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自分らしさが分からず、人生の選択に迷う方へ|他人軸と考え方のクセを整理するカウンセリング

自分らしさが分からず、人生の選択に迷う方へ|他人軸と考え方のクセを整理するカウンセリング

「自分が本当は何をしたいのか分からない」「周りから見れば順調なはずなのに、どこか満たされない」「このまま今の仕事や生活を続けてよいのだろうか」。人生について考えるなかで、このような迷いを抱えることは珍しくありません。進学、就職、転職、結婚、離婚、子育て、親との関係、これからの働き方など、人生には何度も選択を迫られる場面があります。けれど、真面目に周囲の期待へ応え、自分よりも相手の気持ちを優先してきた方ほど、いざ自分の人生を選ぼうとしたときに、「私はどうしたいのだろう」と分からなくなってしまうことがあります。

選択肢を前にして動けなくなるのは、決断力がないからとは限りません。「失敗したら取り返しがつかない」「家族をがっかりさせてはいけない」「この年齢ならこうするべき」「みんなと違う道を選んだら後悔する」といった不安や考え方のクセが、自分の気持ちを見えにくくしている場合があります。どの道が正しいのかを考え続けるほど、答えが出なくなり、自分の選択に自信を持てなくなることもあるでしょう。

リハートカウンセリングでは、最初から結論を求めるのではなく、まず今抱えている迷いや違和感を丁寧にお聴きします。そのうえで、「誰の期待に応えようとしているのか」「本当は何を大切にしたいのか」「選ぶことによって何を失うのが怖いのか」といった問いかけを通して、自分の価値観と周囲の期待を少しずつ整理します。さらに、認知行動療法の考え方を取り入れながら、選択を難しくしている思い込みや考え方のクセを見つめていきます。正しい人生を探すのではなく、迷いがあっても、自分の気持ちを確かめながら納得できる一歩を選べるようになることを目指します。

もう一度、自分の心とつながり直す場所。リハートカウンセリング

投稿者プロフィール

佐藤 公俊
佐藤 公俊心理カウンセラー
■ 一言キャッチコピー

ストレス・人間関係・自己肯定感の悩みに寄り添い、“話を聴いてもらえる安心”から考え方のクセを整える心理カウンセラー

■ 経歴・実績

心理カウンセラーとして、ストレス、不安、うつ傾向、人間関係、自己肯定感の低さ、仕事やキャリアの悩みなど、幅広いご相談に対応しています。

オンラインを中心にカウンセリングを提供し、安心して本音を話せる時間を大切にしています。

また、人材紹介会社にてキャリアコンサルタントとして転職相談に従事してきた経験もあり、仕事の悩みやキャリアの迷い、職場での人間関係についても、現実的な視点を持ちながらサポートしています。

■ 保有資格

産業カウンセラー

■ 主な相談内容

ストレス・メンタル不調
不安・うつ・気分の落ち込み
職場・家族・恋愛などの人間関係の悩み
自己肯定感の低さ・自己否定
HSP気質・繊細さによる生きづらさ
仕事の悩み・キャリアの迷い
本音が言えない・自分の気持ちが分からない悩み
誰かに話を聴いてほしい時の気持ちの整理

■ カウンセリングの特徴・強み

私が大切にしているのは、まず安心して話せることです。

悩みを抱えている時、人はすぐに答えがほしいとは限りません。アドバイスよりも先に、「まずは話を聴いてほしい」「分かってほしい」と感じていることがあります。

そのため、否定せず、急かさず、話がまとまっていなくても受け止めることを大切にしています。

そのうえで、ストレスや不安の背景にある気持ちを一緒に整理し、自分でも気づきにくい“考え方のクセ”や“認知の歪み”に気づけるようサポートします。

ただ聴くだけで終わるのではなく、話すことで心を整え、必要に応じて日常で実践できる具体的な対処法も一緒に考えていきます。

■ アプローチ方法

クライアント中心療法、来談者中心療法を大切にしながら、認知行動療法、CBTの考え方も取り入れています。

特に、感情・思考・行動のつながりを一緒に見える化し、ストレスや不安が強くなるパターンを整理していきます。

「なぜ同じことで悩みやすいのか」
「どうして自分を責めてしまうのか」
「人間関係で疲れやすい理由は何か」

そういった部分を、無理に決めつけるのではなく、対話を通して一緒に見つけていきます。

■ カウンセラーになったきっかけ

子どもの頃から、自分の気持ちや「嫌だ」という思いをうまく言えない環境で育ちました。

本当はつらいと感じていても、それを言葉にすることが難しく、気持ちを飲み込んでしまうことが多くありました。

その経験から、「自分の気持ちを安心して話せる場所があること」「否定されずに話を聴いてもらえること」が、人にとってどれほど大切なのかを、身をもって感じるようになりました。

大人になってからは、人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして転職相談に携わりました。

そこでは、仕事の悩みやキャリアの迷いだけでなく、職場の人間関係、将来への不安、自信のなさなど、さまざまな思いを抱えた方のお話を聴く機会が多くありました。

相談を受ける中で感じたのは、多くの方が「答え」だけを求めているわけではないということです。

まずは自分の気持ちを整理したい。誰にも言えなかった不安を聴いてほしい。否定されずに、今の思いを受け止めてほしい。

そういった気持ちを抱えながら、一人で頑張っている方がたくさんいることを実感しました。

話を聴いてもらうことで、表情が少し和らいだり、自分の本音に気づいたり、次の一歩を考えられるようになったりする姿を見て、傾聴には人の心を支える力があると感じました。

