親に姉と比べられてつらい…「比較されて育った子」が自己否定から抜け出す方法【相談事例】

「親子のことを話すのって、意外と勇気がいりますよね。
“こんなことで悩むなんて甘いのかな”とか、“家族の悪口みたいで言いづらい”とか。だけど、心の中にずっと引っかかっているモヤモヤって、放っておくほど大きくなってしまうことがあります。
今回ご紹介するのは、「姉と比べられて育ったことで、自分を否定する癖が強くなってしまった」という方の相談エピソードです。
「私だって頑張ってきたのに」「どうせ私は…」と感じてしまう背景には、ちゃんと理由があるんですよね。
ここでは、“ちゃんと整理して話さなきゃ”と構える必要はありません。
うまく言葉にならない気持ちや、言ったあとに罪悪感が出てきそうな本音も、そのままで大丈夫。今日は、そんな心の声を丁寧に受け止めながら、少しずつ気持ちをほどいていく関わり方を、相談の流れに沿ってお伝えします。

投稿者プロフィール

- よりびと
-
※海外在住のためZoomでの対応となります。(カメラのオンオフは自由)
■待機時間:月・火・木・金・土の17時~24時
■年齢:30代
■ キャッチコピー:安心して思うままに、なんでも話せる時間。
■ 得意なテーマ
– もやもやしている気持ちの整理
– 誰にも言えない話の受け止め
– 人間関係の悩み・恋愛相談
– とにかく話を聴いてほしいとき
– 感情の吐き出し
■ 聴き方・スタイル
– あなたの気持ちに寄り添い、丁寧に聴きます。
– どんな思いも置いていけるよう、安心感を大切にしています。
– 沈黙も含め、思いのままの話を受け止めます。
■ 経験
– 10年間にわたる海外生活(留学・国際結婚・海外でのキャリア)や政府機関での勤務経験を通じて、多様な文化や価値観の中で生きる人々と向き合ってきました。異なる背景を持つ相手の立場を正確に理解し、気持ちに寄り添いながらコミュニケーションをとる姿勢を大切にしています。
– 職場では中間管理職として、上層部とチームの間で橋渡し役を務め、日常的にメンバーからの相談や悩みに対応してきました。責任やプレッシャーを抱える人たちの声を受け止め、状況を整理しながら支えてきた経験があります。
– 精神疾患や発達障害(ADHD、ディスレクシア)、自閉スペクトラムを抱える家族と長く関わる中で、当事者として感じる苦しさも、支える側が抱える不安や負担にも触れてきました。その経験は、心の声を丁寧に受け止める姿勢や、誰にも言えない気持ちに寄り添う感覚を育ててくれたと感じています。
– 5年間にわたり個人の相談に関わり続け、身近な人たちの人生の変化や心の揺れに向き合ってきました。どんな気持ちも否定せず、相手が安心して話せる空間をつくることを意識して関わってきました。
– 心理学・傾聴の学習経験があります。
■ 大切にしていること
– 安心して話しやすい雰囲気を作るよう心がけています。
– 話してくれるお話をすべて丁寧に聴きます。
– 話す人の気持ちに寄り添い、信頼を積み重ねます。
■ 人柄・ユニークポイント
– 好きなもの:海 / ピラティス / 料理 / 犬 /読書(海外古典文学)
– よく言われる性格:話しやすい、ポジティブ、落ち着いている
– ちょっとしたこだわり:黒い服が好きで、気付くと全身黒コーデになっています。
– 聴き手としての密かな強み:話す人のペースやトーンに合わせて柔軟に寄り添うことができます。
■ メッセージ
ここは決して批判も評価もされず、思う存分話せる場所です。
私は「話を聴く」という行為が、ただ耳を傾けるだけではなく、相手の世界にそっと入り込むような深い姿勢だと考えています。誰かに吐き出すことで少し軽くなる気持ちや、言葉にして初めて整理できる思いに寄り添える存在でありたいと思っています。
あなたが安心して本音を置いていける、そんな小さな休憩所のような場になれたら嬉しいです。
