介護の負担が嫁に集中…家族の意見が割れたときの話し合いの進め方

介護って、最初は「できることをやろう」って思って始まるのに、気づいたら負担が一人に寄ってしまうことがあります。特に“嫁の立場”だと、遠慮もあって弱音を飲み込みがちですよね。今回ご相談くださったのは、義母の介護を続ける中で、いつの間にか自分だけが抱えている感覚になってしまった方でした。さらに、治療の方針について家族の意見が割れてしまい、「この話をどう進めたらいいんだろう…」と心がいっぱいに。
そこで医療ソーシャルワーカーとして、まずは結論を急がず、今の気持ちをそのまま言葉にするところから一緒に整理していきました。

投稿者プロフィール

- よりびと
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■待機時間:月・火・木・金の10時30分~15時(水曜日は不定期)
※祝日はお休みです
※上記以外の時間帯が追加されることもあります
■年齢:40代
■ キャッチコピー:わたしの経験を誰かの力に。「大丈夫だよ」に根拠を持たせます。
■ 得意なテーマ
– 不安障害、パニック障害、適応障害の症状について
– 不登校、登校拒否の相談。(保護者さん、お子さんどちらからでも大丈夫です。)
– 育児のお悩み全般
– 介護負担感
– 不妊治療の辛さ
– 家族との関係
– 人との関わり方
■ 聴き方・スタイル
– ご相談者様のペースに合わせて聴きます
– 話がまとまっていなくても大丈夫
– 否定せず、穏やかに受け止めます
– ご希望があればアドバイスします
– 我慢せず素直に感情を表してください
■ 経験
– 社会福祉士 精神保健福祉士 保育士取得。
– 回復期リハビリテーション病棟と介護保険病棟の医療ソーシャルワーカーとして5年、市役所障がい福祉課障がい認定調査員として5年の経験あります。
– 現在、保育士として骨盤サロンにて託児スタッフをしています。子育て支援センター臨時スタッフ経験あります。
– 不安障害、パニック障害、適応障害の経験あります。現在完治。
– アルツハイマー型認知症になった祖母の在宅介護経験、家族として施設入所支援経験があります。
– 自身の娘が聴覚過敏。HSP。不登校、登校拒否傾向にて心療内科通院中。不登校に対する学校とのやり取り経験あります。
– 自身も高校中退、大学入学資格検定試験を経験。心療内科通院・カウンセリング経験あります。
– 6年間の不妊治療を経験しました。体外受精にて妊娠。帝王切開にて出産。
– 転勤帯同10年経験。
– 幼稚園、小学校で絵本の読み聞かせ6年目。
– アクセスバーズプラクティショナー取得。
■ 大切にしていること
– 自分の言葉で語ってもらえるように質問を工夫します。
– 素直に気持ちを表現していただけるようにします。
– 泣いても怒っても受け止めます。
– 調べられることがあれば調べます。
■ 人柄・ユニークポイント
– 好きなもの:宮古島の海/ 柴犬 / ウミガメ/耳そうじ/そのぎ茶/娘と美術館に行くこと/ピアノを弾くこと
– よく言われる性格:社交的。明るい。話しやすい。面倒見がよい。でも繊細。嫌いなことは努力しない(笑)。
– ちょっとしたこだわり:家の中の芳香剤をアロマオイルにしている。ヨーグルトメーカーでヨーグルトを作る。焼き芋も家で作ります。
– 聴き手としての密かな強み:医療ソーシャルワーカーとして染みついた面接技法。自分の経験。たくさんの辛い経験をしたからこそ、大丈夫という言葉に重りを付けることができます。
■ メッセージ
プロフィールをみていただいてありがとうございます。
一人で悩まず一緒に考えさせてくださいね。少しでも明日に変化が出るように、少しでも気持ちが軽くなるようにお手伝いします。お話しできることを楽しみにしております。
目次
