ブログ(こころの不思議)

Blog

グレーゾーンの子育てで学校とすれ違う母親へ|モンスターペアレント不安と孤立を乗り越えた相談事例

グレーゾーンの子育てで学校とすれ違う母親へ|モンスターペアレント不安と孤立を乗り越えた相談事例

小学校に入学してから、息子さんの「集団の中で落ち着けない」という言葉が学校側から増えていった――そんな毎日が、Mさんをじわじわと追い込んでいました。
面談のたびに「私の伝え方が悪いのかもしれない」「また困らせてしまったかも」と頭をぐるぐるして、夜眠れない日もありました。

「ただ、息子が安心して過ごすことを望んでいるだけなのに…」
そう思いながらも、周りの反応が気になって不安が収まらない。言い淀むたびに自己嫌悪が膨らみ、誰にも話せずに一人で抱え込んでしまう時間が続いていたのです。

こうした“伝えたいのに伝わらないモヤモヤ”は、似たような状況にいる親御さんなら誰もが経験するものです。この記事では、Mさんの実際のやりとりを通して、学校とのすれ違いで苦しくなった日々の気持ちと、少しずつ心が軽くなっていった理由を丁寧に紐解いていきます。

よりびと待機カレンダーバナー
傾聴ラウンジ「ここより」ブログバナー

投稿者プロフィール

さとうなみ
さとうなみよりびと
■待機時間:月・火・水・木・金の10時~13時
※祝日はお休みです

■年齢:30代

■ キャッチコピー:「あなたの気持ちにそっと寄り添う、優しい居場所」


■ 得意なテーマ

– 人間関係・子育ての悩み(家族/夫婦/友達/職場/子どもの発達/ママ友づきあいなど)
– 発達グレー&発達特性のある子の子育てのリアル
– ママ・パパのメンタル/気持ちのアップダウン
– 夫婦関係の悩みや心のモヤモヤ
– 自分の気持ちがわからない/整理したい
– ひとりで抱えられないときの聞き役

■ 聴き方・スタイル

– あなたが今どんな気持ちになっているのかを大切にします
– 話すペースも内容も、思ったままで大丈夫です
– 気持ちが軽くなるような穏やかな雰囲気作りはお任せください

■ 経験

– 元教員として10年間、発達特性のある子たちを含め多くの子どもたちや保護者の 相談に乗ってきました。
– 現在は私自身も発達特性のある子の母として日々奮闘中です!
– 「どうしてうちの子が…」という悩みは孤独もたくさん経験してきました。
– 夫婦関係でも日々悩み、家族の大切さや難しさを実感しています。
– 友人や家族からは「いつも話を聞いてもらえるからつい長話をしちゃう」とよく言われます。

■ 大切にしていること

– 何よりあなたの気持ちが軽くなることを一番に考えます
– 「ひとりじゃない」と感じてもらうことを意識します
– 話しやすく安心できる雰囲気を大切にします
– 上手く言葉が出なくても、涙が出てしまっても大丈夫です

■ 人柄・ユニークポイント

– 好きなもの:犬 / 韓国ドラマ / 甘いもの
– よく言われる性格:「優しい」「おもしろい」「話しやすい」「たまにぬけてる」 ※MBTI性格診断はISFJ(擁護者)です
– ちょっとしたこだわり: 1日1回は自分と子どもを甘やかす
– 聴き手としての密かな強み:当事者ママとしてのリアルな共感力


■ メッセージ

たくさん頑張っているからこそ悩むし苦しいんですよね。

リハートカウンセリング.comの傾聴ラウンジにたどり着いて下さったこのご縁を大切に、今ここから少しでも気持ちを軽くできるようお手伝いしていきます。

あなたからのお電話をお待ちしています。

目次

小学校からの指摘が増えるほど、母親の心がすり減っていくとき

Mさんは40代の女性。関東で暮らし、小学校低学年の息子さんを育てています。相談方法は対面です。
息子さんが小学校に入学して半年ほど経ったころから、学校からの指摘が増えていきました。授業中に立ち歩いてしまうことがあり、「集団行動に難しさがありそう」と言われるたびに、胸がぎゅっと苦しくなる。面談が近づくと動悸がして、夜は一人で考え込み、眠れない日もあったそうです。

