夫の浮気後に不倫してしまった…罪悪感で苦しいときの心の整理と離婚の決断

夫の不倫が発覚したあと、なんとか夫婦関係を立て直そうとしているのに、心だけが置き去りになる。表面上は普段通りにしていても、ふとした瞬間に涙が出そうになったり、胸の奥がズキッと痛んだり…。そんな状態、ありませんか?今回の相談者さんも、まさにその真っ最中でした。
「私はちゃんと支えなきゃ」「母として普通でいなきゃ」って頑張るほど、寂しさが大きくなっていって。気づけば“自分の気持ち”がよく分からなくなり、誰にも言えないまま心が空っぽになっていったそうです。そしてある日、その寂しさを埋めるように不倫関係に入ってしまい、罪悪感と自己嫌悪でさらに苦しくなっていきました。
今回は、夫の浮気をきっかけに心が崩れ、そこから「離婚」と「自立」を選ぶまでの相談者さんの体験と、よりびとがどんなふうに気持ちを受け止め、整理を支えたのかをお話しします。


投稿者プロフィール

- よりびと
-
■待機時間:月・火・木・金・土の21時~24時
※祝日はお休みです
■年齢:40代
■ キャッチコピー:安心して、リラックスして話せる雰囲気を提供します
■ 得意なテーマ
– 人間関係の悩み・恋愛相談
– 介護の悩み、自宅介護の悩み、認知症の悩み
– ママの働き方の悩み、高齢出産
– 発達凸凹、発達しょうがい、発達に関する悩み
– 介護職の悩み、人間関係のモヤモヤ
– 家族関係の悩み
– カサンドラ症候群
– 身体のお悩み(疲れやすい、PMS、緊張しやすいなど)
– 頑張りすぎてしまう。ついつい、強がってしまう。無理して、大丈夫。がくちぐせ。
■ 聴き方・スタイル
– どんな話もまるっと受け止めます
– 相手のペースに合わせてゆっくり聴きます
– 話がまとまっていなくても大丈夫
– 否定せず、穏やかに受け止めます
– 沈黙も気まずくしないスタイルです
■ 経験
– これまで20年介護職の仕事をしています。
– 特別養護老人ホーム、認知症対応型グループホーム、老健、ディサービス、有料老人ホームの経験あり。常に、傾聴、共感、受容を大切にしています。現在は、特別養護老人ホームで、パートとして勤務。
– 介護福祉士、認知症実践者研修修了。
– 障がい者ケアホームでの経験もあり。
– 傾聴ボランティア・ハンドマッサージなどでも、高齢者と関わる。
– 自身も祖父の在宅介護の経験あり。9年程していました。
– パニック障害、過呼吸、バセドウ病の経験あり。パニック障害、過呼吸は完治。
– ジストニアの経験あり。薬継続中。
– 10歳、2歳の男の子のママ。
– 10歳児の子供が発達凸凹→小児精神科で、自閉症+ADHDあり。不登校経験あり。
– 療育支援センター→放課後ディサービスを利用している。普通に見えるがゆえの難しさに直面。
– 心理学、コーチング、アドラー流メンタルトレーナー、HSPカウンセラーなどの講座を受講。
■ 大切にしていること
– どんな話でも否定しません
– 話したくないことは無理に聞きません
– 気持ちが整理されていなくてもそのままで大丈夫
– 泣いても沈黙してもOK
– どんなお話もお聴きします
– 話したいように話せるように、あなたのペースに呼吸を合わせます
■ 人柄・ユニークポイント
– 好きなもの:鬼滅の刃 / 心理学、カラー&タロット占い / ラーメン、焼肉、グッズ集め
– よく言われる性格:話やすい。温和。地に足がついている。やさしい。芯がある。愛のある人。
– ちょっとしたこだわり:自分時間を大事にしている。
– 聴き手としての密かな強み:どんな話にも寄り添います。私に話すことで、スッキリ出来ます。
■ メッセージ
ここでは、どんな話をしても大丈夫です。安心、安全の場を作ります。安心してお話ください。自分の感情を感じるお手伝いを致します。
目次
- ○ 夫の不倫が発覚してから、私の心だけ時間が止まった
- ・「平気なふり」が上手くなるほど、心が苦しくなっていった
- ・「私が悪かったのかな…」と自分を責めるクセが止まらなかった
- ・「誰にも言えない」孤独が、じわじわ心を削っていった