- ○ 介護の負担が嫁に集中…「私だけが背負ってる」って感じたとき
- ・「手伝ってるのに報われない…」嫁が抱え込みやすい介護のリアル
- ・「家族の意見が割れる」ときほど、話し合いの前に“気持ちの整理”が必要
- ・「角を立てずに伝える」ためのコツは、“お願い”じゃなく“状況共有”から始める
- ○ 延命の話が出た瞬間、家族の空気がピリついた…「揉めたくないのに揉めそう」なとき
- ・「全部やりたい」には理由がある:強い主張の裏にある“罪悪感”を見つける
- ・嫁の立場はしんどい:言葉を飲み込み続けると、心が先に限界になる
- ・揉めそうな話は「決める」より「揃える」:話し合いを前に進める3ステップ
- ○ 「正解を決める」より「気持ちを揃える」へ…話し合いの空気がふっと軽くなった瞬
- ・「それぞれの気持ち」を先に出す:反論より“翻訳”で会話が柔らかくなる
- ・「嫁の意見」ではなく「現場の共有」として伝える:立場の壁を越える言い方
- ・「今は決めない」を選べるとラクになる:話し合いを“段階制”にする発想
- ○ 「みんなで決めた」感覚が残ると、あとから心がラクになる…介護を続けるための合意の作り方
- ・結論は「二択」にしない:最低限+見直しルールが家族を救う
- ・「嫁が黙る」から「現場を共有する」へ:関わり方が変わると負担が分散する
- ・話し合いのゴールは「納得感」:あとから自分を責めないための3つのポイント
- ○ 読者へのメッセージ
介護の負担が嫁に集中…「私だけが背負ってる」って感じたとき
介護って、最初は「できる範囲で手伝おう」と思って始まることが多いんですよね。ところが、通院の付き添い、買い物、食事の準備、家のこと…と積み重なるうちに、気づけば“いつも動いているのが自分だけ”みたいな状態になりやすいです。特に嫁の立場だと、相手が義家族だからこそ「言いにくい」「角を立てたくない」が先に立って、つらさを飲み込みがち。
今回の相談者さんも、義母の介護が長引く中で、いつの間にか負担が自分に集まってしまい、「私がやらないと回らない」と感じていました。さらに治療の方針をめぐって、家族の意見が割れてしまい、心が一気に苦しくなっていきます。そんなとき医療ソーシャルワーカーとして最初に大事にしたのは、正解探しよりも、まず“いまのしんどさをそのまま言葉にする”ことでした。ここが整うと、不思議と話し合いの進め方も見えてくるんです。
「手伝ってるのに報われない…」嫁が抱え込みやすい介護のリアル
嫁の立場の介護って、やっている内容が“見えにくい”ことが多いです。たとえば、病院に連れていくのは目に見えるけど、その前後の準備(薬の確認、持ち物、着替えの手伝い、家の片付け)って、ほとんど表に出ません。
相談者さんも「介護自体より、気を使うことが多すぎて疲れた」と話していました。義母の前では明るく、夫には負担をかけないように、義弟には波風を立てないように…そんなふうに“全部に配慮”していると、体力より先に心が削れていきます。
医療ソーシャルワーカーとしてここでよく確認するのは、「どこからが介護で、どこからが気遣いなのか」です。介護そのものが重いのは当然。でも、気遣いが増えすぎると「しんどい」じゃなくて「苦しい」に変わります。
だから最初は、相談者さんにこう伝えました。
「頑張ってきたこと、ちゃんと伝わってますよ。まずは“限界”って言っていいです。」
この一言で、相談者さんが少し笑って「…言っていいんですね」と肩の力が抜けたんです。
抱え込みがちな人ほど、まず必要なのは“気合い”じゃなくて、抱え込みをやめる許可だったりします。ここを自分に出せると、次の一歩が踏み出しやすくなります。
「家族の意見が割れる」ときほど、話し合いの前に“気持ちの整理”が必要
介護や治療の話って、正しさだけで決められないですよね。だからこそ意見が割れやすい。
