子育てのイライラが止まらない…母親失格と自分を責めるあなたへ|30代ワンオペ育児の相談事例

「また怒鳴っちゃった…」
子どもの寝顔を見ながら、ひとりで泣いてしまう夜。
優しくしたいのに、余裕がない。
穏やかなお母さんでいたいのに、現実はイライラばかり。
今回ご紹介するのは、30代・共働きで二児を育てるNさんのご相談です。
2人目の出産後、仕事に復帰してから半年。
朝は時間との戦い、日中は仕事に追われ、帰宅後はほぼワンオペ。
「母親ならこれくらいできて当然」
そんな思いで自分を奮い立たせながら、限界まで頑張っていました。
でも本音は――
「子どもに優しくしたい」
「怒鳴る自分をやめたい」
ただ、それだけだったのです。
イライラが止まらないのは、本当に性格の問題なのでしょうか。
母親失格だと感じてしまうのは、弱さなのでしょうか。
Nさんとの時間の中で見えてきたのは、怒りの奥にあった“疲れ果てた心”でした。
同じように、自分を責め続けている方へ。
今日はひとつの相談事例として、Nさんの歩みをお伝えします。


投稿者プロフィール

- よりびと
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■待機時間:10時~19時(土日祝を含む週5日程度のシフト制)
※シフトは2週間単位で掲載します
■年齢:20代後半
■ キャッチコピー:あなたの心の声をそのまま受け止める、安心の止まり木です。
■ 得意なテーマ
– もやもやしている気持ちの整理
– 誰にも言えない話の受け止め
– 人間関係の悩み・恋愛相談
– とにかく話を聴いてほしいとき
– 感情の吐き出し
■ 聴き方・スタイル
– 話す準備ができるまでじっくりと待ちます。
– 言葉の裏にある感情を丁寧に拾い上げます。
– 否定的な判断を挟まず、お話を丸ごと受け入れます。
– 解決策は求められるまで出しません。聴くことに徹します。
■ 経験
– 臨床心理学を学び、人格特性やストレスの対処法について研究していました。
– 認定心理士、証券外務員1種、FP等の資格を持ち、専門的な知識でサポートします。
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– 守秘義務を徹底し、年間40件以上の相談を継続的に担当していました。
■ 大切にしていること
– 否定ゼロ。あなたの全てを受け入れます。
– 話したくないことは無理に聞きません。
– 対等な立場で傾聴します。
– 泣いても沈黙してもOK。決して急かしません。
■ 人柄・ユニークポイント
– 好きなもの:音楽 / ゲーム / ラーメン / 犬・猫
– よく言われる性格:温かみがある / 話しやすい / 誠実
– ちょっとしたこだわり:旅行先の地域で一番おいしいラーメンを探しています。
– 聴き手としての密かな強み:言葉の温度から、微細な感情の変化を読み取ります。
■ メッセージ
感情が溢れたり、話が前後しても気にしないでください。あなたの伝えたい気持ちを丁寧に見つけ出します。まずは気持ちの全てを預けて、心をそっと休ませてあげましょう。
目次
- ○ 子育てのイライラが止まらない…「また怒鳴ってしまった」と泣く夜に
- ・「怒り」より先に、体がもう限界を出していた
- ・「母親ならできて当然」が自分を追い詰めるルールになっていた
- ・怒鳴ってしまう自分の奥には、泣いている“もう一人の自分”がいた
- ○ 「私がもっとしっかりしなきゃ」…頑張りが報われない毎日に、心がすり減っていく
- ・「いい母親」の基準が高すぎて、いつも赤点みたいな気分になっていた
- ・頼れないのは意志が弱いからじゃなく、「迷惑をかけちゃダメ」が根っこにあった
- ・罪悪感が強い人ほど、愛情が深い。だからこそ自分を責めやすい
