カサンドラ症候群かも?発達障害児育児の孤独と涙に寄り添った相談事例

「もしかして、私もカサンドラ症候群なのかもしれない」
発達障害のあるお子さんを育てる中で、そんな言葉がふと頭をよぎる方は少なくありません。誰かに責められているわけでもないのに、気づけば心がすり減っていて、涙が出る理由さえ分からなくなる。周囲に人はいるのに、なぜか孤独感だけが強く残る──そんな状態に、長く耐えてきた方の相談事例をご紹介します。
この方は、「母親なんだから頑張らなきゃ」「自分が我慢すればいい」と気持ちを飲み込み続けていました。けれど、本当は誰かに話したかったし、弱音を吐きたかった。その思いが、少しずつ言葉になっていく過程には、無理に答えを出さない“聴く時間”がありました。泣いてもいい、黙っていてもいい。そんな関わりの中で、孤独は静かにほどけていきました。


投稿者プロフィール

- よりびと
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■待機時間:月・火・木・金・土の21時~24時
※祝日はお休みです
■年齢:40代
■ キャッチコピー:安心して、リラックスして話せる雰囲気を提供します
■ 得意なテーマ
– 人間関係の悩み・恋愛相談
– 介護の悩み、自宅介護の悩み、認知症の悩み
– ママの働き方の悩み、高齢出産
– 発達凸凹、発達しょうがい、発達に関する悩み
– 介護職の悩み、人間関係のモヤモヤ
– 家族関係の悩み
– カサンドラ症候群
– 身体のお悩み(疲れやすい、PMS、緊張しやすいなど)
– 頑張りすぎてしまう。ついつい、強がってしまう。無理して、大丈夫。がくちぐせ。
■ 聴き方・スタイル
– どんな話もまるっと受け止めます
– 相手のペースに合わせてゆっくり聴きます
– 話がまとまっていなくても大丈夫
– 否定せず、穏やかに受け止めます
– 沈黙も気まずくしないスタイルです
■ 経験
– これまで20年介護職の仕事をしています。
– 特別養護老人ホーム、認知症対応型グループホーム、老健、ディサービス、有料老人ホームの経験あり。常に、傾聴、共感、受容を大切にしています。現在は、特別養護老人ホームで、パートとして勤務。
– 介護福祉士、認知症実践者研修修了。
– 障がい者ケアホームでの経験もあり。
– 傾聴ボランティア・ハンドマッサージなどでも、高齢者と関わる。
– 自身も祖父の在宅介護の経験あり。9年程していました。
– パニック障害、過呼吸、バセドウ病の経験あり。パニック障害、過呼吸は完治。
– ジストニアの経験あり。薬継続中。
– 10歳、2歳の男の子のママ。
– 10歳児の子供が発達凸凹→小児精神科で、自閉症+ADHDあり。不登校経験あり。
– 療育支援センター→放課後ディサービスを利用している。普通に見えるがゆえの難しさに直面。
– 心理学、コーチング、アドラー流メンタルトレーナー、HSPカウンセラーなどの講座を受講。
■ 大切にしていること
– どんな話でも否定しません
– 話したくないことは無理に聞きません
– 気持ちが整理されていなくてもそのままで大丈夫
– 泣いても沈黙してもOK
– どんなお話もお聴きします
– 話したいように話せるように、あなたのペースに呼吸を合わせます
■ 人柄・ユニークポイント
– 好きなもの:鬼滅の刃 / 心理学、カラー&タロット占い / ラーメン、焼肉、グッズ集め
– よく言われる性格:話やすい。温和。地に足がついている。やさしい。芯がある。愛のある人。
– ちょっとしたこだわり:自分時間を大事にしている。
– 聴き手としての密かな強み:どんな話にも寄り添います。私に話すことで、スッキリ出来ます。
■ メッセージ
ここでは、どんな話をしても大丈夫です。安心、安全の場を作ります。安心してお話ください。自分の感情を感じるお手伝いを致します。