Mさんが本当に望んでいたのは、学校と戦うことではありません。
「息子が無理をしすぎず、安心して通えるようにしたい」ただそれだけ。でも、配慮をお願いするほど「面倒な親だと思われたかも」と不安になり、言いたいことを飲み込んでしまう。帰宅後に反省会を繰り返し、「私の伝え方が悪いのかな」と自分を責める…。
こういう状況って、子どものことを大事に思うほど、起きやすいんですよね。ここから、Mさんの気持ちがどう整理されていったのかを、順番にたどっていきます。

「息子を守りたい」気持ちが強いほど、言葉が詰まってしまう理由

Mさんのしんどさの中心には、「守りたい」と「波風を立てたくない」の板挟みがありました。
学校での様子を聞かされると、まず心配が大きくなる。「このままでは息子がつらくなるかもしれない」と思う一方で、先生に何か伝える瞬間に、別の不安が割り込んできます。「こんなことを言ったら、やっかいな親だと思われるかな」「先生の負担を増やしてしまうかな」。

すると、言葉が短くなったり、必要なことまで遠慮してしまったりするんです。Mさんも、家庭での息子さんの様子を共有しながら、学校側から「生活リズムを整えて、落ち着いて過ごせる方法を探ってほしい」と返されたとき、責められているように感じたそうです。
本当は「学校でも少し配慮してもらえたら…」と願っているのに、それを口にするほど心臓がどきどきして、頭が真っ白になる。

ここで大事なのは、Mさんが弱いからじゃないということ。
むしろ、ちゃんと伝えたい、関係を壊したくない、うまくやりたい…その気持ちが強い人ほど、言葉を選びすぎて苦しくなります。まずはその前提を自分の中で認めるだけでも、少し呼吸がしやすくなっていきます。

学校の「できること」と家庭の「できること」がズレると、孤独になりやすい

学校とのやりとりでつらくなる理由のひとつが、「役割のズレ」です。
家庭では、息子さんの得意・不得意、調子の波、落ち着く環境を細かく見てあげられる。でも学校は集団の場で、ルールや人手の制約がある。ここが噛み合わないと、親側は「分かってもらえない」と感じやすいんですよね。

Mさんも、学校での配慮をお願いしたときに「支援学級に入るなど方法はあるが、集団での特別扱いは難しい」と言われ、距離を感じたそうです。
この瞬間って、言われた内容以上に、気持ちがグサっと刺さります。「うちの子はここにいていいのかな」「私は迷惑をかけてるのかな」みたいに、不安が一気に広がる。

さらに苦しくするのが、対応窓口が母親ひとりになりやすい現実です。
家では家のことを回し、子どものケアもしながら、学校との連絡も背負う。相談できる人が少ないと、気持ちが逃げ場を失っていきます。
だからこそ、ここでは「学校が冷たい/親が悪い」みたいな話にしないで、ズレが起きやすい構造を知ることが助けになります。ズレを知ると、必要以上に自分を責めにくくなっていきます。

「特別扱い」ではなく「困りごとの共有」として伝えると、話が進みやすくなる

Mさんが少しずつ楽になっていくきっかけは、「配慮を求める=特別扱い」ではない、と整理できたことでした。
Mさんは息子さんのために、安心して学校生活を送れるようにしたいだけ。でも、お願いをするたびに「要求が強い親」みたいに見られる気がして、どんどん言いにくくなっていました。

ここでポイントになるのが、感情の訴えではなく、“事実+困りごと”で伝えるやり方です。
たとえば「ちゃんと見てください」ではなく、「授業中に立ち歩くことが増えているみたいで、本人も疲れて帰ってきます。どういう場面で起きやすいか教えてもらえますか?」のように、観察できる情報を軸にして話す。
さらに、一度に全部伝えようとしない。面談で「困っている点を一つに絞る」。連絡帳も「短く具体的に」。この積み重ねが、親側の心の負担を減らしていきます。