子どもの頃に感じていた「うまく言えない苦しさ」と、キャリア相談の現場で出会った「誰かに聴いてほしい思い」。

その両方の経験が重なり、安心して本音を話せる場所をつくりたい、一人で抱え込んでいる方の力になりたいと思うようになったことが、心理カウンセラーを目指すきっかけです。

■ 大切にしていること

安心して本音を話せる場づくり
否定せず、そのままを受け止めること
一人ひとりの価値観やペースを尊重すること
話すことで心を整える時間を大切にすること
「話してもいいんだ」と感じられる経験を積み重ねること

■ メッセージ

ストレスや不安、人間関係の悩みの多くは、自分でも気づかない“考え方のクセ”が影響していることがあります。

ただ、そのクセに気づくためには、まず安心して話せることが大切です。

整体で身体を整えるように、心もまた、話すことで少しずつ整っていくことがあります。

「こんなことで相談していいのかな」
「うまく話せるか分からない」
「誰かに聴いてほしいけれど、身近な人には話しにくい」

そんな段階でも大丈夫です。

話がまとまっていなくても、同じ話を繰り返しても、途中で言葉に詰まってもかまいません。

安心して話せる場所として、そして自分の本音に気づき、少しずつ自分らしく生きるための時間としてご利用ください。

目次

自分らしさが分からなくなった背景を、焦らず言葉にしていく

柔らかな花柄の背景に、机でノートを開き思案する女性を中心に描いた、自己理解を促すデザインのポスター。

「自分らしく生きたい」と思っていても、そもそも自分らしさとは何なのかが分からず、立ち止まってしまうことがあります。好きなことや得意なことを聞かれても、すぐには答えられない。仕事や人間関係に大きな問題があるわけではないのに、このままでよいのかという違和感が消えない。何かを変えたい気持ちはあるけれど、どこから考えればよいのか分からない。そのような状態になると、「自分にはやりたいことがない」「優柔不断だから決められない」と、自分を責めてしまう方も少なくありません。

けれど、自分の気持ちが分からなくなるのは、意思が弱いからとは限りません。これまで周囲の期待に応え、家族や職場の人を優先し、その場に求められる役割を懸命に果たしてきたからこそ、自分の希望を考える機会が少なくなっていた可能性があります。誰かに合わせることや、失敗しない選択をすることが習慣になると、「何を選べば正解か」は考えられても、「私は何を選びたいか」は見えにくくなります。

リハートカウンセリングでは、最初から将来の答えや大きな目標を決めることを求めません。今感じている迷い、違和感、焦り、諦め、言葉にしにくいモヤモヤを、まずはそのままお聴きします。話がまとまっていなくても大丈夫です。「今の生活を捨てたいわけではないけれど、このまま続けるのも苦しい」といった矛盾した気持ちも、その人にとって大切な心の動きです。私は、その気持ちを急いで一つにまとめるのではなく、どのような経験を重ねるなかで自分の本音が見えにくくなったのかを一緒にたどっていきます。

周囲に合わせることが当たり前になると、自分の希望が見えにくくなる

小さい頃から「手のかからない子でいよう」「親を困らせてはいけない」「周りの期待に応えなければ」と考えてきた方は、自分の気持ちよりも、その場にふさわしい行動を選ぶことが得意になっている場合があります。学校では先生や友人が望む自分、家庭では親が安心する自分、職場では上司や同僚から評価される自分を無意識に演じ続けるうちに、本当は何を感じているのかが分からなくなっていくのです。

周囲に合わせられること自体は、決して悪いことではありません。相手の気持ちを想像できることや、状況に応じて行動を変えられることは、人間関係や仕事のなかで大切な力です。しかし、それがいつも自分の気持ちを後回しにする形になっていると、心の中に小さな違和感が積み重なります。「本当は休みたいけれど断れない」「違うと思っているけれど反対できない」「期待されているから続けるしかない」といった選択が増えるほど、自分の希望を確かめる時間が少なくなってしまいます。

その状態が長く続くと、いざ自由に選んでよいと言われても、「何を選んだらよいか分からない」と戸惑います。これは自分が空っぽになったのではなく、自分の気持ちより他人の期待を優先することに慣れてきた結果かもしれません。

私はまず、「何をしたいですか」と大きな答えを求めるのではなく、「本当は嫌だったことはありますか」「少しほっとできた時間はどんなときでしたか」「誰にも気を遣わなくてよいなら、今日はどう過ごしたいですか」といった身近な部分からお聴きします。自分らしさは、特別な才能や壮大な夢のなかだけにあるものではありません。疲れたときに休みたいと感じること、静かな時間を心地よいと思うこと、誰かとゆっくり話したいと思うこと。そのような小さな感覚を取り戻していくことが、自分の人生を選び直すための入り口になります。

「正しい選択」を探し続けるほど、決めることが怖くなる

人生の選択に迷っているとき、多くの方は「後悔しない正解を選びたい」と考えます。転職するべきか、今の仕事を続けるべきか。結婚するべきか、一人で生きる道を選ぶべきか。地元に残るべきか、新しい場所へ進むべきか。どちらにも良い面と不安な面があるため、考えれば考えるほど答えが分からなくなることがあります。