目次
- ○ 親に姉と比べられて育った…「私って足りないのかな」が消えない
- ・家族の集まりが近づくと、気持ちが重くなる理由
- ・「どうせ私なんて」が口ぐせになるとき、心の中で起きていること
- ・比較されてつらかった気持ちを、ゆっくり言葉にする
- ○ 「わかってほしいのに言えない」―親子関係がこじれていく心の流れ
- ・「親に期待しちゃダメ」と思うほど、期待が止まらなくなる
- ・親の言葉に敏感になりすぎるとき、心は過去の痛みを守っている
- ・言えなかった本音を言葉にすると、親子関係は“整理”できるようになる
- ○ 「親を変える」じゃなくて「自分を守る」へ―心の軸が戻っていくタイミング
- ・まずは「当時の私」の味方になる―傷ついた気持ちを置き去りにしない
- ・「比較の土俵」から降りる練習―親の評価と自分の価値を切り離す
- ・境界線を作ると親子関係はラクになる―会う・話す・距離の取り方を選べるように
- ○ 親の評価に左右されない私へ―「比べられても折れない心」を育てていく
- ・親の言葉が刺さったときの「立て直しルーティン」を作る
- ・「自分の価値」を親以外の場所で育てる―安心できる人・時間・居場所を増やす
- ・親と「うまくやる」より、自分と「うまくやる」―これからの親子関係の整え方
- ○ 読者へのメッセージ
親に姉と比べられて育った…「私って足りないのかな」が消えない
子どもの頃に「お姉ちゃんはできるのに、あなたは…」みたいな言葉を言われた経験って、大人になっても意外と残ります。たとえ直接言われていなくても、親の態度や反応の差で「私は後回しなんだな」と感じてしまうこともありますよね。
今回の相談者Aさんも、まさにそんな“見えない比較”の中で育ってきた方でした。自分なりに頑張っているのに、なぜか自信が持てない。褒められても素直に受け取れない。むしろ「たまたま」「私なんて」と打ち消してしまう。
こういう感覚って、本人の性格の問題ではなく、育つ過程で身についた“心のクセ”みたいなものなんです。だからこそ、いきなり前向きになろうとしなくて大丈夫。まずは「何がつらかったのか」「どんな場面で苦しくなるのか」を、ゆっくり言葉にしていくことが大切です。
家族の集まりが近づくと、気持ちが重くなる理由
Aさんは年末が近づくと、なぜか気持ちが沈むと言っていました。特別な出来事があるわけじゃないのに、家族と顔を合わせる予定があるだけで落ち着かない。
その理由を一緒にたどっていくと、子どもの頃の記憶が少しずつ出てきました。親が姉には笑顔で話しかけるのに、自分には「それくらいできて当たり前でしょ」と言う。姉が褒められている横で、自分は空気みたいに扱われる。そんな小さな経験が積み重なると、「家族の中で安心していられない」感覚ができてしまうんですよね。
大人になってからは、表面上は普通に会話できます。でも心の中では「また比べられるかも」「私の話は聞いてもらえないかも」と身構えてしまう。Aさんも、家族の集まりでは自然に笑えているつもりでも、帰宅後どっと疲れて涙が出ることがあるそうです。
こういう反応は、弱いからではなく“心が危険を察知しているサイン”です。過去の経験から「ここは安心できない場所かもしれない」と学習してしまっているんですね。まずはそれを「私の心、ちゃんと守ろうとしてるんだな」と捉えてあげることが、回復の入り口になります。
「どうせ私なんて」が口ぐせになるとき、心の中で起きていること
Aさんがよく口にしていたのが、「私なんて大したことないです」という言葉でした。仕事で評価されても、友人に褒められても、どこか信じきれない。むしろ褒められるほど落ち着かなくなる。
こういうとき、心の中では「期待されたら怖い」「また比べられて傷つくかも」という不安が動いていることが多いんです。子どもの頃に比較される経験が多いと、“自分の価値はいつも他人との順位で決まる”みたいな感覚が根っこに残りやすいんですね。