もうひとつ大きいのが、「味方を一人作る」という考え方です。担任だけが窓口だと、関係がこじれたときに逃げ道がなくなります。担任以外の窓口(コーディネーターや学年の先生など)を意識するだけでも、気持ちが少しラクになります。
Mさんも、「私、そんなに間違ってなかったんですね」と言えるところまで、少しずつ落ち着きを取り戻していきました。

「私が悪いのかな」が口ぐせになって、学校との話し合いが怖くなる

面談が近づくと、Mさんの体は先に反応してしまうようになりました。動悸がして、胸が苦しくなる。帰宅後はどっと疲れているのに、頭の中では会話を何度も再生してしまう。「あの言い方、まずかったかな」「また面倒な親だと思われたかも」。
息子さんのことを守りたい気持ちは強いのに、言えば言うほど関係がこじれる気がして、言葉を飲み込んでしまう。すると今度は「言えなかった自分」を責めてしまう。Mさんはその“ひとり反省会”を繰り返しながら、どんどん孤独感が強くなっていきました。

ここで起きていたのは、学校との相性が悪いとか、Mさんの性格の問題というより、「母親が一人で抱え込みやすい構造」でした。
学校は集団の場で、ルールや人手の制約がある。家庭は一人の子に合わせられる。役割が違うのに、窓口は母親ひとり。だからこそ、うまく伝えられない時ほど「私が悪い」に落ちやすいんです。
このパートでは、Mさんが苦しくなっていった理由をもう少し丁寧にほどきながら、「どうすれば話し合いが怖くなりにくいか」を一緒に見ていきます。

面談のたびに“裁判みたい”に感じてしまう心の仕組み

学校の面談って、内容そのものより「場の空気」でしんどくなることがあります。
先生側は事実確認や共有のつもりでも、親側は“評価されている感覚”になりやすい。Mさんも、学校から「集団行動に難しさがありそう」と言われたとき、息子さんのことだけじゃなく、自分の子育てまで否定されたように感じたそうです。

この感覚が強くなると、頭の中で勝手にストーリーができてしまいます。
「私は迷惑をかけている」→「だから責められる」→「うまく説明しなきゃ」→「失敗したら終わる」みたいに、どんどん緊張が上がっていく。そうすると、普段なら言えることも言いにくくなり、帰宅後に「やっぱり私はダメだ」と自己嫌悪が残りやすいんですよね。

ここで大事なのは、面談を“勝ち負けの場”にしないこと。
先生も親も、本来は「子どもが学校で過ごしやすくなるために情報を持ち寄る関係」のはずです。もし面談が怖くなっているなら、それはあなたが弱いからじゃなくて、「守りたいものがあるから」体が反応しているだけ。そう捉え直すだけでも、少し肩の力が抜けていきます。

「配慮をお願いする=特別扱い」と思い込むと、言葉が小さくなる

Mさんは学校での配慮をお願いしたとき、「特別扱いは難しい」と言われ、強い距離を感じました。
この言葉って、受け取り方によってはすごく重いんです。「じゃあ、うちの子はここでは守られないの?」「言うだけ無駄なの?」みたいに、希望がスッとしぼむ。すると次の面談から、言いたいことがあっても“最初から引っ込める”状態になりやすい。

でも実は、「配慮」と「特別扱い」は同じじゃありません。
配慮は、困りごとを減らして学びやすくする工夫。特別扱いは、ルールを大きく変えて一人だけ別枠にするイメージ。学校側が「特別扱いは難しい」と言うとき、言葉が強く聞こえるだけで、「何もできない」という意味ではない場合もあります。

だからこそ、伝える側の言い方を“お願い”から“共有”に変えるのが助けになります。
「こうしてほしい」だけだとぶつかりやすいけれど、「こういう場面で困っているみたい」「家ではこうすると落ち着きやすい」みたいに、情報を持ち寄る形にすると話が進みやすい。Mさんが「学校と対立したいわけじゃない」と思っていたのは、まさにここ。協力関係を作るための“言葉の持ち方”が、鍵になっていきます。

母親が窓口を一人で背負うと、孤独と焦りがセットで膨らむ

Mさんのしんどさを大きくしていたのは、窓口がほぼ自分ひとりだったことです。
家では生活を回し、息子さんのケアもしながら、学校との連絡や面談準備もする。誰かに相談したくても、身近な人ほど状況を分かってくれなかったり、「気にしすぎじゃない?」と軽く言われたりして、余計に話しづらくなることもあります。そうすると、孤独感はどんどん深くなる。