このとき心の中では、「一度選んだら引き返せない」「間違った選択をしたら人生が台無しになる」「周りから失敗したと思われたくない」といった不安が膨らんでいる場合があります。そのため、選択肢そのものを比べるというよりも、失敗や後悔を完全に避けられる道を探し続けてしまいます。しかし、未来をすべて予測することはできません。どれだけ慎重に選んでも、想像していなかった出来事が起こることはあります。反対に、不安を感じながら選んだ道のなかで、新しい可能性に気づくこともあります。

大切なのは、完璧な選択を見つけることではなく、「私は何を大切にして、この道を選ぼうとしているのか」を理解することです。収入の安定を優先したい時期もあれば、心身の余裕を優先したい時期もあります。家族との時間を大切にしたい人もいれば、新しい経験に挑戦したい人もいます。どれが正しいということではなく、今の自分が何を守り、何を育てたいのかによって、納得できる選択は変わります。

私は、決断を急がせるのではなく、「何を失うことが一番怖いですか」「どちらを選んだときに、自分を大切にできそうですか」「選択を変える余地は本当にないのでしょうか」といった部分を一緒に整理します。選べない自分を責める必要はありません。迷っているということは、それだけ自分の人生を大切に考えているということでもあります。迷いを消してから進むのではなく、迷いの中身を理解しながら、自分が納得できる一歩を探していきます。

「やりたいことがない」の奥に、諦めてきた気持ちが隠れていることもある

「自分にはやりたいことがない」「特に好きなこともない」と話す方のなかには、本当に何も望んでいないのではなく、望むことを諦める経験を重ねてきた方もいます。興味を持ったことを話したときに否定されたり、「そんなことをしても意味がない」と言われたり、現実的ではないと繰り返し止められたりすると、次第に自分の希望を口に出さなくなります。

また、家族や仕事を優先しなければならない状況が長く続き、「今は自分のことを考えるときではない」と気持ちをしまい込んできた方もいます。何かを望むと、できない現実に気づいて傷つく。期待すると、かなわなかったときにつらくなる。その痛みから自分を守るために、「別に何もしたくない」と感じるようになることもあります。

このような場合に、急に「夢を見つけましょう」「好きなことを仕事にしましょう」と言われても、かえって負担になります。今まで我慢してきた時間が長いほど、自分の希望はすぐに言葉にならないからです。まずは、やりたいことを探すよりも、「以前はどんなことに興味があったか」「本当はやめたかったのに続けてきたことはないか」「誰かの許可がなくても選べるなら、何を減らしたいか」といった部分から振り返ることが大切です。

私は、前向きな答えだけを求めず、諦めたことや悔しかったことにも丁寧に耳を傾けます。「本当は別の仕事をしてみたかった」「もっと自由に生きたかった」「家族に認めてもらいたかった」といった気持ちは、今さら考えても仕方がないものではありません。それらは、自分が何を大切にしてきたのかを知る手がかりになります。

自分らしさは、急に見つかる明確な答えではなく、これまで抑えてきた感情や小さな希望を少しずつ拾い直すなかで形になっていきます。やりたいことが分からないときは、無理に夢を作らなくても大丈夫です。まずは「本当は嫌だった」「少し気になっていた」「こうだったらうれしい」と感じる自分を否定しないこと。その積み重ねが、他人の正解ではなく、自分の感覚を基準に人生を選ぶ力につながっていきます。

問いかけを重ねながら、他人の期待と自分の価値観を分けていく

問いかけを重ねながら、他人の期待と自分の価値観を分けていく

自分らしさや人生の選択について考えるとき、すぐに「私は何をしたいのか」という答えを出そうとしても、なかなか言葉が浮かばないことがあります。長い間、周囲の期待に応えることや、失敗しない道を選ぶことを優先してきた方にとって、自分の気持ちだけを基準に考えることは、思っている以上に難しいものです。「自由に決めてよい」と言われても、何を基準に選べばよいのか分からず、かえって不安が強くなる場合もあります。

そのようなときに大切なのは、無理に大きな目標を見つけることではありません。今まで当然だと思ってきた選択や、「こうするしかない」と感じている前提を、一つずつ確かめていくことです。「それは本当に自分が望んでいることなのか」「誰かを安心させるために選ぼうとしていないか」「選ばなかったとき、何が起きると思っているのか」と問いかけることで、これまで混ざり合っていた自分の希望と周囲の期待が、少しずつ見分けられるようになります。

リハートカウンセリングでは、私が正解を示したり、進むべき道を決めたりするのではなく、ご本人の言葉の中にある大切な感覚を一緒に探します。答えに迷ったり、途中で気持ちが変わったりしても問題ありません。「そう言ってみたものの、少し違う気がする」という感覚も、自分を知るための重要な手がかりです。

人生の選択は、頭の中だけで損得を比べても決めきれないことがあります。安心したい気持ち、認められたい気持ち、失敗したくない気持ち、自由になりたい気持ちなど、いくつもの感情が同時に動いているからです。それぞれの気持ちを否定せずに整理していくことで、「正しいから選ぶ」のではなく、「自分が大切にしたいものを理解したうえで選ぶ」という方向へ、少しずつ変えていくことができます。