たとえば姉が褒められると、「私も頑張らなきゃ」と思う一方で、「でもどうせ勝てない」「私は劣っている」と感じてしまう。これが続くと、頑張ること自体が苦しくなってきます。
Aさんも「努力しても認められないなら、最初から期待しないほうが楽」と思ってしまうことがあったそうです。実はこれ、心が自分を守るために作った“防御の仕組み”なんです。期待しなければ傷つかない。信じなければ裏切られない。
だから「もっと自信を持って!」と言われても、すぐには無理なんですよね。大事なのは、自己否定を止めようとすることよりも、まず「そう言いたくなるほど、ずっと頑張ってきたんだね」と自分の背景を理解すること。自己否定の奥には、必ず“本当は認めてほしい気持ち”が隠れています。
比較されてつらかった気持ちを、ゆっくり言葉にする
ここで大切になるのが、いきなり解決策に飛ばないことです。Aさんも最初は「親を悪く言いたいわけじゃないんです」と何度も言っていました。そう言ってしまうのも自然で、親のことを嫌いになりたいわけじゃないし、恩もあるし…って複雑なんですよね。
だからこそ、よりびとの関わりではまず「そうだよね、親のことって簡単に割り切れないよね」と、気持ちの揺れをそのまま受け止めます。正しさよりも、“その人の感じてきたこと”を大事にする感じです。
Aさんが「姉と比べられると、私が悪いって言われてる気がする」と言ったときも、すぐに「気にしすぎだよ」とは言いません。
代わりに、
「それって悔しかったよね」
「頑張っても見てもらえない感じ、しんどいよね」
みたいに、言葉になりきらない感情を一緒に形にしていきます。
不思議なんですが、こうやって“わかってもらえた体験”が増えると、心の中の緊張が少しずつ緩みます。するとAさんも「本当は、比べられるたびに悲しかったんです」と言えるようになってきました。
ここがとても大事で、問題は「比べられた事実」だけじゃなく、そのとき抱えた「悲しみ」「悔しさ」「寂しさ」が置き去りになっていたことなんです。
だからまずは、そこを丁寧に拾っていく。焦らず、少しずつ。そうやってAさんは“自分の価値を親の評価と切り離す”準備を始めていきました。
「わかってほしいのに言えない」―親子関係がこじれていく心の流れ
Aさんの話を聞いていると、親への不満があるというより、“期待してしまう自分”に疲れている感じが伝わってきました。
本当は認めてほしい。大事にしてほしい。ちゃんと見てほしい。けれど、それを口にすると「子どもっぽい」「甘えてる」って思われそうで言えない。だから飲み込む。すると、心の中にモヤモヤがたまっていく。
しかも、親は悪気なく「お姉ちゃんは~」「あんたも頑張りなさい」と言ってくる。そんな言葉を聞くたびに、Aさんの中では“自分が否定された感覚”がよみがえります。
だけど、そこで怒るのも罪悪感がある。泣くのもみっともない気がする。結局、笑ってやり過ごして、帰ったあとにどっと落ち込む…。
こういう状態が続くと、親と会うだけで疲れるようになり、「できれば距離を取りたい」と思う反面、「親を嫌いになりたいわけじゃない」と葛藤が強くなります。
ここでは、Aさんが抱えていたこの“心のしんどさの正体”を、もう少し丁寧にひもといていきます。
「親に期待しちゃダメ」と思うほど、期待が止まらなくなる
Aさんがよく言っていたのは、「もう期待しないようにしようと思うんです。でも、結局また期待しちゃうんですよね…」という言葉でした。
これ、すごく自然なことなんです。親に何も期待しないって、言葉では簡単だけど、心はそうはいかない。だって親って、子どもにとって“安心の基地”みたいな存在だったはずだから。
Aさんも「もういいや」と思って距離を取ってみたり、連絡を減らしてみたりしたことがありました。だけど、ふとした瞬間に「今日は何て言ってくれるかな」と期待してしまう。