- ○ 「怒鳴る私」を直すより先に…イライラの奥にある“本当の気持ち”に出会った
- ・怒りの“手前”を見つけると、爆発までの時間が伸びていく
- ・「助けて」が言えない人ほど、“わかってほしい”が溜まりやすい
- ・「適当を許す」はサボりじゃない。“回復するための技術”だった
- ○ 完璧じゃなくても大丈夫。イライラしても、あなたはちゃんとお母さんをやっている
- ・怒鳴ってしまったあとに「戻ってこれる」ようになったのが一番の変化
- ・「助けて」が言える練習は、家族の空気を変えていく
- ・「いい母親」より「今日の私」で十分
- ○ 読者へのメッセージ
子育てのイライラが止まらない…「また怒鳴ってしまった」と泣く夜に
朝の支度で子どもがモタモタするだけで、胸の奥がカッと熱くなる。
「早くして!」と言った直後に、自己嫌悪がドッと押し寄せる。
保育園に預けたあとも仕事中も、頭の中はそのことばかり。
今回の相談事例は、30代・二児のママで共働きのNさん。
2人目が生まれて仕事に復帰した半年前から、イライラが止まらなくなりました。
家事も育児もほぼ一人で抱え、頼れる人は近くにいない。
本当は穏やかに笑っていたいし、子どもを心から「かわいい」と思える余裕がほしい。
それなのに現実は、怒鳴って、泣いて、「私は母親失格だ」と責める夜が続く。
この“しんどさ”って、気合いでどうにかなるものじゃないんですよね。
だから私はまず、Nさんの「怒ってしまう自分」を正そうとはしませんでした。
その奥にある疲れや孤独や、言葉にならない苦しさを、いっしょにほどいていくところから始めました。
「怒り」より先に、体がもう限界を出していた
Nさんの話を聴いていて強く感じたのは、イライラが“性格の問題”みたいに見えるときほど、実は体と心が先に限界を迎えていることが多い、ということです。
Nさんは、いつも肩に力が入っていました。眠りも浅くて、理由もなく涙が出る。
こういう状態って、心が弱いから起きるんじゃなくて、単純に“回復する時間が足りていない”ことが多いんです。
しかも、共働きで二人育児。朝も夜も気が抜けない。
「家事も育児も仕事も、ちゃんとやらなきゃ」って自分に言い聞かせながら走っていると、休むスイッチがどこにあるのか分からなくなります。
そして、余裕がゼロのときに起きるのが、ちょっとした一言や出来事への爆発。
夫の何気ない言葉に強く反応してしまったり、子どもの動きが遅いだけで怒りが湧いたり。
それは“短気になった”というより、“限界サイン”が表に出ただけ、という見方もできます。
だから最初に大事なのは、反省会じゃなくて、まず「今どれくらい疲れてる?」を一緒に確認すること。
怒りの原因探しの前に、心と体のガス欠具合を見逃さない。
ここがスタート地点だと思っています。
「母親ならできて当然」が自分を追い詰めるルールになっていた
Nさんが一番しんどそうだったのは、出来事そのものよりも、「理想から外れた自分を許せない」気持ちでした。
たとえば、子どもに怒鳴ってしまった日の夜。
Nさんは「怒鳴った事実」で落ち込んでいる以上に、
「私は優しい母親であるべきなのに、できていない」
このズレに耐えられなくなっていました。
ここでよく出てくるのが、頭の中の“ルール”。
「母親なら栄養バランスの良いご飯を作るべき」
「家が整っていて当たり前」
「子どもに優しくできない私はダメ」
こういうルールって、最初は自分を支えるためのものだったりするんです。
でも、忙しさが増えて守れなくなると、途端に自分を責める武器になります。
Nさんも「私がもっとしっかりしなきゃ」「子どもが悪くなったら私のせい」と、全部を背負っていました。
その姿は、だらしないどころか、むしろ頑張りすぎ。