「誰のための選択なのか」を確かめると、迷いの正体が見えてくる

人生の選択に迷っているとき、表面上は自分の将来について考えているようで、実際には周囲の反応を気にしていることがあります。「この仕事を辞めたら親に心配される」「結婚しないと周りから遅れていると思われそう」「安定した道を外れたら、これまでの努力が無駄になる」。このような思いが強いと、自分がどうしたいかよりも、誰かにどう見られるかが判断の中心になってしまいます。

もちろん、家族や周囲の人の気持ちを考えることは悪いことではありません。生活や仕事の選択は自分一人だけに影響するものではなく、現実的な責任を考える必要もあります。ただし、相手への配慮と、自分の希望を完全に抑えることは同じではありません。周囲を大切にしながら、自分の人生についても考えることはできます。

私は、「その道を選ぶと、誰が一番安心しそうですか」「反対されなかったとしたら、気持ちは変わりますか」「誰にも結果を報告しなくてよいなら、どちらを選びたいですか」といった問いを通して、選択の背景を一緒に確認します。問いかけに対して、すぐに明確な答えが出なくても大丈夫です。少し黙ったあとに、「そう考えると、本当は違うことを望んでいるかもしれない」と気づくこともあります。

また、「家族のために選んでいる」と思っていたことが、実は自分が責められたくない、失望されたくないという不安から来ている場合もあります。反対に、周囲に合わせているように見えても、ご本人が家族との安定した暮らしを心から大切にしている場合もあります。外から見ただけでは、その違いは分かりません。

大切なのは、他人の意見をすべて排除することではなく、自分の中で「誰かの期待」と「自分が大切にしたいこと」を区別することです。周囲と同じ道を選んだとしても、それが自分で考えて選んだものであれば、他人軸とは限りません。逆に、人と違う道を選んでも、反発だけが理由であれば、まだ相手の影響を強く受けていることがあります。

誰のために、何を守るために選ぼうとしているのか。それが見えてくると、漠然とした迷いが少しずつ具体的になります。そして、自分の人生に周囲の意見をどの程度取り入れるのかを、自分自身で決められるようになっていきます。

「何を得たいか」だけでなく「何を失うのが怖いか」に目を向ける

進路、転職、結婚、離婚、独立、引っ越しなど、人生の大きな選択を考えるときには、選んだ先で得られるものに目が向きやすくなります。収入が増えるか、時間に余裕ができるか、人間関係がよくなるか、やりがいを感じられるか。こうした条件を比べることは必要ですが、それだけでは決めきれない場合があります。

なぜなら、人が選べずに立ち止まる背景には、「得られるもの」よりも「失うかもしれないもの」への不安が隠れていることがあるからです。仕事を変えたいのに動けない方は、収入だけでなく、今まで積み上げた評価や立場を失うことを怖れているかもしれません。パートナーとの関係に苦しみながら決断できない方は、相手だけではなく、家庭という形や、周囲から見た自分の立場を失うことが不安なのかもしれません。

私は、「その選択によって、何を失うことが一番怖いですか」「今まで頑張ってきた自分を否定するように感じますか」「相手にどう思われることが不安ですか」と問いかけながら、決断を止めている気持ちを整理します。失うことへの怖さを言葉にすると、「私は仕事が好きだから残りたいのではなく、辞めた自分を失敗者だと思いたくなかったのかもしれない」といった気づきにつながることがあります。

ただし、怖れがあるからといって、すぐに反対の選択をする必要はありません。不安の正体が分かったうえで、「それでも今は安定を選びたい」と判断することも、自分らしい選択です。大切なのは、怖れに気づかないまま動けなくなることと、怖れを理解したうえで今の道を選ぶことの違いです。

また、何かを選ぶことは、別の可能性を一時的に手放すことでもあります。そのため、どちらを選んでも少し寂しさや未練が残ることがあります。「迷いが完全になくなったら決めよう」と考えていると、いつまでも動けなくなってしまうかもしれません。納得できる選択とは、何も失わない選択ではなく、何を大切にするために、どの負担を引き受けるのかを理解している選択でもあります。

何を得るかだけでなく、何を失うのが怖いのかを見つめることで、心の中で選択を難しくしているものが見えやすくなります。その怖さを否定せずに扱うことが、人生を自分の手に戻していくための大切な過程になります。

「こうありたい」と思える感覚から、自分の価値観を見つけていく

「自分の価値観を大切にしましょう」と言われても、価値観という言葉が少し難しく感じられることがあります。仕事、家族、自由、安定、成長などの言葉を並べても、どれも大切に思えて、優先順位をつけられない方もいるでしょう。価値観は、頭で立派な言葉を選ぶだけでは見つかりません。日常の中で心が動いた場面や、逆に強い違和感を覚えた経験を振り返ることで、少しずつ輪郭が見えてきます。

たとえば、忙しくても誰かの役に立てたときに充実感を覚えるなら、「貢献すること」を大切にしているのかもしれません。大勢で過ごすより、一人で静かに考える時間に安心するなら、「落ち着き」や「自分のペース」が重要なのかもしれません。仕事で高く評価されても、家族との時間が減ることに苦しさを感じるなら、今の自分にとっては「つながり」や「生活のゆとり」が大きな意味を持っている可能性があります。