そして思った反応が返ってこないと、ガクッと落ち込む。
この流れが続くと、「期待した自分が悪い」とまた自分を責めてしまいます。
ここで大事なのは、期待すること自体が悪いわけじゃないってことです。
期待してしまうのは、「本当は親とちゃんとつながりたい」「わかり合いたい」という気持ちが残っているから。
つまりAさんは、諦めきれないほど、ずっと頑張ってきたんですよね。
だから「期待をゼロにしよう」とするよりも、まずは
「私は、親に何を求めていたんだろう?」
「どんな言葉がほしかったんだろう?」
を整理していく方が、心は落ち着いていきます。期待の裏側にある本音が見えてくると、Aさん自身も「私が欲しかったのは、褒め言葉というより“ちゃんと見てるよ”っていう安心感かも」と気づけるようになっていきました。
親の言葉に敏感になりすぎるとき、心は過去の痛みを守っている
Aさんは、親に何か言われたとき、頭では「また言ってるな」と思えるのに、心がざわついて止まらないことがあるそうです。
たとえば「お姉ちゃんはしっかりしてるのにね」という一言。親としては軽い雑談のつもりでも、Aさんにとっては“昔の痛み”を一気に引っ張り出すスイッチになります。
こういうとき、心の中では「また比べられた」「私は価値がないって言われた」と瞬時に結びついてしまうんです。
そして、その場で反論できない。すると今度は、「言い返せなかった自分」にも腹が立つ。
さらに「親は悪気ないし…」と自分を抑える。
結果、家に帰ってからグルグル考えて、眠れなくなる…。
これって、ただの“気にしすぎ”じゃないんですよね。
心が過去の経験を覚えていて、「また傷つくかもしれない」と警戒している状態なんです。
だから敏感になるのは、ある意味当然。
Aさんも「大人なんだから受け流せばいいのに」と自分を責めていましたが、ここはむしろ逆で、敏感になってしまうほど、当時の自分は必死だったということ。
まずは「そりゃつらかったよね」「当時の私は、ひとりで抱えすぎてたよね」と、過去の自分の味方になってあげる。
それだけでも、今の反応が少しずつ落ち着いてくることがあります。
言えなかった本音を言葉にすると、親子関係は“整理”できるようになる
Aさんは最初、「親に直接言うのは無理です」と言っていました。
ここもすごくリアルで、親に思っていることを話すのって、怖いんですよね。怒られそう、否定されそう、気まずくなりそう…。
それに、親のことを責めたいわけじゃない。だから余計に言えない。
そこで大事なのが、“いきなり親に伝える”じゃなくて、まず自分の中で本音を整理することです。
私の傾聴では、Aさんの言葉を急がせず、途中で遮らず、気持ちの流れに寄り添いながら聞いていきます。
たとえばAさんが「私、姉みたいにできないから…」と言ったとき、
「できない自分がダメって言われてる気がするんだね」
「本当は、比べずにそのまま見てほしかったのかな」
と、気持ちを“翻訳”するように返します。
するとAさんも、「そう、それです。比べられると“私はここにいていいの?”って思ってしまう」と言葉が出てくるようになりました。
この“言葉にできた”がすごく大事で、言語化されていない感情は、ずっと心の中で暴れ続けます。
親子関係の悩みって、白黒つけることよりも、
「私は何がつらかったのか」
「今、何を守りたいのか」
を整理していくことで、気持ちが落ち着いていきます。
Aさんも「親を変えたいというより、自分がもう振り回されたくないんだと思います」と話せるようになり、次のステップへ進む準備が整っていきました。
「親を変える」じゃなくて「自分を守る」へ―心の軸が戻っていくタイミング
Aさんの中で大きかったのは、「親に理解してもらえないと意味がない」と思い込んでいたことでした。
もちろん、親に分かってほしい気持ちは自然です。でも、親が変わるのを待ち続けると、気持ちの主導権がずっと親側に置かれたままになってしまうんですよね。