- ○ 寂しさをごまかすほど、心はどんどん遠くに行った
- ・「夫婦を続けたい」気持ちと「もう無理」な気持ちの間で揺れ続けた
- ・「寂しい」と言えないまま、心の穴だけが大きくなっていった
- ・「必要とされたい」が強くなったとき、危うい安心に手が伸びた
- ○ 「やめたいのにやめられない」その奥に、本当の気持ちが隠れていた
- ・「責めるのをやめる」よりも先に、「責めてる自分」に気づくところから始まった
- ・「不倫をやめる方法」じゃなくて、「寂しさの正体」を一緒に探した
- ・「どうしたい?」と聞かれて、初めて“私の人生”に目が向いた
- ○ 離婚は終わりじゃなくて、「私の人生」を取り戻すスタートだった
- ・「離婚していいのかな…」迷いの中で、私は“答え”ではなく“安心”を渡した
- ・不倫関係を手放せたのは、「寂しさを埋める場所」が別にできたから
- ・「自立」って、大きな決意じゃなく“日常の小さな選択”の積み重ねだった
- ○ 読者へのメッセージ
夫の不倫が発覚してから、私の心だけ時間が止まった
夫の不倫が分かった日から、相談者さんの毎日は「普通」を装うことでいっぱいになっていきました。家事も仕事も、子どもの前では笑顔も作れる。でも、ふとした瞬間に胸がぎゅっと締めつけられて、息が浅くなる。夜になると頭の中で同じ場面が何度も再生されて、「なんで私だけこんな思いをしなきゃいけないの?」って怒りが出たり、逆に「私が悪かったのかな…」って自分を責めたり。感情がジェットコースターみたいに揺れて、どこにも着地できない感覚が続いていました。
それでも相談者さんは、すぐに答えを出せるタイプではありませんでした。「離婚した方がいいのかな」と思う一方で、「子どものためには…」「生活はどうなるんだろう」と現実的な不安も押し寄せる。誰かに相談したくても、話した瞬間に自分が壊れてしまいそうで、言葉が喉に引っかかったまま出てこない。そんなふうに、心の中ではずっと叫んでいるのに、外側は静かなまま。相談者さんは「何が一番つらいのかさえ、もう分からなくなってきました」と話していました。
ここから先は、この“止まってしまった心”の中で、相談者さんがどんなふうに苦しみを抱え、どう整理していったのか。その過程を、ひとつずつ一緒にたどっていきます。
「平気なふり」が上手くなるほど、心が苦しくなっていった
相談者さんが一番最初に身につけたのは、“平気なふり”でした。職場ではいつも通り、子どもの前でもいつも通り。誰にもバレないように、涙はトイレで拭いて、ため息は飲み込んで、夜は早く寝たふりをして。そうやって日々を回しながら、「ちゃんとしなきゃ」「母親なんだから」って自分に言い聞かせていたそうです。
でも、平気なふりって、最初は自分を守ってくれるんですよね。崩れそうな心を、なんとか繋ぎ止めるための応急処置みたいなもの。でもそれが続くと、今度は“自分の本音”が見えなくなってくる。怒りたいのに怒れない。泣きたいのに泣けない。辛いって言いたいのに言えない。そうして感情が渋滞したまま、胸の奥に溜まっていきます。
相談者さんも、「本当は苦しいのに、苦しいって言ったら負けな気がして」と話していました。負けって、誰に?…たぶん夫にも、周りにも、そして何より“自分”にだったのかもしれません。
そうやって強くあろうとするほど、心が置いていかれてしまう。平気なふりが上手くなるほど、夜の孤独が濃くなっていって、気づけば「私、何をしても楽しくないんです」と口にするようになっていました。
「私が悪かったのかな…」と自分を責めるクセが止まらなかった
不倫をされた側なのに、なぜか自分を責めてしまう。これは本当に多い反応です。相談者さんも、「私がもっと優しくできていたら」「私が魅力なかったから?」と、理由を自分の中に探していました。そうすると、一見“反省して前に進もうとしている”みたいに見えるんですが、実際は逆で、どんどん自信が削られていくんです。