私は、「どんな一日を過ごせたら、今日はよかったと思えますか」「これまでの人生で、自分らしくいられたと感じた場面はありますか」「反対に、どんなときに自分を押し込めていると感じますか」といった問いを通して、価値観を具体的な経験と結びつけていきます。抽象的な理想ではなく、実際の生活の中で何を心地よいと感じ、何に苦しさを覚えるのかを確かめることが大切です。

価値観は、一生変わらない固定されたものではありません。若い頃は挑戦や成長を重視していた方が、家庭を持ったあとには安心や時間の余裕を大切にすることもあります。子育てや介護が一段落し、もう一度自分の可能性を広げたいと感じることもあるでしょう。以前と違うものを望むようになったからといって、過去の選択が間違いだったわけではありません。人生の段階が変われば、大切にしたいことも変化します。

自分らしい人生とは、いつも好きなことだけを選ぶ生活ではありません。現実的な責任を引き受けながらも、「今の私は、何を大切にしてこの選択をしているのか」を理解できることが重要です。自分の価値観が分かると、周囲と違う道を選ぶ場合にも、自分なりの理由を持てるようになります。

答えを外に探し続けるのではなく、自分が心地よいと感じた経験、つらかった経験、守りたいと思ったものを丁寧に振り返る。その積み重ねによって、人生を選ぶための自分なりの基準が少しずつ育っていきます。

考え方のクセを整理し、人生の選択を「正解探し」から「納得できる選び方」へ変えていく

Soft pastel illustration of a woman at a desk by a window, with Japanese text about organizing thoughts and making choices.

自分の気持ちや価値観が少しずつ見えてきても、実際に人生の選択をしようとすると、再び不安が強くなることがあります。「本当は今の仕事を変えたい」と気づいても、「転職して失敗したらどうしよう」と動けなくなる。「もっと自分の時間を大切にしたい」と思っても、「家族や職場に迷惑をかけるのではないか」と考え、自分の希望を引っ込めてしまう。気持ちが分かったからといって、すぐに行動できるとは限りません。そこには、これまで自分を守るために身につけてきた考え方のクセが関係していることがあります。

人生の大きな選択を前にすると、「どちらか一方が正しく、もう一方は間違いだ」「一度決めたら変えてはいけない」「失敗すれば、これまでの努力がすべて無駄になる」と考えやすくなります。また、「親なら家族を優先するべき」「この年齢なら安定を選ぶべき」「周りと違う生き方をすれば、きっと後悔する」といった言葉が、いつの間にか自分自身を縛っている場合もあります。こうした考えが浮かぶこと自体は自然なことです。私たちは不確かな未来を前にすると、危険を避けるために悪い可能性を強く予測したり、分かりやすい正解を求めたりします。

リハートカウンセリングでは、認知行動療法の考え方を取り入れながら、「起きた出来事」「そのとき頭に浮かんだ考え」「生まれた感情」「実際に取った行動」を分けて整理します。たとえば、転職情報を見たという出来事に対して、「自分には通用しない」「失敗したら人生が終わる」と考えたことで、不安が強くなり、何も調べずに画面を閉じたのかもしれません。出来事そのものではなく、そこにどのような意味づけをしたかによって、気持ちや行動が変わることがあります。

ここで目指すのは、不安をなくしたり、何でも前向きに考えたりすることではありません。今の考えが唯一の見方なのか、別の可能性はないのかを確かめ、自分にとって現実的で柔らかな受け止め方を探していきます。正しい道を一度で選ぶのではなく、選んだあとも立ち止まり、必要なら調整できる。そのような考え方が持てると、人生の選択は「絶対に失敗できない試験」ではなく、「自分の価値観を確かめながら進む過程」へと変わっていきます。

「一度選んだら変えられない」という思い込みが、決断を重くしている

転職、結婚、離婚、引っ越し、独立など、人生に関わる選択ほど、「一度決めたら後戻りできない」と感じやすいものです。選択肢の前で長く迷っている方のなかには、決めることそのものよりも、その後に気持ちが変わることを怖れている方もいます。「途中でやめたら根気がないと思われる」「選び直したら失敗を認めることになる」「周りに迷惑をかけるから、最後まで続けなければならない」。このような思いがあると、選択は人生全体を決める最終決定のように感じられます。

けれど、私たちは未来のすべてを知ったうえで決めることはできません。選ぶ時点で分かっている情報と、そのときの自分が大切にしたいことをもとに判断するしかないのです。実際に経験して初めて分かることもあります。新しい仕事に就いてみて、自分には別の働き方が合うと気づくこともあれば、期待していた環境とは違うと感じることもあります。それは、最初の選択が間違っていたというより、新しい情報を得たということです。

私は、「本当に一度しか選べないのでしょうか」「小さく試す方法はありませんか」「合わなかった場合、どのように調整できそうですか」と問いかけながら、選択を現実的な大きさに戻していきます。転職を考えるなら、いきなり退職する前に求人を見る、興味のある業界の人に話を聞く、必要な勉強を短期間試すといった方法があります。住む場所を変えたいなら、候補地を訪れたり、短期滞在を試したりすることもできます。

すべての選択を簡単に取り消せるわけではありません。それでも、多くの場合は、選択したあとに工夫したり、助けを求めたり、方向を微調整したりする余地があります。「正しく選ばなければならない」と考えると、未来の自分に選び直す力がないように感じてしまいます。しかし、今後の自分にも状況を見ながら考え、必要な行動を取る力があります。