だから私は、ルールを壊そうとするより先に、「そのルール、誰が一番苦しくなってる?」と一緒に見ていきました。
“良い母親”になろうとするほど、心が削れていく。
この矛盾に気づけたとき、初めて「変えられる部分」が見えてきます。
怒鳴ってしまう自分の奥には、泣いている“もう一人の自分”がいた
Nさんの言葉で印象的だったのが、
「怒鳴っちゃう私の中には、泣いている小さな私がいたんですね」
という一言でした。
怒りって、いきなり湧くように見えるけど、実はその手前に別の感情が隠れていることが多いです。
疲れ、寂しさ、分かってほしい気持ち、助けてのサイン。
でもそれを言う余裕も、言い方も分からないとき、最後に出てくるのが怒りだったりします。
Nさんの場合も、「助けて」と言えないまま、全部を一人で抱えていました。
甘えられない、頼れない、弱音を吐けない。
だからこそ、怒りが出たあとに「私は最低だ」とさらに自分を叩いてしまう。
この流れが続くと、心はどんどん孤立します。
私は、ここで“正しい言い方”を急いで教えるより、まず「泣いている小さな自分」の存在を大事にしました。
怒鳴った事実を消すことはできないけれど、その瞬間の自分が何を背負っていたかは、丁寧に見直せます。
そして、ほんの小さな工夫から始めました。
たとえば「1日1回、5分だけ自分のためにコーヒーを飲む時間を“義務”にする」。
たったそれだけ?と思うかもしれません。
でも、回復の入口って案外こういう“小さな許可”から開いていくんです。
「完璧じゃなくていい」って言葉が、ただの綺麗事じゃなくなる瞬間。
それが、Nさんの表情がふっと柔らかくなったタイミングでした。
「私がもっとしっかりしなきゃ」…頑張りが報われない毎日に、心がすり減っていく
上記の段階で見えてきたのは、Nさんのイライラが“性格”というより、疲れと孤独の積み重なりだったこと。
でも承では、もう一歩深く入っていきます。なぜNさんは、限界まで苦しくなっても「休めない」「頼れない」状態になっていたのか。
Nさんの口ぐせは「私がちゃんとしなきゃ」。
朝の支度、仕事、家事、子どもの世話。全部を回しながら、どこかでずっと気を張っていました。
怒鳴ってしまった後は罪悪感。夫に言い返してしまった日は自己嫌悪。
そして夜になると「母親失格だ」と自分を責めて、また明日が来る。
こういう毎日って、周りからは“ちゃんとしてる人”に見えたりします。
でも本人の中では、頑張っても頑張っても足りない感覚が続く。
「もっとできるはず」「まだ甘い」って、自分にダメ出しが止まらない。
私はここで、出来事の正しさよりも、Nさんの中にある“厳しすぎる基準”と“助けを呼べない癖”に目を向けました。
問題は、Nさんが弱いことではなく、強すぎる頑張りが当たり前になっていたことでした。
「いい母親」の基準が高すぎて、いつも赤点みたいな気分になっていた
Nさんが自分を追い詰めていた一番の原因は、「理想の母親像」が高すぎたことでした。
たとえば、食事。栄養バランスも彩りも考えて、ちゃんと作りたい。
部屋も整っているのが当たり前。子どもには優しく接するのが当たり前。
でも現実は、共働きで二人育児。時間も体力も足りない日が普通にあります。
そこで起きるのが、「できない自分」へのダメ出し。
本当は“70点で十分”の日でも、Nさんの中では“100点じゃないと失格”みたいになっていました。
こうなると、頑張っても報われません。
なぜなら、達成ラインが高すぎて、いつも届かないから。
そして届かないたびに、「私はダメだ」「ちゃんとできていない」と自分を責めてしまう。
努力が積み上がるどころか、自己嫌悪が積み上がっていく感覚です。
ここで私が大事にしたのは、Nさんの頑張りを“甘やかし”に変換しないこと。