目次
- ○ 「カサンドラ症候群かも…」と思ってしまうほど、ひとりで抱えてきた
- ・「相談したいのに相談できない」地域の近さが、逆にしんどいこともある
- ・涙が出るのは弱さじゃない:言葉にならない時間を、無理に埋めなくていい
- ・「母親なんだから全部やる」を手放す第一歩:夫に頼る・ひとり時間を作るは“甘え”じゃない
- ○ わかってほしいのに伝わらない…そのズレが、毎日じわじわ心を削っていく
- ・「励まし」が逆につらい日もある:正論より先に欲しいのは共感
- ・家の中で孤独になる理由:パートナーと「見えている景色」が違う
- ・「支援につながるのが怖い」気持ちの正体:恥じゃなく“自己防衛”
- ○ 涙と沈黙が“味方”に変わった日:ひとりで抱えないための糸口が見えてきた
- ・「うまく話せない」を許したら、本音が出てきた:言葉はきれいじゃなくていい
- ・孤独の正体が見えてくる:「分かってほしいポイント」を言葉にしていく
- ・「ひとりで抱えない」を現実にする:頼る練習は、超小さくていい
- ○ 「私が全部背負う」を卒業する:孤独を減らすのは、気合いじゃなく“仕組み”だった
- ・「助けて」を言える人になる:頼るのはスキル、慣れで上手くなる
- ・孤独がぶり返す日に備える:しんどい時の“避難プラン”を作っておく
- ・「母親だから」を言い換える:自分を守る言葉が、毎日のしんどさを軽くする
- ○ 読者へのメッセージ
「カサンドラ症候群かも…」と思ってしまうほど、ひとりで抱えてきた
発達障害のあるお子さんの育児って、毎日が“予想外”の連続だったりします。予定通りに進まないことが多いし、周りに説明しても伝わらないこともある。なのに、外からは「お母さん頑張ってるね」で終わってしまって、しんどさの中身は置き去りになりがちです。
今回の相談者さんも、「私、カサンドラ症候群かもしれない」と感じるほど、心が擦り減っていました。誰かが悪いと断定できる話じゃないのに、気づけば涙が出て、言葉にすると余計に苦しくなる。だからこそ、話すこと自体を諦めてしまう…そんな状態でした。
ここで大事にしたのは、正解探しよりも「まず安全に出せる場所」を作ること。泣いてもいいし、黙ってもいいし、まとまらないままでも大丈夫。焦らず“そのまま”を受け止めるところから、少しずつ始まっていきました。
※本文では「カサンドラ症候群」という言葉は一つの目安として扱い、診断の話ではなく、本人の感じているつらさに焦点を当てています。
「相談したいのに相談できない」地域の近さが、逆にしんどいこともある
相談者さんは「本当は誰かに頼りたい」と思っていました。だけど、住んでいる場所が“知り合いの多い地域”で、役所や支援先に行くのが怖くなってしまったんです。顔見知りがいたらどうしよう、噂になったらどうしよう、変な目で見られたら…そんな不安が先に立って、結局ひとりで抱え込む。
こういう悩みって、すごくリアルです。ネットで「相談しよう」と書かれていても、現実にはハードルが高い。しかも、周りは悪気なく「大変だね」と言うだけで、具体的に助けてくれるわけじゃない。そうなると「私が弱いから頼れないのかな」と自分を責めやすくなってしまいます。
ここではまず、“相談できない自分”を責めない整理が必要でした。「怖いのは当然」「守りたいものがあるから慎重になる」って、ちゃんと言葉にしてOKなんです。頼れない=ダメ、じゃない。頼れない事情があるだけ。そう捉え直すだけでも、気持ちは少し軽くなります。
そして次に、「外に出す」以外の選択肢も一緒に考えます。匿名で話せる場所、知り合いに会わない時間帯、文章で気持ちを整えてから動く方法。いきなり大きく動かなくても、“自分を守りながら頼る”ルートは作れます。
涙が出るのは弱さじゃない:言葉にならない時間を、無理に埋めなくていい