選択とは、未来を完全に固定することではありません。今の自分が納得できる方向へ一歩進み、そこで得た経験をもとに次の一歩を考えることです。「選び直してもよい」という余白が生まれると、決断の重さが少し軽くなり、自分の気持ちを確かめるための行動を起こしやすくなります。

「失敗したらすべて終わり」という予測を、現実に合った見方へ整える

人生の選択で不安が強くなると、まだ起きていない未来について、最も悪い展開を想像してしまうことがあります。「転職して合わなかったら、もう働ける場所がなくなる」「関係を見直したら、一生一人になる」「挑戦して失敗したら、周りから笑われる」。このような考えが浮かぶと、体は実際に危険が迫っているかのように緊張し、何もしないことが一番安全に思えてきます。

これは、破局的思考や未来予測と呼ばれる考え方のクセに近いものです。悪い結果が起きる可能性を大きく見積もり、その結果が起きたら立ち直れないと考えてしまいます。不安を感じているときは、うまくいかなかった場合に使える支援や、自分がこれまで困難を乗り越えてきた経験が見えにくくなることもあります。

私は、「その結果が起きる可能性は、どのくらいあると思いますか」「仮に起きた場合、どのような対応ができますか」「これまで予想外の出来事が起きたとき、どうやって対処してきましたか」と一緒に整理します。ここで大切なのは、「絶対に大丈夫」と言い聞かせることではありません。悪いことが起きる可能性を否定するのではなく、良い結果や中間的な結果も含めて、複数の可能性を見られるようにすることです。

たとえば、「転職に失敗したら人生が終わる」という考えに対しては、「仕事内容が合わず、もう一度転職を考える可能性はある」「収入が一時的に下がるかもしれない」「一方で、今より心身の負担が減る可能性もある」「経験を通して自分に合う条件が分かるかもしれない」と、いくつかの現実的な展開を考えられます。未来は成功か破滅かの二つだけではありません。

また、不安が示している準備の必要性にも目を向けます。生活費が心配なら貯蓄や支出を確認する、働き方が不安なら情報を集める、身近な人の反応が怖いなら伝え方や相談先を考える。不安をただ消そうとするのではなく、準備へつなげることで、自分で対処できる感覚が育ちます。

失敗を避けることだけを基準にすると、挑戦しなかった後悔や、今の苦しさを抱え続ける負担が見えなくなることがあります。何もしないことにも、時間や心身の負担という結果があります。悪い未来だけを大きく見るのではなく、選ばない場合も含めて現実的に考えることで、自分にとって納得できる判断へ近づいていきます。

「こうするべき」を緩めると、自分に合った人生の形が見えてくる

人生について悩んでいるとき、心の中にたくさんの「べき」が並んでいることがあります。「正社員として安定して働くべき」「結婚して家庭を持つべき」「親の期待に応えるべき」「一度始めたことは最後まで続けるべき」「自分より家族を優先するべき」。こうした考えは、社会生活を送るうえで役立つ面もあります。責任を持つことや、周囲への配慮を忘れないことは大切です。

しかし、「べき」が強くなりすぎると、自分の体調や価値観、置かれている状況に関係なく、決められた型に自分を合わせようとしてしまいます。本当は疲れていても、「みんな頑張っているから休んではいけない」と考える。本当は今の関係に苦しさを感じていても、「家族なのだから我慢するべき」と気持ちを抑える。その結果、自分らしく生きることが、わがままや責任放棄のように感じられることがあります。

私は、「その『べき』は、いつ頃から大切になりましたか」「守らなかったら、何が起きると思いますか」「自分以外の人が同じ状況なら、同じように求めますか」と問いかけます。自分には厳しい基準を向けていても、大切な友人には「無理をしなくてよい」と言える方は少なくありません。その違いに気づくと、自分にだけ過度な責任を背負わせていたことが見えてきます。

「べき思考」を緩めることは、何でも好き勝手に行動することではありません。「必ずこうしなければならない」を、「できればそうしたい」「今の自分には別の方法もある」に言い換え、状況に応じて選べるようにすることです。たとえば、「親の期待に応えるべき」を、「親を大切にしたい気持ちはある。それと同時に、自分の人生についても考えてよい」と捉え直すことができます。

また、「一般的な幸せ」と「自分に合う幸せ」は、同じとは限りません。多くの人が選ぶ安定した道が心地よい方もいれば、変化や自由を大切にしたい方もいます。人とのつながりを中心に暮らしたい方もいれば、一人の時間を十分に持つことで穏やかに過ごせる方もいます。どちらが上ということではありません。

周囲の基準をすべて捨てる必要はありません。大切なのは、それを唯一の正解にしないことです。「こうするべき」に気づき、「私は本当はどうしたいか」「今の私に無理のない形は何か」を考える余地をつくる。その余白が、自分の価値観に合った人生を選ぶ力につながっていきます。

正しい人生を探すのではなく、自分で確かめながら選べる毎日へ

正しい人生を探すのではなく、自分で確かめながら選べる毎日へ

自分らしさや人生の選択について整理する目的は、迷いを完全になくし、これから先の正解を一度で決めることではありません。どれほど丁寧に考えても、未来の出来事をすべて予測することはできませんし、今は納得している選択でも、環境や年齢、家族との関係、自分の体調などが変われば、気持ちが変化することもあります。だからこそ大切なのは、「絶対に間違えない道」を見つけることではなく、その時々の自分の気持ちと価値観を確かめながら、必要に応じて選び直せる力を育てていくことです。