「もっと楽していいよ」だけだと、Nさんは「私は怠けてるのかな」と余計に苦しくなります。
だからまず、「その基準の高さ、どこから来たんだろう?」を一緒に探しました。
自分に厳しい人ほど、ちゃんと理由があります。
誰かに迷惑をかけたくない。子どもに悪影響を与えたくない。家族を守りたい。
その優しさが、いつの間にか“厳しさ”に変わってしまっていただけ。
ここに気づくと、「私はダメ」ではなく「私は必死だった」に言葉が変わっていきます。
頼れないのは意志が弱いからじゃなく、「迷惑をかけちゃダメ」が根っこにあった
Nさんは「助けて」と言うのがとても苦手でした。
夫にお願いするのも、甘えるのも、どこか申し訳なく感じてしまう。
頼れる人が近くにいない状況もありましたが、それ以上に“頼ること自体”にブレーキがかかっていました。
こういうとき、外から見ると「もっと言えばいいのに」と思われがちです。
でも本人の中では、頼る=迷惑をかける、みたいに結びついていることがあります。
Nさんも、やるべきことを抱え込むほど「私がやらなきゃ」と強くなっていきました。
そしてここが落とし穴で、抱え込むほど疲れて余裕がなくなる。
余裕がなくなるとイライラが出る。
イライラが出ると自己嫌悪が増える。
自己嫌悪が増えると、さらに「ちゃんとしなきゃ」と頑張りが強くなる。
まさにループです。
私はこのループを断ち切るために、「お願いの練習」をいきなり始めるのではなく、まず“頼れない自分”を責めないところから始めました。
頼れないのは、弱いからじゃなく、これまで一人で踏ん張ってきた証拠でもあるからです。
それを踏まえた上で、Nさんには小さく聞いていきました。
「もし“迷惑”じゃなく“協力”だとしたら、どんな頼み方ならできそう?」
こうやって言葉を変えるだけで、体の力が少し抜ける人もいます。
頼るって、急に上手くならなくてOK。
でも“頼ることに罪悪感がある”と気づけるだけで、次の一歩はかなり現実的になります。
罪悪感が強い人ほど、愛情が深い。だからこそ自分を責めやすい
Nさんの中心にあった感情は、怒りというより罪悪感でした。
怒鳴ったあと、保育園に預けたあと、仕事中もずっと「私、ひどいことをした」と頭が離れない。
夜は子どもの寝顔に謝って、泣いて、さらに自分を責める。
ここで大事なのは、罪悪感が強い=母親として終わってる、ではないこと。
むしろ逆で、罪悪感が強い人ほど「子どもを大切にしたい」「傷つけたくない」という気持ちが強いことが多いんです。
だから少しでも理想から外れると、自分を許せなくなる。
ただ、罪悪感が続きすぎると、回復のエネルギーが奪われます。
反省が“次に活かせる反省”で終わらず、ずっと自分を罰する時間になってしまうから。
その結果、疲れが取れないまま翌日が来て、またイライラが出やすくなる。
罪悪感って、長く居座るほど悪循環を作るんですよね。
そこで私がNさんと一緒にやったのは、「罪悪感をゼロにする」ではなく、「罪悪感が出たときの扱い方を変える」ことでした。
たとえば、怒鳴ってしまったあとに
「私は最低」ではなく
「あ、今の私は疲れが限界だった」
と実況中継する。
これだけで、罪悪感が少し“薄まる”ことがあります。
薄まれば、次にできる行動が増えます。
深呼吸する、少し水を飲む、子どもに短い言葉で謝る、誰かに一言だけ送る。
大きな改善じゃなくていい。
“自分を罰する時間を短くする”ことが、結果的に家族にも自分にも優しくつながっていきます。
「怒鳴る私」を直すより先に…イライラの奥にある“本当の気持ち”に出会った
上記の段階で、Nさんを追い詰めていたのは「いい母親の基準の高さ」と「頼れなさ」、そして強い罪悪感だと見えてきました。
でも、頭で分かっても気持ちはすぐ変わらないんですよね。
