仕事や職場の悩みで疲れている方へ|キャリアの迷いと考え方のクセを整理するカウンセリング

「仕事へ行くことを考えると気持ちが重くなる」「職場では普通に振る舞っているけれど、家に帰ると何もする気になれない」「今の仕事を続けるべきか、転職した方がよいのか分からない」。仕事やキャリアの悩みは、生活と深く結びついているため、簡単に距離を置くことができません。つらくても収入や家族のことを考えて我慢し、気づかないうちに心身の疲れをためてしまう方もいます。
仕事が苦しい理由は、仕事内容だけとは限りません。上司や同僚との関係、評価への不安、業務量、働く時間、会社の考え方との違いなど、複数の負担が重なっていることがあります。また、「社会人なら我慢するべき」「仕事ができないと思われてはいけない」「辞めるのは逃げだ」と考え、自分の限界を認められなくなることもあります。
職場で注意を受けたときに「自分は必要とされていない」と感じたり、同僚の活躍を見て「自分だけ遅れている」と焦ったりすることもあるでしょう。こうした苦しさには、破局的思考や心の読みすぎ、べき思考、他者基準思考など、仕事への向き合い方を苦しくする考え方のクセが関係している場合があります。
リハートカウンセリングでは、まず仕事や職場で抱えてきたつらさを丁寧にお聴きします。すぐに「辞める」「続ける」という答えを出すのではなく、どのような場面で苦しくなるのか、何を失うことが怖いのか、本当はどのように働きたいのかを問いかけながら整理します。
さらに、認知行動療法の視点から、出来事・考え・感情・行動のつながりを確認し、今の自分を追い込みすぎている受け取り方を見直していきます。目指すのは、世間や周囲が考える正解を選ぶことではありません。休む、相談する、業務を調整する、異動や転職を考えるなど、選択肢を広げながら、自分が納得できる働き方を見つけることです。
この記事では、仕事や職場でつらさを感じる背景と、キャリアの迷いを整理し、自分に合ったこれからの選択を考える方法をお伝えします。

投稿者プロフィール

- 心理カウンセラー
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■ 一言キャッチコピー
ストレス・人間関係・自己肯定感の悩みに寄り添い、“話を聴いてもらえる安心”から考え方のクセを整える心理カウンセラー
■ 経歴・実績
心理カウンセラーとして、ストレス、不安、うつ傾向、人間関係、自己肯定感の低さ、仕事やキャリアの悩みなど、幅広いご相談に対応しています。
オンラインを中心にカウンセリングを提供し、安心して本音を話せる時間を大切にしています。
また、人材紹介会社にてキャリアコンサルタントとして転職相談に従事してきた経験もあり、仕事の悩みやキャリアの迷い、職場での人間関係についても、現実的な視点を持ちながらサポートしています。
■ 保有資格
産業カウンセラー
■ 主な相談内容
ストレス・メンタル不調
不安・うつ・気分の落ち込み
職場・家族・恋愛などの人間関係の悩み
自己肯定感の低さ・自己否定
HSP気質・繊細さによる生きづらさ
仕事の悩み・キャリアの迷い
本音が言えない・自分の気持ちが分からない悩み
誰かに話を聴いてほしい時の気持ちの整理
■ カウンセリングの特徴・強み
私が大切にしているのは、まず安心して話せることです。
悩みを抱えている時、人はすぐに答えがほしいとは限りません。アドバイスよりも先に、「まずは話を聴いてほしい」「分かってほしい」と感じていることがあります。
そのため、否定せず、急かさず、話がまとまっていなくても受け止めることを大切にしています。
そのうえで、ストレスや不安の背景にある気持ちを一緒に整理し、自分でも気づきにくい“考え方のクセ”や“認知の歪み”に気づけるようサポートします。
ただ聴くだけで終わるのではなく、話すことで心を整え、必要に応じて日常で実践できる具体的な対処法も一緒に考えていきます。
■ アプローチ方法
クライアント中心療法、来談者中心療法を大切にしながら、認知行動療法、CBTの考え方も取り入れています。
特に、感情・思考・行動のつながりを一緒に見える化し、ストレスや不安が強くなるパターンを整理していきます。
「なぜ同じことで悩みやすいのか」
「どうして自分を責めてしまうのか」
「人間関係で疲れやすい理由は何か」
そういった部分を、無理に決めつけるのではなく、対話を通して一緒に見つけていきます。
■ カウンセラーになったきっかけ
子どもの頃から、自分の気持ちや「嫌だ」という思いをうまく言えない環境で育ちました。
本当はつらいと感じていても、それを言葉にすることが難しく、気持ちを飲み込んでしまうことが多くありました。
その経験から、「自分の気持ちを安心して話せる場所があること」「否定されずに話を聴いてもらえること」が、人にとってどれほど大切なのかを、身をもって感じるようになりました。
大人になってからは、人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして転職相談に携わりました。
そこでは、仕事の悩みやキャリアの迷いだけでなく、職場の人間関係、将来への不安、自信のなさなど、さまざまな思いを抱えた方のお話を聴く機会が多くありました。
相談を受ける中で感じたのは、多くの方が「答え」だけを求めているわけではないということです。
まずは自分の気持ちを整理したい。誰にも言えなかった不安を聴いてほしい。否定されずに、今の思いを受け止めてほしい。
そういった気持ちを抱えながら、一人で頑張っている方がたくさんいることを実感しました。
話を聴いてもらうことで、表情が少し和らいだり、自分の本音に気づいたり、次の一歩を考えられるようになったりする姿を見て、傾聴には人の心を支える力があると感じました。
子どもの頃に感じていた「うまく言えない苦しさ」と、キャリア相談の現場で出会った「誰かに聴いてほしい思い」。
その両方の経験が重なり、安心して本音を話せる場所をつくりたい、一人で抱え込んでいる方の力になりたいと思うようになったことが、心理カウンセラーを目指すきっかけです。
