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ブログ(こころの不思議)

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【発達特性のある子どもと夫婦関係のすれ違い】母親だけが限界になる理由|40代女性の相談事例

【発達特性のある子どもと夫婦関係のすれ違い】母親だけが限界になる理由|40代女性の相談事例

夫婦ふたりのときは、特に大きな問題はなかった。

むしろ穏やかで、ちゃんと話もできる関係だった。

でも、子どもが生まれて、集団生活が始まってから、少しずつ歯車がズレていきました。

発達特性のある息子さんの癇癪。

強い口調で叱る夫。

その間に立ち続ける母親。

「同じ親なのに、どうして私だけがこんなにしんどいんだろう」

今回ご紹介するのは、40代のMさんの事例です。

子どもの困りごとよりもつらかったのは、家庭の中で“ひとりで背負っている感覚”でした。

誰が悪いわけでもない。

でも、このままでは自分が壊れてしまいそう。

そんな思いを抱えながら、Mさんは静かに限界を迎えていました。

これは、母親が悪いわけでも、父親が悪いわけでもない。

「役割」と「理解」の整理から、少しずつ家庭の空気が変わっていったお話です。

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投稿者プロフィール

さとうなみ
さとうなみよりびと
■待機時間:月・火・水・木・金の10時~13時
※祝日はお休みです

■年齢:30代

■ キャッチコピー:「あなたの気持ちにそっと寄り添う、優しい居場所」


■ 得意なテーマ

– 人間関係・子育ての悩み(家族/夫婦/友達/職場/子どもの発達/ママ友づきあいなど)
– 発達グレー&発達特性のある子の子育てのリアル
– ママ・パパのメンタル/気持ちのアップダウン
– 夫婦関係の悩みや心のモヤモヤ
– 自分の気持ちがわからない/整理したい
– ひとりで抱えられないときの聞き役

■ 聴き方・スタイル

– あなたが今どんな気持ちになっているのかを大切にします
– 話すペースも内容も、思ったままで大丈夫です
– 気持ちが軽くなるような穏やかな雰囲気作りはお任せください

■ 経験

– 元教員として10年間、発達特性のある子たちを含め多くの子どもたちや保護者の 相談に乗ってきました。
– 現在は私自身も発達特性のある子の母として日々奮闘中です!
– 「どうしてうちの子が…」という悩みは孤独もたくさん経験してきました。
– 夫婦関係でも日々悩み、家族の大切さや難しさを実感しています。
– 友人や家族からは「いつも話を聞いてもらえるからつい長話をしちゃう」とよく言われます。

■ 大切にしていること

– 何よりあなたの気持ちが軽くなることを一番に考えます
– 「ひとりじゃない」と感じてもらうことを意識します
– 話しやすく安心できる雰囲気を大切にします
– 上手く言葉が出なくても、涙が出てしまっても大丈夫です

■ 人柄・ユニークポイント

– 好きなもの:犬 / 韓国ドラマ / 甘いもの
– よく言われる性格:「優しい」「おもしろい」「話しやすい」「たまにぬけてる」 ※MBTI性格診断はISFJ(擁護者)です
– ちょっとしたこだわり: 1日1回は自分と子どもを甘やかす
– 聴き手としての密かな強み:当事者ママとしてのリアルな共感力


■ メッセージ

たくさん頑張っているからこそ悩むし苦しいんですよね。

リハートカウンセリング.comの傾聴ラウンジにたどり着いて下さったこのご縁を大切に、今ここから少しでも気持ちを軽くできるようお手伝いしていきます。

あなたからのお電話をお待ちしています。

目次

子どもが園に入ってから、家の空気が変わった(40代Mさんの相談事例)

夫婦ふたりの頃は、ちゃんと話もできて、特別に困ることもなかった。
でも、息子さんが入園して集団生活が始まったあたりから、家の中で「小さな違和感」が積み重なっていきました。

発達特性のある息子さんは、うまく切り替えられない日がある。
癇癪が出ると、夫は強い口調で叱って止めようとする。
一方でMさんは「強く叱るほど逆効果に見える」と感じて、間に入って場を収めようとする。

その結果、夫は「言うことを聞かせないと」と焦り、息子さんは夫を避けるようになり、Mさんにだけ甘える。
Mさんは「夫も悪気はないのに、どうして変わらないんだろう」と悩みながら、気づけば毎日、調整役を一人で抱えていました。