相談者さんの場合も、「できる治療は全部やったほうがいい」という義弟の意見と、「本人の負担を減らしたい」という自分たちの考えがぶつかっていました。しかも嫁の立場だと、「私が口を出していいのかな…」と遠慮が出て、言いたいことが言えなくなりがちです。
こういうときにありがちなのが、いきなり話し合いを始めてしまうこと。
でも、気持ちが整理できてない状態で話すと、言葉が強くなったり、逆に黙ってしまったりして、余計にこじれることがあります。
だから医療ソーシャルワーカーとしては、まず“会議”じゃなくて“整理”を優先します。
たとえば相談者さんには、こんなふうに分けて考えてもらいました。
・いま一番つらいこと(感情)
・どうしたいか(希望)
・何が現実的に可能か(現実)
すると相談者さんが「私、怒ってるんじゃなくて…怖かったんだ」と気づいたんです。
「もし自分が決めて、後から責められたらどうしようって…」
ここが言葉になると、相手に伝えるときも“攻撃”じゃなくて“共有”になります。
話し合いがうまくいく人って、実は話し方が上手いというより、話す前の整理が上手いんですよね。だからこそ、焦って結論に行かず、まず気持ちをほどく。これが遠回りに見えて一番の近道です。
「角を立てずに伝える」ためのコツは、“お願い”じゃなく“状況共有”から始める
家族に協力してもらいたいのに、「手伝ってよ!」と言うと空気が悪くなる…。このジレンマ、めちゃくちゃ多いです。特に義家族相手だと、言葉選びに気を使うぶん、余計に疲れますよね。
ここで大事なのは、いきなり“お願い”から入らないこと。
医療ソーシャルワーカーとしておすすめするのは、まず「いま、こんな状況なんだ」と共有する形です。たとえば、こんな感じ。
・「最近、通院や家のことが重なって、体力的にきつくなってきた」
・「このままだと倒れそうだから、役割を分けたい」
・「誰が悪いとかじゃなくて、続けるために仕組みを作りたい」
相談者さんにもこの形を提案すると、「それなら言えるかも」と少し前向きになりました。
“責める”じゃなく、“続けるための相談”として伝えると、相手も守りに入りにくいんです。
さらに、意見が割れたときの着地点の作り方もポイントです。
「全部やる・全部やらない」みたいな二択にすると揉めやすいので、
「本人の負担を減らしつつ、家族として納得できる範囲」を探る形にします。
これだと、義弟の「できることはしたい」という思いも尊重しつつ、現実的な方向へ進めやすい。
そして最後に、相談者さんに伝えたのはこの言葉でした。
「話し合いって、勝ち負けじゃなくて“みんなが続けられる形”を作る時間です。」
この視点に変わると、話し合いの空気がぐっと軽くなります。重いテーマほど、やわらかい進め方が効くんですよね。
延命の話が出た瞬間、家族の空気がピリついた…「揉めたくないのに揉めそう」なとき
介護が続いていくと、いつかは避けられない話が出てきます。それが「もしものとき、どこまで治療をするか」というテーマ。本人の体力、回復の見込み、痛みや負担、そして家族の気持ち…いろんな要素が絡むので、正解が一つじゃないんですよね。
今回の相談者さんも、義母の状態が変化してきたタイミングで、医師から治療方針について説明を受けることになりました。そこで義弟が「できる治療は全部してほしい」と強く主張。一方で相談者さんと夫は、「義母がつらい思いをするなら、必要最低限でいいのでは」と考えていました。
ここで厄介なのが、意見の違いそのものよりも、“言い方”と“立場”です。嫁の立場だと、下手に口を出すと角が立ちそうで怖い。でも黙っていると、あとで自分がしんどくなる。そんな板挟みの状態で、相談者さんは「揉めたくないのに揉めそう…」と感じていました。だから医療ソーシャルワーカーとしては、誰が正しいかを決める前に、まず“揉める流れ”を止めるところから入っていきました。