自分を責める思考って、癖になりやすいんですよね。最初は「理由を理解したい」だけなのに、いつの間にか「私が悪い」に着地してしまう。そうすると、怒りを出すことも難しくなるし、悲しみを誰かに受け止めてもらうこともできなくなる。なぜなら「こんなことで傷つく自分が弱い」と感じてしまうから。
相談者さんが印象的だったのは、「怒る資格がない気がする」と言っていたことです。夫が悪いのに、怒ると自分が悪者になる気がしてしまう。だから黙って耐える。耐えるほど、心の中で「こんな私じゃダメだ」が大きくなる。
そしてその結果、相談者さんは「夫婦としては続けたい。でも心がついていかない」という、とても苦しい矛盾の中に入っていきました。
この段階では、答えを出すことよりも、まずは「責める前に、傷ついた事実を認める」ことが大事になっていきます。責めるのをやめるって難しい。でも、“責めている自分”に気づけるだけでも、少しずつ心の呼吸が戻ってきます。
「誰にも言えない」孤独が、じわじわ心を削っていった
相談者さんの苦しさを大きくしていたのは、孤独でした。不倫の話って、簡単に誰かに話せないんですよね。友達に言えば心配されるし、親に言えば関係がこじれるかもしれない。子どもの前では絶対に出せない。職場でも言えない。そうすると、日常の中で“本当の自分”を出せる場所がなくなっていきます。
相談者さんは「誰かに話したい。でも話したら終わる気がする」と言っていました。
これ、すごくリアルです。言葉にした瞬間に現実味が増してしまって、受け止めきれなくなりそうで怖い。だから黙る。黙ると、ますます苦しい。
夜、家族が寝静まったあと、スマホで「夫 不倫 許せない」「離婚 迷う」「浮気 トラウマ」みたいな検索をして、同じ悩みを見つけては、少し安心して、また涙が出る。そんな日が続いていたそうです。
この孤独が続くと、心は「誰にも分かってもらえない」「私はひとりだ」と学習してしまいます。すると、助けを求めることがどんどん難しくなる。助けを求められないと、自分の中で抱える量が増える。抱えきれなくなって、体調に出たり、無気力になったり、急に涙が止まらなくなったりすることもあります。
だからこの段階で大切なのは、“正しい答え”を探すことじゃなくて、「安心して気持ちを出していい場所」を作ること。相談者さんも、話せる場所ができたことで、「まずは気持ちを言っていいんだ」と思えた瞬間が、少しずつ増えていきました。
寂しさをごまかすほど、心はどんどん遠くに行った
夫の不倫が発覚してから、相談者さんは「何もなかったみたいに」毎日を回していました。けれど、時間がたてば落ち着く…という感じでもなく、むしろ逆でした。最初は怒りやショックでいっぱいだったのに、だんだんその感情すら出せなくなっていって、代わりに残ったのは、言葉にしづらい“ぽっかりした寂しさ”でした。
家族と一緒にいても、会話があるのに、心だけが置き去り。夫が隣にいても、安心できない。むしろ「また裏切られるかも」と疑う気持ちが増えて、心が休まらない。だけど疑っている自分にも疲れてしまう。そんな日が続いて、相談者さんは「私、どこにも居場所がない気がする」とつぶやくようになりました。
そして、寂しさが限界に近づいた頃。たまたま優しく声をかけてくれた人がいて、「必要とされている感じ」がした瞬間、心がふっと軽くなったそうです。その“軽さ”が、久しぶりに息ができる感覚だった。でもその一方で、どこかで分かっていたんですよね。「これに頼ったら危ない」って。
それでも止まらなかった。相談者さんは、寂しさを埋めるように、不倫関係へと踏み込んでいきました。
ここからは、なぜそこまで追い詰められてしまったのか、そして「分かっているのにやめられない」状態がどう生まれていったのかを、相談者さんの心の動きに沿って整理していきます。
「夫婦を続けたい」気持ちと「もう無理」な気持ちの間で揺れ続けた
相談者さんの中には、ずっと矛盾がありました。
「夫婦を続けた方がいい」って頭では思う。子どものこと、生活のこと、世間体、現実的な不安。それを考えると、簡単に離婚なんて選べない。だから“続ける方向”で考えようとするんです。
でも、心は別のことを言っていました。