「同じ親なのに、私だけが背負っている気がする」
この言葉が出たとき、Mさんのしんどさの中心が、はっきり見えてきました。

「甘やかしすぎ?」夫の言葉に心が削られていった

夫が言う「甘やかしすぎ」「わがままだ」という言葉。
それはMさんにとって、育児のやり方を否定されるように刺さっていました。

もちろん、夫も息子さんのことを思っての言葉かもしれない。
でも、息子さんは強い口調が入るほど反発して、泣き叫んだり暴れたりが増えていく。
Mさんは目の前の“現実”として、「このやり方ではうまくいかない」と感じていました。

だからこそ、穏やかに接してほしいと夫に伝える。
その場では夫も「わかった」と言う。
でも、いざ同じ場面になると、また強い口調が出てしまう。

「私の伝え方が悪いのかな」
「もっと上手に説明できたら変わる?」
そうやって自分の責任にして頑張るほど、Mさんの心はすり減っていきました。

本当は、責めたいわけじゃない。
ただ、家の中を安心できる場所にしたい。
その願いが強いほど、報われない感じが積み重なって、しんどさが増していったんです。

「間に入ればうまくいく」母親が背負いがちな“調整役”のしんどさ

息子さんが荒れそうになると、Mさんは先回りして空気を変えようとする。
夫の言葉が強くならないように話題を切り替えたり、息子さんを抱えて別の部屋に連れていったり。
いわゆる“仲裁”が、日常の標準装備になっていました。

でも、これって続けるほど苦しくなるんですよね。
なぜなら、家庭の安定が「Mさんの動き」にかかってしまうから。

夫が忙しくて平日は子どもと関わる時間が少ない。
だから余計に、週末や夕方の短い時間に衝突が起きると、ダメージが大きい。
しかもその場を収めるのは、いつもMさん。

「同じ親なのに、私だけが責任を背負っている気がする」
この感覚は、弱さじゃなくて“状況がそうさせている”ことが多いです。

さらに厄介なのは、Mさんが頑張れば頑張るほど、周りからは「回っている」に見えてしまうこと。
回っているように見えるから、助けが入りにくい。
それで、また一人で抱える。
このループが、気力も体力も削っていきます。

「夫婦だけの時は平気だった」子育てで見えてきた“家族の新しい課題”

Mさんが印象的に話していたのは、
「夫婦だけの時は問題がなかった」という点でした。

つまり、夫婦仲が最初から悪かったわけじゃない。
子育てという新しい局面で、今まで見えにくかった“課題”が表に出てきた、ということ。

子どもの特性が強く出るタイミング。
親側の疲れが溜まっているタイミング。
夫の仕事の忙しさや余裕のなさ。
そういう条件が重なると、ちょっとした言葉や対応が、家の空気を一気に変えてしまいます。

息子さんは「強い口調=怖い」と感じやすい。
夫は「止めないといけない」と焦りやすい。
Mさんは「間に入って守らなきゃ」と背負いやすい。
それぞれが、それぞれの立場で必死。
でも必死さが噛み合わないと、関係がギクシャクしていく。

ここで大事なのは、「誰が悪い」で片づけないこと。
悪者探しをすると、家庭はもっと苦しくなる。
まずは、何が起きているかを整理して、家の中に“安心の形”を作っていく。
Mさんの事例は、まさにそのスタート地点のお話です。

「私のせい?」と抱え込み続けて、心と体が先に悲鳴を上げた

Mさんが一番しんどかったのは、派手な出来事というより「毎日の積み重ね」でした。
息子さんの癇癪が起きるたびに、夫の口調が強くなり、空気がピリつく。
そのたびにMさんは間に入って、場を収めて、あと片づけをして、次の不安に備える。

落ち着いたと思ったら、また同じことが起きる。
「今日は何も起きませんように」と願うほど、逆に怖くなる。
夜中に目が覚めて、頭の中で会話を反芻して、気づいたら涙が出ている。
それでも朝になれば、いつも通りに動かなきゃいけない。

しかもMさんは、夫を責めたいわけじゃなかったんです。
夫も疲れているし、息子さんのことを思っているのも分かる。
だからこそ、「私がうまく間に入れば」「私が伝え方を変えれば」と、自分の工夫で何とかしようとしていました。

