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ヤングケアラーの悩み相談事例|親との関係に苦しんだ20代女性が安心して本音を話せた理由

ヤングケアラーの悩み相談事例|親との関係に苦しんだ20代女性が安心して本音を話せた理由

20代になってもずっと、誰にも言えない重い役割を抱えてきたAさん。幼い頃から発達障害や身体の不自由さのある母親の介護を続け、いつしか「自分の人生とは何だろう」と問い続ける日々になっていました。社会人として自立した今でも、親との関係を一歩引いて見つめるとき、胸の奥にはずっと消えない疲れや怒り、そして「縁を切りたい」という言葉がありました。

誰もが抱えるには重すぎる想いを、どう言葉にしていいのか分からない—そんなとき、Aさんはそっと私のもとを訪れました。まずはその声と想いを丁寧に受け止めることから、この物語は始まります。

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投稿者プロフィール

浅野 好子
浅野 好子よりびと
■待機時間:18時~23時(シフト制)
※シフトは2週間単位で掲載します

■年齢:40代

■ キャッチコピー:場の雰囲気を大切にします


■ 得意なテーマ

– 誰にも言えない話の受け止め

■ 聴き方・スタイル

– 急かさず、ご自身のペースを大切に聴きます

■ 経験

– 看護師として約20年実務するなかで、子どもから高齢者まで疾患を問わず様々な方と関わらせていただきました。
– 精神疾患を抱える患者様との関わりは、いかに対話することが大切かということを実感しました。
– 国際結婚をし、海外に住んでいた経験もあります。
– 語学学校で多国籍に色々な国の方と出会い視野も広がりました。

■ 大切にしていること

– どんなお話も否定せずゆっくり聴くこと

■ 人柄・ユニークポイント

– 好きなもの:料理 海外旅行
– よく言われる性格:落ち着いている 咄嗟のことに動じない冷静さ 機転が効く
– ちょっとしたこだわり:ハマると収集癖があります
– 聴き手としての密かな強み:安心感を与えること


■ メッセージ

どんな些細なお話でも大丈夫です。言葉に詰まっても、沈黙も苦しくないような雰囲気作りを心がけます。
お気軽にお話しくださいね。

目次

ヤングケアラーとして育ったAさんが抱えてきた「終わらない責任」

子どもの頃って、本来は「守られる側」のはずですよね。けれどAさんは、幼い頃から“家の中の大人役”を担い続けてきました。発達障害と身体障害のあるお母さんの生活を支えることが日常になり、気づけば「自分の予定より、母の都合」「自分の気持ちより、家が回ること」が優先になっていたそうです。周りにはうまく説明できないし、話すほど重くなる気がして、ずっと胸の奥にしまい込んできたものもありました。

社会人になって家を出て、ようやく自分の生活を作れたはずなのに、ふとした拍子に連絡が来ると心がザワつく。「また自分が何とかしないといけないのかな」と体が先に反応してしまう。そんな積み重ねの先に出てきたのが、「親と縁を切りたい」という言葉でした。冷たい決断というより、限界まで頑張った人が絞り出す“最後のSOS”に近いものだったのだと思います。

子どもなのに「大人役」をしてきた日々

Aさんの話を聴いていて印象的だったのは、「当たり前にやってきた」と淡々と言うところでした。家の事情が大変だと、子どもは状況を理解しようとして、頑張り方を覚えていきます。Aさんもきっと、そうやって身につけてきたんだと思います。

たとえば、母の体調や気分に合わせて動く、家の空気を読んで先回りする、お金や手続きの心配まで頭の片隅で考える。そういう日々が続くと、“自分の感情を感じる余裕”がなくなっていきます。「嫌だ」「怖い」「つらい」って思っても、そこに立ち止まると家が回らない。だから無意識に、感じないようにするクセがつくんですよね。

Aさんは大人になってからも、そのクセが抜けませんでした。仕事でしんどくなっても、「私が弱いだけ」「もっと頑張らないと」と自分に厳しくしてしまう。ヤングケアラーの経験って、過去の話に見えて、実は“今の生き方”にも深く残ります。だからこそ、まずは「あの頃の自分、よくやってたよね」と認めてあげるところから、少しずつ回復が始まることが多いです。

「家を出たのに、心が自由になれない」理由

家を出て自立したら、全部が楽になる…そう思いたいし、周りもそう言いがちです。でもAさんのように、長い間“責任を背負う役割”をしてきた人ほど、物理的に距離を取っても心が追いつかないことがあります。