「全部やりたい」には理由がある:強い主張の裏にある“罪悪感”を見つける
家族が「全部やってほしい」と言うと、つい「現実見えてないのでは…」と思ってしまうことがあります。でも、医療現場でよくあるのは、強い主張の裏に“気持ち”が隠れているパターンです。
たとえば義弟さんの「全部やってほしい」は、もしかすると「何もしなかったと思われたくない」「後悔したくない」「親不孝って思いたくない」という気持ちの表れかもしれません。
ここで大事なのは、正論でぶつからないこと。
「それは無理だよ」と言われた瞬間、人は防御モードに入って、余計にこじれます。だから医療ソーシャルワーカーとしては、まずこういう“翻訳”をします。
「全部やってほしい、というのは“できることはしたい”って気持ちなんですよね」
この一言が入ると、相手は「理解された」と感じて少し落ち着きます。
相談者さんにも、いきなり反論せずに、まず“気持ちを拾う”ことを提案しました。
「そう思うよね。私も後悔したくないって気持ちはある」
このワンクッションがあるだけで、話し合いの空気がガラッと変わります。
意見が割れるときって、内容よりも「わかってもらえない」が争いの火種になりやすいんです。
だからこそ、“言ってること”の前に“言いたい気持ち”を受け止める。これが揉めないための第一歩です。
嫁の立場はしんどい:言葉を飲み込み続けると、心が先に限界になる
延命の話って、家族にとっては重いテーマ。でも嫁の立場だと、さらにもう一段しんどさが増えます。
なぜかというと、「気持ちを言う資格がない気がする」から。
血縁じゃない、でも一番動いてる。介護も担ってる。でも決める場面になると遠慮してしまう。この矛盾が、心を削るんですよね。
相談者さんも、「私が口を出したら“嫁のくせに”って思われるかも」と怖さを感じていました。でも、黙ったままだと、義弟さんの意見だけで決まりそうで、あとから「なんで止めなかったんだろう」と自分を責める未来が見えてしまう。
これ、どっちに転んでもしんどいです。
だから医療ソーシャルワーカーとしては、相談者さんの立場をこう整理しました。
「嫁だから意見を言う、じゃなくて、“介護をしている当事者”として状況を伝えるんです」
すると相談者さんが「それなら言えるかも」と、少し顔がゆるんだんです。
ここでおすすめなのは、“意見”より先に“事実”を伝える話し方。
たとえば、
「最近は食事も取れなくて、検査のたびに体力を使っている」
「治療の負担が増えると、義母がつらそうで見ていられない」
こういう言葉は、立場関係なく共有できる情報ですよね。
嫁の立場で頑張っている人ほど、“言わない優しさ”を選びがち。でも、言わないことで苦しくなるなら、少しだけ言い方を変えて伝えていい。そこを支えるのが、私たちの役割です。
揉めそうな話は「決める」より「揃える」:話し合いを前に進める3ステップ
延命や治療方針の話って、いきなり「どうする?」と決めに行くと、だいたい揉めます。
それは、家族それぞれが見ているものが違うから。
病状の理解度も違うし、関わり方も違うし、心の準備も違います。だから最初は“決める”じゃなくて、“揃える”が大事なんです。
医療ソーシャルワーカーとしてよく使うのは、この3ステップです。
①情報を揃える(共通の前提を作る)
「今どんな状態なのか」「どんな選択肢があるのか」を全員が同じ説明で理解する。ここがズレてると、会話が噛み合いません。
②気持ちを出す(正解探しを一旦止める)
「怖い」「後悔したくない」「つらい思いをさせたくない」
この“気持ち”を先に言葉にすると、相手への見方が優しくなります。
③落としどころを探す(二択にしない)
「全部やる/全部やらない」じゃなくて、
「本人の負担が少ない範囲でできること」
「状態が変わったら見直す」
みたいに幅を持たせると、合意しやすいです。