Nさんも「完璧じゃなくていいのは分かるんです。でも、できないと自分が許せなくて…」と話していました。
この“分かってるのに止められない”って、すごく苦しい。
だから転では、考え方を正すよりも、まず“イライラが出る瞬間の心の動き”を丁寧に見ていきました。
私が大事にしたのは、怒りを悪者にしないこと。
怒りは、いきなり出てきたわけじゃなくて、ずっと溜まっていた疲れや孤独の「もう無理!」というサインかもしれないからです。
Nさんの怒りの下には、言葉にならない「助けて」と「分かって」が隠れていました。
そしてあるとき、Nさんがぽつりとこぼしたんです。
「怒鳴っちゃう私の中に、泣いている小さな私がいたんですね」
この一言が出た瞬間、空気がふっと変わりました。
責めるための言葉ではなく、守るための言葉が少しずつ増えていった。
ここから、Nさんの現実的な変化が始まっていきます。
怒りの“手前”を見つけると、爆発までの時間が伸びていく
イライラって、突然スイッチが入ったように見えますよね。
でも実際は、爆発する前にいくつもサインがあります。
Nさんの場合、怒鳴ってしまう前には共通点がありました。
・朝から時間に追われている
・子どもが言うことを聞かない
・自分の体がすでにしんどい(眠い、肩がこる、息が浅い)
・「また今日も私が全部やってる」という気持ちが湧く
こういう“手前”を言葉にできるようになると、爆発そのものが減るというより、爆発までの時間が伸びていきます。
つまり、間に「選べる瞬間」が生まれるんです。
たとえば、怒りが80%まで上がったときに
「今、私、めっちゃ疲れてる」
って気づけるだけで、行動が変わります。
深呼吸して水を飲む。声のトーンを一段下げる。子どもに言う前に“自分に一言”入れる。
Nさんには、“怒りの温度計”みたいなイメージで話しました。
0〜100で今いくつ?
70を超えたら「危ないサイン」だから、まず自分を落ち着かせる小さな動きを入れる。
怒りをなくすのが目標じゃなくて、怒りに振り回されにくくする。
これだけで、罪悪感の量もグッと減っていきます。
「またやっちゃった」から「今の私、危なかったな」へ。
言葉が変わると、回復のスピードも上がっていきます。
「助けて」が言えない人ほど、“わかってほしい”が溜まりやすい
Nさんの怒りの奥にあったのは、単なる疲れだけじゃありませんでした。
「誰も私の大変さを分かってくれない」
この気持ちがずっと溜まっていたんです。
ここ、めちゃくちゃあるあるです。
頑張り屋さんほど、弱音を吐けない。
吐けないから、周りも気づきにくい。
気づかれないから、「私は一人だ」と感じる。
そして、小さな一言で爆発してしまう。
Nさんが夫の「今日のご飯これだけ?」に強く反応したのも、料理の量の話だけじゃなかったんですよね。
「私は今日も必死で回してたのに、その言い方…」
「ねぎらいがほしかった」
「大変だったね、って言ってほしかった」
こういう“わかってほしい”が、言葉にならないまま怒りの形で出てしまう。
だから私は、夫への伝え方をいきなり作戦会議する前に、まずNさんの中の“わかってほしい”を外に出していきました。
「本当はどんな一言がほしかった?」
「本当は何を手伝ってほしかった?」
ここを言葉にできると、不思議と怒りが少し落ち着きます。
理由が分かると、怒りは“説明できる感情”になっていくから。
そして次のステップとして、Nさんには「長文じゃなくていいから、短いお願いを1個だけ」と提案しました。
たとえば「週末の午前だけ見ててほしい」みたいに。
頼るのが苦手な人ほど、“小さく・具体的に”がコツです。
「適当を許す」はサボりじゃない。“回復するための技術”だった
Nさんが変わり始めたきっかけは、“頑張りを減らす”ことを自分に許したことでした。
でもこれ、言うのは簡単で、やるのは難しい。