でも、家庭が回るほど、Mさんの負担だけが増えていく。
「同じ親なのに、私だけが責任を背負っている気がする」
この感覚が強くなったとき、Mさんの中で“限界のサイン”がはっきり出始めていました。

夜中に目が覚める、涙が出る…「頑張りすぎ」のサインは静かに出る

Mさんの体は、かなり早い段階からサインを出していました。
夜中に目が覚める。
些細なことで涙が出る。
息子さんの癇癪が始まると、体が固まるような恐怖を感じる。

これって、気合いでどうこうできる話じゃないんですよね。
頭では「大丈夫」と思おうとしても、体は正直で、危険を察知すると勝手に反応してしまう。
特に家庭の中で緊張が続くと、「いつ始まるか分からない」こと自体がストレスになります。

さらにしんどいのは、周りから見えにくいこと。
外では普通に笑えるし、やることもこなせてしまう。
でも家に帰ると、気が抜けてドッと疲れが来る。
だから「自分でも深刻さに気づきにくい」まま、限界が近づいていくことがあります。

Mさんもまさにそんな感じでした。
「私が弱いのかな」と自分を責めそうになるけど、そうじゃない。
ずっと警戒モードで走り続けたら、誰だって消耗します。

こういうときは、まず“体の反応”を味方にします。
「最近眠れてない」「涙が出る」「怖さが強い」
これは心の甘えじゃなくて、メンテナンスが必要だよっていう通知みたいなもの。
通知を無視し続けると、スマホが落ちるみたいに、心身も動けなくなってしまうんです。

「私の伝え方が悪いのかな」自分責めが止まらなくなる仕組み

Mさんの頭の中で繰り返されていた言葉は、
「私の伝え方が悪いのかな」
「私が頑張って間に入ればうまくいく?」
でした。

この思考って、優しさと責任感が強い人ほどハマりやすいです。
相手を変えるのは難しいから、まず自分を変えようとする。
家族が大事だから、衝突を避けるために自分が努力する。
一見、すごく立派に見えるし、実際これで一時的に落ち着くこともある。

でも、落とし穴があります。
「頑張れば回る」状態になると、周りも(そして自分も)“頑張る前提”に慣れてしまうんです。
すると、頑張っても報われない瞬間が出てきたとき、矛先が自分に向く。
「まだ足りないのかな」「もっと工夫しなきゃ」と、努力が終わらなくなる。

さらに、家庭の問題って「正解が一つ」じゃないことが多い。
子どもの特性も、その日の体調も、親の余裕も、毎日違う。
だから、完璧にコントロールするのはそもそも無理なんです。

Mさんは、夫を変えたいというより、家の空気を守りたかった。
でも守ろうとするほど、背負うものが増えていった。
このとき大事なのは、自分責めを止めるために“現実の条件”を見ることです。

忙しい夫、強い刺激に反発しやすい息子さん、調整役が固定化している家庭の動線。
この条件で毎日やっていたら、しんどくなるのは自然。
「私のせい」じゃなくて、「構造がきつい」んです。
ここに気づけるだけで、心の消耗が少し減ります。

夫は納得している“はず”なのに変わらない…その虚しさが孤独を深くする

Mさんは、夫に何度も伝えていました。
「穏やかに、冷静に接してほしい」
夫もその場では納得しているように見える。
でも実際は、同じ場面になると変化がない。

この「分かってくれたと思ったのに戻る」感じ、めちゃくちゃ疲れます。
期待した分だけ落ちるし、希望を持つのが怖くなる。
そして次第に、話し合うこと自体がしんどくなっていく。

さらに、息子さんは父を避けるようになって、母であるMさんにだけ甘えるようになる。
そうなるとMさんは、息子さんの安心の“受け皿”になり続けることになります。
かわいいし守りたい。
でも、ずっと抱え続けると、息ができない瞬間が増えてくる。

ここでよく起きるのが、「孤独の固定化」です。
夫は仕事で忙しい。
子育ての中心は母。
息子さんの気持ちは母に集中。
家の中で、母だけが“常に誰かの感情を受け止める役”になりやすい。

Mさんの「同じ親なのに私だけ…」は、単なる愚痴じゃなくて、状況を正確に言い当てた言葉でした。
この段階で必要なのは、相手を責めることよりも、まず母が一人で抱えない形に“配置換え”していくことです。