■ 大切にしていること
安心して本音を話せる場づくり
否定せず、そのままを受け止めること
一人ひとりの価値観やペースを尊重すること
話すことで心を整える時間を大切にすること
「話してもいいんだ」と感じられる経験を積み重ねること
■ メッセージ
ストレスや不安、人間関係の悩みの多くは、自分でも気づかない“考え方のクセ”が影響していることがあります。
ただ、そのクセに気づくためには、まず安心して話せることが大切です。
整体で身体を整えるように、心もまた、話すことで少しずつ整っていくことがあります。
「こんなことで相談していいのかな」
「うまく話せるか分からない」
「誰かに聴いてほしいけれど、身近な人には話しにくい」
そんな段階でも大丈夫です。
話がまとまっていなくても、同じ話を繰り返しても、途中で言葉に詰まってもかまいません。
安心して話せる場所として、そして自分の本音に気づき、少しずつ自分らしく生きるための時間としてご利用ください。
目次
- ○ 仕事や職場で抱えてきたつらさには、頑張り続けてきた理由があります
- ・会社へ行くだけで疲れるのは、仕事中ずっと緊張しているからかもしれません
- ・仕事を断れない背景には、評価を失うことへの不安があります
- ・辞めたいのに決められないのは、どちらの選択にも不安があるからです
- ○ 問いかけながら、仕事のつらさと本当に望んでいる働き方を整理する
- ・「どの場面で特につらくなるのか」を具体的に振り返る
- ・「辞めたらどうなると思っているのか」を言葉にする
- ・「本当はどのように働きたいのか」を条件から考える
- ○ 考え方のクセを整理すると、仕事の受け止め方と行動の選択肢が変わっていく
- ・「一度失敗したら信用を失う」という未来予測と破局的思考
- ・「社会人なら我慢するべき」というべき思考と他者基準思考
- ・「評価されない自分には価値がない」という個人化と二分割思考
- ○ 周囲の正解ではなく、自分が納得できる働き方を選べる毎日へ
- ・辞めるか続けるかを急がず、今できる小さな調整を考える
- ・自分が大切にしたい条件を、仕事選びの基準に加える
- ・仕事の評価と自分の価値を分け、自分らしいキャリアを育てる
- ○ 仕事やキャリアの悩みを、一人で抱え続けていませんか
仕事や職場で抱えてきたつらさには、頑張り続けてきた理由があります

仕事の悩みを抱えている方の中には、「これくらいでつらいと思う自分が弱い」「ほかの人も頑張っているのだから、我慢しなければ」と、自分の苦しさを小さく扱ってしまう方が少なくありません。会社へ行く前から気持ちが重い、休日も仕事のことが頭から離れない、上司や同僚の一言を何度も思い返してしまう。それでも職場では平静を装い、周囲に迷惑をかけないように働き続けます。
仕事は、生活費や家族、社会的な立場とも結びついています。そのため、つらいからといって簡単に離れられるものではありません。「辞めたら生活できないかもしれない」「次の仕事が見つからないかもしれない」「逃げたと思われるのが怖い」と考え、限界を感じながらも踏みとどまることがあります。
また、責任感が強い方ほど、仕事を断ることや助けを求めることに抵抗を感じます。業務が増えても引き受け、分からないことがあっても自分だけで解決しようとし、失敗すると必要以上に自分を責めてしまいます。周囲からは真面目で頼れる人に見えていても、心の中では「期待に応え続けなければ、自分の価値がなくなる」と感じていることもあります。
リハートカウンセリングでは、すぐに「転職した方がよい」「考え方を変えた方がよい」と結論を出すのではなく、まず、仕事や職場で抱えてきた気持ちを丁寧にお聴きします。どのような出来事があったのか、そのとき何を感じたのか、これまでどのように耐えてきたのかを言葉にしながら、苦しさを整理する土台を作ります。
私は、仕事の悩みを整理するためには、最初に自分のつらさをつらいものとして認めることが大切だと考えています。今まで働き続けてこられたのは、弱くなかったからではなく、無理をしながらも責任を果たそうとしてきたからかもしれません。自分を責める前に、その頑張りと疲れの両方を振り返ることが、これからの働き方を考える第一歩になります。
会社へ行くだけで疲れるのは、仕事中ずっと緊張しているからかもしれません
朝、目が覚めた瞬間から仕事のことが浮かび、身体が重く感じる。通勤中には今日の予定や上司の反応を考え、職場に着く前から疲れてしまう。仕事が終わる頃には、何もしていないように感じるのに、心も身体も動かなくなる。このような状態が続いている方もいるでしょう。
疲れの原因は、業務量だけとは限りません。職場にいる間、周囲の表情や声の調子を気にし、「機嫌を悪くさせていないか」「仕事が遅いと思われていないか」と確認し続けていれば、心は休むことができません。
会議で発言するときに間違えないよう言葉を選び、メールを送る前に何度も読み返し、上司へ相談するタイミングまで慎重に考える。こうした小さな緊張が一日中続くと、本人が思っている以上に多くのエネルギーを使います。
職場では普通に振る舞えているため、周囲にはつらさが伝わらないこともあります。「仕事はきちんとできているのだから大丈夫」と自分でも判断し、疲れを見過ごしてしまうのです。しかし、家に帰って動けなくなる、眠っても疲れが取れない、休日に人と会う余裕がない状態は、日中に心が頑張り続けているサインかもしれません。
私は、仕事から帰った後の自分を責めるのではなく、「今日も職場でどのようなことに気を遣っていたのだろう」と振り返ることが大切だと考えています。仕事内容以外にも、周囲への配慮、自分の感情を抑えること、失敗への警戒など、見えにくい負担があります。
まずは、どの時間帯や場面で特に疲れるのかを確認します。朝のミーティングなのか、特定の人との会話なのか、急な依頼を受けたときなのか。それが分かると、仕事すべてがつらいのではなく、負担が集中している部分が見えてきます。