真面目な人ほど、「手を抜く=ダメ」って感じてしまうからです。
そこでNさんには、「適当」を“サボり”じゃなく“回復の技術”として扱う話をしました。
体力が残っていない日に、100点の夕飯を作ろうとするのは無理ゲーです。
無理ゲーを続けると、翌日に怒りが出やすくなる。
だったら、60点でいい日にするほうが、結果的に家族に優しくできる確率が上がります。
Nさんが取り入れたのは、すごく小さな習慣でした。
「1日1回、5分だけ、コーヒーを自分のために飲む時間を義務にする」
ポイントは“気分転換”じゃなく“義務”にしたこと。
頑張り屋さんって、自分のことは後回しにしがちなので、先に予定として確保するほうが続きやすいんです。
こういう小さな回復が入ると、心にスペースができます。
スペースができると、子どもの動きが遅くても「まあいっか」が少し増える。
夫の一言にも、爆発の前に「今ムリ」と気づける。
Nさんも「お母さんをやめてもいい時間があっていいんだ」と話して、表情がふっと柔らかくなりました。
完璧な自分になるのではなく、今の自分を保てる工夫を増やす。
この方向に舵を切れたことが、ここでのいちばん大きな変化でした。
完璧じゃなくても大丈夫。イライラしても、あなたはちゃんとお母さんをやっている
上記でNさんは、「怒鳴る私を直さなきゃ」という視点から、「怒りの奥にある疲れや本音に気づく」視点へと少しずつ変わっていきました。
そしてここで大事になるのは、劇的な“別人レベルの変化”ではなく、毎日の中で起きる小さな変化をちゃんと受け取ること。
Nさんは、怒鳴ってしまった日がゼロになったわけではありません。
でも、怒鳴ったあとに「私は最低」と自分を叩き続ける時間が短くなりました。
代わりに出てきたのが、
「あ、今の私、疲れてるんだな」
という客観視。
この一歩って地味に見えるけど、実はすごく大きいんです。
なぜなら、自己嫌悪で沈み続けるより、回復と立て直しにエネルギーを使えるようになるから。
さらにNさんは、週末に夫へお願いして数時間ひとりで外出することにも挑戦しました。
“助けて”を言えない自分を責めるのではなく、少しずつ練習していく。
完璧を目指すのではなく、今の自分で続けられる形を増やしていく。
そんな現実的な積み重ねが、Nさんの毎日を少しずつラクにしていきました。
怒鳴ってしまったあとに「戻ってこれる」ようになったのが一番の変化
子育てのイライラで苦しいときって、「怒鳴ってしまうこと」そのものより、怒鳴ったあとに自分を責め続けてしまうことがダメージになることが多いです。
Nさんもまさにそうでした。
怒鳴った直後、保育園に預けた直後、仕事中までずっと反省会。
「子どもの性格が悪くなったら私のせい」
「私は母親に向いてない」
こんな言葉が頭の中でリピートして、心が休まらない。
でもNさんは、少しずつ“戻り方”を覚えていきました。
怒鳴ってしまったときに、いきなりポジティブにはなれなくてもいい。
ただ、そこから抜け出すための合図を自分に出せるようになったんです。
たとえば、
「今、私は疲れてる」
「余裕がない状態で頑張ってた」
と実況中継してみる。
これって、言い訳じゃなくて状況整理。
状況整理ができると、次にやれることが増えます。
深呼吸する。水を飲む。少しだけ座る。
子どもに「さっき大きい声出しちゃったね」と短く伝える。
100点の謝罪や完璧な関わりを目指さなくても、“戻る”ができれば十分です。
子育ては毎日のことだから、失敗しないことより、失敗しても戻ってこれることのほうが大事。
Nさんの変化は、まさにそこでした。
「助けて」が言える練習は、家族の空気を変えていく
Nさんの中では、夫へのイライラがゼロになったわけではありません。
