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自殺についてカウンセラーとして思うこと

自殺についてカウンセラーとして思うこと

ご訪問ありがとうございます。
リ・ハート代表カウンセラーの佐藤です。

今回は「自殺についてカウンセラーとして思うこと」というテーマでお話していきたいと思います。

ここ数日の間で芸能界で渡辺裕之さん、上島竜兵さんという有名な方が自殺とみられる状況の中で亡くなられました。ご冥福をお祈り致します。

個人的には上島竜兵さんはダチョウ倶楽部として子供の頃テレビで見ることが多い芸人でしたので、ショックを受けたと言いますか、過去の様々なシーンがフィードバックしてきました。

実際に芸能人の死によって多くのことを感じ、メンタルが不安定になるケースも少なくありません。そういったカウンセリングを行ったこともあります。

ここでは、特定のケースではなく一般的に自殺をする人、そして自殺した人の周りの人がどのような想いを持っていたのか、持つのかをカウンセラーの目線で解説していきたいと思いますので、興味のある人は最後までお付き合いください。

投稿者プロフィール

佐藤 公俊
佐藤 公俊心理カウンセラー
【経歴】
・キャリアカウンセラー15年
・心理カウンセラー10年
※相談件数10,000件以上

【主な相談内容】
1.ストレス管理とメンタルケア
・日々のストレスやプレッシャーにどう対応すれば良いか。
・仕事や家庭でのストレス解消法。

2.自己理解と自己成長
・自己肯定感を高めたい。
・自分の強みや価値観を明確にしたい。

3.人間関係の悩み
・職場や家庭でのコミュニケーションの改善。
・対人関係における不安や緊張感への対処法。

4.不安や恐怖の克服
・予期不安や強い緊張感に悩んでいる。
・パニック障害や全般性不安障害のケア。

5.うつ症状や気分の浮き沈み
・やる気が出ない、気分が落ち込みがち。
・抑うつ状態から抜け出したい。

6.人生の転機や変化への対応
・キャリアチェンジや子育てなど、ライフイベントへの適応。
・新しい環境への不安や戸惑い。

7.恋愛や夫婦関係の悩み
・パートナーシップの問題解決。
・自分の感情や価値観をどう伝えるべきか。

8.自己批判やネガティブ思考の改善
・自分を責めすぎる傾向を変えたい。
・過去のトラウマや後悔にとらわれず前向きに生きる方法。

9.家族関係や親子間の問題
・子育ての悩み。
・親や家族との関係性の見直し。

10.生きる意味や自己実現の探求
・人生の目的を再確認したい。
・自分らしい生き方を見つけるサポート。

【アプローチ方法】
1.傾聴を重視したカウンセリング
・クライアントの気持ちや考えを尊重し、安心して話せる場を提供します。
・言葉だけでなく表情や態度も大切に、深いレベルで共感することを心がけています。

2.クライアント中心療法
・クライアント自身の中にある解決の糸口を引き出すサポートを行います。
・「どうしたいか」「何を感じているか」を一緒に探るプロセスを大切にします。

3.認知行動療法(CBT)
・ネガティブな思考や行動パターンを明確にし、それを建設的なものに変えるお手伝いをします。
・小さな行動目標を設定し、実際の生活に役立つ具体的な変化を目指します。

4.ナラティブセラピー
・クライアント自身のストーリーを紡ぎ直し、ポジティブな視点で捉え直すプロセスを支援します。
・過去の経験を成長や学びとして活用する力を引き出します。

5.対話を通じた柔軟なサポート
・一人ひとりのニーズに合わせて柔軟にアプローチを変えます。
・言葉だけでなく非言語的な表現(声のトーンや間合い、表情やしぐさなど)にも焦点を当てる場合があります。

目次

1.自殺は衝動的なケースが多い

自殺された人のご家族の話の中で多いのが、どうして気づいてあげることができなかったのか、という後悔の念です。確かに自殺しようと思っているのであれば、何かしらの兆候、シグナルがあったのではないかと考えてしまいます。

しかし、実際には「今思えば」という程度の弱いシグナルしかなかった可能性が高いです。

・ちょっと元気がない
・ぼーっとしていることが増えた
・感情の起伏が激しくなった
・今まで言われたことがない言葉(感謝など)を言われた

など、いつもとはちょっと違うといったくらいの、自殺を考えているとは思ってもみない程度のシグナルしか発していなかったのではないでしょうか。自殺した本人も弱いシグナルを発している段階では、自殺することを決めていたわけではありません。頭の片隅にはあったかもしれませんが。

そして、過去を振り返り現在を見つめ直し未来を見据えた時に、「ここで人生を終えたい」という衝動にかられ行動に移してしまった、もしかすると自殺した本人も自殺して亡くなったことに気づいていないかもしれません。

自殺するくらいまで思い悩んでいたのであれば・・・、というケースもありますが、明確な自殺に直結する出来事がない限り、本人ですらそこまで思い悩んでいることに気づいていなかったかもしれないのです。

2.周りの人(家族)の心情

家族の中で自殺した人が出た場合、残された家族は思い思いの後悔の念に駆られます。あの時自殺を考えていたのではないか、もっと声をかけてあげたら良かった、話を聞いてあげたら良かったとずっと思い続けます。そして、このことには答えがありません。頭の中でずっとグルグルと堂々巡りし続けます。その中でメンタルに不調をきたしてしまうケースも少なくありません。

上記でも述べたように、自殺される人の多くは自殺することをずっと考えて考えて考え抜いて実行するわけではなく、最終的には衝動的に行っているケースが多いです。メンタルの不調から回復してきたと思った矢先に、といったようなケースも耳にします。

もちろん、自殺に繋がりうる大きな出来事があった場合は、その後にできる限りのケアをすることが大切ですが、そうでない場合は分かりません。

「今思えば」というのは、自殺したという結果を踏まえて振り返ると見えてくるシグナルがあるというだけで、少なくとも自殺するかもという見方をしていなければ、そのシグナルは見えないものだったのです。

自殺を考えている人も当然辛い思いをされていますが、残された家族、特に同居している家族は、残りの人生をずっと後悔し続けて生きていくことになるかもしれません。皆がこのことを考える時間を持つ必要があると思います。

3.時間の経過とともに

リ・ハートの電話カウンセリング

今回取り上げた方以外でも、有名人の死、その中でも自殺は多くの人に影響を与えます。芸能人の場合、テレビで〇〇さんから元気をもらっていた、仕事が辛い時でも〇〇さんを見ることで癒やされていた、など芸能人を見ることで日常の辛い出来事を乗り越えてきたという人もいるでしょう。

そういった人の心にも大きな穴が空いてしまっていると思います。今は驚きやショックが大きいですが、実際に現実として受け止めることができると、そこから喪失感が生まれます。メンタルが不安定になる人もいると思います。

そういったことが起きた場合は、早めにカウンセリングなどを受けることをお勧めします。カウンセリングの中で、芸能人の死を消化し受け入れること、そしてこれから先どうしていくかを一緒に考えていく中で、日常に戻ることができます。

また、最も大切なことは時間の経過です。時間の経過とともに自分の中でも少しずつ消化できるようになります。サポートとしてカウンセリングがありますので、自分で消化しきれない場合はカウンセリングを利用しながら、ゆっくりと時間をかけて前に進むようにしてみてください。

本当のことは分からない、その中で自分なりに消化していくことが大切です。亡くなられた方のご冥福を祈りながら、カウンセラーとしてメンタルケアをしていく所存です。

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