孤独になると、焦りもセットで強くなります。
「早くなんとかしなきゃ」「私が動かなきゃこの子が困る」って思うほど、気持ちは前のめりになる。でも学校には学校のペースがあるし、人手不足やルールもある。そこで足並みがそろわないと、「やっぱり私のせいだ」と自分に矢印が向きやすいんです。

この状態から抜けるために大切なのは、“一人で全部やらない設計”を作ること。
担任だけに頼らず、学年の先生やコーディネーターなど別の窓口を意識する。面談で話す内容も一度に全部は出さず、テーマを絞る。連絡帳も短く具体的にする。
「全部ちゃんとやる」より、「続けられる形にする」。これが、Mさんの心を少しずつ守っていく方向につながっていきます。

「ちゃんと伝えなきゃ」を手放したら、学校との話が少しずつ前に進み始めた

Mさんが少し楽になっていったきっかけは、「うまく説明しなきゃ」「一度で分かってもらわなきゃ」という肩の力が抜けたことでした。
それまでは、面談=勝負みたいになっていて、言葉を選びすぎてしまう。帰ってからは反省会が止まらず、「私の伝え方が悪いのかな」と自分を責める。そんな流れが当たり前になっていました。

でも、話を丁寧にたどっていくと、Mさんは学校と戦っていたわけじゃないんです。
ただ、息子さんが安心して通えるように、必要なことを“伝え続けていただけ”。それなのに、なぜか自分が悪者になる感覚がないと話が進まないように感じてしまっていた。ここに気づいたとき、Mさんの表情はふっとやわらぎました。

そこからは、学校とのやりとりを「感情でぶつけない」「でも我慢で飲み込まない」というバランスに整えていきました。
キーワードは、事実と困りごとを短く共有すること、伝える量を一度に詰め込みすぎないこと、そして“味方を一人増やす”こと。ここでは、Mさんが実際に試していった工夫を、わかりやすく紹介していきます。

感情を押し込めるより「事実+困りごと」で伝えると、話がスムーズになる

Mさんがまず試したのは、伝え方を「気持ち」中心から「事実」中心に寄せることでした。
もちろん、親としては悔しいし不安だし、守りたい気持ちが強い。そこは自然なことです。ただ、そのままの熱量で話すと、相手には“強い要求”として届いてしまうことがあるんですよね。

そこで、いったん言葉を組み立て直します。
たとえば「どうして分かってくれないんですか」ではなく、「授業中に立ち歩きがあると聞きました。どの時間帯に多いですか? 家では疲れて帰ってくる日が増えていて、困っているのはここです」というふうに、観察できる事実と困りごとをセットにする。
さらに、「お願い」より「共有」に寄せると空気が変わります。「こうしてほしい」より、「こういう場面でつまずきやすいみたいです。学校ではどんな工夫ができますか?」という聞き方のほうが、協力関係になりやすい。

この形にすると、Mさん自身も落ち着きやすくなります。
話している途中で感情が高ぶりにくいし、帰宅後の反省会も減りやすい。何より、「私はちゃんと伝えられた」という小さな手応えが残るようになるんです。小さくても、この積み重ねが大きかったんだと思います。

一度に全部言わない。「困りごとを一つに絞る」だけで心の負担が減る

Mさんは最初、面談のたびに“全部まとめて解決しよう”としていました。
立ち歩きのこと、授業中の集中、友だちとの関わり、家での疲れ、将来の不安…。気になることは山ほどあるし、親としては当然です。でも、全部を一気に話そうとすると、話が広がりすぎて、最後には「結局何が言いたかったんだろう」と自分を責めやすくなります。

そこで意識したのが、「今回はこれだけ」とテーマを一つに絞ること。
たとえば「最近、面談で一番困っているのは“授業中の立ち歩きが増えた”という点です。学校ではどんな場面で起きやすいですか?」と入口を狭くする。入口が狭いと、先生も答えやすいし、具体的な情報が返ってきやすい。すると次の一手も考えやすくなります。