でも大きかったのは、爆発する前に「今、きつい」と言える練習を始めたこと。
頼るのが苦手な人にとって、「助けて」ってすごくハードル高いです。
言った瞬間に否定されたらどうしよう。
面倒くさいと思われたらどうしよう。
そんな不安が先に立つ。
だからこそ、練習は“小さく・具体的に”。
Nさんが挑戦したのは、週末に数時間だけ子どもをお願いして外出することでした。
いきなり毎週じゃなくていい。
まずは一回やってみる。
この一回ができると、体が覚えます。
「あ、頼っても世界は終わらない」
「少し休むと、私は回復できる」
こういう体験って、頭で理解するより強いんですよね。
そして不思議なことに、休める時間が少しでも増えると、普段のイライラの爆発力が下がっていきます。
余裕が1ミリでもあると、子どもの“遅い”に対して
「早くして!」の前に
「あと何分で出るよ」
って言える確率が上がるから。
夫へのイライラが残っていてもOK。
大事なのは、爆発してから自己嫌悪に沈むルートだけじゃなく、爆発前に「今きつい」と出せるルートを作ること。
そのルートが一本増えるだけで、家の空気は少しずつ変わっていきます。
「いい母親」より「今日の私」で十分
この相談事例を読んでくれた人の中にも、Nさんみたいに夜中に自分を責めている人がいるかもしれません。
「また怒鳴っちゃった」
「優しくできない」
「私、向いてないのかな」
そんなふうに思う日、ありますよね。
でもね、イライラするのは、愛情がないからじゃありません。
むしろ逆で、ちゃんとしたくて、子どもを大切にしたくて、頑張っている人ほど苦しくなりやすい。
「ちゃんとしたい」が強い人ほど、余裕がなくなったときに自分を責めてしまうからです。
だから、ここで伝えたいのはこれです。
完璧じゃなくても、あなたは十分やってる。
怒鳴ってしまった日があっても、あなたが積み重ねてきた毎日が消えるわけじゃない。
もし今日、心がギリギリなら、やることは“改善”より“回復”を優先していい。
・5分だけ座る
・温かい飲み物を飲む
・深呼吸を3回する
・「今日は無理だった」と自分に言う
これだけでも立派な一歩です。
子育てって、正解の連続じゃなくて、立て直しの連続。
泣きながらでもいいし、頼りないままでもいい。
“今のあなた”で、ちゃんと愛されていい。
この相談事例が、そのことを思い出すきっかけになったら嬉しいです。
読者へのメッセージ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
もし今あなたが、Nさんのように
「また怒鳴っちゃった…」
「私って母親失格かも」
そんなふうに自分を責めながら夜を過ごしているなら、まず伝えたいことがあります。
イライラしてしまうのは、あなたがダメだからではありません。
むしろ、家族を大切にしたい気持ちが強い人ほど、限界まで頑張ってしまって、余裕がなくなりやすいんです。
だから、完璧じゃなくていい。
今日うまくいかなかったとしても、あなたが積み重ねてきた毎日が消えるわけじゃない。
「またやっちゃった」ではなく、
「今の私は疲れてるんだな」
そうやって“自分を責める時間”を少し短くできたら、それだけでも大きな一歩です。
そしてもし、頭の中がグルグルして止まらないときや、ひとりで抱えるのがもうしんどいと感じたときは、言葉にしきれない気持ちのままでも大丈夫なので、傾聴ラウンジ「ここより」を思い出してください。
ここよりは、「ちゃんと話さなきゃ」「うまく説明しなきゃ」がいらない場所。
まずは今の気持ちを、そのまま置いていく感覚でOKです。
誰かに否定される心配をせずに、いったん胸の内を外に出すだけでも、心の圧がスッと下がることがあります。
あなたが少しでも呼吸しやすくなる方向へ、一緒に整えていけたらと思っています。





