カウンセラーの中には、自分自身が辛い経験をしたことを前面に押し出している方がいます。これはなぜかというと、分かってもらえているという安心感を与えやすくするためです。
同じように苦しんだ経験があるカウンセラーであれば、私の気持ちを分かってもらえるだろう、ということですね。
しかし、実際にはあまり関係ありません。逆に分かってもらえるはず、という気持ちが強くなる分、自分自身で分かってもらえていると感じる基準を上げてしまう傾向があります。
それに、同じように苦しんだ経験をしているといっても、全く同じ経験をしたわけではないですし、仮に同じだと思える経験でも、その時の状況や環境の違いなども加わり、感じたことは全く違ったものになっています。
では、どういったこと分かってもらえていると感じる安心感を与えるかというと、やはり聴き方ですね。しっかりと話を聴いていますよ、というシグナルを出しながら話を聴きます。
そして、聴いてもらえていると感じると、どんどん心の奥底までを話すようになります。そして、無意識の領域にまで踏み込んで話すことができると、スッキリとした気持ちになります。
これがカウンセリングの流れです。同じような経験をしている人を探すというより、自分の話をしっかりと聴いてくれそうなカウンセラーを探すことが大切です。