たとえば、母から連絡が来るだけで胃がキュッとなる。通知音が鳴った瞬間、体が固まる。内容を見なくても「また何か頼まれる」「断ったら罪悪感が来る」と頭が先に想像してしまう。これって意志が弱いからじゃなくて、長年の経験で脳と体が学習してしまった反応なんです。

さらに、Aさんの家庭では父親の問題も重なっていました。暴力や借金など、安心できる土台が少ない環境で「自分が何とかしなきゃ」と頑張り続けると、“安心の感覚”を育てる時間が足りなくなります。自立しても、心の中にずっと警報が鳴っているような状態になりやすい。

だからAさんが「縁を切りたい」と言ったのは、親を嫌いになったからというより、「このままだと私が壊れる」という危機感が背景にあったのだと思います。そこを丁寧に言葉にしていくことが、次の一歩につながっていきます。

「縁を切りたい」と言いながら、罪悪感も消えない

Aさんの言葉は強いのに、同時にどこか苦しそうでした。親と距離を取りたいのに、「でも見捨てたみたいで…」という気持ちがついてくる。これはヤングケアラー経験がある人にすごく多い感覚です。

「家族なんだから助けるべき」「子どもなんだから面倒を見るべき」みたいな考えが、頭の中に根強く残ります。しかも周囲からも、無意識にその“正しさ”を押し付けられやすい。そうすると、距離を取る=悪いこと、みたいに感じてしまうんですよね。

でも、ここで大事なのは「親を助けるか、縁を切るか」の二択にしないことです。多くの場合、苦しさを減らすポイントは“境界線(線引き)”を作ることにあります。連絡の頻度を減らす、金銭の援助はルールを決める、困りごとは第三者の制度につなげる。つまり「全部背負う」をやめる方向へ少しずつ動く。

Aさんの場合も、まずは「あなたが全部を抱え込む必要はない」と繰り返し確認しながら、罪悪感が出てきても否定せずに、「それだけ頑張ってきた証拠だよね」と受け止めていくことが大切になっていきました。罪悪感を消すことより、罪悪感があっても“自分を守る選択”ができるようになること。そこが最初の大きな転機になります。

「縁を切りたい」と思うほど追い詰められたのは、心が限界を知らせていたから

Aさんが口にした「親と縁を切りたい」という言葉は、とても強く聞こえます。でも実際は、冷たさや怒りだけで出てきたものではありませんでした。むしろその奥には、長い間がんばり続けてきた人ほど抱えやすい“疲れの底”がありました。

家を出て自立しても、親の問題が完全に終わるわけではない。連絡が来れば揺さぶられ、お金の話が出れば胸がざわつき、頼られると断れない自分が顔を出す。そうやって少しずつ、心のエネルギーが削られていく感覚です。

しかもAさんは、「親の役割がそもそもなかった」という思いを抱えていました。本来守られるはずの時期に、守られなかった。その穴を抱えたまま大人になり、さらに親を支える側に回らざるを得なかった。矛盾だらけの状況の中で、怒りが出るのは自然なことです。

「縁を切りたい」は、わがままじゃありません。これ以上抱えたら自分が壊れる、というサインだったのだと思います。ここからは、Aさんがどんな風に追い詰められていったのか、その背景を少しずつ整理していきます。

「自分の人生が進まない感じ」が積もっていった

Aさんが感じていたのは、単なる忙しさではなく、「私の人生って、いつ始まるの?」という感覚でした。家を出て働いているのに、心のどこかがずっと家族に引っ張られている。

たとえば、仕事で疲れて帰ってきた夜に母から連絡が入ると、一気に現実が変わってしまう。短い連絡でも、気持ちが持っていかれる。頼まれていなくても「どうせ私がやらなきゃ」と考えてしまう。そういう状態が続くと、未来の予定を立てるのが怖くなるんですよね。予定を立てても崩される気がしてしまうから。

恋愛の話をしていても、頭の片隅では家族の心配が残る。友達と会っていても、どこか心が落ち着かない。こういう“地味なストレス”って、外からは見えにくいけれど、確実に人を消耗させます。

Aさんの場合、「自分が幸せになっていいのかな」というブレーキも強かったように感じます。幼い頃から家のために動いてきた人ほど、自分の楽しみや休みを「後回しにするクセ」が根強いです。だからこそ、まずは「人生が進まない感じ」を言語化して、“疲れの正体”を見つけることが大切になります。