たとえば、癇癪が起きそうな場面で「別室に移動→落ち着いてから合流」みたいに、衝突を減らす動線を決める。
夫へは“やり方”を指示するより、“いま起きている事実”を短く伝える。
そして何より、母が常に仲裁に入らなくても回る場面を少しずつ増やす。

「夫と息子の関係は、すぐに変わらない」
それでも、母が背負う量が減れば、家の空気はちゃんと軽くなっていきます。

「誰が悪いか」探しをやめて、“家の回し方”を整える方向に切り替えた

しんどさがピークに近づくと、どうしても頭の中は「夫が変わってくれたら」「私がもっと頑張れたら」という二択になりがちです。
でもMさんの話を丁寧に追っていくと、どちらも“詰みやすい道”でした。

夫はその場では納得しても、いざという時に強い口調が出やすい。
息子さんは強い刺激に反発しやすく、癇癪がエスカレートしやすい。
そしてMさんは間に入って場を収めることができるからこそ、背負い役が固定化していく。

ここで大きかったのは、「誰かの性格が悪い」ではなく、家庭の中の“流れ”がしんどさを増幅させている、と整理できたことでした。
子どもの困りごとは「事実」。
でもそれを誰が、どんな役割で支えるかは「仕組み」の話。
仕組みは、変えられます。

Mさんは、夫を責める方向ではなく、まず自分が潰れないために“回し方”を整えることを選びました。
その切り替えが、家の空気を少しずつ変えていく転機になりました。

「子どもの困りごと」と「夫婦の役割」を分けて考えると、気持ちが軽くなる

子どもの癇癪や集団生活のつまずきって、親の心を揺さぶります。
「このままで大丈夫かな」
「周りに迷惑をかけたらどうしよう」
そう思うほど、家庭の中でも“なんとかしなきゃ”が強くなる。

でも、ここで混ざりやすいのが、
子どもの困りごと(事実)

夫婦の役割(担当や分担)
です。

Mさんの場合、息子さんの癇癪が起きるたびに、夫の強い口調と衝突しやすくなる。
そこでMさんが仲裁に入り、場を収め、息子さんのケアも背負う。
結果として「子どもの困りごと」まで、全部Mさんの責任みたいになっていきました。

でも本当は、子どもの困りごとがあること自体は、誰かのせいじゃない。
そして、困りごとへの対応を“母が一人で背負う”必要もない。
この二つを分けて考えるだけで、「私が悪いのかな」がかなり減ります。

例えば、息子さんが不安定になりやすい時間帯や場面を把握する。
そこに合わせて、家庭の動線や声かけのルールを決める。
これは“子どものため”でもあるし、“夫婦の役割整理”でもある。

「子どもの特性を理解する」ことと、「家の中で誰が何を担うか」を切り離す。
この考え方が入ると、話し合いもケンカになりにくいし、何よりMさんの心が少し休めるようになります。

夫に伝えるのは“やり方”より“事実”——揉めにくい話し方に変えていく

Mさんが試していったことの一つが、夫への伝え方の方向転換でした。
ポイントは、「こうしてほしい(やり方)」を押し出しすぎないこと。

もちろん、理想はあります。
穏やかに接してほしい。
強い口調はやめてほしい。
でも、それを真正面から言うほど、相手は“否定された”と感じやすい。
特に余裕がない時は、「責められてる」に変換されやすいんですよね。

そこでMさんは、事実を短く、具体的に伝える形に寄せていきました。
たとえば、
「強い口調になると、息子は反発して癇癪が大きくなることが多い」
「落ち着いている時は話が通りやすい」
みたいに、評価や正しさではなく、“起きている現象”を共有する。

これだと夫も、「俺が悪いのか」ではなく「そういう傾向があるのか」に意識を向けやすくなります。
相手のプライドを潰さずに、情報として渡すイメージです。

もう一つ大事なのは、長い説明をしないこと。
しんどい状況ほど、こっちも必死で「分かってよ!」って言いたくなる。
でも長い説明は、相手が受け取る前に疲れます。

短く、具体的に、事実を渡す。
そして、結論を急がずに“同じ情報を何度か置く”。
これができると、話し合いが少しずつ現実的になっていきます。

癇癪が起きそうな時は「別室→落ち着いて合流」“家庭内の避難ルート”を作る

Mさんの家で役に立ったのが、衝突が起きる前提で「動き方」を決めることでした。
ここ、地味なんだけどめちゃくちゃ効きます。

癇癪って、起きてから止めようとすると大変です。
しかも夫が強い口調になると、息子さんは反発して大きくなりやすい。
Mさんは恐怖も感じていたので、なおさら“起きる前に逃げ道を作る”のが大事でした。

