プロカウンセラーに必要な3つの資質
ご訪問ありがとうございます。
リ・ハート代表カウンセラーの佐藤です。
今回はプロカウンセラーに必要な3つの資質についてお話したいと思います。
カウンセラーを目指す人の背景はいろいろですが、自分自身が精神的に参ってしまった経験がある人が多いように思います。心の問題の重要性を知っている人がカウンセラーを目指す、と考えると合点がいきます。
心のケアが大切なことであると気づき、同じように心の問題を抱える人の力になりたいというのは大変素晴らしい考え方だと思います。しかし、その中でプロのカウンセラーとして活動する際に大切な資質が抜け落ちている場合があります。
様々な視点から詳しく解説していきます。
投稿者プロフィール

- 心理カウンセラー
-
【経歴】
・キャリアカウンセラー15年
・心理カウンセラー10年
※相談件数10,000件以上
【主な相談内容】
・うつ病、パニック障害などの精神疾患との向き合い方
・周りの人には言えない恋愛相談
・仕事が長続きしない、キャリア形成に悩んでいる
・人間関係が上手くいかない
【アプローチ】
まずは話したいこと、聴いてほしいこと、頭に浮かんだことを自由にお話ください。どんな話でも否定しませんので、安心してありのままをお話くださいね。あなたの話を受け止めた上で、心の声をキャッチし一緒に向き合い、フィードバックしていきます。
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目次
1.自分自身に対して客観視することができる
プロカウンセラーに必要な資質の中で、これが最も抜け落ちていることが多いです。どういうことかというと、上記で書いた志望動機なら良いのですが、次のような志望動機でカウンセラーを目指す人は、自分自身に対して客観視することができていない場合が多いです。
「自分自身が心の問題を乗り越えた経験を活かして、同じように心の問題を抱えている人を救いたい。」
上記との大きな違いは「救いたい」と「力になりたい」です。カウンセラーはサポート役であって医師とは違って治療や手術をして病気を治すわけではありません。ご相談者様が心の問題に立ち向かうサポートをするのです。
カウンセラーがご相談者様を救うのではなく、ご相談者様が自分自身で問題を解決していく、その横にカウンセラーが寄り添っている、そういったイメージです。
このようなポジションでカウンセリングを行うためには、客観的視点で全てのことを見る、感じることができる必要があります。その中で最も難しいのが、自分自身を客観視することです。
カウンセリングの中では「共感する」ことが大切と言われていますよね。「客観視」して「共感」するとどうなるでしょうか?相手の気持ちに対してのみ「あなたはそう感じたのですね」と共感することができます。これが最も大切なことです。
もしカウンセラーが「主観的に共感」してしまうとどうなるでしょうか?「主観的に共感」は、カウンセラーがご相談者様と同じような体験をしたことがあった場合に起きやすいです。この場合、カウンセラーが全てに対して共感してしまい、自分のこととして捉え、カウンセラーがどのように乗り越えてきたかをアドバイスしてしまいます。
もちろん、そのアドバイスが的確な場合もありますが、これはカウンセリングではなく人生相談です。また、同じような体験をしていても、カウンセラーとご相談者様が同じ気持ちになったとは限りません。性格も違うでしょうし、周りの環境なども違っている点があるでしょう。全く同じではないということです。
自分自身の体験を人に伝えたいのであれば、講演会や本の出版が適しています。また、カウンセリングではなくて人生相談を求めている人に対してお話をすると良いでしょう。
主観的が悪いわけではなく、プロカウンセラーに必要な資質は客観的視点、ということです。
2.自分自身をよく知っていること
プロカウンセラーに大切な資質の2つ目は、自分自身を知っていること、そして自分自身を過大評価も過小評価もしないことです。
職種によっては自分を演じなくてはいけないケースもありますよね。例えばクライエントとの商談の時に見栄を張ったり、ワイワイするのは苦手なのに宴会部長をしたり。これは職場や仕事の中で求められているに応えるためにやっているのです。
カウンセラーもご相談者様から「先生」と言われ持ち上げられたりすることがあります。この時に気分を良くしより良いカウンセリング技術を見せよう、などと思ってしまうと失敗します。
プロカウンセラーは少なくともカウンセリングを行っている時は、自分にできることをそのまま行うことが大切になってきます。ご相談者様の調子に合わせて気持ちに波が出てしまうと、カウンセリングになりません。
自分自身をよく知っていることで、よく知っている自分自身以外を出さないことができます。上記で述べた自分自身を客観視することができる資質があって、初めて生まれる資質と言えるでしょう。
3.心のケアに対して成功体験(と思えるもの)を持っていること
心の問題は目に見えないものです。目に見えないものに取り組む際に最も大切なのは自信です。目に見えないものは上手くいっているかいっていないかも分かりません。見えませんから。
となると、自分自身が自信を持って最後までやり通すしかないですよね。自信がないと、カウンセリング中にちょっと上手くいかないことがあった時に、先に進められずに中断してしまったりします。
プロカウンセラーになるためには経験が必要、というのはこういったこともあります。自信をつけるためにはまずは場数を踏むことです。
しかし、場数を踏めば良いというわけではありません。100の経験よりも1の成功体験の方がずっと大きな自信になります。
私の場合はカウンセラーとして場数を踏まずに独立をしました。なぜそれができたかというと、カウンセラーとしての場数は踏んでいませんでしたが、看護師の転職支援のコンサルタントとして看護師と接する中で、成功体験を持つことができました。カウンセラーとしてでなくても、心のケアの部分での成功体験であれば、十分自信になります。
こういった心のケアに対しての成功体験は、プライベートでも得ることができます。カウンセラーとしての経験のみで考えるとハードルが高いですが、プライベートや他の仕事も含めて考えるとそれ程ハードルは高くありません。
そして、成功体験を得るためには「成功体験を感じ取るハート」が必要になります。成功体験を持っていることというよりも、「成功体験を感じ取るハート」の方がプロカウンセラーに必要な資質かもしれませんね。
まとめ
プロカウンセラーに必要な3つの資質について説明してきましたが、いかがでしたか?カウンセラーになるためには絶対必要な資格もありませんし、誰でもなれないことはない職業です。
ただし、カウンセラーの仕事が天職と思える人はごく僅かではないでしょうか?人間は自分主体で物事を考え、話し、行動します。カウンセラーの仕事には、自分主体、主観を手放さなくてはいけません。
そして、ありのままの自分でいることも、自分をよく見せたいという欲求を手放さなくてはいけません。心のケアの成功体験も、「成功体験を感じ取るハート」を持っていないとなかなか得られません。
こうやって書いていくと、プロカウンセラーになるためには煩悩、人間の欲求を捨てないとダメなのか、となってしまいますよね。プロカウンセラーというのは自分がメインではなく自分がサブという感覚が必要なのかもしれません。
そう考えると、個人で独立して活動するプロカウンセラーが少ないのも仕方ないことなのかもしれません。私もバランス感覚をしっかりと持ってカウンセリングと経営を行っていきたいと思います。