相談者さんにも、「一回で結論を出す必要はないですよ」と伝えました。
延命の話って、一発勝負にするとみんな追い詰められます。でも“段階的に決める”と、気持ちが落ち着いていく。
重いテーマほど、急がないことがむしろ優しさになります。
「正解を決める」より「気持ちを揃える」へ…話し合いの空気がふっと軽くなった瞬
延命の話が出ると、家族の会話って一気に“会議モード”になりがちです。誰かが強く言えば言うほど、別の誰かは黙り込む。すると「言った・言わない」「賛成・反対」みたいに、勝ち負けの空気になってしまうんですよね。
でも実は、こういう場面で一番必要なのは、正解を決めることよりも、まず“気持ちの温度”を揃えることだったりします。今回のケースでも、義弟さんは「全部やってほしい」、相談者さん夫婦は「負担を減らしたい」。意見はバラバラ。でも、根っこには「後悔したくない」「つらい思いをさせたくない」という似た気持ちがありました。
そこで医療ソーシャルワーカーとして行ったのは、意見のぶつかり合いを止めて、その“根っこの気持ち”を言葉にしてもらうこと。すると不思議と、話し合いの空気がふっと軽くなり、「じゃあ現実的にどうする?」の話ができるようになっていきました。ここからが、家族のチーム作りのスタートでした。
「それぞれの気持ち」を先に出す:反論より“翻訳”で会話が柔らかくなる
揉めそうな話し合いで一番こじれるのは、「その意見は違う」と反論から入るときです。反論された側は、内容以上に「否定された」と感じてしまうので、余計に強く主張しがちになります。
だから医療ソーシャルワーカーとしては、反論の前に“翻訳”を挟みます。
たとえば義弟さんが「全部やってほしい」と言ったとき、そこをそのまま受け取ると衝突します。でも、その言葉の裏には「できることはしてあげたい」「何もしないで後悔したくない」があるかもしれない。
なので、こういう形で一度整えます。
「全部やってほしい、というのは“できることはしたい”って気持ちなんですよね」
「後悔したくないって思いも強いのかなと感じました」
これを言われると、相手は“分かってもらえた”感覚が生まれて、少しトーンが落ち着きます。すると次に続く言葉も柔らかくなるんです。
相談者さんにも、「意見を言う前に、相手の気持ちを一回受け止めるだけで空気が変わりますよ」と伝えました。
そして、相談者さん自身の気持ちも同じように“翻訳”して言葉にしました。
「負担を減らしたい、というのは“義母さんに痛い思いをさせたくない”って優しさですよね」
こうやって気持ちを言語化すると、家族全員が「敵」じゃなく「同じ方向を向いてる人」に見えてくる。
この変化が、話し合いの大きな転機になります。
「嫁の意見」ではなく「現場の共有」として伝える:立場の壁を越える言い方
相談者さんが一番引っかかっていたのは、「嫁の私が言っていいのかな」という部分でした。これ、ほんとに多い悩みです。
でも、介護をしている人が黙ってしまうと、話し合いに必要な“現場情報”が出てこなくなります。結果として、介護してない人のイメージだけで話が進んでしまい、後からまた揉める…という流れが起きやすいんですよね。
そこで医療ソーシャルワーカーとして提案したのは、“意見”ではなく“状況共有”の形に変えることでした。
たとえば、
「最近は食事の量が減っていて、検査の後はぐったりしてます」
「治療のたびに体力を使うので、負担が大きいと感じています」
「私たちが見ている限り、楽に過ごせる時間が増える方が安心です」
こういう言葉は、“嫁の主張”ではなく“現場の報告”として受け取りやすいです。
相談者さんも、「それなら責めてる感じにならないかも」と少し安心していました。
さらに大事なのは、言い方を「断言」にしないこと。
「こうすべき」ではなく「私はこう感じた」「こう見えた」にすると、相手も反発しにくい。