相談者さんは、話し始めた瞬間から泣いてしまうことが多かったそうです。でも本人は「泣くと迷惑かな」「ちゃんと説明できない自分が情けない」と感じていました。ここ、めちゃくちゃ多いです。頑張ってきた人ほど、泣くこと=崩れること=ダメ、って思いがちなんですよね。
でも、涙って“故障”じゃなくて、“限界サイン”だったりします。ずっと気を張って、耐えて、我慢してきた体と心が「もうひとりで背負わなくていいよ」って教えてくれていることもあります。だから、泣いてしまう自分を責めるより、「ここまでよく耐えてきたな」って見方に切り替えていくのが大事です。
この段階で意識したのは、沈黙や涙を急いで止めないこと。すぐにアドバイスを並べるより、「今は言葉にできなくても大丈夫」「そのままでいていいよ」と伝わる関わりを優先しました。話が飛んでもOK、まとまらなくてもOK。むしろ、まとまっていないところに本音が隠れていることが多いからです。
少し落ち着いてから、「どんな場面で涙が出やすい?」「何が一番しんどい?」と、ポイントを細かくしていきます。大きい話を一気に説明しようとすると苦しくなるので、気持ちを“小分け”にするイメージ。そうすると、自分のしんどさが「よく分からない塊」から「扱えるもの」に変わっていきます。
「母親なんだから全部やる」を手放す第一歩:夫に頼る・ひとり時間を作るは“甘え”じゃない
相談者さんの中には、「私が頑張らないと」「母親なんだから当たり前」という思い込みが強くありました。でも現実は、当たり前で回るほど簡単じゃない。睡眠不足、気疲れ、周囲との温度差…。積み重なると、心の余裕はどんどん削られていきます。
そこで出てきたのが、「夫に頼る」というテーマでした。とはいえ、いきなり“分担の話”をすると揉めやすいので、ここも段階が大事です。まずは「私は今、限界に近い」「助けが必要」という“状態の共有”から始める。責める言い方じゃなく、事実として伝える感じです。「あなたが悪い」ではなく「私が今こうなってる」。この言い方だけで、空気が変わることがあります。
次に、頼み方も具体的にします。「手伝って」だと曖昧で伝わりにくいので、「寝かしつけを週2回お願い」「土曜の午前は私のひとり時間にしたい」みたいに、行動レベルに落とす。さらに、“お願いする時間”を決めておくと、相談者さん自身の罪悪感も減りやすいです。
ひとり時間を作るのも同じで、これは贅沢じゃなくてメンテナンス。スマホを見てぼーっとするだけでも、散歩するだけでもOKです。「休む=サボり」ではなく、「休む=回復」。この感覚を取り戻すと、孤独感が少しずつ薄れていきます。ひとりで抱えないための作戦は、派手な一発逆転じゃなく、“小さく確実な一歩”の積み重ねなんです。
わかってほしいのに伝わらない…そのズレが、毎日じわじわ心を削っていく
発達障害のあるお子さんとの暮らしは、「大変だね」の一言では片づけられない細かい苦労が山ほどあります。たとえば、急な癇癪、こだわりの強さ、予定変更への弱さ、外出先でのトラブル…。一つひとつは“小さな出来事”に見えるかもしれないけど、毎日積み重なると心の体力が削られていきます。
さらにしんどいのは、周りとの“認識のズレ”。相談者さんも、「私が大げさなのかな」「ちゃんと説明できない私が悪いのかな」と感じていました。周囲は悪気がないのに、言葉が刺さってしまう。「気にしすぎだよ」「慣れれば平気」「他の子も同じだよ」…励ましのつもりの言葉ほど、孤独感を強めることがあります。
ここでは、まず“ズレが起きる構造”を整理しました。理解してもらえないのは、あなたの伝え方が下手だからじゃない。相手が知らないだけ、見えていないだけ、そして当事者の疲れは外からは想像しにくいだけ。そう分かるだけでも、「私が全部悪い」という感覚から少し距離が取れるようになっていきました。