夫が笑って話しかけてくるたびに、「よくそんな顔できるね」と思ってしまう。優しくされても、「今さら?」と感じる。寝る前に隣で寝息を立てているのを見ると、怒りが湧く日もある。反対に、急に悲しみが押し寄せて涙が出る日もある。
この揺れが、毎日続くのって本当にしんどいです。
相談者さんは「決められない自分が情けない」と言っていました。でも、決められないのは弱さじゃなくて、心がまだ追いついていないだけなんですよね。大きな裏切りを受けたら、人はすぐに整理できません。むしろ揺れて当然。
ただ、この揺れが長く続くと、「どっちにも進めない自分」に疲れてきます。すると、気持ちを感じること自体が苦しくなって、心を閉じるようになる。そうして相談者さんは、「もう何も感じたくない」と思うほど、疲れ切っていきました。
「寂しい」と言えないまま、心の穴だけが大きくなっていった
相談者さんが一番言えなかった言葉は、「寂しい」でした。
夫の不倫が原因なのに、寂しいって言ったら負けみたいで。依存しているみたいで。情けないみたいで。だから「寂しい」と言う代わりに、「私が頑張らなきゃ」で埋めようとしていました。
でも、寂しさって、頑張りで消えないんですよね。
むしろ頑張るほど、“本当は甘えたい気持ち”が押し込められて、苦しくなる。相談者さんも、仕事や家事を必死にこなしている時は平気なのに、ふと一人になった瞬間に、心の底が抜けたみたいな感覚になると言っていました。
夜になると、スマホを握りしめてただ時間が過ぎるのを待つ。眠れない。考えたくないのに考えてしまう。
そして「こんなふうに弱ってる自分、誰にも見せたくない」と思って、さらに孤独になる。
この孤独と寂しさの組み合わせは、じわじわ心を削ります。
誰かに「大丈夫?」と聞かれたら、本当は「大丈夫じゃない」って言いたい。でも言えない。だから笑う。笑うほど、心が置いていかれる。
相談者さんは「自分の気持ちを置き去りにしすぎて、何が好きかも分からなくなってました」と言っていました。
寂しさは、無視され続けると“心の穴”になっていく。ここが、後の選択につながっていきます。
「必要とされたい」が強くなったとき、危うい安心に手が伸びた
相談者さんが不倫関係に入っていった背景には、「必要とされたい」という気持ちがありました。これはすごく自然なことです。
裏切られたあとって、自分の価値が一気に下がったような気がするんですよね。「私は選ばれなかった」「私は愛されなかった」みたいに感じてしまう。そうなると、心は“証明”を求めます。
そんなときに、たまたま優しくされた。
「大丈夫?」と気遣われた。
「あなたは悪くないよ」と言われた。
その言葉が、久しぶりに自分を肯定された感じがして、胸が熱くなったそうです。
相談者さんは「その人といるときだけ、自分が女として見てもらえてる気がした」と話していました。
それは、恋愛というより、“生き返る感じ”に近かったのかもしれません。だから、理屈では危ないと分かっていても、手が伸びてしまう。
特に、夫婦関係の中で寂しさが埋まらない状態が続いていると、その“安心”は麻酔みたいに効いてしまうんです。
でも、麻酔は切れます。
会った後に罪悪感が来る。バレたらどうしようと不安になる。自分が嫌になる。
それなのに、また会いたくなる。
相談者さんは「会うたびに苦しいのに、やめるともっと苦しい」と言っていました。これが、“分かっているのにやめられない”状態の正体です。
ここまで追い詰められていた相談者さんに、必要だったのは「正しさ」よりも「気持ちを整理できる場所」でした。次では、私の傾聴がどう作用して、相談者さんが自分の本音に触れていったのかを描いていきます。
「やめたいのにやめられない」その奥に、本当の気持ちが隠れていた
不倫関係が続くほど、相談者さんの心はどんどん疲れていきました。会っている時は一瞬だけ安心できる。でも家に帰ると、罪悪感が押し寄せてきて、「私って最低だ」「母親なのに」「何やってるんだろう」と自分を責める声が止まらない。誰にも言えないまま、心の中で一人反省会が続いて、どんどん眠れなくなっていったそうです。