自分らしく生きると聞くと、周囲の意見に左右されず、好きなことだけを自由に選ぶ生き方を想像するかもしれません。しかし、実際の人生では、仕事や収入、家族との関係、健康、住む場所など、さまざまな現実を考える必要があります。自分らしさとは、それらの事情を無視することではありません。現実的な制約があるなかでも、「私は何を大切にしたいのか」「どこまでなら引き受けられるのか」「本当は何に苦しさを感じているのか」を見失わず、自分なりの理由を持って選ぶことだと私は考えています。

リハートカウンセリングでは、気持ちを丁寧にお聴きし、問いかけを通して価値観や不安の背景を整理し、認知行動療法の視点から選択を難しくしている考え方のクセを見つめていきます。そのうえで、すぐに人生を大きく変えるのではなく、日常のなかで試せる小さな行動を一緒に考えます。選んだあとに不安になったり、以前の考え方に戻ったりすることがあっても、それは振り出しに戻ったわけではありません。迷いながらも自分の感覚を確かめ、小さく選び、必要なら調整する。その積み重ねによって、他人の正解に合わせる人生から、自分で納得しながら進む人生へと少しずつ変わっていきます。

大きな決断の前に、日常の小さな選択から自分の感覚を取り戻す

「自分らしい人生を選びたい」と思うと、転職や独立、結婚、離婚、引っ越しなど、大きな決断をしなければ何も変わらないように感じることがあります。しかし、自分の気持ちを長く後回しにしてきた方が、いきなり人生を左右する選択をしようとすると、不安が強くなり、かえって動けなくなることがあります。そのようなときは、まず毎日の小さな場面で、自分の感覚を確かめることから始めてよいのです。

たとえば、休日をどのように過ごすか、何を食べたいか、誘いを受けるか断るか、疲れているときに休むか無理をするか。これらは一見すると、人生の方向とは関係のない小さな選択に見えます。しかし、自分より周囲を優先することが習慣になっている方にとって、「今日は一人でゆっくりしたい」「今は引き受けられない」「私はこれが好き」と感じ、それを行動に反映させることは、自分らしさを取り戻す大切な練習になります。

私は、「今日一日のなかで、自分の希望を一つ選ぶとしたら何ですか」「本当は断りたかったことはありませんか」「少しだけ試してみたいことはありますか」といった問いを通して、無理のない行動を一緒に考えます。大きな夢や明確な将来像がなくても、今の自分にとって心地よいことや、これ以上続けると苦しくなることが分かれば、それは立派な判断材料です。

小さな選択をしたあとには、結果だけでなく、自分がどのように感じたかを振り返ることも大切です。誘いを断ったあとに罪悪感があったとしても、同時にほっとした気持ちがあったかもしれません。少し興味のあることを試して、思っていたほど楽しくなかったと気づくこともあります。それも失敗ではなく、自分について新しい情報を得たということです。

自分らしさは、頭の中で考え続けるだけでは見つからないことがあります。小さく選び、そのときの気持ちを確かめ、合わなければ別の方法を試す。その経験を重ねることで、「私はこういう時間が好きなのかもしれない」「この環境では無理をしやすい」「こういう人といると安心できる」といった、自分なりの傾向が見えてきます。人生を一度で決めようとせず、日常の小さな選択から自分との信頼関係を育てることが、納得できる未来へつながっていきます。

迷いや不安が戻ってきても、選択が間違っているとは限らない

時間をかけて選んだにもかかわらず、決断したあとに「本当にこれでよかったのだろうか」と不安になることがあります。転職を決めたあとに今の職場の良いところが目についたり、関係を見直そうとした途端に寂しさが強くなったり、新しい挑戦を始めてから以前の安定した生活に戻りたくなったりすることもあるでしょう。そのような気持ちが生まれると、「迷いが残っているのだから、この選択は間違いだったのではないか」と考えてしまいがちです。

しかし、何かを選ぶことは、同時に別の可能性を手放すことでもあります。たとえ納得して選んだとしても、選ばなかった道への未練や、慣れ親しんだ環境を離れる寂しさが残ることは自然です。新しい方向へ進むときには、期待だけでなく、不安や後悔のような感情も一緒に動きます。迷いがあることと、選択が間違っていることは同じではありません。

私は、選んだあとに不安が出てきたときも、「不安になってはいけない」と抑え込むのではなく、その中身を一緒に整理します。「新しい道そのものが合わないと感じているのか」「変化に慣れていないことで怖くなっているのか」「周囲の反応を見て、自分の選択に自信が持てなくなっているのか」。同じ不安に見えても、背景によって必要な対応は変わります。

たとえば、転職後に不安を感じている場合、新しい仕事が自分の価値観と本当に合っていないこともあれば、まだ環境に慣れておらず、自分の力を発揮できていないだけかもしれません。すぐに続けるか辞めるかを決めるのではなく、「いつまで様子を見るか」「何が改善すれば続けられそうか」「誰に相談できるか」といった基準をつくることで、落ち着いて状況を確かめられます。