親に対する怒りと、手放せない責任感のねじれ

Aさんは怒っていました。でもその怒りは、ただ相手を責めたい気持ちというより、「こんなに頑張ってきたのに」という悲鳴に近かったと思います。

ヤングケアラーとして育つと、親に対して複雑な感情が混ざりやすいです。かわいそうだと思う気持ちもあるし、助けたい気持ちもある。でも同時に、「どうして私が」「なんで私ばかり」と思ってしまう。ここがねじれて苦しくなるんですよね。

さらに、親側の「子どもだから面倒を見てくれてもいい」という雰囲気があると、境界線がどんどん曖昧になります。子どもが大人になっても“役割”が続いてしまう。Aさんはその中で、「断ったら悪い人になる」「見捨てたと思われる」と感じやすくなっていました。

でも実際は、責任感が強い人ほど追い詰められます。頑張れる人ほど頼られるし、頼られるとまた頑張ってしまう。優しさと責任感が、結果的に自分を苦しめる形になることもあります。

ここで大切なのは、「怒りを消す」ことではなく、「怒りが出る背景」を理解すること。怒りは、心の境界線が踏まれたときに出てくる“防衛反応”でもあります。怒りを悪者にせず、必要なサインとして扱う視点が、Aさんにとって大きな助けになっていきました。

心と体に出ていた「限界のサイン」を見逃せなかった

Aさんは「最近になって、親との関係を断ちたいと思うようになった」と話していましたが、その裏には、心と体の限界がじわじわ積み重なっていた感じがありました。

たとえば、仕事がうまくいかない日が増える。休みがちになる。自分を責める気持ちが強くなる。こういう状態って、本人は「怠けてるだけ」と思いがちなんですが、実際はエネルギーが底をついているサインのことが多いです。

さらにAさんは、「育った環境が悪いから今もダメなんだ」と自己嫌悪に落ちていました。これって、真面目な人ほどなりやすいんですよね。原因を探して、解決しようとする。でも原因が大きすぎると、考えれば考えるほど出口が見えなくなる。

大事なのは、ここで無理に前向きになろうとしないことです。まずは「ここまで消耗してたんだね」と認めること。しんどさを“正当化”するって、実は回復の第一歩になります。

Aさんが「縁を切りたい」と言ったのは、関係を壊したいからではなく、自分を守りたいから。そう捉え直せたことで、ようやく「どう距離を取ればいいか」「どこまでなら関われるか」という現実的な話に進める土台ができていきました。

「縁を切る」だけじゃない。境界線を作ることで、心がふっと軽くなった瞬間

Aさんが「親と縁を切りたい」と言ったとき、その言葉の強さの裏にある疲れや怒り、そして長年の我慢が伝わってきました。だからこそ、この段階で大切にしたのは、正解を急いで出すことではなく、まず「ここまで抱えてきた重さ」を一緒にほどいていくことでした。

親子の問題って、誰かが100%悪い・100%正しい、みたいに割り切れないことが多いですよね。Aさん自身も、母を見捨てたいわけじゃない気持ちと、もう限界だという気持ちの間で揺れていました。そこで視点を少し変えて、「縁を切る/切らない」の二択ではなく、「境界線(線引き)を作る」という選択肢を増やしていきました。

たとえば、連絡の頻度、金銭的な援助、頼まれごとの範囲。全部を背負うのではなく、できること・できないことを分けていく。さらに「困りごとは制度や第三者に預けてもいい」という考え方も加える。そうやって“抱え方”を変えていくと、不思議と心の息苦しさが少しずつ薄れていきます。

Aさんにとっての転機は、「私は親の人生の責任者じゃない」と言葉にできた瞬間でした。ここから、関係を壊すためではなく、自分を守るための距離の取り方が見えていきました。

まずは「否定されない場」で気持ちを全部出してもらった

Aさんの話はとても重たい内容でした。家庭のこと、母のこと、父のこと、借金のこと。どれも一気に人に話せるようなものではないし、話したら引かれるんじゃないか、と不安になるのも自然です。

だから最初に意識したのは、「今ここでは、結論を出さなくていい」という空気を作ることでした。縁を切りたいと言ってもいいし、罪悪感があってもいい。矛盾していてもいい。そうやって“どんな感情でも置いていい場所”を確保すると、人は少しずつ本音に近づけます。

Aさんもはじめは、「私が悪いのかもしれない」「こんなこと言うのはひどいですよね」と、自分を責める言葉が多かったです。でも、責める言葉の奥にはいつも、ちゃんと“本当の気持ち”が隠れています。