そんな状態の中で、相談者さんは「もう自分が分からない」と感じるようになりました。夫のことも、相手のことも、離婚したいのかしたくないのかも、何ひとつはっきりしない。ただ、苦しいだけ。
だからこそ、私との対話が転機になりました。私は「すぐに結論を出さなくて大丈夫」と伝えながら、まずは相談者さんの感情を否定せず、そのまま受け止めていきます。
「会ってしまうのには理由があるよ」
「悪いかどうかを決める前に、あなたの寂しさを見よう」
そんなふうに、責めるより先に“気持ち”に目を向ける関わりが続いたことで、相談者さんは少しずつ、心の奥にあった本音に触れていきました。
ここでは、相談者さんが「やめられない理由」を整理しながら、どんな気づきを得て、どう動き始めたのかを追っていきます。
「責めるのをやめる」よりも先に、「責めてる自分」に気づくところから始まった
相談者さんは、話し始めてすぐに「私が悪いんです」と口にしました。
不倫をした側だから当然…と自分で思っていたんですよね。でも、私はその言葉を否定せずに、「そう思うくらい、苦しかったんだね」と返しました。
ここが大きかったんだと思います。
「悪い・正しい」で裁かれないと分かった瞬間、相談者さんの表情が少しゆるんだそうです。人って、責められると防御モードになって、気持ちが出なくなります。でも、受け止められると、初めて自分の中の“本音”が見えてくる。
私は、「責めるのをやめよう」とは言いませんでした。いきなりやめるのは無理だから。代わりに、「責めているとき、体はどんな感じ?」と聞きました。
相談者さんは最初、「え、そんなの分からない」と言いながらも、少しずつ「胸が重い」「喉がつまる」「頭がぼーっとする」と言葉にしていきました。
この作業って地味なんですが、めちゃくちゃ大事です。
責める思考に飲み込まれているとき、人は“今の自分”を見失います。でも体の感覚を言葉にすることで、「私、今つらいんだ」と現実に戻れる。相談者さんも、「責めるときって、苦しさを見ないようにしてたのかも」と気づき始めました。
まずは、自分に優しくしよう…じゃなくて、「今、私は自分を責めているんだな」と気づけること。それだけで心は少しほどけていきます。
「不倫をやめる方法」じゃなくて、「寂しさの正体」を一緒に探した
相談者さんが最初に求めていたのは、「どうしたら不倫をやめられますか?」でした。
それは当然です。苦しいし、罪悪感もあるし、早く終わらせたい。でも、私はいきなり“やめる方法”を出さずに、こう聞きました。
「会いたくなる時って、どんな気持ちがある?」
相談者さんは言葉に詰まりました。最初は「弱いから」「私がダメだから」としか言えなかった。でも、私が「ダメかどうかは置いといて」と優しく続けたことで、少しずつ本音が出てきました。
「誰かに必要とされたかった」
「女として見てもらえた気がした」
「家にいると、私が透明になるみたいで…」
相談者さんの不倫は、恋愛というより“呼吸”に近かったんです。
苦しい場所から一瞬抜け出して、息ができる感覚。それが、やめたくてもやめられない理由でした。ここを理解すると、「意思が弱いから」じゃなくて、「心が限界だったから」と見方が変わっていきます。
私は、「寂しさを埋める行動は、悪い行動じゃなくて“助けを求めるサイン”でもあるよ」と伝えました。
相談者さんはその言葉で泣きました。自分が責められる存在じゃなくて、“助けが必要な状態だった”と初めて思えたからです。
ここでようやく、相談者さんの中に「じゃあ、私が本当に欲しいのは何?」という問いが生まれていきました。
「どうしたい?」と聞かれて、初めて“私の人生”に目が向いた
相談者さんがいちばん戸惑った質問が、「あなたは、どうしたい?」でした。
夫にどうしてほしいか、相手とどうなるべきか、子どもにどう見られるか。そういうことは毎日考えている。でも、「私はどうしたい?」は、考えたことがなかったそうです。
私は、無理に答えを出させませんでした。
「分からないなら、分からないでいいよ」
「今の時点の“ちょっとした本音”でいいよ」
そう言って、相談者さんが話しやすいペースを守りました。
