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パニック障害を持つ人はどんな特徴があるの?【1】

パニック障害を持つ人はどんな特徴があるの?【1】

投稿者プロフィール

佐藤 公俊
佐藤 公俊心理カウンセラー
【経歴】
・キャリアカウンセラー15年
・心理カウンセラー10年
※相談件数10,000件以上

【主な相談内容】
・うつ病、パニック障害などの精神疾患との向き合い方
・周りの人には言えない恋愛相談
・仕事が長続きしない、キャリア形成に悩んでいる
・人間関係が上手くいかない

【アプローチ】
まずは話したいこと、聴いてほしいこと、頭に浮かんだことを自由にお話ください。どんな話でも否定しませんので、安心してありのままをお話くださいね。あなたの話を受け止めた上で、心の声をキャッチし一緒に向き合い、フィードバックしていきます。

目次

突然の強い不安発作が起こる:身体への影響

パニック障害を持つ人が最も特徴的に経験するのが、突然の強い不安発作です。これらの発作は、特定の状況や原因にかかわらず、予期せずに起こることが多く、身体にさまざまな影響を及ぼします。

主な身体症状には以下のようなものがあります:

1. 心拍数の急激な上昇:パニック発作が始まると、心臓が激しく鼓動し、胸がドキドキする感覚が強くなります。多くの人が、これを「心臓発作が起きたのではないか」と感じ、不安がさらに強まることがあります。

2. 呼吸困難や過呼吸:息が詰まるような感じや、息苦しさを感じるのも典型的な症状です。過呼吸になると、さらに不安が増し、悪循環に陥ることがあります。

3. めまいやふらつき:体内の血圧や酸素供給の変動により、急にめまいや頭のふらつきを感じることがあります。これは、環境が不安定に見えるような感覚を伴うこともあります。

4. 手足のしびれや冷感:パニック発作の際、血流が一時的に体の中心部に集中するため、手や足がしびれたり冷たく感じたりすることがあります。

5. 発汗や震え:突然大量に汗をかいたり、全身が震えたりすることもよくあります。これも、不安発作時の自律神経の反応によるものです。

6. 胃のむかつきや吐き気:不安発作は消化器系にも影響を与え、胃の不快感や吐き気、場合によっては実際に嘔吐することもあります。

これらの身体症状は、数分から長くても10~30分程度でピークに達し、次第に収まることが多いですが、その強烈な経験は、再び発作が起きることへの恐怖を強化してしまいます。この恐怖が、さらなる不安や回避行動を生み出し、生活の質に大きな影響を与えることがあります。

予期不安に悩まされる日常

予期不安に悩まされる日常

パニック障害を持つ人の多くは、発作そのもの以上に「次に発作が起こるかもしれない」という恐怖に悩まされることが多いです。このような予期不安は、日常生活にさまざまな影響を及ぼし、生活の質を大きく損なうことがあります。

1. 常に次の発作を警戒している状態
予期不安とは、発作が起こる前から「いつどこで次の発作が来るのか」と心配することです。この不安があるため、心の中では常に警戒状態が続き、リラックスできない状況が続きます。

2. 発作のトリガーを避ける行動
発作が過去に起きた場所や状況を避けようとする行動が増えます。たとえば、人混みや公共の場、電車やエレベーターなど、逃げられないと感じる環境を避けるようになります。これが結果的に、日常生活の自由を制限してしまう原因となります。

3. 外出や人と会うことへの不安
予期不安が強くなると、外出すること自体が恐怖に感じられ、家から出られなくなったり、友人や家族との予定をキャンセルすることも増えてしまいます。このように、社会的なつながりが徐々に断たれてしまうことがあります。

4. 身体の些細な変化への過剰反応
予期不安が強いと、体のちょっとした変化、たとえば軽い頭痛や胸の痛み、息苦しさなどに対して過剰に反応し、「また発作が来るのではないか」と過剰に心配することがあります。これにより、不安がさらに悪化することがあります。

5. 精神的・肉体的疲労の蓄積
常に不安を感じている状態が続くと、精神的にも肉体的にも疲労が蓄積します。リラックスできる時間が少ないため、寝つきが悪くなったり、日常生活での集中力が低下することがあります。

6. 予期不安が引き起こすさらなる発作
皮肉なことに、予期不安そのものが新たなパニック発作を引き起こすトリガーとなることもあります。予期不安によって心拍数が上がったり、呼吸が浅くなったりすることで、実際に発作が発生しやすくなる悪循環に陥ります。

7. 自己肯定感の低下
発作や予期不安が頻繁に起こることで、自分自身に対しての不満や無力感を抱きやすくなります。「自分はこの不安に打ち勝てない」と感じ、自己肯定感が低下し、うつ状態に進展することもあります。

予期不安は、パニック障害の中でも特に苦しみを伴う部分ですが、適切な治療やサポートを受けることで、少しずつその影響を和らげることが可能です。

回避行動が増える:外出や公共の場が怖い理由

回避行動が増える:外出や公共の場が怖い理由

パニック障害を持つ人々の中で、特に顕著に見られるのが回避行動です。過去にパニック発作を経験した場所や状況を避けるようになり、これが日常生活に大きな影響を与えます。では、なぜ外出や公共の場が怖くなるのか、その背景を解説します。