連絡帳も同じで、長文にしない。短く、具体的に。
「今日の帰宅後、疲れてぐったりしていました。家では○○すると少し落ち着きます。学校でも似た場面はありますか?」のように、ワンテーマ+質問で終える。
これって地味だけど、親の心を守る上ではかなり効きます。「全部背負わなくていい」って体で分かってくるからです。Mさんの声のトーンが落ち着いていったのは、この“量の調整”ができるようになったのも大きかったと思います。

“窓口を増やす”だけで孤独が薄まり、対立の空気が和らぐことがある

学校とのやりとりが苦しくなるとき、実は「誰と話すか」もすごく大事です。
担任の先生と相性が悪いわけじゃなくても、担任が忙しすぎたり、考え方が噛み合わなかったりすると、親側は逃げ道がなくなります。Mさんも、担任とのやりとりで「距離を感じた」とき、心が一気に縮こまったそうです。

そこで出てきた工夫が、“味方を一人作る”という考え方。
学年の先生、コーディネーター、養護の先生など、担任以外に相談できる人がいると、空気が変わることがあります。窓口が増えるだけで、「この先生にうまく言えなかったら終わりだ」という思い込みが弱まるんですよね。

また、第三者が入ると話が整理されやすい面もあります。
担任と親が一対一だと、どうしても感情が絡みやすい。でも別の先生が入ると、自然と“事実ベース”の会話になりやすく、解決策も出やすい。
Mさんが「先生も私をモンスターペアレントだなんて思ってないですよね」と少し安心した様子を見せたのは、関係が固まりすぎる前に、窓口や伝え方を工夫できたからだと思います。

ここまでくると、学校とのやりとりが“怖いもの”から、“調整できるもの”に変わっていきます。次は、Mさんが持ち帰った一番大きなメッセージと、その後の変化につながる話に進んでいきます。

「対立しないために我慢しなくていい」そう思えたとき、親子の毎日が戻ってきた

Mさんが最後に持ち帰った感覚は、とてもシンプルでした。
「学校と対立したくない」その気持ちは大事にしながらも、対立を避けるために自分を押し殺す必要はなかったんだ、ということです。

これまでのMさんは、面談のたびに自分を責め、言葉を飲み込み、帰宅後に一人で反省会をしていました。息子さんを守りたい気持ちは強いのに、動けば動くほど「面倒な親と思われたかも」と怖くなる。そんな状態が続くと、気づかないうちに生活の中心が“学校対応”になってしまいます。

でも、伝え方を整え、話す量を絞り、窓口を増やしていく中で、Mさんは少しずつ自分の軸を取り戻しました。
面談で必要以上に自分を責めなくなり、学校との距離感も取り直せた。連絡帳には短く具体的に書き、面談では困りごとを一つに絞って伝える。大きな変化に見えなくても、こういう小さな選択が、親の心を守ってくれます。

学校全体の理解や配慮が十分とは言えない、という課題は残っています。
それでもMさんの中には、「私は戦っているわけじゃない。息子のために必要なことを伝えているだけ」という確かな手触りが残りました。ここから先は、同じような状況にいるあなたが、日々を少しでも楽にするためのヒントとして読んでもらえたらと思います。

伝えられた日は、それだけで十分。親が自分を責めない練習が効いてくる

学校とのやりとりって、成果が見えにくいです。
何かを伝えたからといって、すぐに状況が変わるとは限らないし、先生の反応も日によって違う。だからこそ親側は、「もっと上手く言えたはず」「あれで伝わったかな」と自分を責めやすいんですよね。

でもMさんは、少しずつ発想が変わっていきました。
「今日は、必要なことを一つ伝えられた」
「短く具体的に書けた」
その“できた”をちゃんと数えるようになったんです。これって地味なんだけど、心の回復にはすごく大きい。自分を責めるクセが弱まると、次の面談への恐怖も薄まりやすいからです。

ポイントは、完璧を目指さないこと。
伝える内容が100点じゃなくてもいいし、緊張して言葉が詰まってもいい。大事なのは、あなたが「逃げずに向き合った」事実のほう。
Mさんが「私、そんなに間違ってなかったんですね」と言えたのは、まさにこの視点が入ってきたからだと思います。自分を責める時間が減ると、家での時間が戻ってきます。親の心の余裕は、子どもに伝わるので、結果的に親子の空気も少しずつ整っていきます。