疲れを感じることは、仕事への適性がない証拠ではありません。今の環境や働き方の中で、自分の力を使いすぎている可能性があります。心がどこで緊張しているのかを知ることが、負担を減らす方法を探すきっかけになります。
仕事を断れない背景には、評価を失うことへの不安があります
すでに仕事を抱えているのに、上司や同僚から頼まれると「分かりました」と引き受けてしまう。本当は期限的に難しくても、相手を困らせたくない、できない人だと思われたくないという気持ちから断れないことがあります。
引き受けた直後は、相手の期待に応えられた安心感があるかもしれません。しかし、業務が重なると時間に追われ、焦りや疲れが強くなります。残業や持ち帰りが増え、「どうして自分ばかり」と不満を感じながらも、また次の依頼を受けてしまうことがあります。
断れない背景には、「役に立つことで自分の居場所を守りたい」「期待に応えなければ評価が下がる」「断ると関係が悪くなる」といった不安が隠れている場合があります。過去に仕事を断って嫌な顔をされた経験や、できることを褒められてきた経験があると、引き受けることが自分の価値と結びつきやすくなります。
また、「社会人なら頼まれた仕事はやるべき」「忙しいと言うのは能力不足」という考えがあると、自分の限界を伝えにくくなります。体調や現在の業務量よりも、周囲からどう見られるかを優先してしまうのです。
私は、断れない自分を意志が弱いと責めるのではなく、「断ったら何を失うと思っているのか」を整理することが大切だと考えています。本当に怖いのは依頼を断ることではなく、その後に信用や居場所を失うことかもしれません。
いきなり強く拒否する必要はありません。「今の業務との優先順位を確認させてください」「この期限では難しいため、調整できますか」と相談する方法もあります。引き受けるか断るかの二択ではなく、期限、範囲、担当を調整する選択肢もあります。
自分の業務量や限界を伝えることは、無責任ではありません。無理をしてすべて引き受け、結果として体調を崩したり、仕事の質を保てなくなったりする前に、現状を共有することも仕事の一部です。小さな相談を重ねることで、「すべてを一人で背負わなくても働ける」という感覚を育てていけます。
辞めたいのに決められないのは、どちらの選択にも不安があるからです
「もう辞めたい」と思いながら、実際に退職を考えると怖くなることがあります。今の職場に残ればつらさが続くかもしれない。一方で、辞めれば収入や次の仕事、人間関係がどうなるか分からない。どちらを選んでも不安があるため、結論を出せずに悩み続けてしまいます。
そのようなとき、「決断できない自分は優柔不断だ」と責める方もいます。しかし、仕事を辞めるか続けるかは、生活や将来に関わる大きな選択です。迷いが生まれるのは当然であり、すぐに答えが出ないこと自体が問題なのではありません。
また、「辞めるのは逃げ」「一度入った会社では長く働くべき」「次の仕事が今より悪かったら後悔する」といった考えが、判断を難しくしていることもあります。自分の希望よりも、家族や世間、職場の人からどう見られるかを優先し、動けなくなる場合があります。
反対に、つらさが強いときには、「辞めればすべて解決する」と考えることもあります。しかし、現在の負担が仕事内容によるものなのか、人間関係や業務量、働く時間、考え方のクセによるものなのかによって、必要な対応は変わります。
私は、すぐに結論を出す前に、「何がつらくて辞めたいのか」「残ることで得られるものと失うものは何か」「辞めることで不安なことは何か」を分けて整理することが大切だと考えています。
今すぐ退職するか続けるかだけでなく、休暇を取る、業務量を相談する、異動を希望する、転職情報を調べるなど、途中の選択肢もあります。情報を集めることは、必ず転職するという意味ではありません。選べる道を増やすことで、追い詰められた感覚を和らげられることがあります。
大切なのは、周囲が納得する選択より、自分が何を守り、何を大切にしたいのかを知ることです。決断を急ぐ前に、今のつらさと将来への不安を一つずつ言葉にすることで、自分に合った働き方の輪郭が少しずつ見えてきます。
問いかけながら、仕事のつらさと本当に望んでいる働き方を整理する

仕事や職場の悩みを抱えているとき、「辞めるべきか、続けるべきか」という二つの選択肢だけで考えてしまうことがあります。毎朝つらいのだから辞めた方がよいのかもしれない。でも、収入や将来を考えると簡単には辞められない。考えれば考えるほど答えが分からなくなり、同じところを行ったり来たりしてしまいます。
しかし、今感じている苦しさを整理するために、最初から大きな決断をする必要はありません。まず確認したいのは、「仕事の何がつらいのか」ということです。仕事内容そのものが合っていないのか、業務量が多すぎるのか、特定の人との関係で緊張しているのか、評価されないことに傷ついているのか。似たような「仕事がつらい」という言葉でも、その背景は一人ひとり異なります。
そこでリハートカウンセリングでは、「どのような場面で特に気持ちが重くなりますか」「そのとき、相手からどう思われることを心配していますか」「本当は、どのような働き方ができたら少し楽になりそうですか」といった問いかけを重ねながら、悩みの輪郭を明らかにしていきます。
問いかけは、答えを急がせるためのものではありません。自分でも気づいていなかった気持ちや、言葉にできていなかった希望を見つけるためのものです。「辞めたい」と思っていたけれど、本当は仕事を辞めたいのではなく、今の上司から離れたかった。「もっと評価されたい」と思っていたけれど、本当は安心して質問できる環境を求めていた。このように、話しながら見えてくることがあります。
また、仕事の選択では、「何をしたいか」だけでなく、「何をこれ以上我慢したくないか」を知ることも大切です。やりたい仕事がはっきりしなくても、強い競争が続く環境は避けたい、休日まで連絡が来る働き方は続けたくない、人を否定する職場では働きたくない、と分かれば、これから選ぶ条件が少しずつ見えてきます。