私の関わりでは、まずAさんが感じてきた“悔しさ”や“悲しさ”を、否定せずにそのまま受け止めながら、少しずつ「私が本当に欲しかったもの」を言葉にしていきました。
すると、Aさんの中で変化が起き始めます。親の言葉を聞いたときの反応が、少しだけ軽くなる。あの場面を思い出しても涙が出にくくなる。
そして何より、「親に何を言われても、私は私で大丈夫」と思える瞬間が増えていくんです。
ここからのポイントは、“親と戦う”でも“親を許す”でもなく、自分の心の境界線(ここまではOK、ここからはつらい)をはっきりさせていくこと。
Aさんは、その感覚を取り戻していく中で、「私はもう“比較”の土俵に乗らなくていい」と思えるようになっていきました。
まずは「当時の私」の味方になる―傷ついた気持ちを置き去りにしない
Aさんが変わり始めたのは、「昔のことを思い出しても仕方ない」と切り捨てるのをやめたときでした。
私たちはつい、大人になると「もう過去なんだから」「親も大変だったんだし」と自分を納得させようとします。でも、そのやり方だと、傷ついた気持ちがずっと置き去りのままになるんですよね。
Aさんも最初は、「親を責めたいわけじゃない」と言いながら、目が少し潤んでいました。
そこで私は、正論で片づけずに、
「それ、寂しかったよね」
「頑張っても見てもらえない感じ、きつかったよね」
と“気持ちそのもの”を受け取ります。
するとAさんは、「私、ずっと“寂しい”って言っちゃいけないと思ってました」とポツっと言いました。
この一言ってすごく大事で、Aさんの中では「寂しいと言う=弱い」「親を困らせる」と結びついていたんですよね。
でも本当は、寂しさは自然な感情です。
「寂しかった」と言葉にできた瞬間、心の中で固まっていたものが少し溶けます。
そしてAさんは、「当時の私は、姉と比べられるたびに“ここにいていいの?”って思ってた」と、自分の本音に触れられるようになりました。
過去の自分の味方になるって、甘やかすことではなく、“回復の土台”を作ること。
その土台ができると、親の言葉が刺さったときも「今の私が、あの頃の私を守ってあげる」と考えられるようになります。これが、心の軸が戻る第一歩になります。
「比較の土俵」から降りる練習―親の評価と自分の価値を切り離す
Aさんにとってしんどかったのは、親の言葉の内容というより、そこから生まれる「私は姉より下なんだ」という感覚でした。
つまり、親が何気なく言う言葉が、Aさんを“比較の土俵”に引っ張り込んでしまっていたんです。
ここで一緒にやったのは、「比較される場面をゼロにする」ではなく、比較されても“自分の価値が揺れない”状態を作っていくこと。
たとえば親が「お姉ちゃんはしっかりしてるね」と言ったとき、Aさんの心の中ではすぐに
「私はダメ」
が出てきます。
そこで、私がよく使うのが、心の中の“翻訳”です。
「親は姉を褒めた。でも、それは“私はダメ”って意味じゃない」
「親の価値観が偏ってるだけで、私の価値が下がったわけじゃない」
こういう整理を、ゆっくり一緒にやっていきます。
Aさんも最初はうまくいきませんでした。でも回数を重ねるうちに、
「親が比べてきた瞬間に、私の中で勝手に“裁判”が始まるんですね」
と気づけたんです。
これ、めちゃくちゃ大きな気づきで、裁判を止められるようになると、心が一気に楽になります。
そしてAさんは、少しずつこう言えるようになりました。
「姉が優れてるかどうかは置いといて、私は私でちゃんと生きてきた」
比較の土俵から降りるって、逃げることじゃなくて、自分を守るための選択なんですよね。ここが整うと、親への反応がだいぶ軽くなっていきます。
境界線を作ると親子関係はラクになる―会う・話す・距離の取り方を選べるように
Aさんがいちばん安心したのは、「親と仲良くしなきゃ」という思い込みが少し緩んだときでした。
