した相談事例も参考にしてみてください。

「親としての自分」が大きかったほど空白を感じやすい

「親としての自分」が大きかったほど空白を感じやすい

子どもが巣立ったあとに感じる寂しさには、「会えなくなった」という気持ちだけでなく、これまで自分を支えていた大きな役割が変わったことも関係しています。

長い間、「母親として」「父親として」家族のことを優先してきた方ほど、子どもが自分の手を離れたときに、「では、私はこれから何をしたらいいのだろう」と戸惑うことがあります。

時間ができたからといって、すぐに自由を楽しめるとは限りません。むしろ、忙しかった頃には考える暇もなかった「自分自身」に急に向き合うことになり、その空白の大きさに気づくことがあります。

「必要とされている」という感覚が少なくなる

子どもが小さい頃は、毎日のように親を必要とします。

食事を作る、学校の準備をする、話を聞く、困ったときには助ける。成長してからも、進学や就職など、何かと気にかけることがあったでしょう。

ところが子どもが独立すると、「今日これをしてあげなければ」という場面が急に減っていきます。

本当は喜ばしい成長なのに、「もう私がいなくても大丈夫なんだ」と感じた瞬間、どこか取り残されたような寂しさが出てくることがあります。

これは、子どもに依存していたからとは限りません。それだけ長い間、「誰かのために動くこと」が日常の一部になっていたということでもあります。

自分のことを後回しにしてきたことに気づく

「何がしたい?」
「何が好き?」
「これからどう過ごしたい?」

そう聞かれても、すぐに答えが浮かばない方もいます。

子育て中は、自分の予定より子どもの予定。自分が食べたいものより家族が食べたいもの。自分が休みたい日でも、家族のために動く。

そんな生活を長く続けていると、自分自身の希望を考えることが少なくなっている場合があります。

そのため、子どもが巣立って自由な時間が増えても、「好きなことをすればいい」と言われるほど困ってしまうことがあります。

何もしたいことが見つからないからといって、自分の人生が空っぽなのではありません。これまで外に向けていた意識を、自分にも向け直していくための時間が必要なのです。

「これからの私」をすぐに見つけなくてもいい

子どもが巣立つと、「新しい趣味を見つけなければ」「仕事を始めた方がいいのかな」「何か生きがいを作らないと」と焦ることがあります。

けれど、新しい役割を急いで作る必要はありません。

まずは、「私はこれまで何を大切にしてきたんだろう」「本当はどんな時間が好きだったんだろう」と、自分の人生をゆっくり振り返ってみる。

その中から、忘れていた興味や、やってみたかったことが見えてくることもあります。

すぐに答えが出なくても大丈夫です。「これから何をしたらいいのか分からない」という気持ちそのものが、自分の人生を見つめ直し始めるきっかけになることもあります。

仕事や家族など、これまで自分を支えていた役割が変わり「これから何をしたらいいのか分からない」と感じている方は、よりびと田中はるさんの40代・子どもがいない人生に迷った女性の相談事例|「これから何をしたらいいかわからない」と感じたときも参考にしてみてください。

寂しさを無理に埋めようとしなくてもいい

寂しさを無理に埋めようとしなくてもいい

子どもが巣立ったあと、「せっかく自由な時間ができたのだから楽しまなければ」「新しい趣味を見つけた方がいい」と考えることがあります。

もちろん、新しいことを始めることで気持ちが変わることもあります。しかし、まだ寂しさが大きいときに無理に予定を詰めても、心だけが置いていかれてしまうことがあります。

大切なのは、寂しさを早く消すことではありません。「私は今、寂しいんだな」と、その気持ちをそのまま認めることから始めてもいいのです。

すぐに前向きになろうとしなくてもいい

子どもが独立すると、周囲から「これからは自分の時間を楽しめるね」「夫婦で旅行でもしたら?」と言われることがあります。

悪気のない言葉でも、気持ちが追いついていないときには、かえって苦しく感じることもあるでしょう。

昨日まで家にいた子どもがいない。いつもの声が聞こえない。食事を作る量も、洗濯物の量も変わった。

そんな日常の変化を受け止めるには、時間が必要なことがあります。

「まだ寂しい自分」を無理に変えようとせず、今はそういう時期なのだと受け止める。それだけでも、気持ちとの付き合い方は少し変わっていきます。

「何が寂しいのか」を少しずつ言葉にしてみる

一口に「子どもがいなくて寂しい」と言っても、その中にはいろいろな気持ちがあります。

毎日顔を見られなくなったことが寂しいのかもしれません。

「お母さん」「お父さん」と頼られる機会が減ったことが寂しいのかもしれません。

家族みんなで過ごしていた頃には戻れないことや、自分自身が年齢を重ねていくことへの不安が重なっている場合もあります。

最初からきれいに整理する必要はありません。

「なんとなく寂しい」
「夕方になると涙が出る」
「子どもの部屋を見るのがつらい」

そんな小さな言葉からでも、自分が何を感じているのかが少しずつ見えてくることがあります。

答えを探す前に、誰かに話してみる

気持ちが落ち込んでいると、「どうしたら立ち直れるんだろう」「何を始めればいいんだろう」と、すぐに答えを探したくなることがあります。

けれど、答えを決める前に、自分の気持ちを誰かに話してみる方法もあります。

「子どもがいなくなって寂しい」
「こんなことで泣いている自分が情けない」
「本当はもう少し一緒に暮らしたかった」

家族や友人には言いにくい気持ちでも、言葉にしてみることで、「私はこんなことを感じていたんだ」と自分自身で気づくことがあります。

悲しさや寂しさは、無理に前向きな気持ちへ変えなくてもかまいません。まず今ある気持ちをそのまま誰かに受け止めてもらうことが、次の時間へ進んでいくきっかけになることもあります。