私は、仕事の悩みを整理するとき、正解を探すことよりも、自分が何に疲れ、何を怖がり、何を大切にしているのかを知ることが大切だと考えています。自分の気持ちが見えないまま決断しようとすると、周囲の意見やその場の感情に流されやすくなります。問いかけながら一つずつ整理することで、「今の自分は何を選びたいのか」を、自分の言葉で考えられるようになります。
「どの場面で特につらくなるのか」を具体的に振り返る
「仕事がつらい」と感じていても、一日中すべての業務が同じくらいつらいとは限りません。朝礼の前に強く緊張する方もいれば、上司へ報告するときに気持ちが重くなる方もいます。電話対応、会議、雑談、締め切り前、帰宅後に届く連絡など、負担が強くなる場面には、それぞれ違いがあります。
ところが疲れがたまっていると、個別の出来事を振り返る余裕がなくなり、「会社そのものが無理」「自分は仕事に向いていない」と、悩みを大きなひとまとまりとして捉えてしまいます。もちろん、職場全体が合っていない場合もありますが、何がつらいのかを具体的にすることで、今すぐ変えられる部分と、環境そのものを変えなければ難しい部分を分けられるようになります。
たとえば、会議で意見を求められることがつらい場合でも、理由は一つではありません。「間違ったことを言って評価が下がるのが怖い」「急に聞かれると言葉が出ない」「発言を否定される職場の雰囲気が苦しい」など、背景によって必要な対応は変わります。
評価が下がることへの不安が中心であれば、自分がどの程度の失敗を想像しているのかを整理することが役立ちます。急な質問が負担なのであれば、事前に議題を確認する、メモを用意するなどの工夫が考えられます。一方で、意見を言うたびに人格を否定されるような環境であれば、自分の努力だけで解決しようとせず、相談先や環境を変える方法も考える必要があります。
振り返るときには、「いつ、どこで、誰と、何をしているときにつらくなったか」を確認します。さらに、その場面で身体にどのような反応があったかも大切です。動悸がした、頭が真っ白になった、肩に力が入った、帰宅後に涙が出たなど、身体の反応は心の負担を知らせてくれます。
私は、つらい場面を振り返ることは、自分の弱さを探す作業ではないと考えています。むしろ、自分の心を守るために必要な情報を集める作業です。「この仕事に向いていない」と決めつける前に、「どの場面で、何を怖いと感じているのか」を丁寧に見ていくことで、悩みを必要以上に広げずに整理できます。
仕事全体を一度に変えることは難しくても、負担が集中している場面が分かれば、その部分から相談したり、準備の仕方を変えたりできます。自分のつらさを具体的に理解することは、これからの選択肢を増やすための大切な手がかりになります。
「辞めたらどうなると思っているのか」を言葉にする
仕事を辞めたいと思いながら決断できないとき、心の中にはさまざまな不安があります。「収入がなくなったらどうしよう」「次の職場が見つからなかったら困る」「家族に反対されるかもしれない」「転職を繰り返す人だと思われたくない」。こうした不安が重なると、今の職場に残るつらさよりも、辞めた後の分からなさの方が怖く感じられます。
その結果、今すぐ辞める予定がなくても、毎日「辞めるか、続けるか」を考え続け、心が休まらなくなります。答えが出ないのは、決断力がないからではありません。退職によって起こると想像している出来事が多すぎて、一つずつ確かめられていないことが関係しています。
そこで、「仕事を辞めたら、一番心配なことは何ですか」と問いかけてみます。収入が途切れることなのか、再就職できないことなのか、周囲からの評価なのかによって、必要な準備は変わります。
収入が心配なのであれば、生活費や貯蓄、有給休暇、失業給付などの現実的な情報を確認できます。次の仕事が見つからないことが怖いのであれば、在職中に求人を調べたり、自分の経験や得意なことを整理したりすることができます。周囲にどう思われるかが気になるのであれば、「誰に何を言われることが、どのくらい怖いのか」を見ていく必要があります。
不安の中には、実際に準備が必要なものと、まだ起きていない未来を大きく想像しているものが混ざっています。「辞めたら人生が終わる」「もう良い職場には入れない」と感じていても、それが確定した事実とは限りません。
一方で、「考えすぎだから大丈夫」と不安を軽く扱う必要もありません。生活に関わる現実的な心配は、具体的な情報を集め、計画を立てることで小さくできます。大切なのは、不安を無視することではなく、漠然とした怖さを一つずつ分けることです。
私は、「辞めるかどうか」を決める前に、「辞めたら何が起きると思っているのか」を言葉にすることが重要だと考えています。怖い未来が具体的になると、対応できることと、今はまだ分からないことを分けられます。
仕事を続けながら転職活動を始める、一定期間休む、部署異動を相談するなど、退職以外にも段階的な選択があります。辞めるか残るかだけで考えず、準備をしながら判断できると分かるだけでも、追い詰められた気持ちは少し和らぎます。
「本当はどのように働きたいのか」を条件から考える
キャリアの悩みを考えるとき、「やりたい仕事が分からない」と悩む方は少なくありません。自分には特別な夢がない、好きなことを仕事にできる気がしない、どの職種を選んでも同じように疲れそうだと感じることもあるでしょう。
そのようなとき、無理に「本当にやりたい仕事」を見つけようとすると、かえって分からなくなることがあります。仕事に求めるものは、職種や会社名だけではありません。働く時間、人との関わり方、責任の大きさ、収入、休日、通勤距離、仕事の進め方など、さまざまな条件が組み合わさっています。
たとえば、人と関わる仕事自体は嫌いではなくても、常に急な対応を求められる環境では疲れてしまう方がいます。仕事内容には興味があっても、成果を数字だけで比較される職場では苦しくなる方もいます。反対に、忙しさはあっても、自分で進め方を決められたり、困ったときに相談できたりする環境なら力を発揮できることもあります。