そこで作ったのが、家庭内の避難ルートみたいなもの。
「不安定になりそうだな」と感じたら、母子で別室へ移動する。
落ち着いてから合流する。
夫にはその間、追いかけて叱らない(これも“ルール”というより“動き方”として共有する)。

これって、夫を排除するためじゃないんです。
目的は、衝突の回数を減らして、家庭の安全度を上げること。
息子さんが安心できる時間を増やすこと。
そして何より、Mさんが仲裁で消耗しないこと。

「逃げるのは甘やかし?」と思う人もいるけど、違います。
落ち着く場所に移動して、気持ちを整えてから戻る。
これは、むしろ切り替えの練習にもなるし、親側も冷静さを取り戻せます。

大事なのは、完璧にやろうとしないこと。
最初はうまくいかなくてもOK。
「今日一回でも衝突が減ったら十分」くらいの感覚で、少しずつ型を作っていく。
そうすると家の空気が、“いつ爆発するか分からない”から、“落ち着く道筋がある”へ変わっていきます。

「私のせいじゃなかった」そう思えた日から、家の空気が少しラクになった

仕組みを整え始めても、家庭っていきなり別世界みたいに変わるわけじゃないです。
夫の口調が強くなる日もあるし、息子さんの癇癪がゼロになることもない。
Mさん自身も、疲れている日はうまく動けないことがある。

それでも、Mさんの中で大きく変わったのは「自分の責任にしない」方向へ戻ってこられるようになったことでした。
以前は、何か起きるたびに「私の伝え方が悪いのかな」「私が頑張らなきゃ」と、全部を背負うクセが強く出ていました。
でも今は、起きた出来事を“事実”として見て、次の一手を落ち着いて選びやすくなった。

そして、ふとした瞬間に出てきた言葉がありました。
「私のせいじゃなかった」
「私はもう十分やっている」
この言葉って、開き直りじゃなくて、回復のスタートなんですよね。

母親が自分を責めるのをやめたとき、家庭の中の緊張は少しだけほどけます。
その“少し”が積み重なると、家はちゃんとラクになっていく。
Mさんの事例は、その変化が始まったところまでのお話です。

夫と息子の関係はすぐ変わらなくても、「母が潰れない形」は先に作れる

正直なところ、Mさんの家でも「夫と息子の関係が一気に良くなった!」みたいな展開ではありません。
親子の距離感って、積み重ねでできているので、昨日今日でガラッとは変わりにくいです。

でも、ここで希望があるのは、
“関係の変化”より先に、“母が潰れない形”は作れる
ということ。

例えば、癇癪が起きそうなときの「別室→落ち着いて合流」の流れ。
これは、夫と息子の関係を今すぐ改善させるというより、衝突のダメージを減らす工夫です。
ダメージが減ると、家庭の中の怖さが薄くなる。
怖さが薄くなると、母の余裕が少し戻る。
余裕が戻ると、親子の関わり方にも“選択肢”が生まれる。

この順番が大事なんです。
まず安全度を上げる。
次に回数を減らす。
それから少しずつ、関係の質を上げる。

Mさんも、最初は「これでいいのかな」と揺れていました。
でも、“大爆発が減った”だけで、眠りが少し戻ったり、涙が減ったり、体が軽くなる感覚が出てきた。
この変化は小さく見えるけど、実はかなり大きいです。