「もう疲れた」
「私の人生がほしい」
「普通の家がうらやましかった」

そんな言葉が少しずつ出てきたとき、Aさんの表情がふっと変わったのを覚えています。気持ちを言葉にしても否定されない経験は、それだけで回復のスイッチになることがあります。まずはそこが、大きな一歩でした。

「親だから」ではなく「自分はどうしたいか」に軸を戻す

Aさんの中には、「親なんだから助けるべき」「子どもは面倒を見るべき」という前提が強く残っていました。これは本人の性格というより、長年の生活の中で染み込んだ“役割”の感覚だと思います。

でも、その前提のままだと、どうしても結論が苦しくなります。助ける=正しい、助けない=悪い、みたいに二択になりやすいからです。そこで少しずつ、問いを変えていきました。

「母がどう思うか」より先に、
「Aさんはどうしたい?」
「どこまでなら関われそう?」
「どんな距離なら生活が守れそう?」

こういう質問って、最初は答えにくいんです。だって今まで、Aさんは自分の希望より“家の都合”を優先してきたから。でも、答えにくいからこそ意味があります。自分の気持ちを置き去りにしてきた時間が長いほど、取り戻すには練習が必要なんですよね。

Aさんが少しずつ話してくれたのは、「連絡が来るだけでしんどい」「お金の話はもう無理」「今は自分の生活を守りたい」という本音でした。ここが言えるようになると、現実的な線引きが作りやすくなります。親子関係の修復より先に、“自分の人生の軸”を取り戻すこと。これが転機の土台になりました。

「全部背負う」をやめるための具体的な線引きを一緒に考えた

気持ちが整理されてくると、次に必要なのは「じゃあどうする?」という具体策です。ただ、ここでも急ぎすぎるとしんどくなります。Aさんは長年、緊急対応を繰り返してきたので、“一気に決める”こと自体が負担になりやすい。だから、できる範囲で小さく区切って考えていきました。

たとえば連絡については、「すぐ返信しない」「夜は見ない」「週に一回だけ確認する」など、ルールを決める方法があります。金銭面については、「援助はしない」と決めるのが難しければ、「上限を決める」「制度を調べるまで保留にする」でもいい。ポイントは、Aさんの生活が崩れない範囲を基準にすることです。

また、母の困りごとを全部Aさんが処理するのではなく、行政サービスや相談窓口、支援制度など“外に預ける”発想も大切になります。家族だけで抱えると、どうしても感情と責任が絡み合って苦しくなるからです。

Aさんが印象的に言っていたのは、「縁を切るって言葉しかなかったけど、距離の取り方って色々あるんですね」という一言でした。これがまさにここでのポイントです。選択肢が増えると、人は極端な結論に追い込まれにくくなります。Aさんの心も、そこから少しずつ軽くなっていきました。

距離を取ったことで見えてきた、「私の人生を生きていい」という感覚

Aさんは最初、「親と縁を切りたい」と強い言葉で話していました。でも関わり方を整理して、少しずつ境界線を作っていく中で、表情や言葉が変わっていきました。縁を切るかどうかの前に、「自分の生活を守る」「自分の心をすり減らさない」ことを最優先にしていいんだ、と実感できたからです。

距離を取るのは、冷たい決断ではありません。むしろ、これ以上壊れないための“自分を大事にする行動”です。Aさんも、連絡の頻度やお金の話の線引きを決めたことで、以前のように感情が爆発して衝突する回数が減り、気持ちが落ち着く時間が増えていきました。

そして何より大きかったのは、「私が全部背負わなくても、世界は終わらない」と分かってきたこと。自分の幸せを後回しにしない。疲れたら休む。困ったら誰かに頼る。そういう当たり前のことを、Aさんは少しずつ自分に許せるようになっていきました。ここでは、その変化と、同じように悩む人へ伝えたいポイントをまとめていきます。

感情的な衝突が減ったのは「心の余裕」が戻ってきたから

Aさんが距離を取ってからまず感じたのは、「前ほどイライラしなくなった」という変化でした。これは、母との関係が劇的に良くなったというより、Aさんの心に余白ができたことが大きいと思います。

人は余裕がないときほど、言葉が尖りやすくなります。小さな一言に反応したり、過去のことまで一気に思い出して爆発したり。Aさんも以前は、連絡が来るだけで心が乱れ、結果的に衝突が増えていました。