そこで、「何の仕事がしたいか」だけでなく、「どのような状態なら働き続けやすいか」を考えます。一人で集中する時間が必要なのか、誰かと相談しながら進めたいのか。決まった業務を丁寧に行うことが合うのか、変化のある仕事にやりがいを感じるのか。収入、安定、成長、自由な時間、人間関係のうち、今の自分が特に大切にしたいものは何かを整理します。
また、これまでの仕事で「嫌だったこと」だけでなく、「比較的苦にならなかったこと」や「少しうれしかったこと」を振り返ることも役立ちます。誰かに感謝されたこと、工夫して効率が上がったこと、落ち着いて取り組めた業務など、小さな経験の中に自分に合う働き方の手がかりがあります。
私は、理想の仕事を一度で決める必要はないと考えています。今の自分が無理なく働くために必要な条件を知り、その条件に近い選択を少しずつ増やしていけばよいのです。
若い頃に大切だったものと、現在大切にしたいものが変わることもあります。以前は成長や昇進を優先していても、今は心身の余裕や家族との時間を大切にしたいと感じるかもしれません。それは意欲がなくなったのではなく、人生の中で優先順位が変化したということです。
「何をしたいか」がまだ分からなくても、「どのようには働きたくないか」「何があれば安心して働けるか」が分かれば、次の方向は見つけやすくなります。周囲が考える成功ではなく、自分が続けやすく、納得できる働き方を考えることが、これからのキャリアを選ぶ土台になります。
考え方のクセを整理すると、仕事の受け止め方と行動の選択肢が変わっていく

仕事や職場で苦しさを感じているとき、負担の原因がすべて自分の能力不足や性格にあるように思えてしまうことがあります。上司から注意を受ければ「自分は仕事ができない」、同僚が評価されれば「自分だけ取り残されている」、一度失敗すれば「もう信用を取り戻せない」と考え、目の前の出来事以上に自分を追い込んでしまいます。
もちろん、実際に業務量が多すぎる職場や、安心して働きにくい人間関係、理不尽な評価制度など、環境そのものに問題がある場合もあります。そのため、仕事の悩みをすべて「考え方の問題」として扱う必要はありません。耐え続ければよいわけでも、前向きに考えれば解決するわけでもありません。
一方で、同じ出来事が起きても、その出来事をどのように受け止めるかによって、感じる不安や落ち込み、その後の行動は変わります。たとえば、上司から修正を求められたとき、「必要な部分を直せばよい」と考える場合と、「自分は期待を裏切った。もう評価されない」と考える場合では、心にかかる負担が大きく異なります。
認知行動療法では、出来事そのものと、そのとき頭に浮かんだ考え、そこから生まれた感情や行動を分けて整理します。無理に肯定的な考えへ置き換えるのではなく、「それは確認できた事実なのか」「ほかの見方はないだろうか」「自分と同じ状況の人には、どのような言葉をかけるだろう」と考えながら、現実に合った受け止め方を探していきます。
私は、考え方のクセに気づくことは、自分の間違いを探す作業ではないと考えています。それは、これまで自分を守ろうとして身につけてきた反応を理解し、今の状況に合う形へ調整する作業です。「失敗しないようにしなければ」「周囲の期待に応えなければ」と考えることで、責任を果たし、仕事を続けてこられた面もあるでしょう。
しかし、その考えが強くなりすぎると、休むことや人に頼ること、自分の希望を伝えることが難しくなります。考え方のクセを整理することで、仕事を辞めるか続けるかという大きな決断だけでなく、相談する、優先順位を確認する、休息を取る、別の可能性を調べるといった小さな行動も選べるようになります。
「一度失敗したら信用を失う」という未来予測と破局的思考
仕事で失敗したとき、「今回の評価が下がるかもしれない」「もう重要な仕事を任せてもらえない」「このまま居場所を失うかもしれない」と、先の未来まで一気に悪く想像してしまうことがあります。まだ起きていないことなのに、頭の中ではすでに最悪の結果が決まったように感じられます。
このように、これから起こることを悪い方向へ決めつける考え方は「未来予測」、一つの出来事から取り返しのつかない結果まで想像する考え方は「破局的思考」と呼ばれます。責任感が強く、失敗を避けようとしてきた方ほど、このような考えが浮かびやすくなります。
たとえば、資料の数字を間違えたとします。確認できる事実は、「数字を一か所間違え、修正を求められた」ということかもしれません。しかし、頭の中では「能力がないと思われた」「今まで積み上げてきた信用がなくなった」「昇進もできない」と話が広がっていきます。
この状態になると、必要以上に何度も資料を確認したり、質問することを避けたり、新しい仕事に挑戦できなくなったりします。失敗を防ごうとする行動が増えるほど仕事に時間がかかり、疲れがたまり、さらに失敗への不安が強くなることもあります。
考えを整理するときには、まず「実際に起きたこと」と「自分が予想していること」を分けます。修正を求められたことは事実でも、信用をすべて失ったことは確認できていないかもしれません。注意されたことと、存在そのものを否定されたことは同じではありません。
次に、「その最悪の結果が起こる可能性はどのくらいあるか」「起きなかった可能性はないか」「過去に失敗した後、実際にはどうなったか」と振り返ります。多くの場合、失敗の後に修正し、説明し、次の仕事を続けてきた経験があるはずです。
もちろん、失敗を気にしなくてよいという意味ではありません。再発を防ぐための確認や改善は必要です。ただし、必要な反省と、自分の価値を否定することは別です。「今回の手順には改善が必要だった」と捉えられれば、具体的な対策へ進めます。「自分は仕事ができない」と捉えると、何を変えればよいのか分からないまま、自分を責め続けることになります。