悲しみや寂しさを無理に消そうとせず、安心できる場所でそのまま話すことについては、よりびと田中はるさんの「ペットロスの悲しみをひとりで抱えないで|安心して気持ちを話せる時間」も参考にしてみてください。

子どもが巣立ったあとの「自分」を少しずつ見つけていく

A smiling woman writes in a notebook at a sunlit desk with flowers, mugs, and books nearby in a cozy room (Text overlay about finding 'me').

子どもが巣立ったあと、「これからは自分のために生きよう」と言われても、すぐに何をしたいのか分からないことがあります。

それは決して、自分の人生がなかったからではありません。これまで長い時間、子どもや家族のことを優先しながら生活してきたため、自分自身に意識を向けることに慣れていないだけかもしれません。

これからの人生を急いで決める必要はありません。少しずつ「私は何が好きだったかな」「どんな時間を心地よいと感じるかな」と、自分に目を向けていくところから始めてみてもいいのです。

親である自分も、一人の自分もどちらも大切

子どもが独立したからといって、これまで親として過ごしてきた時間がなくなるわけではありません。

食事を作ったこと、学校行事に参加したこと、進路について悩んだこと、時にはぶつかりながら一緒に過ごしてきたこと。そのすべてが、自分の人生の一部です。

だから、「今まで子どものことばかりで、自分の人生を生きてこなかった」と否定する必要はありません。

親として生きてきた自分を大切にしながら、これから少しずつ「一人の私」として過ごす時間を増やしていく。

子どもの巣立ちは、親としての人生が終わることではなく、親子関係の形が変わり、自分自身にも目を向けられる新しい時期の始まりと考えることもできます。

大きな目標より、小さな「やってみたい」から始める

「これからの生きがいを見つけよう」と考えると、かえって何も思いつかなくなることがあります。

そんなときは、大きな目標を決めなくても構いません。

昔好きだった音楽を聴いてみる。少し気になっていたお店へ行ってみる。友人に連絡してみる。散歩をしながら、行ったことのない道を歩いてみる。

「人生を変えるほどではないけれど、ちょっとやってみたい」

そのくらいの気持ちを大切にしてみてください。

小さな選択を重ねていくうちに、「これは好き」「これはあまり好きじゃない」と、自分自身の感覚が少しずつ戻ってくることがあります。それが、これからの生活をつくっていくヒントになるかもしれません。

「これからどうしたいか」が分からないときは、話しながら探してもいい

長い間、家族のことを優先してきた方ほど、「あなたはどうしたい?」と聞かれても、すぐに答えられないことがあります。

でも、答えがないわけではありません。

「今は何もしたくない」
「本当は寂しい」
「子育てが終わってホッとしている自分もいる」
「これから自分のために時間を使ってみたい」

そんな一つひとつの気持ちを言葉にしていくと、自分でも気づいていなかった本音が少しずつ見えてくることがあります。

これからの人生を最初から決める必要はありません。

まずは「今の私は何を感じているのだろう」と、自分の声を聴くことから始める。その先に、自分なりの次の一歩が見えてくることもあります。

自分が本当はどうしたいのか分からないと感じている方は、よりびと渡辺桜さんの「本音がわからない人へ|“言葉にならない気持ち”をやさしく整理する聴き方とは」も参考にしてみてください。

子どもが巣立ったあとの寂しさを、ひとりで抱えなくてもいい

子どもが巣立ったあとの寂しさを、ひとりで抱えなくてもいい

子どもが巣立ったあとに感じる寂しさは、「早く慣れなければ」「自分の時間を楽しもう」と思ったからといって、すぐに消えるものではありません。

「子どもの自立はうれしい。でも寂しい」
「家の中が静かになると涙が出てしまう」
「これから自分は何を楽しみにしたらいいのか分からない」

そんな気持ちは、無理に前向きな言葉へ変えなくても大丈夫です。

傾聴ラウンジ「ここより」は、答えを出したり、何かを決めたりするためだけの場所ではありません。

私たちは、今感じていることをそのまま話していただく時間を大切にしています。

話がまとまっていなくても、「なんとなく寂しい」「誰かに聴いてほしい」というところからで構いません。言葉にしていく中で、自分でも気づいていなかった寂しさや、これから大切にしたいことが少しずつ見えてくることがあります。

子どもが巣立ったあとの生活を、急いで新しい何かで埋める必要はありません。

まずは、これまで頑張ってきたことや、今感じている気持ちをゆっくり話してみませんか。

寂しさをひとりで抱えているときは、傾聴ラウンジ「ここより」へ。

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