でも「夜は返信しない」「金銭の話はすぐ答えない」など、自分の守り方が決まってくると、刺激に対する反応が変わります。急に襲ってくる不安や怒りが、“少し手前で止まる”ようになるんです。

この変化って、すごく大事です。なぜなら、衝突が減ると自己嫌悪も減るから。「また怒ってしまった」「私ってダメだ」と責める回数が少なくなると、さらに余裕が戻る。良い循環が作られていきます。

親子関係の改善って、必ずしも“仲良しになること”じゃありません。まずは衝突の回数を減らして、心が落ち着く日を増やす。それだけでも、生活はかなり楽になります。Aさんの変化は、まさにそこから始まっていきました。

「縁を切りたい」が「距離を選べる」に変わると楽になる

Aさんにとって、「縁を切りたい」という言葉は、限界の中で絞り出したSOSでした。二択しか見えないとき、人は強い言葉にたどり着きます。切るか、我慢するか。やるか、潰れるか。そういう状態ですね。

でも、境界線を作って選択肢が増えると、言葉も変わっていきます。「完全に縁を切る」ではなく、「今は距離を置く」「連絡の頻度を落とす」「ここまでなら関わる」といった、現実的な調整ができるようになります。

この“調整できる感覚”が持てると、心の負担が一気に減ります。なぜなら、人生が「他人の都合で全部決まる」状態から、「自分で選べる」状態に近づくからです。Aさんも、少しずつ「私はどうしたい?」を自分に聞けるようになり、以前より落ち着いて判断できる場面が増えていきました。

もちろん、罪悪感がゼロになったわけではありません。たまに揺れる日もある。でも揺れたとしても、「また戻っていい場所(自分の境界線)」があると、人は立て直せます。

“縁を切るかどうか”を急いで決めなくてもいい。まずは「自分が壊れない距離」を決める。Aさんのケースは、その大切さを教えてくれました。

同じ悩みを抱える人へ—一人で抱え込まないためのヒント

家族の話って、すごく話しづらいですよね。「重いと思われそう」「親の悪口みたいになる」「私が我慢すればいいのかな」って、つい飲み込んでしまう。Aさんもまさにそうでした。だからこそ、最初に話してくれたこと自体が、ものすごく大きな一歩だったと思います。

もし今、同じように「親がしんどい」「距離を取りたい」「でも罪悪感がある」と悩んでいるなら、まず覚えていてほしいのは、あなたが弱いわけでも冷たいわけでもない、ということです。限界まで頑張った人ほど、そう感じやすいだけなんです。

そして大事なのは、いきなり大きな決断をしなくていいこと。今日からできる小さな線引きで十分です。たとえば、すぐ返信しない、電話に出ない時間を作る、お金の話は保留にする。困りごとを全部背負わず、制度や第三者に相談する。これだけでも、心の消耗はかなり変わります。

また、話せる相手を一人でも増やすこと。友人でも、職場の信頼できる人でも、専門家でもいい。言葉にして外に出すだけで、「私だけが背負ってる」という感覚が薄れていきます。

Aさんが最後に見つけたのは、「私の人生を生きていい」という感覚でした。それは特別な人だけが持てるものではなく、必要なときに支えを借りながら、少しずつ取り戻していけるものです。あなたも、ひとりで抱え込まなくて大丈夫です。

読者へのメッセージ

今回のAさんのように、家族のことって身近な分だけしんどさが大きくなりやすいです。
「親なんだから」「子どもなんだから」と自分に言い聞かせて頑張っているうちに、気づけば心も体も限界ギリギリ…そんな人は本当に少なくありません。

でも、ひとつだけ忘れないでほしいのは、あなたが悪いわけじゃないということ。
縁を切りたいと思うほど追い詰められるのは、冷たいからではなく、ここまで必死に耐えてきた証拠です。まずはその苦しさを、誰かに言葉で渡していいんです。

もし今、
「誰にも話せない」
「うまく説明できないけど苦しい」
「答えはいらないから、ただ聞いてほしい」
そんな気持ちがあるなら、無理に整理してから来なくて大丈夫です。

傾聴ラウンジ 「ここより」 は、結論を急がず、アドバイスで押し切らず、今のあなたの気持ちをそのまま置ける場所として用意しています。
話しながら少しずつ整理できたり、「自分の境界線ってどこだろう」と見えてきたり、ただ“分かってもらえた”だけで呼吸が楽になることもあります。

一人で抱え込まないでくださいね。
あなたがあなたの人生を生きるために、まずは「話してもいい場所」を持つところからで大丈夫です。

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