家族の意見が割れる場面ほど、立場の壁を越えるには、こういう“言葉の工夫”が効いてきます。
「今は決めない」を選べるとラクになる:話し合いを“段階制”にする発想
延命や治療の話って、みんな心の準備ができていないまま突然やってきます。だから一回の話し合いで結論を出そうとすると、全員が追い詰められてしまうんですよね。
ここでおすすめしたいのが、「段階制にする」という発想です。
医療ソーシャルワーカーとしては、よくこんなふうに整理します。
・今日は“情報を揃える日”
・次は“気持ちを出す日”
・その次に“落としどころを決める日”
こうしておくと、家族は「今日決めなきゃ」というプレッシャーから解放されます。
相談者さんにも、「一回で決めなくて大丈夫ですよ。まずは共通理解を作りましょう」と伝えました。
この方法のいいところは、義弟さんの気持ちも守れること。
「全部やってほしい」と言う人ほど、実は“決める怖さ”を抱えています。だからこそ急かされると、余計に頑固になります。
でも段階制だと、「今日は結論出さない」と決まっているので、落ち着いて話を聞けるようになるんです。
そして最後に、相談者さんが口にしたのが
「決める話なのに、決めなくていい時間があるって、こんなにラクなんですね」
という言葉でした。
重いテーマを軽くするのは、明るく振る舞うことじゃなくて、急がない仕組みを作ること。
ここが整うと、家族は少しずつチームに戻っていけます。
「みんなで決めた」感覚が残ると、あとから心がラクになる…介護を続けるための合意の作り方
延命や治療方針の話って、どんな結論になっても“心が揺れる”テーマです。だからこそ大事なのは、「何を選んだか」だけじゃなくて、「どうやってそこにたどり着いたか」。誰かが押し切った形だと、あとから不満が残ったり、「あのとき反対すればよかった」と自分を責めたりしやすいんですよね。
今回のケースでは、医療ソーシャルワーカーが間に入り、家族それぞれの気持ちと情報を揃えていったことで、最終的に「本人の負担を増やしすぎない範囲で、必要な治療は行う」「状態が変わったらその都度見直す」という形に落ち着きました。ポイントは、どちらかの意見を潰したのではなく、“家族で納得できる幅”を作れたこと。
そしてもう一つ大きかったのが、相談者さん(嫁)が「私は黙って耐えるしかない」と思っていた状態から、「現場の共有はしていいんだ」と感じられるようになったことです。結論そのものより、この“関わり方の変化”が、これからの介護を軽くしていきます。
結論は「二択」にしない:最低限+見直しルールが家族を救う
延命の話がこじれる理由のひとつが、「やる/やらない」の二択にしてしまうことです。二択にすると、どちらを選んでも“もう片方の気持ちが置いていかれる”感じが残りやすいんですよね。
今回も最初は、義弟さんは「全部やってほしい」、夫婦側は「負担は増やしたくない」で真っ二つでした。
でも、ここで助けになるのが「最低限+見直し」という考え方です。
たとえば、
・苦痛が強い治療は避ける
・体に負担が少ないものは検討する
・状態が変われば方針も変える
こういう“幅”を持たせると、家族は「選べない」のではなく「調整できる」と感じられます。
医療ソーシャルワーカーとしても、「この場で未来全部を決めなくていいですよ」と何度も確認します。未来は変化するし、本人の状態も変わるからです。
“決めたら終わり”ではなく、“今の時点での合意”にすると、家族はずっとラクになります。
相談者さんも、最後に「決めることが怖かったけど、見直せるなら安心です」と言っていました。
介護の話し合いって、完璧な正解を探すより、続けられるルールを作ることが大事。二択をやめるだけで、空気はかなり軽くなります。
「嫁が黙る」から「現場を共有する」へ:関わり方が変わると負担が分散する