相談者さんは少しずつ、言葉にしていきました。
「安心したい」
「疑わないで眠りたい」
「子どもと笑って過ごしたい」
「自分を好きになりたい」
それを聞いた私は、「それ、すごく大事な願いだね」と受け止めました。
この“受け止められる体験”が積み重なると、人は自分の希望を否定しなくなります。相談者さんも、「こんなこと望んでいいんだ」と思えた瞬間から、行動が変わり始めました。
まずは別居を考える。生活費や住まいを現実的に整理する。
そして、相手との関係をどうするかも、「寂しさを埋めるため」なのか「本当に好き」なのか、落ち着いて見られるようになっていきました。
この段階での大きな転機は、相談者さんが“不倫をやめるかどうか”だけじゃなく、「私はどんな生活をしたいのか」という軸を持ち始めたことです。
次では、その軸をもとに相談者さんが「離婚」と「自立」を選び、少しずつ自分の人生を取り戻していく過程を描いていきます。
離婚は終わりじゃなくて、「私の人生」を取り戻すスタートだった
相談者さんは、すぐに「離婚します」と決めたわけではありませんでした。むしろ最後まで迷っていました。夫への怒りもあるし、裏切られた傷もある。でも、それ以上に「子どもを守りたい」「生活を崩したくない」という現実が重くのしかかる。だからこそ、私は結論を急がせず、相談者さんが自分の気持ちを整理しながら、ひとつずつ選べるように支えていきました。
その中で少しずつ、相談者さんの軸がはっきりしていきます。
「疑いながら生きるのは、もう疲れた」
「安心して眠れる生活がほしい」
「子どもと笑える自分でいたい」
この“自分の願い”が言葉になってきたとき、離婚は怖い選択ではなく、“必要な選択”として見えてきました。
離婚を決めたあとも、現実はバタバタです。手続き、住まい、仕事、お金…。気持ちが追いつかない瞬間ももちろんある。でも相談者さんは、「以前より自分のことを大切にできている」と感じ始めました。
ここでは、相談者さんがどんなふうに離婚と別居を進め、そして“不倫関係”にも区切りをつけ、自立への一歩を踏み出したのかを描いていきます。
「離婚していいのかな…」迷いの中で、私は“答え”ではなく“安心”を渡した
離婚を決めるって、気持ちだけでは進めません。相談者さんも、「離婚したい気持ちはある。でも怖い」と繰り返していました。
怖い理由はたくさんあります。経済面、子どものこと、世間の目、親の反応、そして「本当にこれでよかったの?」という後悔。どれもリアルで、簡単に割り切れるものじゃありません。
このとき、私がしたのは「離婚しなよ」と背中を押すことではありませんでした。むしろ逆で、「迷うのは当たり前だよ」と、迷っている自分を肯定する関わりでした。
相談者さんが「私、決められないんです」と言うと、よりびとは「決められないのは、ちゃんと現実を見ている証拠だよ」と返します。
これ、すごく救われる言葉なんですよね。決められない自分を責めている時って、さらに焦って、さらに苦しくなる。でも「それでいい」と言われると、気持ちが少し落ち着きます。
そして、私は相談者さんと一緒に、選択肢を“白黒”じゃなく、“段階”として整理しました。
「まず別居を視野に入れる」
「お金の見通しを立てる」
「子どもへの影響を考える」
いきなり人生を決めるのではなく、小さな一歩を積み重ねる形にしたんです。
その結果、相談者さんは「離婚するかどうか」より先に、「私は安心できる生活がほしい」を優先できるようになりました。離婚は“感情的な復讐”ではなく、“自分と子どもを守る選択”として、少しずつ心に馴染んでいったそうです。
不倫関係を手放せたのは、「寂しさを埋める場所」が別にできたから
相談者さんにとって不倫関係は、ただの恋愛ではありませんでした。
裏切られた後の空白を埋めるための“避難場所”みたいなもの。だから、やめることは「寂しさに戻ること」でもありました。
理屈ではやめた方がいい。だけど、やめると苦しくなる。だから続く。
そのループの中にいた相談者さんが、不倫関係に区切りをつけられたのには理由があります。