パニック発作が再発する恐怖
一度パニック発作を経験すると、その恐怖が記憶に強く残り、「また発作が起きるかもしれない」と予期不安が高まります。この不安は、特に人混みや公共の場、逃げ場が限られる場所で強まるため、そういった場所を避けるようになります。

コントロール不能な状況が不安を煽る
公共の場や電車、バスなどは自分の意志でコントロールしにくい環境です。人が多く集まる場所や、すぐに逃げ出せない閉鎖的な空間は、発作が起きたときに「逃げられない」という感覚を引き起こし、これが不安を増大させます。

他人の目が気になる
パニック発作が起こると、身体的な症状(呼吸困難、震え、汗など)が現れ、周囲の人に見られることが非常に気になることがあります。「周りの人に変に思われるのではないか」「発作中に助けを求められないかもしれない」という恐怖が、人前に出ることをためらわせます。

外出の度に不安が強まる悪循環
外出するたびに不安や発作の予感が強まり、それが外出の頻度を減らす要因となります。回避行動が増えると、さらに外出することが困難になり、次第に自宅に引きこもるようになることもあります。この悪循環が、社会生活の維持を困難にします。

特定の場所や状況に対する条件付け
発作を経験した場所や状況に対して、強い恐怖が条件付けされることがあります。たとえば、以前に発作を経験した電車やショッピングモールでは、無意識のうちに「ここではまた発作が起こるかもしれない」と思い込んでしまい、その場所自体を避けるようになります。

生活の自由が制限される
公共の場や外出が怖くなると、生活の自由が徐々に制限されます。たとえば、買い物に行くことや友達と会うことも不安の原因になり、結果として孤立感が強まります。このような孤立は、さらに不安を増幅させ、生活の質を低下させる要因となります。

パニック発作の恐怖が行動を抑制する
パニック発作は、突発的に起こるものではなく、しばしば予期不安が伴います。このため、発作が起こりそうだと感じる場面を避けようとする行動が自然に増えますが、それが逆に不安を助長し、行動範囲を縮小させる結果となります。

治療やサポートを求めることが難しい理由
回避行動が増えることで、専門家のもとを訪れたり、サポートを受けるための行動を取ることも困難になります。外出自体が不安を伴うため、カウンセリングや治療に足を運ぶこと自体が大きなハードルとなり、治療が遅れることがあるのです。

このように、回避行動はパニック障害を悪化させる要因であり、その根本にはパニック発作を繰り返したくないという強い恐怖心が存在しています。

身体症状を過度に気にする傾向

パニック障害を持つ人々は、体のちょっとした変化や違和感に対して非常に敏感であり、これが不安を増幅させる大きな要因となります。このような「身体症状を過度に気にする傾向」は、発作そのものの恐怖と重なり、日常生活において強いストレスを感じさせるものです。

1. 小さな違和感にも過剰反応
例えば、軽い胸の痛みや頭痛、少しのめまいを感じただけでも、それがパニック発作の前兆ではないかと疑い、不安が急速に膨れ上がります。この過剰反応により、発作が実際に引き起こされることも少なくありません。

2. 「病気かもしれない」という考えが常に頭に浮かぶ
パニック障害の人は、自分の体調が少しでも通常と違うと感じると、それが深刻な病気の兆候であると考えがちです。心臓の鼓動が速くなると、「心臓発作が起きたのではないか」、息苦しくなると「窒息してしまうのではないか」といった、極端な不安を抱くことがよくあります。

3. 自分の体に対する不安が日常生活を制限する
身体の変化に対して過敏になっているため、運動や活動を避けることが多くなります。たとえば、心拍数が上がるのを恐れてエクササイズを控えたり、少しでも疲れることを避けようとします。この結果、生活の質が大きく損なわれることがあります。

4. 医師や病院への過度な依存
自分の身体症状に不安を感じると、頻繁に病院を訪れるようになります。しかし、何度検査を受けても特に異常が見つからない場合、逆にその「異常がないこと」が不安をさらに強化することがあります。つまり、「何か重大な病気が隠れているかもしれない」と思い込み、医師や検査結果を信頼できなくなることもあります。

5. 身体感覚が不安を引き起こす悪循環
身体の変化に敏感であるため、少しでも違和感を感じると不安が増幅され、その不安がさらに身体症状を引き起こすという悪循環に陥ります。例えば、心拍数が少し早くなったことで不安が増し、その不安が心臓の鼓動をさらに早くするというサイクルが始まります。

6. 日常の健康チェックが増える
自分の身体状態に敏感であるため、頻繁に健康状態をチェックする傾向があります。心拍数を測ったり、鏡で顔色を確認したり、ちょっとした変化がないか常に気にするようになります。こうした行動が、さらに不安を助長し、落ち着きを失わせる要因になります。

7. 治療に対する不信感
医師から「異常なし」と言われても、その言葉を信じられず、他の病院を訪れたり、他の医師に相談することがあります。これは「自分の体に何か問題がある」という強い思い込みから来ており、不安が自己増強的に広がっていくのです。

8. 心理的要因を見落としがち
身体症状に対して過度に注意を払うあまり、パニック障害が引き起こす心理的な側面に気づきにくくなります。つまり、発作や身体症状がすべて肉体的な問題であると考え、心理的なサポートや治療を後回しにしてしまうことがあります。

身体症状に対する過度な関心は、パニック障害の苦しみを増幅させる要因であり、これを克服するためには、身体症状と心理的要因のつながりに気づくことが重要です。

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