親子だから仲良くするべき。親の言うことを聞くべき。そう思ってしまうと、しんどくても我慢し続けるしかなくなりますよね。
そこで大事になってくるのが、心の境界線です。
境界線って、冷たくすることではなく、
「私はここまでならOK」
「ここを越えるとつらい」
を自分で分かってあげることなんです。
Aさんの場合、たとえば
・親と会う時間は短めにする
・比較が始まったら話題を変える
・しんどい日は無理に連絡しない
こういう“小さな選択”を積み重ねることから始めました。
ポイントは、親に分からせることよりも、自分が自分を守れる状態にしておくこと。
Aさんも「親に何か言われたら言い返さなきゃ」と思っていたけど、実際は言い返すより、距離の取り方を選べるようになった方が楽だったんです。
さらに、私の傾聴では「もし伝えるなら、どんな言い方が一番自分を傷つけない?」も一緒に考えます。
たとえばストレートに反論するのが難しいなら、
「そういう話はちょっと疲れちゃうから、別の話にしよう」
みたいに、柔らかく境界線を示す方法もあります。
Aさんは最後に、
「親を変えるのは難しいけど、私がどう関わるかは選べるんですね」
と言いました。
この感覚が持てると、親子関係は“戦い”ではなく、“調整”になっていきます。ここまで来ると、次での「振り回されない自分」を定着させる流れに自然につながっていきます。
親の評価に左右されない私へ―「比べられても折れない心」を育てていく
Aさんが最後に手に入れていったのは、派手な自信というより、“静かな安心感”でした。
親が変わったわけではありません。姉と比べる言葉が完全になくなったわけでもない。だけど、Aさんの中で「また比べられた…」と感じたときの揺れが、以前よりずっと小さくなっていました。
それは、Aさんが「親の言葉=私の価値」ではないと、少しずつ理解できるようになったからです。
そして何より、「自分の気持ちは自分で守っていい」「しんどいなら距離を取っていい」という許可を、自分に出せるようになったことが大きかったんですよね。
親子の問題って、すぐにスッキリ解決!とはいかないことが多いです。
でも、心の軸が戻ると、同じ言葉を言われても“受け取り方”が変わります。
Aさんも「昔みたいに傷ついて一日引きずることが減りました」と話していました。
ここからは、Aさんが“折れない心”を育てるために大事にしたポイントをまとめながら、同じ悩みを抱える人が日常でできるヒントも一緒にお伝えします。
親の言葉が刺さったときの「立て直しルーティン」を作る
Aさんが実感していたのは、傷つかないようにするよりも、傷ついたあとに戻れる方法があるほうが安心だということでした。
親の言葉って、予防しようとしても突然飛んできますよね。だからこそ、刺さった瞬間に「どう立て直すか」を決めておくと、心がラクになります。
Aさんの場合は、親に会ったあとに気持ちが乱れやすかったので、帰宅後に“立て直しルーティン”を作っていきました。
たとえば、
・家に着いたらまず温かい飲み物を飲む
・スマホを見ずに10分だけ深呼吸
・「今日の私、よく耐えた」と一言書く
こんな小さな行動です。
ポイントは「前向きになろう」と無理をしないこと。
Aさんも最初は、「こんなことで変わるの?」と思っていました。でも、毎回“自分を落ち着かせる流れ”があるだけで、心の回復が早くなるんです。
さらに、私の傾聴でよく使うのが「事実と意味を分ける」練習です。
親が言ったのは事実。でも「私はダメ」という意味づけは、過去の傷が作ったものかもしれない。
そう整理できると、刺さった言葉のダメージが少し軽くなります。
傷つくこと自体を責めなくていい。
傷ついたときに、ちゃんと戻ってこれる道を作る。
Aさんが安定していったのは、この“戻り方”を身につけられたからでした。
「自分の価値」を親以外の場所で育てる―安心できる人・時間・居場所を増やす