「励まし」が逆につらい日もある:正論より先に欲しいのは共感
相談者さんが特に苦しかったのは、“正しいこと”を言われる場面でした。例えば、「お母さんが落ち着けば子どもも落ち着くよ」「もっと褒めて伸ばして」「切り替えが大事だよ」など。言っている内容は間違っていないかもしれない。でも、今その言葉を受け取れる余裕がない。むしろ「やれてない私が悪い」と責められているように感じてしまうことがありました。
ここで大事なのは、正論がダメという話ではなく、順番の話です。しんどい時にまず必要なのは、“作戦”より“共感”。「それはきついね」「毎日それが続くのは消耗するよね」と言葉にしてもらえるだけで、呼吸が楽になることがあります。人って、気持ちが受け止められた後にやっと「じゃあどうしよう」と考えられるんですよね。
だから記事としても、読者さんに伝えたいのはここ。あなたが弱いからつらいわけじゃないし、甘えているから苦しいわけでもない。単純に、負荷が大きい。それだけの話です。まずは「つらい」と感じている自分を否定しないこと。ここがスタートになります。
そしてもし周囲に言われて刺さった言葉があるなら、「あの時、何が一番つらかった?」と自分に聞いてみるのもおすすめです。言葉の奥には、“分かってほしかったポイント”が隠れていることが多いので、そこを掴めると次の一歩につながりやすくなります。
家の中で孤独になる理由:パートナーと「見えている景色」が違う
相談者さんは、夫に対して「わざと理解しないわけじゃない」と分かっていました。でも、それでも孤独感が強かった。理由はシンプルで、夫と自分で“見えている景色”が違ったからです。
多くの場合、日常の細かいケア(準備・段取り・トラブルの予防・説明・フォロー)は、メインで動いている人に集中します。しかも、その作業って外から見えにくい。目に見える「事件」だけは共有されても、事件が起きないように必死で回避している努力は伝わりづらいんです。結果、夫側は「そこまで大変だと思ってなかった」となり、相談者さん側は「私だけが分かってる、私だけが抱えてる」と感じてしまう。
ここでは、“大変さの可視化”を少しずつやっていきました。たとえば、「朝の準備で起きるつまずき」「外出前に必要な声かけ」「癇癪を避けるために避けている行動」などを、短くメモにして共有する。長文で説明しようとすると疲れるので、箇条書きで十分です。
大事なのは、相手を論破するためじゃなく、「同じ地図を持つ」ために情報を渡すイメージ。地図が共有できると、協力の仕方も現実的になります。「今どこが一番しんどいか」が分かれば、助けてもらうポイントも具体的に言いやすくなるからです。
「支援につながるのが怖い」気持ちの正体:恥じゃなく“自己防衛”
支援先に行けない、相談できない、頼れない。これって「恥ずかしい」「弱い」みたいに語られがちだけど、実際は“自己防衛”であることが多いです。相談者さんも、地域が近いからこそ「知られたくない」「噂になりたくない」という気持ちが強く、足が止まっていました。
そしてもう一つ、見逃せないのが「行っても分かってもらえなかったらどうしよう」という怖さです。勇気を出して話したのに軽く扱われたら、心のダメージは大きい。だからこそ、最初の一歩が重くなる。これは自然な反応です。
ここでは、いきなり“大きな支援”につながろうとしない作戦を取りました。たとえば、匿名で相談できる窓口を調べる、電話やオンラインなど顔を合わせない方法を選ぶ、時間帯を工夫する、まずは情報収集だけにする…。段階を小さくすると、怖さは扱いやすくなります。
さらに、自分の中の優先順位も整理します。「今一番守りたいのは何?」と考えると、行動の基準が作りやすいんです。世間体より体調、周りの目より睡眠、完璧さより安全。そうやって軸ができてくると、“頼ること”が少しずつ現実的になっていきます。