私は、仕事での失敗を整理するとき、「今回の出来事から学べること」と「自分を責めるために加えている意味」を分けることが大切だと考えています。一度の失敗は、これまでのすべての努力や信用を消すものではありません。失敗をした自分を見捨てず、必要な部分だけを振り返ることが、次の仕事へ向かう力になります。
「社会人なら我慢するべき」というべき思考と他者基準思考
「社会人なら多少のことは我慢するべき」「忙しくても責任を果たすべき」「周囲に迷惑をかけてはいけない」。仕事に向き合う中で、このような考えが頭に浮かぶことがあります。責任を持って働くために役立つ考えでもありますが、強くなりすぎると、自分の疲れや限界を認められなくなります。
「べき思考」とは、自分や他人に対して「こうするべき」「こうでなければならない」という厳しいルールを持つ考え方です。ルールを守れたときには安心できますが、少しでも外れると、「自分は甘えている」「社会人として失格だ」と強く責めてしまいます。
さらに、「周囲から立派だと思われる働き方をしなければ」「同年代に遅れてはいけない」「家族が安心する会社で働くべき」と、他人の評価や社会の基準を中心に選択することもあります。これは「他者基準思考」と呼ばれる考え方につながります。
たとえば、本当は業務量を減らしてほしくても、「ほかの人も忙しいから言えない」と我慢する。体調が悪くても、「休んだら迷惑をかける」と出勤する。今の仕事が合わないと感じていても、「せっかく入った会社を辞めるのはもったいない」と働き続ける。このように、自分の状態より周囲の期待を優先し続けると、心身の余裕が少しずつ失われていきます。
考えを整理するときには、「そのルールは誰が決めたものだろう」「すべての状況で守る必要があるだろうか」「大切な人が同じ状態なら、我慢するべきだと言うだろうか」と問いかけます。
「責任を持って働くこと」は大切でも、「体調を崩すまで働くこと」と同じではありません。「周囲への配慮」は大切でも、「自分の希望を一切伝えないこと」ではありません。仕事のルールは、状況に応じて柔軟に使うことができます。
「絶対に我慢するべき」を、「できる範囲では対応したいが、難しいときは相談してもよい」と言い換えるだけでも、行動の選択肢は増えます。「迷惑をかけてはいけない」を、「お互いに助けを借りながら働くこともある」と捉え直すこともできます。
私は、周囲を大切にすることと、自分を後回しにすることは別だと考えています。自分の限界を伝えることは、わがままではありません。長く働き続けるために必要な調整であり、結果として周囲との関係や仕事の質を守ることにもつながります。
誰かの期待に応えることだけが、働く理由になってしまうと、自分が何を望んでいるのか分からなくなります。「どう見られるか」だけでなく、「私はどのような状態なら力を発揮しやすいか」という基準も加えることが、自分に合ったキャリアを考えるうえで大切です。
「評価されない自分には価値がない」という個人化と二分割思考
仕事では、評価や成果が目に見える形で示されることがあります。上司から褒められた、目標を達成した、昇進したという経験は、自信につながるでしょう。一方で、評価が思ったほど高くなかったり、同僚が先に昇進したりすると、自分の存在そのものを否定されたように感じることがあります。
「結果が出た自分には価値がある」「評価されなければ意味がない」と考えると、仕事の成果と自分自身の価値が強く結びつきます。うまくいっているときには安心できますが、少し結果が悪くなるだけで、自信が大きく揺らいでしまいます。
物事を成功か失敗か、有能か無能かという二つに分けて捉える考え方は「二分割思考」と呼ばれます。実際の仕事には、できている部分、改善が必要な部分、経験を積んでいる途中の部分が混ざっています。しかし、二分割思考が強くなると、九つできていても、一つ失敗しただけで「全部だめだった」と感じます。
また、部署の業績が下がった、会議の雰囲気が悪かった、上司の機嫌が悪かったときに、「自分の仕事が悪かったからだ」と必要以上に自分へ結びつけることがあります。自分に直接関係のないことまで自分の責任として受け取る考え方は、「個人化」と呼ばれます。
たとえば、上司の返事がそっけなかったとき、「忙しいのかもしれない」「別のことで悩んでいるのかもしれない」という可能性があっても、「自分に怒っている」「期待に応えられなかった」と決めつけてしまいます。その結果、必要以上に謝ったり、相手の顔色をうかがったりし、仕事に集中できなくなることがあります。
整理するときには、「自分が担当した部分はどこまでか」「自分以外に影響した要因はないか」「今回の評価は、自分のすべてを示しているのか」と確認します。評価には、会社の方針、目標設定、上司との相性、担当業務の見えやすさなど、さまざまな要素が関係します。
また、「評価されなかった」という受け止め方も具体的にしてみます。昇進できなかったのか、希望した言葉をもらえなかったのか、一部分について改善を求められたのか。それぞれ意味は異なります。「十分にできている部分もあるが、次に伸ばす部分が示された」と捉えられる場合もあります。
私は、仕事の成果を大切にしながらも、それだけで自分の価値を決めないことが大切だと考えています。働いている自分も、休んでいる自分も、迷っている自分も、同じ一人の人です。評価が下がったからといって、これまで身につけた経験や、周囲へ向けてきた配慮まで消えるわけではありません。
「できたか、できなかったか」ではなく、「どこまでできたか」「何を工夫したか」「次に何を試せるか」と段階で見ることで、自分を責めるだけではなく、具体的な成長へつなげられます。仕事の評価を、自分を裁く判決ではなく、これからの働き方を考える一つの情報として受け取れるようになると、心の負担は少しずつ変わっていきます。
周囲の正解ではなく、自分が納得できる働き方を選べる毎日へ

仕事やキャリアの悩みを整理した先にあるのは、すぐに転職先を決めることでも、今の職場で無理に頑張り続けることでもありません。大切なのは、自分が何に苦しみ、どのような環境なら安心して力を発揮できるのかを知り、その時々の自分に合った選択ができるようになることです。