家庭の問題って、気合いで解決するというより、設計でラクにするもの。
母が一人で抱える前提をやめるだけで、家はちゃんと持ち直していきます。

「同じ親=同じ負担」じゃなくていい。公平は“分担の形”で作れる

Mさんが抱えていた苦しさの中心にあったのは、
「同じ親なのに、私だけが責任を背負っている気がする」
という感覚でした。

これ、すごくリアルな悩みです。
特に、夫が忙しくて関わる時間が少ない家庭ほど、母に負担が偏りやすい。
そして偏るほど、母の中に「不公平」が溜まっていく。

ただ、ここで誤解されやすいのが、
公平=50:50
じゃない、ということです。

仕事の状況も、得意不得意も、余裕の量も違う。
だから、時間や量で完全に揃えるのは難しい。
でも、“家庭が回る形”としての公平は作れます。

例えば、夫が短時間しか関われないなら、
その短時間で衝突が起きにくい動き方を共有する。
癇癪が起きたら追い詰めるより距離を取る、など“地雷を踏まないルール”を揃える。
母が常に仲裁に入らなくてもいい場面を増やす。

こういう「設計の分担」は、時間が少なくても参加できます。
そして、参加できる形にすると、母の心に溜まっていた不公平感が少しずつ薄れていきます。

Mさんも、夫に“やり方の指示”ではなく“事実の共有”を増やしながら、
「この家を回すためのチーム」みたいな感覚を取り戻していきました。

同じ親でも、同じ負担じゃなくていい。
でも、母だけが抱えない形にはできる。
この視点が入ると、家の中の息苦しさがかなり変わります。

読者のあなたへ:限界なのは弱いからじゃなくて、ずっと頑張ってきたから

もしあなたが今、
「同じ親なのに私だけがしんどい」
「家の空気がピリピリして怖い」
「子どもが荒れると体が固まる」
そんな状態なら、まず伝えたいのはこれです。

あなたが限界なのは、弱いからじゃない。
ずっと頑張ってきたからです。

子どもに特性があると、毎日が予測不能になりやすい。
夫婦の温度差があると、家庭の中で孤独になりやすい。
その中で調整役を続けていたら、しんどくなるのは当たり前です。

そして、ここも大事なんですが、
「誰かを悪者にしないと整理できない」状態になっているときほど、心は疲れ切っています。
責めたい気持ちが出るのも自然。
でも、責め続けると自分の心がさらに削れてしまう。

だからおすすめは、いきなり完璧を目指さないこと。
まずは一つだけ、“母が潰れないための工夫”を入れる。
・癇癪が起きそうなら別室に移動する
・夫にはやり方より事実を短く伝える
・仲裁を毎回しないで済む場面を作る
どれか一つでOKです。

家庭って、「一気に良くする」より「崩れない形にする」が先。
崩れなくなってきたら、次の一手が見えてきます。

Mさんのように、
「私のせいじゃなかった」
「私はもう十分やっている」
そう思える瞬間は、ちゃんとやってきます。
その一歩を、どうか一人で抱え込まないでくださいね。

読者へのメッセージ

読者のあなたへ。

もし今、
「同じ親なのに、私だけがしんどい」
「家の空気がピリついて、いつ爆発するか怖い」
「子どもが荒れそうになると、体が固まる」
そんな感覚があるなら、それはあなたが弱いからじゃありません。

ずっと頑張ってきたから、心と体が先に限界を教えてくれているだけです。

家族のことって、誰かを悪者にして終わらせたい話じゃないですよね。
本当は、安心できる家にしたい。
子どもにも夫にも、自分にも、少しでもラクな居場所を作りたい。
その気持ちが強い人ほど、調整役を抱え込みやすくなります。

でも、全部を背負わなくて大丈夫です。
家庭の問題は「気合い」ではなく「回し方」で軽くなることが多いです。
一気に変えようとしなくても、
衝突が起きにくい動線を作る、
伝え方を“責め”から“事実”に寄せる、
仲裁を毎回しなくていい場面を増やす。
こういう小さな設計で、家の空気は少しずつ変わっていきます。

ただ、頭では分かっていても、実際は一人で整理するのが一番むずかしい。
「私のせいかも」が強いほど、思考は狭くなってしまうからです。

もし今、言葉にならないモヤモヤがあるなら、傾聴ラウンジ「ここより」で一度そのまま話してみてください。
結論を急がず、否定もせず、まずは今のしんどさをそのまま受け止めながら、何が負担になっているのかを一緒にほどいていけます。

「ちゃんと話せない」「うまく説明できない」でも大丈夫。
まとまっていない気持ちほど、声に出したときに整理が始まります。

あなたが限界なのは、弱いからではなく、ずっと踏ん張ってきたから。
その頑張りを、一人で抱え続けなくていいですよ。

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