相談者さんが一番変化したのは、「言っていいのかな」という遠慮が少し減ったことでした。これ、ものすごく大きいです。
嫁の立場の人って、介護の現場を支えているのに、話し合いでは端っこに追いやられがち。でも現場を知らないまま決めたことって、だいたい現場で破綻します。だから本当は、現場の声が必要なんです。
今回も、相談者さんが“意見”として言うのではなく、
「最近は食事が減って、検査の後はぐったりしている」
「治療のたびに不安そうで、本人の表情が変わる」
という“観察”を共有したことで、家族の理解が揃っていきました。
ここでのポイントは、「主張」じゃなく「共有」だと、相手が受け取りやすいこと。
義弟さんも「そんなにしんどそうだったんだ」と状況をイメージできたことで、気持ちが少し柔らかくなりました。
こうやって、情報が揃うと、自然と負担も分散しやすくなります。
相談者さんが「私は決める係じゃない」と一人で抱えるより、「現場を伝える係」として関われるようになると、介護は少し回りやすくなる。
嫁の立場の人ほど、“我慢で乗り切る”以外の関わり方を持てると、長期戦を乗り切れるようになります。
話し合いのゴールは「納得感」:あとから自分を責めないための3つのポイント
延命や介護の話って、あとから「本当にこれで良かったのかな…」と揺れることがあります。だから、話し合いのゴールは“完璧な正解”より、“納得感”を残すこと。
医療ソーシャルワーカーとしては、納得感を作るために、次の3つを意識します。
① 情報を揃えたか
主治医の説明、本人の状態、選択肢。これが家族全員で共有できていると、「知らなかった」が減ります。
② 気持ちを言えたか
「後悔したくない」「つらい思いはさせたくない」「怖い」
こういう気持ちが出せていると、結論がどうであっても心が折れにくいです。
③ “見直し可能”にしたか
一回で決め切らず、「変化があれば再検討する」と決めておくと、将来の揺れに耐えやすいです。
相談者さんは最後に、「決めたことより、みんなで話せたことが良かった」と言っていました。
この感覚が残ると、介護が続いても「一人で背負っている」感じが減ります。
重いテーマほど、話し合いは“深刻”にやるより、丁寧に、少しずつ。
その積み重ねが、家族の関係も、介護する人の心も守ってくれます。
読者へのメッセージ
介護や治療の話って、正解がひとつじゃないからこそ、家族の中で気持ちがすれ違いやすいですよね。
しかも「嫁の立場」「長男の妻」「気を使う側」になりやすい人ほど、つらさを飲み込んでしまって、あとからどっと疲れが出やすいものです。
もし今、あなたが
「私だけが背負ってる気がする」
「揉めたくないのに、話し合いが怖い」
「本当は不安だけど、誰にも言えない」
そんな状態なら、まずは“結論”を急がなくて大丈夫です。
大切なのは、答えを出す前に、心の中のモヤモヤを整理して、自分の気持ちに居場所を作ること。
気持ちが言葉になるだけで、不思議と話し合いの進め方も、家族への伝え方も変わっていきます。
でも、家族には言いにくいこともありますよね。
「こんなこと言ったら責められそう」
「弱音を吐いたら迷惑かも」
そう思うほど、気持ちは詰まっていきます。
そんなときは、傾聴ラウンジ「ここより」を使ってみてください。
「ここより」は、アドバイスで急かす場所ではなく、あなたの話を否定せずに受け止めながら、気持ちを一緒に整理していく場所です。
「こうするべき」より、「まずは話していい」を大切にしているので、重いテーマでも、少しずつ自分のペースで言葉にできます。
ひとりで抱え続けて限界になる前に、
まずは“今のしんどさ”を置きに来る感覚で大丈夫です。
あなたが少しラクに、介護や家族の話し合いに向き合えるように、「ここより」でお待ちしています。


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