仕事について考えるとき、私たちは「辞めるか、続けるか」「成功か、失敗か」「成長するか、取り残されるか」という大きな二択に陥りやすくなります。しかし、実際の働き方には、その間にも多くの選択肢があります。業務の優先順位を相談する、引き受ける範囲を調整する、有給休暇を取る、異動の可能性を調べる、転職サイトを見る、学び直しを始める。すぐに人生を大きく変えなくても、今の苦しさを減らすためにできることはあります。
また、仕事への価値観は、人生の中で変化していくものです。以前は昇進や収入を優先していた方が、今は心身の余裕や家族との時間を大切にしたいと感じることもあります。安定した職場を望んでいた方が、自分の裁量で働ける環境に魅力を感じるようになることもあるでしょう。価値観が変わることは、目標を失ったという意味ではありません。今の自分に必要なものが見えてきたということです。
私は、納得できるキャリアとは、迷いのない完璧な道を選ぶことではないと考えています。不安や迷いがあっても、自分が大切にしたいものを確認し、その時点でできる選択を重ねていくことです。選んだ後に考えが変わっても構いません。働き方は一度決めたら変えられないものではなく、経験や生活の変化に合わせて調整していくことができます。
仕事は人生の大きな一部ですが、仕事の評価が自分の価値のすべてではありません。成果が出ない時期も、休息が必要な時期も、これからを迷う時期もあります。自分を責めながら答えを急ぐのではなく、「今の私には何が必要だろう」と問いかけることが、無理なく続けられる働き方につながります。
辞めるか続けるかを急がず、今できる小さな調整を考える
仕事がつらくなると、「このまま耐えるしかない」「辞めるしかない」と感じることがあります。気持ちに余裕がなくなるほど、選択肢が二つしかないように見えてしまうのです。しかし、大きな決断をする前に、現在の負担を少し軽くする方法が残っている場合があります。
たとえば、業務量が多すぎるのであれば、上司に「現在はこの三つの業務を抱えています。どれを優先すればよいでしょうか」と確認できます。単に「仕事が多くて無理です」と伝えることに抵抗があっても、優先順位を相談する形なら話しやすいかもしれません。
急な依頼を断れない方は、その場ですぐに返事をするのではなく、「今の予定を確認してからお返事します」と時間を置く方法があります。仕事内容ではなく特定の人との関係が負担になっているのであれば、席や担当、連絡方法を変えられないか相談することも考えられます。
また、疲れが強いときには、休息そのものが必要です。有給休暇を取る、残業を減らす、医療機関や社内外の相談窓口につながるなど、心身を守るための対応を優先することもあります。休むことは、今後のキャリアを諦めることではありません。落ち着いて状況を判断するために、自分の力を回復させる時間です。
もちろん、調整を申し出ても職場が応じてくれない場合や、相談したことでさらに苦しい立場になる環境もあります。その場合には、「自分の伝え方が悪かった」と責めるのではなく、環境を変える必要性を考える材料になります。自分の努力で変えられる部分と、自分だけでは変えられない部分を分けることが大切です。
私は、小さな調整には二つの意味があると考えています。一つは、現在の負担を実際に減らすこと。もう一つは、その職場がこちらの事情や限界をどのように扱うのかを知ることです。相談に耳を傾け、現実的な方法を一緒に考えてくれる職場なのか、それとも無理を当然のように求める職場なのかが見えてきます。
転職について調べることも、すぐに退職を決めることではありません。求人を見る、自分の経歴を書き出す、希望する条件を整理するだけでも、今の職場以外にも道があると確認できます。逃げ道がないと感じていると、現在の苦しさはさらに大きくなります。選べる可能性を持っておくことで、今の状況を少し落ち着いて見られるようになります。
大切なのは、人生を一度に決めようとしないことです。今日できる相談、今週できる情報収集、今月考えたい条件というように、小さく分けて進めていけばよいのです。その積み重ねが、自分の意思で働き方を選ぶ感覚につながっていきます。
自分が大切にしたい条件を、仕事選びの基準に加える
仕事や転職先を選ぶとき、給与、会社の知名度、雇用の安定性、昇進の可能性など、分かりやすい条件に目が向きやすくなります。もちろん、生活を支えるために収入や安定を考えることは大切です。ただ、それだけで選ぶと、実際に働き始めた後で「条件は悪くないのに、どうしてこんなにつらいのだろう」と感じることがあります。
働きやすさには、数字に表れにくい条件も関係しています。困ったときに相談できるか、急な変更がどのくらいあるか、自分で仕事の進め方を決められるか、静かに集中する時間があるか、休みを取りやすいか。人によって、安心して働くために必要な条件は異なります。
たとえば、人と話すことが好きな方でも、一日中途切れずに接客を続けると疲れることがあります。丁寧に仕事を進めたい方は、常に速さだけを求められる環境では、自分の良さを発揮しにくいかもしれません。反対に、変化が好きな方は、手順が細かく決められた仕事に息苦しさを感じることもあります。
そこで、これまでの仕事を「向いていた、向いていなかった」だけで振り返るのではなく、「どのような条件では比較的落ち着いて働けたか」を考えます。仕事内容は難しくても、相談できる上司がいたときは続けやすかった。忙しくても、自分で優先順位を決められる仕事にはやりがいを感じた。このような経験は、自分に必要な環境を知る手がかりになります。
同時に、「これ以上は避けたい条件」も整理します。休日まで連絡が来る、人格を否定するような言い方をされる、業務の説明がないまま結果だけを求められるなど、自分が強く消耗する条件を知っておくことも大切です。やりたいことが明確でなくても、避けたい状態が分かれば、次の選択肢を絞ることができます。