Aさんが変化を感じ始めたのは、親の反応を気にする時間が減り、代わりに“自分が安心できる場所”が増えていった頃でした。
親に認めてもらえないと自分の価値が揺らぐ…という状態だと、どうしても親の一言が人生の中心になってしまいますよね。
そこで意識したのは、「親の評価とは別の場所で、自分の価値を育てる」こと。
たとえばAさんは、仕事の中でも自分が得意な部分をあえて見つけて、周りの人との関係性の中で“自分の存在感”を感じられるようにしていきました。
誰かにすごく褒められる必要はなくて、
「ありがとう」
「助かったよ」
こういう一言が、心の栄養になります。
また、安心できる友人とのやりとりも大事でした。
親の話題になると苦しくなるなら、無理に話さなくてもいい。ただ一緒に笑える時間があるだけでも、「私はここにいていい」が積み上がります。
私の傾聴の中でも、Aさんが何か話したときに、評価やアドバイスではなく、
「そう感じたんだね」
「それはしんどかったよね」
と受け取る体験が増えることで、“否定されない関係性”を身体で覚えていきました。
親以外の場所で自己価値が育つと、親の言葉は“ただの言葉”になります。
Aさんも「親に褒められなくても、私の人生はちゃんと進む」と言えるようになっていきました。
親と「うまくやる」より、自分と「うまくやる」―これからの親子関係の整え方
Aさんが最後にたどり着いたのは、「親と分かり合うこと」よりも、「自分と分かり合うこと」のほうが大事かもしれない、という感覚でした。
親子関係って、相手が変わらない限りずっと同じ…と思いがちですが、実は“自分の関わり方”が変わると、関係の形も変わっていきます。
たとえば、親に会う頻度を見直す。
電話を短めにする。
比べる話題が出たら、無理に耐えず話を切り上げる。
こういう小さな調整ができるだけで、心は守られます。
そして、もし伝えられそうなタイミングがあるなら、強い言い方ではなく、
「比べられるとちょっとしんどいんだよね」
「私は私なりに頑張ってるから、そのまま聞いてほしいな」
と“お願い”の形にすると、衝突が減ることもあります。
もちろん、言えないなら言えないでいい。大事なのは「言うか言わないか」を自分で選べることです。
Aさんは最終的に、親の言葉に揺れたとしても、
「私は私で大丈夫」
に戻ってこれるようになりました。
これは強がりではなく、心の筋トレみたいなものです。
親に振り回されないというのは、親を嫌うことでも、切り捨てることでもありません。
自分の心の扱い方を覚えて、必要な距離と安心を自分で作っていくこと。
Aさんの変化は、その積み重ねの結果でした。
読者へのメッセージ
ここまで読んでくださってありがとうございます。
もしあなたが「親に比べられて育った」「姉(兄)と比較されるたびに苦しくなる」「どうせ私なんて…が止まらない」と感じているなら、それはあなたが弱いからではありません。むしろ、ずっと頑張ってきたからこそ心が反応しているんだと思います。
親子のことって、誰かに話すだけでも罪悪感が出たりしますよね。
「親を悪く言いたいわけじゃない」「でもつらい」――その矛盾した気持ちも、すごく自然です。無理にどちらかを選ばなくて大丈夫。まずは“つらかった自分”の気持ちを、置き去りにしないことが大切です。
そして、親が変わるかどうかとは別に、あなたは自分の心を守る選択ができます。距離の取り方を変えることもできるし、比べられる土俵から降りることもできる。少しずつでいいので、「私は私でいい」と思える瞬間を増やしていけたら、それだけで回復は進んでいきます。
もし一人で抱えるのがしんどいときは、誰かに頼って大丈夫です。
言葉にならないままでも、うまく整理できなくても、あなたの気持ちにはちゃんと意味があります。あなたがあなたらしく生きられるように、心が軽くなる一歩を一緒に探していきましょう。