そして最後に伝えたいのは、頼れないことを責めなくていいということ。頼れないのは、あなたが弱いからじゃなく、今までずっと頑張ってきた証拠でもあります。だからこそ、ここからは「一人で抱えない」方向に、少しずつハンドルを切っていければ十分です。
涙と沈黙が“味方”に変わった日:ひとりで抱えないための糸口が見えてきた
相談者さんは最初、「話しても意味がないかも」「どうせ分かってもらえない」と感じていました。だから言葉が止まるし、泣いてしまう。頭では説明したいのに、胸の奥がぎゅっと詰まって声にならない。そんな状態でした。
でも、ここで流れが変わっていったのは、“うまく話す”を手放せた時です。泣くことも、沈黙も、まとまらない言葉も、「ダメな反応」じゃなくて「今まで頑張りすぎてきた証拠」。そう捉え直したことで、少しずつ本音が出てきました。
この段階では、答えを急がずに「今どこが一番しんどい?」を一緒に探すことを大切にしました。気持ちを無理に整えなくていい。むしろ、整っていないところをそのまま出せるほど、回復は始まりやすいです。
そして、本音が言葉になってきたことで、「頼れない私」ではなく「頼り方が分からなかった私」だったと気づけるようになりました。ここから、ひとりで抱えないための“具体策”が、現実のサイズで見え始めていきます。
「うまく話せない」を許したら、本音が出てきた:言葉はきれいじゃなくていい
相談者さんは、話す前からずっと自分にダメ出しをしていました。
「ちゃんと説明しなきゃ」
「変に思われたらどうしよう」
「泣いたら迷惑だよね」
こういう“頭の中のチェック”が強いと、本音って出にくいんです。言葉にする前に、検閲が入ってしまうから。
そこで大事にしたのは、「文章みたいに話さなくていい」「順番ぐちゃぐちゃでもいい」という前提づくりでした。話すことは発表じゃないし、面接でもない。むしろ、まとまらない言葉の断片にこそ、“本当の困りごと”が隠れていることがあります。
例えば相談者さんは、「もう無理って思う日がある」とポロッと言ったあとに、急に黙りました。そこで無理に続きを促すより、「今、“無理”って言えたの大事だよ」と受け止める。そうすると、次の言葉が出やすくなります。
この“受け止めてもらえた体験”が増えるほど、自己否定が弱まり、「話していいんだ」と思えるようになります。結果として、相談者さんの中で「苦しいのは私が弱いから」ではなく、「負荷が大きすぎるから」という現実的な見方に変わっていきました。
孤独の正体が見えてくる:「分かってほしいポイント」を言葉にしていく
相談者さんの孤独感は、“周囲に人がいない”というより、“分かってほしいところが伝わらない”孤独でした。ここって、整理するとすごく大きいです。
例えば「子どもが大変」だけだと、相手は想像で補うしかありません。すると、「それは子育てあるあるだよね」と軽く扱われたり、逆に「厳しくしないと」とズレたアドバイスが飛んできたりする。そうすると相談者さんは「やっぱり言わなきゃよかった」と閉じてしまう。
そこで、分かってほしいポイントを“具体化”していきました。
・朝の支度で何回つまずくのか
・予定変更があるとどんな反応になるのか
・外出先で何が一番怖いのか
・トラブルを避けるために何を我慢しているのか
こういう“日常の細部”を言葉にすると、孤独の輪郭がはっきりしてきます。
さらに、「一番つらいのは何?」を掘っていくと、「私だけが全部背負っている感じがする」「助けてって言うと責められそう」という“感情の芯”が出てきました。ここに触れられると、次に必要なのはアドバイスではなく、安心できる関係と、現実的な頼り方だと分かってきます。孤独って、正体が見えるだけでも少し弱まるんです。
「ひとりで抱えない」を現実にする:頼る練習は、超小さくていい