それは、寂しさを埋める方法が“不倫だけ”じゃなくなったこと。
よりびととの対話の中で、相談者さんは少しずつ「自分の味方」を増やしていきました。信頼できる人に話してみる、子どもとの時間をちゃんと味わう、自分の生活を整える、仕事の選択肢を広げる…。小さいけれど確かな「安心の柱」ができたんです。
私は「不倫をやめよう」ではなく、「あなたが安心できる場所を増やそう」と伝えました。
責めるより、代わりを作る。これがすごく現実的で、相談者さんの心に合っていました。
相談者さんは「会わないと死にそう、って思ってたのに、意外と大丈夫でした」と笑いながら話していました。
それは強がりではなく、“自分で自分を支えられる感覚”が増えてきた証拠です。
最後に関係を終える時も、相談者さんは「相手を悪者にして切る」ことはしませんでした。
「助けられた部分もあった。でも、私は私の人生を選ぶ」
そんなふうに、自分を尊重しながら区切りをつけていきました。寂しさを埋める行動を手放せるのは、寂しさを抱えられる強さが育ったときなんですよね。
「自立」って、大きな決意じゃなく“日常の小さな選択”の積み重ねだった
離婚をして、住まいが変わって、生活が変わって。相談者さんは「やっと自由になれた!」というよりも、最初は「不安が大きい」と言っていました。
当然です。環境が変われば、心は揺れます。夜にふと孤独を感じることもあるし、「この選択、間違ってたかな」と思う日もあります。
でも相談者さんは、以前のように“自分を責めて終わる”ことが減っていました。
私との対話の中で、「揺れるのは当たり前」「不安があるのは変化している証拠」と理解できるようになっていたからです。
相談者さんの自立は、いきなり強くなることではありませんでした。
たとえば、
・今日の夕飯を自分のためにちゃんと作る
・疲れたら休む
・無理な付き合いを断る
・親の期待より、自分の気持ちを優先する
こういう日常の小さな選択の積み重ねでした。
相談者さんが印象的だったのは、「私、今の方がちゃんと息ができてます」という言葉です。
以前は、誰かに認められるために頑張って、失敗したら自分を責めて、また頑張って…。ずっと“苦しい呼吸”だった。
でも今は、完璧じゃなくても、自分の気持ちを見失わない。揺れても戻ってこられる。
私は最後にこう伝えました。
「ここまで来たのは、あなたが自分の気持ちを見捨てなかったからだよ」
相談者さんは「初めて、自分を褒めてもいい気がしました」と笑っていました。
離婚は終わりではなく、人生を取り戻すスタート。
そして自立は、強くなることではなく、自分の本音を日常で選び直すこと。相談者さんの変化は、そのことを教えてくれるものでした。
読者へのメッセージ
ここまで読んでくれたあなたは、きっと今、心のどこかが疲れているんだと思います。
夫の不倫、裏切られた痛み、信じたいのに疑ってしまう苦しさ。そこに加えて、もしあなたが「自分も誰かに頼ってしまった」「間違った選択をしてしまった」と感じているなら、なおさら苦しいですよね。
でもね、まず伝えたいのは、あなたが弱いからこうなったわけじゃないということです。
人は、心が限界のときに、寂しさを埋めるための行動を選んでしまうことがあります。それは“ダメな人”だからじゃなくて、助けが必要なサインだったのかもしれません。
そして、どんな状況でも「これからどう生きたいか」は、ちゃんと選び直せます。
いきなり大きな決断をしなくても大丈夫。
まずは「本当はどうしたい?」を自分に聞いてみる。
「怖い」「寂しい」「つらい」って気持ちを、否定せずに認めてあげる。
それだけでも、心は少しずつ落ち着いていきます。
もし今、誰にも言えず一人で抱えているなら、安心して話せる場所を作ってください。答えを急がず、あなたの気持ちを整理しながら、必要な一歩を一緒に考えていける人がいるだけで、見える景色は変わっていきます。
あなたの人生は、ここで終わりじゃない。
今の苦しさの中にも、ちゃんと“これから”につながる道はあります。
焦らなくていいので、少しずつ、あなたのペースで取り戻していきましょう。