学校との距離感は「近づく」より「整える」。ちょうどいい位置がある

学校対応で疲れ切ってしまう人は、真面目で責任感が強いことが多いです。
Mさんも、息子さんのために「ちゃんとしなきゃ」と思っていました。でも、距離を近づけようとしすぎると、相手の反応に一喜一憂してしまい、心が持たないことがあります。

ここで役に立つのが、「近づく」より「整える」という考え方です。
必要なことは伝える。でも、相手の機嫌まで背負わない。
できる範囲で協力する。でも、限界を超えて無理はしない。

たとえば面談で、相手の言葉が刺さったとき。
その場で全部反論しなくてもいいし、無理に納得しなくてもいい。
「今日のポイントはここだけ」と決めておけば、心のダメージは小さくなります。家に帰ってから、「あの言い方きつかったな」と思うのは自然なこと。そこでさらに「私が悪い」と結論づけない。距離感を整えるって、こういう“自分の扱い方”でもあります。

Mさんは学校との距離感を取り直せたことで、面談が“怖いイベント”から“情報交換の場”に変わっていきました。完璧な関係じゃなくていい。続けられる関係でいい。そう思えるだけで、毎日の消耗はかなり減っていきます。

まだ課題が残っていても、「我慢しないで伝える」が次の一歩になる

現実として、学校全体の理解や配慮が十分とは言えない場面はあります。
人手不足、ルールの制約、先生の経験の差…。親がどれだけ丁寧に伝えても、すぐに改善しないこともある。ここが一番つらいところです。

でも、ここで大事なのは「結果が出ない=自分のせい」ではないということ。
Mさんが持ち帰った「対立しないために我慢しなくていい」という言葉は、状況が完璧に整ったから出てきたわけではありません。むしろ、課題が残っている中でも、自分を守りながら伝えられるようになったからこそ出てきた言葉です。

我慢しないって、強く言い返すことじゃないんです。
・事実と困りごとを短く共有する
・一度に全部言わない
・担任だけに抱え込まない
この“淡々と続ける形”が、いちばん強いこともあります。

もし今あなたが、「言ったら嫌われるかも」「迷惑って思われるかも」と不安でいっぱいなら、まずは小さくで大丈夫です。
一つだけ伝える。短く書く。味方を一人探す。
その積み重ねで、「私は戦っていない。子どものために必要なことを伝えているだけ」という感覚が育っていきます。Mさんのように、少しずつ日常が戻ってくる可能性は、ちゃんとあります。

読者へのメッセージ

読んでくださってありがとうございます。

ここまで読んで「私のことかも…」と思った方もいるかもしれません。
学校の先生と話すたびに胸が苦しくなったり、家に帰ってから一人反省会が止まらなかったり。
それって、あなたが弱いからじゃなくて、子どものことを大事に思っているからこそ起きる反応なんですよね。

「対立したくない」気持ちは、すごく自然です。
でも、対立を避けるために我慢し続けると、心が削れてしまう。
伝え方を少し整えて、抱え方を少し分けていくだけで、状況は“戦い”じゃなく、“調整できること”に変わっていきます。

もし今、
「こんなこと相談したら面倒な親だと思われるかな」
「私の伝え方が悪いのかな」
そんなふうに自分を責める癖が強くなっているなら、いったん気持ちを外に出して整理する時間を持ってみてください。

傾聴ラウンジ「ここより」では、答えを急いで出すよりも、まず今の気持ちや状況を丁寧に言葉にしていく時間を大切にしています。
「何をどう伝えたらいいか分からない」
「学校との距離感を整えたい」
そんなモヤモヤの段階でも大丈夫です。

ひとりで抱え込まなくていい。
あなたは学校と戦っているわけじゃなく、大切な我が子のために一生懸命向き合っているだけです。
その頑張りが、ちゃんと報われる形を一緒に探していけたらと思います。

よりびと待機カレンダーバナー

SHARE
シェアする

ブログ(こころの不思議)一覧

ページの先頭へ