本音が出てきた後に、いきなり生活が激変するわけではありません。大切なのは、“できる範囲で現実を少し変える”こと。相談者さんの場合も、「夫に頼る」「ひとり時間を作る」という方向性が見えてきたけれど、最初は怖さもありました。
だから、頼る練習は超小さく始めました。例えば、
「今週1回だけ寝かしつけをお願いしたい」
「土曜の午前に30分だけ一人で散歩したい」
「子どもの対応で一番しんどい場面を、まず共有したい」
このくらいの“やってみるサイズ”だと、現実に落とし込みやすいです。
また、頼む時の言い方も工夫します。「手伝って」だと曖昧で揉めやすいので、「○○を○曜日に」「○分だけ」みたいに具体的にする。さらに、「私が今かなり限界で、回復の時間が必要なんだ」と“状態”として伝えると、相手も受け取りやすくなります。
相談者さんはこのプロセスを通して、「頼る=甘え」ではなく、「頼る=回復のための行動」だと捉え直せるようになっていきました。ひとりで抱えないって、気合いじゃなくて設計です。小さな設計を積み重ねるほど、孤独はちゃんと軽くなっていきます。
「私が全部背負う」を卒業する:孤独を減らすのは、気合いじゃなく“仕組み”だった
相談者さんが最後に手にしたのは、「完璧に頑張れる自分」ではありませんでした。むしろ逆で、「もう無理な日は無理って言っていい」「全部を抱えなくていい」という許可でした。発達障害のあるお子さんの育児は、正しい知識や工夫だけでは乗り切れない日が必ずあります。どれだけ愛情があっても、体力と気力には限界がある。そこを無視して頑張り続けると、心が先に折れてしまいます。
だからこそ、孤独感を減らすカギは“気持ちの持ちよう”だけじゃなく、生活の中に「頼れるルート」と「回復できる余白」を作ることでした。相談者さんは、夫に頼ることを少しずつ現実にし、ひとり時間を確保し、地域の目が気になる中でも“安全に頼る方法”を探していきました。大きな一発逆転ではなく、小さな調整の積み重ね。それが結果的に、「私はひとりじゃない」という感覚につながっていったんです。
ここから先も波はあります。でも、波が来た時に“戻れる場所”と“使える道具”があるだけで、心の折れ方は変わります。「またダメだった」じゃなく、「今日はこういう日だった」と言えるようになる。ここは、そんな現実的な安心の話です。
「助けて」を言える人になる:頼るのはスキル、慣れで上手くなる
頼ることって、意外と“才能”じゃなくて“スキル”です。特に真面目で頑張り屋さんほど、頼るのが下手になりやすい。相談者さんも、最初は「迷惑をかけたくない」「言ったら責められそう」と感じていました。だからこそ、いきなり大きく頼るより、“小さく頼る練習”を重ねるのが効果的でした。
ポイントは3つあります。
1つ目は、お願いを「具体的」にすること。
「手伝って」より、「寝かしつけを火曜と金曜にお願い」「土曜の午前は私の休み時間にしたい」みたいに、行動が見える形にすると相手も動きやすいです。
2つ目は、理由を“責めずに”伝えること。
「あなたがやらないから」ではなく、「私が今かなり疲れていて、回復が必要なんだ」と“状態”を共有する。これだけで、相手の受け取り方が柔らかくなります。
3つ目は、成功体験をちゃんと拾うこと。
頼めた日、少し休めた日、子どもの対応が一つ楽になった日。大きくなくていい。小さな成功を積むほど、「頼っていいんだ」という感覚が育ちます。頼り方は、やってみながら上手くなっていきます。
孤独がぶり返す日に備える:しんどい時の“避難プラン”を作っておく
どれだけ整えても、孤独感が急に戻ってくる日はあります。子どもの調子が悪い日、学校や園でトラブルがあった日、周りの何気ない言葉に傷ついた日…。そういう時に「また元に戻った」と落ち込む人が多いんですが、実際は“戻る”というより“波が来ただけ”なんですよね。