以前の考え方のクセが戻ってくることもあります。「やはり周りに合わせるべきだった」「自分の希望を優先したから悪いことが起きた」と考えてしまう日もあるでしょう。それは、自分らしく生きる力がなくなったのではなく、長く続けてきた習慣が顔を出している状態です。気づいたときに、「今、また他人の評価だけで決めようとしているかもしれない」と立ち止まれれば、それも前進です。

選択したあとも、自分の気持ちや状況を見直して構いません。続けることだけが責任ではなく、必要なときに修正することも、自分の人生を大切にする行動です。不安や迷いを、失敗の証拠ではなく、今の自分を確認するための知らせとして受け止められるようになると、変化のなかでも自分を見失いにくくなります。

他人の評価ではなく、自分で納得できた経験を少しずつ積み重ねる

周囲の期待に応えることを大切にしてきた方は、何かを選んだあとも、「褒めてもらえたか」「間違っていないと言ってもらえたか」「普通の生き方に見えているか」を確認したくなることがあります。人から認められると安心し、反対されたり理解されなかったりすると、急に自分の判断が間違っているように感じることもあるでしょう。

誰かに相談したり、客観的な意見を聞いたりすることは大切です。ただし、周囲の反応だけを選択の基準にすると、いつまでも自分の人生に確信を持ちにくくなります。どれほど慎重に選んでも、全員が賛成してくれるとは限りません。同じ選択を見ても、「勇気がある」と感じる人もいれば、「安定を捨てるなんてもったいない」と感じる人もいます。相手の価値観によって評価は変わるため、他人からの承認だけでは、自分らしい選択の基準をつくることは難しいのです。

そこで大切になるのが、「自分で選び、その結果を自分で確かめた経験」です。たとえば、人の期待ではなく自分の体調を考えて予定を断り、結果としてゆっくり休めた。興味のある講座に参加してみて、すぐに仕事にはつながらなくても、久しぶりに夢中になれた。苦手だったことを無理に続けるのをやめたことで、心に少し余裕が生まれた。このような経験は、他人から見れば小さなものでも、「自分の感覚を大切にしてよかった」と思える土台になります。

私は、行動した結果を「成功したか、失敗したか」だけで振り返るのではなく、「どの部分は自分に合っていたか」「どんな気持ちになったか」「次に調整するとしたら何か」を一緒に確認します。思い通りの結果にならなかったとしても、自分で選んだ経験から得られるものはあります。「この働き方は合わなかった」「私は挑戦そのものより、安心できる人間関係を求めていた」と分かれば、次の選択は以前より自分に近いものになります。

また、周囲から理解されなかったときに、自分の気持ちまで否定する必要はありません。「相手は安定を大切にしている。私は今、心身の余裕を大切にしたい」と、それぞれの価値観を分けて考えることができます。相手の意見を聞きながらも、最後は自分で何を引き受けるかを決める。その経験が、自分の人生に責任を持つ感覚につながります。

自分らしさは、「これが本当の私だ」と一度見つければ完成するものではありません。さまざまな経験のなかで、心地よいこと、苦しいこと、守りたいもの、変えていきたいことを確かめながら育っていくものです。他人から見て正しい人生ではなく、自分が振り返ったときに「迷ったけれど、自分なりに考えて選んだ」と思える人生。そのような選択を一つずつ積み重ねることが、自分らしく生きることにつながっていきます。

自分らしい人生を、一人で決めようとしなくても大丈夫です

自分らしい人生を、一人で決めようとしなくても大丈夫です

「自分が本当はどうしたいのか分からない」
「どの道を選んでも後悔しそうで、動けない」
「周囲の期待を優先してきたため、自分の希望が見えなくなっている」

このような迷いを抱えていると、考える時間を増やせば答えが見つかるように思えるかもしれません。けれど、一人で考え続けるほど、「失敗してはいけない」「正しい答えを出さなければならない」という思いが強くなり、かえって自分の気持ちが分からなくなることもあります。

リハートカウンセリングでは、最初から進むべき道を決めたり、無理に前向きな結論を出したりすることはありません。まずは、今感じている迷い、違和感、不安、諦めきれない思いを丁寧にお聴きします。話がまとまっていなくても、「今のままでは苦しいけれど、何を変えたいのか分からない」という状態のままで大丈夫です。

お話を伺いながら、

「誰の期待に応えようとしているのか」
「選ばなかったとき、何が起きると思っているのか」
「本当は何を守り、何を大切にしたいのか」

といった問いかけを重ね、自分の希望と周囲の期待を少しずつ分けていきます。

さらに、認知行動療法の考え方を取り入れ、「失敗したらすべて終わる」「この年齢ならこうするべき」「一度選んだら変えてはいけない」といった、人生の選択を難しくしている考え方のクセも整理します。

目指すのは、迷わず決断できるようになることではありません。不安や迷いがあっても、自分の気持ちを確かめながら、そのときの自分が納得できる一歩を選べるようになることです。

転職、働き方、結婚や離婚、家族との関係、これからの生き方など、人生について一人で考え続けている方は、今の気持ちを言葉にするところから始めてみませんか。

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まだ相談する内容がきれいに整理できていなくても問題ありません。今抱えている迷いを、そのままお話しください。自分にとって大切なものを一緒に見つけながら、他人の正解ではなく、自分で納得できる選び方を整理していきます。

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