私は、仕事を選ぶ基準に「自分が安心して働けるか」を加えてよいと考えています。楽をするためではありません。持っている力を安定して発揮し、長く働き続けるために必要な視点です。
また、すべての希望を満たす職場を探そうとすると、今度は完璧な仕事探しになってしまいます。そのため、「絶対に必要な条件」「できればほしい条件」「状況によっては譲れる条件」に分けると、現実的に考えやすくなります。
今の自分にとって、収入、時間、人間関係、安定、成長、仕事内容のどれを優先したいのか。その答えは、数年後には変わっているかもしれません。だからこそ、周囲が考える良い仕事ではなく、今の自分が大切にしたい条件を確認することが、納得できるキャリア選択につながります。
仕事の評価と自分の価値を分け、自分らしいキャリアを育てる
仕事で評価されるとうれしくなり、注意を受けると落ち込むのは自然なことです。働く中で、自分の努力を認めてもらいたい、役に立っていると感じたいと思うのは当然でしょう。しかし、評価によって自分の価値まで大きく上下する状態になると、仕事から離れている時間も心が休まらなくなります。
上司に褒められた日は自信を持てても、返事がそっけないだけで「期待されていない」と不安になる。同僚が昇進すると、「自分は遅れている」「これまでの努力は意味がなかった」と感じる。こうした状態では、仕事の出来事が自分の存在そのものへの判定のように思えてしまいます。
けれども、職場の評価は、自分の一部分を、特定の時期や基準で見たものです。担当する業務、会社の方針、上司との相性、成果の見えやすさによっても評価は変わります。一つの評価が、その人の人間性や将来性のすべてを表すわけではありません。
評価と自分の価値を分けるためには、結果だけでなく、その過程にも目を向けます。目標には届かなかったけれど、初めての業務に挑戦した。質問することが苦手だったけれど、今回は早めに相談できた。忙しい中でも、相手への説明を丁寧に行った。このような行動も、自分が積み上げてきた経験です。
また、仕事以外の自分を思い出すことも大切です。家族や友人との関係、好きなこと、生活の中で大切にしている時間など、職場の肩書きを外した自分にもさまざまな面があります。仕事でうまくいかない時期があっても、一人の人としての価値まで失われるわけではありません。
私は、自分らしいキャリアとは、常に高い評価を得ながら一直線に進むことではないと考えています。立ち止まる時期、方向を変える時期、仕事より生活を優先する時期があってもよいのです。その経験も含めて、自分の働き方が形づくられていきます。
キャリアという言葉を、昇進や転職だけで捉えなくても構いません。無理をして引き受けていた仕事を相談できるようになること、自分に合わない環境から離れること、安心して続けられる働き方を選ぶことも、キャリアを育てる行動です。
周囲と比べて早いか遅いかではなく、「この選択は今の私を大切にできているだろうか」と考えてみます。迷いながらでも、自分で考え、自分で選び直していく経験は、これからの人生を支える力になります。
仕事が人生の中心になる時期があってもよいでしょう。しかし、仕事だけが人生のすべてではありません。評価されるために自分を削り続けるのではなく、自分の心身や生活も守りながら働く。そのような選び方ができるようになることが、自分らしいキャリアを育てることにつながります。
仕事やキャリアの悩みを、一人で抱え続けていませんか

仕事がつらいと感じていても、「これくらいは我慢しなければ」「辞めたいなんて甘えかもしれない」と考え、自分の気持ちを後回しにしてしまうことがあります。周囲には普段どおりに見えていても、朝になると会社へ行くことが苦しくなったり、帰宅してからも職場での出来事を何度も思い返したりする方は少なくありません。
また、今の職場を続けるべきか、転職した方がよいのか、そもそも自分に合う仕事が何なのか分からず、答えの出ない迷いを抱えていることもあるでしょう。仕事は収入や生活、家族、将来とも結びついているため、気持ちだけで簡単に決められるものではありません。
リハートカウンセリングでは、すぐに「辞めた方がよい」「もっと頑張った方がよい」と結論を出すのではなく、まず、仕事や職場で抱えてきたつらさを丁寧にお聴きします。
上司や同僚との人間関係、仕事量や責任への負担、評価されない苦しさ、失敗への不安、今後のキャリアへの迷いなど、今感じていることを一つずつ言葉にしながら整理していきます。
そのうえで、
「どのような場面で特につらくなるのか」
「辞めることや休むことに、どのような不安があるのか」
「本当はどのような環境で働きたいのか」
「これから何を大切にして生きたいのか」
といった問いかけを通して、自分でも気づいていなかった気持ちや希望を確認します。
さらに、認知行動療法の視点から、仕事の悩みを強めている考え方のクセも整理します。
「一度失敗したら信用を失う」
「社会人なら我慢するべき」
「評価されなければ自分には価値がない」
「辞めたら人生がうまくいかなくなる」
こうした考えが浮かぶ背景を振り返り、確認できる事実と、まだ起きていない予想を分けていきます。無理に前向きな考えへ変えるのではなく、自分を追い込みすぎず、現実に合った受け止め方を一緒に探します。
目指すのは、必ず転職することでも、今の職場に残ることでもありません。
休息を取る、業務量を相談する、仕事の優先順位を確認する、異動を検討する、転職について情報を集めるなど、現在の自分にできる選択肢を増やしていきます。
周囲が考える正解ではなく、自分が大切にしたいことや、無理なく働き続けられる条件を整理し、納得できる働き方を考えてみませんか。
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今すぐ仕事を辞めるか続けるかを決める必要はありません。まずは、これまで一人で抱えてきた気持ちを言葉にするところから始めてみてください。
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