ここで役立つのが、しんどい時の“避難プラン”です。相談者さんにも、「限界のサイン」と「その時にやること」を一緒に整理していきました。例えば、
・眠れない日が続く
・涙が出やすい
・子どもの声がしんどく感じる
・頭が回らない
こういうサインが出たら、無理に頑張り続けない。すぐに回復モードへ切り替える。
回復モードの内容も、あらかじめ決めておくと迷いません。
・夫に「今日は限界」と短文で伝える
・家事は最低限にしてOKにする
・5分だけ別室で呼吸を整える
・誰かに一言メッセージを送る(長文じゃなくていい)
こういう“決めごと”があると、孤独の沼に落ちにくくなります。
そして一番大事なのは、避難した自分を責めないこと。避難はサボりじゃなく、回復の戦略です。波が来る前提で備えておくと、孤独は「倒れるほどのもの」から「やり過ごせるもの」に変わっていきます。
「母親だから」を言い換える:自分を守る言葉が、毎日のしんどさを軽くする
相談者さんが最後に大きく変わったのは、行動だけでなく“自分にかける言葉”でした。
「母親なんだから我慢しなきゃ」
「ちゃんとできない私はダメ」
こういう言葉は、頑張る力になるようでいて、実は心を削る刃にもなります。育児が大変な時ほど、この刃が自分に向きやすいんです。
そこでおすすめなのが、“言い換え”です。無理にポジティブになる必要はなくて、現実的で優しい言葉に置き換えるだけでOK。例えば、
「母親なんだから」→「母親でも限界はある」
「私が頑張らないと」→「チームで回す方がうまくいく」
「ちゃんとしなきゃ」→「今日は最低限で十分」
こういう言葉って、気休めじゃなく、行動を変えるスイッチになります。
さらに、「私は何を大事にしたい?」という問いも効きます。完璧な育児より、安心できる家庭。周りの目より、親子の安全。そうやって軸を戻すと、罪悪感が少し薄くなり、必要な助けも選びやすくなります。
相談者さんは、孤独がゼロになったわけではありません。でも、“孤独になりにくい仕組み”と、“自分を守る言葉”を持てたことで、涙が出る日でも立て直しやすくなりました。もし今あなたが「私もカサンドラ症候群かも」と感じているなら、まずは思い込みを一つだけ緩めてみてください。
「私が全部背負う必要はない」
その一文から、現実は少しずつ動き出します。
読者へのメッセージ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
もし今あなたが「私もカサンドラ症候群かも…」と感じているなら、それは甘えでも弱さでもなく、ずっと頑張ってきた心と体からのサインかもしれません。発達障害のあるお子さんの育児は、目に見えない負荷が本当に多いです。だからこそ、涙が出たり、言葉にならなかったり、孤独を感じたりするのは“自然な反応”です。まずは「こんなふうに感じている私」を否定しないであげてください。
そして、もし「身近な人には話しにくい」「うまく説明できない」「答えはいらないから、ただ聴いてほしい」そんな気持ちがあるなら、ひとりで抱え続けなくて大丈夫です。しんどさは、整理されていないままでも、途中で止まっても、泣いてしまってもOK。話すことに慣れていないほど、最初は言葉がバラバラになって当たり前です。
傾聴ラウンジ「ここより」では、アドバイスを急がず、あなたのペースを大切にしながら“今の気持ち”を丁寧に受け止める時間を用意しています。すぐに答えを出すよりも、まずは安心して吐き出せる場所があるだけで、心の緊張がふっとほどけることがあります。
「こんな内容で話していいのかな?」と迷う方ほど、ぜひそのままの気持ちを持ってきてください。しんどさを抱えているのは、あなたがダメだからじゃありません。ここから少しずつ、「ひとりで背負わない形」を一緒に作っていけたら嬉しいです。





